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urbanista LISBONの概要
こんな人におすすめ
- 響きの豊かな充実感の高いサウンドが好き
- 音場の奥行き感重視
- 装着感重視
- 解像度の高さ重視
- バッテリー持ち重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:9h/27h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:210-162905
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
- 通信品質:7.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- ウォームサウンド
- 充実感が高い
- 奥行き感のある音場
- 重厚感がある
- 響きが豊か
- 調和的
- 高い鮮明感
- 良好な装着感
短所
- ボーカルが埋没的に聞こえやすい
- 深みに欠ける
- 抜けが悪い
- 構築感に欠ける
- 混濁感の出やすい中域
- 分離感が悪い
- 物足りない通信品質
urbanista LISBONの特徴
urbanistaは北欧スウェーデン、ストックホルムを拠点とするオーディオブランドです。若くてファッショナブルなセンスに溢れた都会性の高いデザインで知られており、このブランドは人々の都市での生活をより豊かにするため、楽しさを追求した色彩感覚と快適性を重視したフォルムで、シンプルでありながらもトレンドの最先端を感じさせる洗練されたイヤホン製品を世に送り出してきました。溌剌として先進的なモダニティに溢れたプロダクトコンセプトが魅力です。
urbanista製品はそれぞれ世界的に有名な都市をモチーフにデザインされていますが、今回urbanistaは南欧のパステルカラーが美しいポルトガルの首都、リスボンにインスピレーションを受け、都会的でコンパクトなカラフルイヤホン「urbanista LISBON」をリリースしました。
- カラフルでトレンディ:urbanistaは製品の外観に対して高い情熱を傾けます。優れたコンシューマー製品は使用者が使う喜びを感じられるほど、美しくなければなりません。世界都市リスボンのカラフルな色彩感にインスピレーションを得て、urbanistaはイヤホンに5色の鮮やかな装いを施しました。
- ロングバッテリー:urbanista LISBONはコンパクトサイズでありながら、長距離旅行者の使用も満足させる9時間のロングバッテリーライフを実現しています。
- 快適なフィット:インナーイヤー型で通気性の良いのも魅力ですが、urbanista LISBONには専用の脱着可能なGoFit Wingが付属しています。このシリコン上のウィングによって、スポーツや長時間着用時に耳元からイヤホンを脱落するのを防ぐことができます。コンパクトサイズのイヤホンは小さな耳の女性でも快適にフィットするよう設計されており、せわしないアーバンライフの中でも耳元にいつも音楽のくつろぎを与えます。
ストックホルム発のファッショナブルオーディオブランドが放つコンパクト完全ワイヤレスイヤホン「urbanista LISBON」登場。音響設計はかのアクセル・グレル氏が担当
urbanista製品はそれぞれ世界的に有名な都市をモチーフにデザインされていますが、今回urbanistaは南欧のパステルカラーが美しいポルトガルの首都、リスボンにインスピレーションを受け、都会的でコンパクトなカラフルイヤホン「urbanista LISBON」をリリースしました。
紹介動画
公式プロモーション動画
パッケージ(8.5)
urbanista LISBONのパッケージは全体として標準以上で、価格に十分見合っています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。パッケージには以下のものが含まれています。
- urbanista LISBON本体
- 充電用ケーブル
- 説明書
ビルドクオリティ(8.0)
本体のビルドクオリティは価格の標準を満たしています。プラスチッキーですが、ケースの蓋がぐらつくことはありません。
装着感(9.0)
いわゆるインナーイヤー型で通気性がよく、装着感は快適です。しかもよく耳に収まる形をしています。小さな耳の人でも問題なく使えるでしょう。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。少し接続品質は標準より弱いかもしれませんね。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性はまあまあで、5mくらい離れるとわずかに音飛びがでたりします。遮蔽物を挟むと音楽が途切れてしまいました。それでも接続は維持され、音楽再生は継続されますが、飛び飛びでほとんど聞こえません。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する また5分以上接続先がない場合、自動で電源OFF |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納 ②両方のイヤホンをケースに収め、ケースのリセットボタンを10秒長押し ③LEDが点滅したらリセット完了 |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタン を1回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを2秒長押し |
ボイスアシスタント起動 | 左耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
音質解説
urbanista LISBONは長年SENNHEISERのサウンドチューニングに携わったことで有名なアクセル・グレル氏がチューニングを担当したと言いますが、サウンドシグネチャーはたしかにSENNHEISERが好みそうな充実感重視でステージングを強調するサウンドです。
