免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
- 「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。
UniqueMelody Maverick Tiの概要
こんな人におすすめ
- 見た目重視
- 高いイヤホンを買うのが好き
- UniqueMelodyファン
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:28Ω
- 感度:120dB/mw
- ケーブルコネクタ:mmcx
- 価格帯:100000円~200000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.0/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- ほぼ完璧な質感
- 原音忠実度が高い
- 優れた構築感
- キレと輪郭のしっかりしたソリッドなサウンド
- モニター的な低域
- 標準以上の抜けの良さ
短所
- ややうるさげな中域上部
- 歯擦音が強く聞こえやすい
- アグレッシブ
- 高域に敏感な人には向かない可能性
- 低域の深さに欠ける
- 透明度で物足りない
UniqueMelody Maverick Tiの特徴
MAVERICKという作品
MAVERICKの名を冠するモデルは、既にいくつも存在します。しかし、どの歴代モデルも目指したい山は一つで、それはMAVERICKという機種がハイブリッド型イヤホンの常識を打ち破り、新たな可能性を切り拓き、何にも変えられない存在を示すことです。 MAVERICKの最大の特徴は、異なるドライバーを複雑に組み合わせた設計であるにも関わらず、非常にシームレスな音の繋がりが、ハイブリッド型イヤホンとしての新たな可能性を感じさせてくれることです。 これまで2年ごとにジェネレーションを変えてきたMAVERICKは、その全てのモデルがベンチマークとなり続け、常に進化し続けています。
パッケージ(7.5)
パッケージは価格の標準を満たしています。ただ、10万円クラスにしては少し物足りませんね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- クリーニングクロス
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。豪華ですね。
装着感(8.0)
装着感はかなり良好ですが、大きいので耳が小さい人には収まりが悪いかもしれません。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
UniqueMelody Maverick Tiは高域でアンプの出力インピーダンスの影響を受けやすいところがあります。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
UniqueMelody Maverick Tiは高域寄りのニュートラルサウンドを持っています。高域の伸びは良く、空気感はなかなか良好ですね。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B-
UniqueMelody Maverick Tiの低域はモニター的でフラットに近く、見通し感に優れています。中域に対してやや存在感が弱められているため、中域に影響することがほとんどありません。
階層性は良好ですが、ややエレキベースの広がりが薄く、いまいち黒さに欠ける低域です。またドラムキックも浅いので、タイトでリズムはわかりやすいものの、生々しさに欠けます。
モニタースピーカーのようなストンと落ちる低域が好きなら悪くありませんが、低域にこだわる人は10万出してまで聴く音じゃないでしょう。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域はわりとニュートラルに近く、透明度が高めです。
明るく、わりと見通し感が良いので中域のチューニングは悪くありませんが、ずば抜けているわけではありません。解像度は悪くないものの、付帯音が少し多く、適正音量でややノイズが感じられるのが気になります。ハイエンド機種らしく、音量を上昇させても歪みの上昇は緩やかですが、もともとの水準はあまりよくありません。
全体の質感はややTinnyに傾いており、木管やバイオリンの引き締まりが悪く、ギンギンした音になりがちです。
バランスドアーマチュア独特の少し歪んだ感じが好きなら悪くありませんが、今では5,000円以下のエントリークラスでもこれ以上の透明度の中域を持つ機種はざらにあるので、中域にこだわるオーディオマニアがわざわざ買うほどの音ではありません。
決してバランスが悪いわけではなく、イヤホン全体の中ではわりと優れているほうだと思われますが、コスパはかなり悪いですね。
高域(9.5)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
高域はやや鮮明感で物足りないものの、前方定位感を実現するように丁寧にチューニングされており、悪くありません。
バイオリンの倍音の伸びや木管の響きが少し一貫性に欠けるので、若干ヒステリックに聞こえやすく、細かいところまで聴くと「10万出させて聞かせる音がこの程度かよ」ってイライラしてきますが、少し目をつぶれば全体のバランスは総じて悪くありません。シンバルクラッシュは少し派手に聞こえるので楽しいですし。
またハイエンドにふさわしい高域の抜けを実現しており、音の実在感には優れています。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:B-
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:C+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
質感は比較的正確ですが、バイオリンの引き締まりが悪く、付帯音も多くてぼさぼさしており、一般コンシューマー相手ならともかく、耳の肥えたクラシックファンが聴いたら、「10万クラスでこれはないわ」ってレベルでしょう。みずみずしさが足りません。中域が少し前に張り出しすぎで、重厚感も物足りないという人がほとんどでしょう。
雅楽も悪くないんですが、10万円出してまで聴く音かというと、篳篥の音からして、乾いて生々しく聞こえないうえに、うるさげで心地よくありません。抜けが良いせいか、和音のうるさい感じは相対的に少なく、妙に歪んでいる分だけ印象的に聞こえるため、これはこれで味わい深いところがありますが、音像の純度は高くありません。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:B-
深さは物足りず、中域はわずかに奥行き感が強調され、高域は高さは標準か少し良好です。
クリア感は価格なりでしょう。
イメージング性能は価格の標準を満たしています。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B
UniqueMelody Maverick Tiはサウンドバランスとオーディオスペックを総合的に考えると、おそらく10万円台の平均以上であるとは思われ、イヤホン全体の中でもわりと上位の位置にいるとは思います。
ただ、これより音質的に優れたイヤホンが5,000円以下で買えることを考えると、サウンドだけでは、その200倍以上の値段を出すことをおすすめすることは難しいですね。
繰り返しますが、価格帯では平均以上の音かもしれませんが、音にこだわる人なら、エントリークラスにもっと優れたイヤホンが複数あるので、これを買う必要はあまりないということです。
「10万円以上のイヤホンが欲しいんだけど、いいのある?」という質問に対してなら、「Maverick Tiはなかなか悪くないよ」という返答ができます。心の中では「でもその前にもっと安いところもよく聴いて選んだら?」とは思いますけど。
実際、Uniquemelodyで選ぶとしても半額以下の3DTのほうが総じてお得ですね。
音質的な特徴
美点
- ほぼ完璧な質感
- 原音忠実度が高い
- 優れた構築感
- キレと輪郭のしっかりしたソリッドなサウンド
- モニター的な低域
- 標準以上の抜けの良さ
欠点
- ややうるさげな中域上部
- 歯擦音が強く聞こえやすい
- アグレッシブ
- 高域に敏感な人には向かない可能性
- 低域の深さに欠ける
- 透明度で物足りない
ほぼ完璧な質感
原音忠実度が高い
キレと輪郭のしっかりしたソリッドなサウンド
Re:ゼロから始める異世界生活 Coreful フィギュア レム~パックイメージver.~
人気シリーズ「コアフル」より、パックをイメージした衣装を着たレムが登場!
メーカーがもふもふの毛並みの質感再現とかわいらしさにこだわったモデルです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- UniqueMelody Maverick Ti
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- UniqueMelody Maverick Ti
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- UniqueMelody Maverick Ti
総評
10万円以上という条件で選ぶなら、UniqueMelody Marverick Tiはその外観のビルドクオリティとサウンドは価格の水準を満たしているので、概ねおすすめしやすい機種であると思われます。
コメント