免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにXiaomiから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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Xiaomi Redmi Buds 3 Proの概要
こんな人におすすめ
- スタジオチューニングが好き
- バランスの良い音が好き
- 普段小さめの音量で聞いている
- ANCやヒアスルーが欲しい
- マルチポイント対応機種が欲しい
- 装着感重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:6h/35h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:201-210223
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:6.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 良質なスタジオチューニング
- みずみずしい中域
- 自然な質感
- 透明度が高い
- マイルドな高域
- 自然な倍音
- 原音忠実度が比較的高い
- マルチポイント
- 悪くないANC
短所
- やや薄い低域
- 緩いエッジ感
- 高域の拡張性の不足
- 解像度が物足りない
- 歪みやすい
- イヤホンでコントロールできる機能が少ない
Xiaomi Redmi Buds 3 Proの特徴
- 35dB のアクティブノイズキャンセリング
- 急速充電:10分間の充電で3時間再生可能
- デュアルデバイス同時接続:マルチポイントで複数のシステム対応可能
- ワイヤレス充電:置くだけで充電開始
パッケージ(8.0)
Xiaomi Redmi Buds 3 Proのパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- Xiaomi Redmi Buds 3 Pro本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、標準的か少し良いレベルです。
装着感(9.5)
装着感は良好です。小さな耳でもしっかり収まります。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯ではかなり優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬途切れますが、その後は途切れませんでした。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し、蓋を閉じる |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 多機能ボタンを3回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを3回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを3回タップ |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを長押し |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、Xiaomi Redmi Buds 3 ProのANC性能は価格帯では標準より少し優秀です。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
Redmi Buds 3 ProはSonarworksターゲットに準拠したスタジオチューニング系ニュートラルサウンドで非常にバランスの良い中域がきれいに聞こえる音を聴かせます。
なお、上で示したカプラー測定値では、ANCモードとアンビエントモードで周波数特性が変わらないように思えるかもしれませんが、HATSの測定値では変化しているので、実際はANC時に耳介の影響を受けるようです。興味のある方は有料記事をご覧ください。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないでANCモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B-
低域は非常に直線的でレイヤリングがよく、モニター的です。ただし量的には不足があるので、やや存在感に劣る傾向があります。
ベースの黒みが薄く、ドラムキックももう少し重さとインパクトが欲しいところで、個人的にはあまり面白みを感じません。若干薄味なので中域を邪魔することがないところが好ましいという人もいるでしょう。
中域(10.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:A-
- 存在感:B
中域は前面に出てくる傾向があり、非常にニュートラルに近く、透明度が高く聞こえます。
スタジオチューニング特有の中域がはっきりする硬い明瞭感がありますが、輪郭感はスタジオチューニングの正道より柔らかく、エレキギターエッジが少し丸く、若干もやもやして聞こえます。それでもほとんど自然で気になるところがないですね。
ボーカルもかなり自然ですが、高域の伸びが悪いので、少し息感が悪く、溌剌さに欠ける傾向があります。とはいえ、非常にみずみずしくきれいな中域です。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:C
高域はなめらかで自然にロールオフしていますが、存在感が弱く、輝度が少し足りていないため、鮮明感が悪く聞こえるのがネックです。
ハイハットを聴けば精細に欠け、広がり感が弱く、少し薄味で生き生きとしていないのがすぐに分かります。ただし、これは中域をよく聞かせるため(ついでに言えば歯擦音付近の印象バランスをクロスフィードするトランジェントの少し緩いスピーカーに近づけるため)で、スタジオチューニングとしては正統派の調整です。
高域のバランスは、高域に敏感な人には快適な水準ですが、高域の聴力が衰えている年配の人には全体の音が少し曇るくらい弱いと思われます。かなりなめらかでピークディップがないので、不足を感じるときは多くの場合イコライザーで単純に持ち上げるだけでよく、調整は簡単でしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:B
- 雅楽のテクスチャ:A+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
まずいちばん重要なことですが、どうもRedmiBuds 3 Proは欧州基準(CENELEC規格 EN50332-2)に合わせてあるのか音量制限があるらしく、複数の機器でテストしましたが、送信側で高い音圧を入れてもピンクノイズで100dB未満くらいで頭打ちになります。そこからはボリュームをあげても音圧が上がりません。したがって、フルオーケストラを楽しむのに十分な音圧感を出しづらいところがあります。
また後述するように適正音量より音量を上げるとすぐに歪が大きくなりやすく、普段音量大きめに聞く人はとくにフルオーケストラの鑑賞に向きません。質感は非常に正確なので、もったいないと思うところです。表現は中域中心でダイナミズムに欠けて聞こえるので、音圧の不足もあって、満足なスケール感を出すことが難しそうですね。
雅楽は高域の伸びが少しおとなしいため、抜けが悪く、わずかに和音に甲高さを感じるものの、雰囲気はかなり良いですね。低域が少し浅く深みに欠ける印象があり、全体はやや軽やかです。
音場/クリア感
- 音場:B
- クリア感:B+
- イメージング:B
- 高域:B-
- 中域:B+
- 低域:B-
中域が近く聞こえるスタジオチューニングらしい音場感です。深さと高さはやや物足りないですね。
クリア感は悪くないように思えますが、実際は音量を上げると歪みやすい欠点があります。音量を大きめで聞く人にとってはもうちょっとクリア感は落ちます。
解像度は平凡か少し物足りません。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:B+
私は個人的にSonarworksターゲットを好んでいるので、Redmi Buds 3 Proのサウンドバランスは大変素晴らしく思えるのですが、技術的パフォーマンスで劣るため、最終的にはこれで音楽を聞こうとはあまり思いません。解像度が低く、適正音量以上で歪が出やすいため、音質の全体印象は価格なりか少し物足りないくらいに聞こえてしまいがちです。惜しいですね。
音質的な特徴
美点
- 良質なスタジオチューニング
- みずみずしい中域
- 自然な質感
- 透明度が高い
- マイルドな高域
- 自然な倍音
- 原音忠実度が比較的高い
欠点
- やや薄い低域
- 緩いエッジ感
- 高域の拡張性の不足
- 解像度が物足りない
- 歪みやすい
良質なスタジオチューニング
自然な質感と倍音
透明度が高い
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Redmi Buds 3 Pro
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Redmi Buds 3 Pro
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Redmi Buds 3 Pro
海外レビュー
Xiaomi Redmi Buds 3 Proの海外での評価については以下の記事で紹介しています。
Xiaomiのサブブランド「Redmi」の完全ワイヤレスイヤホン「Redmi Buds 3 Pro」の海外レビューをまとめて紹介します。
総評
Xiaomi Redmi Buds 3 Proは良質なスタジオチューニングサウンドを持ち、中域をしっかり聞かせるバランスの良い機種です。サウンドバランスは価格の水準を超えており、ニュートラルサウンドを好み、自然な質感を愛するオーディオマニア向きの音ですが、総合的な解像度は価格の水準に届いていません。中域はきれいに聞こえるものの、鮮明感や低域の存在感は、多くの人にとって少し物足りないでしょう。また音圧感に限界があるため、普段大音量で音楽を聞いている人には向きません。
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