免責事項
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XINHS XINHS-002の概要
こんな人におすすめ
- 解像度重視
基本スペック
- 周波数特性:15Hz-25kHz
- 感度:105dB
- コネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 奥行き感がある
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚
- 優れた解像度
- 前方定位的
- エッジーなサウンド
短所
- 高域の拡張性に欠ける
- 爽快感に欠ける
- ディテール感が不足気味
- シャウト感が強い
- うるさくなりやすい中域
- 低域の深みに欠ける
XINHS XINHS-002の特徴
パッケージ(7.5)
パッケージは価格帯の標準を満たしています。ケーブルは付属しません。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- (ケーブルなし)
ビルドクオリティ(8.5)
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
XINHS XINHS-002はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
XINHS XINHS-002はV字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:B+
XINHS XINHS-002は重厚感は強いものの、深さでは物足りません。
ドラムキックはインパクトが十分にあり、重さも相当に感じられますが、ランブルは物足りません。
エレキベースも黒さは悪くありませんが、広がりに欠け、浅く引き締まりに欠けた音で聞こえます。
とくに見るべきところのない、安っぽい低域です。
中域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
XINHS XINHS-002の中域はエッジ感がかなり強調されたドライな中域です。全体的に前掲して聞こえ、エレキギターやボーカルの色気がかなり強調されますが、声色は鼻にかかり気味に聞こえるうえ、シャウト感も強めです。
金管なんかはかなり吹き鳴らしが荒く、ギャンギャンして聞こえ、ピアノも妙に角が硬く、アグレッシブになりやすく、快活な感じがあるものの、全体的に中域はうるさく聞くに堪えません。元気の良い女声ボーカルのポップス曲なんて、サビではがなりたてるようにうるさく聞こえやすく、情緒不安定な音に聞こえます。
派手な音が好きなら悪くないかもしれませんが、高域の作りが良くないのでディテールがよくないため、調整不足のスピーカーのように安っぽい感じの音で聞こえやすいので、あんまりおすすめする気にはなりませんね。
解像度は優秀なので、わりと聴きごたえは感じますが、ピーキーで荒っぽい音で私は好きじゃありません。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:A-
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C+
XINHS XINHS-002の高域の作りもあまりよくありません。拡張性はよくなく、精細感も少し物足りない水準です。
ピーク感はほぼないので、音像はかなり滑らかですが、定位感はわかりづらいですね。
定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:D+
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
基本的にがなり立てるように調子はずれでうるさい音で聞こえるのでおすすめしません。
雅楽も同様の理由でおすすめしません。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感: B+
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:B
低域の深さは標準以下で、中域は比較的前面におり、高域の高さは標準より物足りません。
クリア感は価格の水準以上です。
イメージング性能は抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:D-
XINHS XINHS-002はTripowin OlinaやTripowin Meleの兄弟機と思われるイヤホンです。
販売ページに掲載されていた以下の周波数特性から、OlinaやMeleに匹敵するバランスの良いサウンドと解像度を期待していましたが、解像度は確かに良いものの、周波数特性は実際には掲載されていたものとはだいぶ異なっていました。
かなりシャウト感が強くなりやすいピーキーなサウンドのため、おすすめしません。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感がある
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚
- 優れた解像度
- 前方定位的
- エッジーなサウンド
欠点
- 高域の拡張性に欠ける
- 爽快感に欠ける
- ディテール感が不足気味
- シャウト感が強い
- うるさくなりやすい中域
- 低域の深みに欠ける
優れた解像度
エッジーなサウンド
奥行き感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- XINHS XINHS-002
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- XINHS XINHS-002
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- XINHS XINHS-002
総評
XINHS XINHS-002は比較的低価格で買える高解像のインイヤーモニターです。やや癖のあるエッジ感の強いサウンドは万人向きとは言い難いため、あまりおすすめできません。
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