奥行き感のある音場表現で音楽をゆったりと聴かせますが、鮮明感も高くなるよう調整されているので、解像感も悪くありません。一聴した印象はかなり良かったですが、高域と低域の両面で拡張性が足りないところがあるので、長く聴いていると欠点が見えてきます。中高域が少し張り出しがちになるので、中域も少し窮屈に聞こえやすいですね。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:B-
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:A-
- 存在感:B+
一般にインナーイヤー型に低域の深さは期待できません。LISBONは質的な不足を量的に補っており、音の太さが強調されたサウンドになっています。
力感があり、パワフルな低域で力強く、ドラムキックはかなりどっしりとしていて重厚ですが、ベースは浅いので、やや腰高気味ですね。とはいえ、厚みがあり、ブリブリしたあたりが強調されて聞こえるので、躍動的で生きの良い音に聞こえます。
ブーム感が少し強いわりに意外とキックのキレは悪くありませんが、深みがないので、パンチが強い割に音に衝撃感がないところがあります。腹に応える感じではありません。
中域(9.5)
- 原音忠実度:C
- 厚み:A+
- 明るさ:A
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は奥行き感を強調する構造になっています。
SENNHEISERにありがちな、充実感を強調する豊かなサウンドで中域はゆったりと雄大です。ボーカルは響きの強い中で聞こえるので、楽器音に包まれている雰囲気があり、音楽に調和的な雰囲気があります。アコースティックな曲は温かみと響き合うような豊かなサウンド表現を味わえますが、デジタルで情報量の多い曲は中域で音が混濁し、うるさくなりがちなところがあります。
音像はぼやけやすい傾向があり、ボーカルは軸がやや弱く、少し子音が楽器音に埋没しがちで、ときどきはっきりしないと思うかもしれません。鮮明感は強いため、解像感は悪くありませんが、ステージングを強調しているにも関わらず、分離感はあまりよくないように思うことがあります。
たとえばMYTH&ROID「L.L.L.」はボーカル周辺に音が集まって聞こえやすく、中域が窮屈に聞こえます。全体像が捉えやすいと肯定的に解釈することもできますが、個人的にはごちゃごちゃ整理されていない感じで聞こえます。クランチ感の不足によって音楽の骨組みが弱く、立体感の提示力に弱いのも足を引っ張っています。
高域と低域の両方で拡張性の不足があるため、音楽は全体的に横長に聞こえやすく、パノラマ的です。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D+
- 存在感:C
鮮明感を重視した味付けになっています。
個人的には中高域をもう少しおとなしくしたほうが自然で、このせいで中域が窮屈になっている気がしますが、エッジ感を重視したためにこうなっているようです。
また、拡張性が足りないため、音の広がりに天井感があります。モニター的で輝度の高い高域と言えますが、抜けが悪く、少し窮屈に聞こえやすいですね。
定位/質感
- 質感の正確性:D+
- 定位の正確性:B-
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:C-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
中域で響きが豊かで、ステージングの強調によってホールのような響きが意識されており、ダイナミズムも少し強調されますが、低域と高域で拡張性に欠けるので、音に生々しさがありません。音圧的にも普通の環境ではクラシックを楽しめるほどの音量は出せないと思います。
雅楽は和音が甲高く、つんざく感じが出てしまい、単純に不快です。抜けが悪いのが影響していますね。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:B-
- イメージング:A-
- 高域:B-
- 中域:A+
- 低域:B+
奥行きは強調されますが、上下に狭く、音場は横長でパノラマ感があります。
クリア感は価格なりといったところです。
イメージングは価格を考えると、非常に優れています。
音質総評
- 原音忠実度:B-
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:A
全体的に言って、価格の標準を満たすサウンドを持っていると言えます。ステージングがよく、充実感があり、SENNHEISERライクな充実感のあるサウンドが好きなら比較的おすすめできます。
気になる点としてはやはり中域の過剰な奥行き感ですね。周波数特性を見るとかなりうまく調整した気配があるんですが、中高域はもう少しなだらかにしたほうが良かった気がします。
音質的な特徴
美点
- ウォームサウンド
- 充実感が高い
- 奥行き感のある音場
- 重厚感がある
- 響きが豊か
- 調和的
- 高い鮮明感
- 優秀なイメージング性能
欠点
- ボーカルが埋没的に聞こえやすい
- 深みに欠ける
- 抜けが悪い
- 構築感に欠ける
- 混濁感の出やすい中域
- 分離感が悪い
響きが豊かで調和的
優れたステージング
重厚感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCです。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- urbanista LISBON
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- urbanista LISBON
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- urbanista LISBON
総評
urbanista LISBONは快適な装着感とロングバッテリー駆動を実現した、長時間の着用に向く完全ワイヤレスイヤホンです。音質はアクセル・グレル氏によるもので充実感のある響きの豊かさを重視したサウンドになっています。通気性の良いインナーイヤー型は夏場でも蒸れず、スポーツに最適です。通信品質がぎこちないのだけ気になりますが、コンパクトでおしゃれなワークアウト用のイヤホンを求めているなら、候補にしても良いでしょう。
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