【中華イヤホン UniqueMelody 3D Terminator レビュー】エッジに優れ、キレのあるサウンドを聞かせる

基本スペック

• 周波数特性：20Hz～20kHz
• インピーダンス：25.4Ω
• 感度：113dB
• ケーブルコネクタ：0.78mm 2pin
• 価格帯：50000円～100000円

パッケージは価格の標準を満たしています。

パッケージ内容

• イヤホン本体
• イヤーピース
• キャリイングポーチ
• クリーニングクロス

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。

装着感はかなり良好です。

UniqueMelody 3D Terminatorの低域は自然なレイヤリングに滑らかにロールオフする、モニター的なサウンドを持っています。

階層性がしっかりしており、ドラムキックにはインパクトが感じられますが、太さには少し欠け、個人的にはもう少し重みと深さが欲しいと思います。

しかし、明るくクリアに聞こえる低域で、ノイズ感も少なく、モニター的なサウンドが好きならきっと気に入るでしょう。ただベースの広がりは少し物足りませんね。

中域はほぼ完全にニュートラルで、かなり正確な質感表現を実現しています。

ボーカルは少しシャウト感があり、ツ音をはじめ子音がきつく、サ行がタ行に近く聞こえやすい傾向があるのが気になりますが、十分に明るく、詳細です。

全体的に硬く、エッジも立っているので、構築感は高く思えるために楽器音はソリッドに手がかり多めにしっかり聞こえますが、耳当たりは少し強く感じて聞き疲れやすい印象を受けるかもしれません。きつく感じる場合は4kHzを少し下げたり、8kHzを少し上げることで聴き心地がよくなるはずです。

高域は歯擦音が強く、エッジ感が強めで少しピーキーに聞こえやすいのを除けば、空気感も良好でよく調整されています。

少しアグレッシブに聞こえやすい高域のため、高域に敏感な人には少し向きませんが、キレがよく、十分に硬く輪郭もはっきりした高域で、リズム感を的確に捉えることが出来ます。子音もはっきりしており、トラッキングモニターやミキシングモニターとして優れた性能を発揮する可能性があり、高域の解像度も高めでマイクロディテールも悪くありません。

トレブルヘッド向きのサウンドです。

重厚感でやや物足りませんが、音場は明るく、全体的に聞き取りやすいのは美点です。ただエッジ感が強く、バイオリンは少しギスギスして聞こえやすく、ギラツキ感が強めで優雅さで物足りないかもしれません。拡張性も悪くないので十分に伸びやかでダイナミズムも悪くありませんが、少しアグレッシブで落ち着きに欠け、上品さに欠ける印象を受けますね。少しギンギンする音です。

雅楽は和音が少し明るすぎてギンギンするものの、抜けも悪くなく、聞き心地はそれほど悪くありません。ただ、ちょっと輝度が高すぎて、音量を大きくして聞くと、ハレーションを起こすように少し耳につんざくところのある音で、音量は自然と絞ってしまいますね。

深さは少し物足りず、中域はほとんどフラットでやや前傾気味になっており、高域は十分な高さがあります。

クリア感は価格の水準以上です。

イメージング性能は価格の標準以上です。

UniqueMelody 3D Terminatorは高域が少しアグレッシブに聞こえやすいですが、概ねニュートラルに近く、原音忠実性も高く、オーディオスペック的にも価格の標準を満たす優れたモニターイヤホンです。どちらかというと高域好きの人向きですね。

欠点

• 歯擦音が強く聞こえやすい
• アグレッシブ
• 高域に敏感な人には向かない可能性
• 低域の深さに欠ける