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Tronsmart Onyx Apexの概要
こんな人におすすめ
- 金属的なサウンドが好き
- 繊細なサウンドが好き
- 解像度重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/25h
- 防水性能:不明
- 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
- 技適番号:204-B00198
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:6.0/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:7.5/10.0
長所
- メタリック
- 解像度に優れる
- 鮮明感に優れる
- 繊細
- ダイナミズムに優れる
- 悪くはないANC
短所
- 歯擦音が強い
- ピーキー
- 薄っぺらい中域
- 高域の拡張性の不足
- 深みのない低域
- 高域の刺激が強すぎる
- 原音忠実的ではない
Tronsmart Onyx Apexの特徴
- クリアな音声通話のbluetoothイヤホン:CVC8.0ノイズキャンセリングを搭載したマイクが周囲のノイズを除去し、通話相手はあなたの音声をより大きくクリアに聞くことが可能です。テレワーク時のリモート会議等にも使用できる高品位なハンズフリー通話機能。イヤホンで音楽を聴くときにあると超便利な機能、それは「アクティブノイズキャンセリング」。「外部音取り込みモード」は、イヤホンを装着したまま周囲の音を取り込める機能です。イヤホンを外さずに、電車のアナウンスを聴き取りたいときや、一時的な会話をしたいときなどに役立ちます。
- 安定したワイヤレス接続を備えたbluetoothイヤホン: 弊社のbluetooth イヤホンは従来製品とは異なり最先端のBluetooth5.2に対応するだけでなく、最新のチップ「QCC3040」を採用し、データ転送速度が2倍、通信範囲が4倍に向上しているため、Bluetooth特有の音が途切れる問題に対しても、満員電車など電波がバシバシ飛び交う場所でも安定した通信を実現しています。
- 超軽量快適装着、タッチ操作にも対応: 超軽量設計により装着時も収納時も超小型、人間工学に基づいてイヤホン筐体が設計され、カナル型デザインの耳栓、密閉感と遮音性が高まり音楽に集中することができる特長があります、耳への負担を最小限に抑えて、落下防止にもなるし、痛さはなく長時間の使用にも問題ありませんでした。 軽いタッチで操作できるタッチコントロールを採用し、操作時にイヤホンの位置がずれるストレスを低減。
- 自動ペアリングbluetoothイヤホン: 簡単にワイヤレス再生が楽しめる、オートオン&オートコネクト機能を搭載。一度ペアリングを完了させた端末であれば、充電ケースからイヤホンを取り出すだけで電源が入り、自動でワイヤレス接続します。また、使用後はイヤホンを充電ケースに戻すと自動的に電源が切れます。「完全ワイヤレスイヤホン」とは、左右のイヤホンユニットがケーブルなどで繋がっておらず、分離独立したワイヤレスイヤホンのこと。また、ケースのフタ・イヤホンの収納部はマグネット式のため、手を離すだけで自然と収まり、誤ってイヤホンをケースの外に落としてしまう心配もありません。
- バッテリー残量表示、パッケージ内容: 電話との接続時は電話画面へのイヤホンのバッテリー残量表示が可能です。パッケージ内容:Tronsmart Onyx Apex Bluetooth イヤホン、充電ケース、イヤーチップ( M / M / L / L *Mサイズは本体に取り付け済み)、充電ケーブル、クイックスタートガイド。
パッケージ(8.0)
Tronsmart Onyx Apexのパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- Tronsmart Onyx Apex本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、標準的か少し良いレベルです。
装着感(8.5)
装着感は良好です。小さな耳でも多分問題ないと思います。
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。ただし、遮蔽物を挟むと通信が乱れがちになりました。完全に切断されることはありませんでしたが、曲を一貫して聴くのは少し難しかったです。通信が混雑する場所などでは少し通信乱れが目立つかもしれません。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを2秒長押し |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを3回タップ |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、 Tronsmart Onyx ApexのANC性能は価格帯では標準より少し優秀です。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
Tronsmart Onyx ApexのサウンドはTronsmartによくある、高域が強調されたV字型ないしU字型のサウンドです。特徴としては鮮明感が高く、印象的な解像度が高いように思えますが、アグレッシブで歯擦音が強いのが欠点です。トレブルヘッド(高域好き)向きでしょう。
以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:A+
- 臨場感:B-
- 深さ:A-
- 重み:A
- 太さ:A-
- 存在感:A-
低域は重みに強調がありますが、深さに欠けるので、あまりインパクトがありません。比較的階層がしっかりしているので、レイヤリングは悪くないようですが、やや膨張的です。
わりとドカついているので、バスドラムキックは生き生きと聞こえますが、個人的に浅い低域でエレキベースが死んでいるように思います。私には明るく聞こえる低域で、正直面白みを感じません、
中域(7.5)
- 原音忠実度:A
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は全体の中では少し奥にいます。ステージングが強調されており、奥行きがあります。
ボーカルは基本的にやや埋没的です。この中域ではシンバルなど金物がかなりカチャカチャうるさく聞こえやすいので、ボーカルより存在感が出やすいのが一番のネックですね。
ボーカルも息や歯擦音が強調されているために、ドライです。引き締まっていてスタイリッシュだと思う人もいるかも知れませんが、基本的にアグレッシブで落ち着きがありません。歯擦音が強く出やすい音源、たとえば富田美優「インソムニア・マーメイド」やReal Paradis「風と丘のバラード」のような曲をこのイヤホンで聞くのは基本的には苦行でしかないでしょう。後者に至っては楽器音も基本的にガシャガシャうるさげで聴くに堪えませんね。
高域(6.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:B-
高域は鮮明感が高いものの、一般的にアグレッシブすぎる傾向があり、歯擦音が強くなりやすいのがネックです。
高域の雰囲気は基本的にメタリックです。とくにシンバルがかなり固く金属質で煌めきが強く、好みを大きく分けるでしょう。バイオリンも基本的に線が細く、金細工のようでヒステリックに聞こえやすいですね。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:C+
- オーケストラのテクスチャ:C+
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
スケール感は悪くないものの、質感や定位感はよくなく、とくに金属質でヒステリックに聞こえるバイオリンが個人的には気色悪いですね。あまりクラシック向きとは言えないでしょう。ダイナミズムの強調は面白いです。
和音が金属的で、うるさげです。鮮明感が高いので、音はかなりはっきりしていますが、音楽に深みがありません。ロボットが演奏しているかのようですね。
音場/クリア感
- 音場:B
- クリア感:A-
- イメージング:B+
- 高域:B
- 中域:A-
- 低域:B
奥行きが強調されており、中域が広く聞こえます。深さと高さは物足りないですね。
クリア感は価格帯を考えるとかなり優秀です。
解像度は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:B
- おすすめ度:C
- 個人的な好み:C+
Tronsmart Onyx Apexは基本的にニッチなイヤホンです。メタリックでアグレッシブ、解像感の高い音を好む人にはその独特の表現が好ましく思える可能性がありますが、低域好きや高域に敏感な人に全くと言っていいほど需要が期待できません。
原音忠実主義者やニュートラルサウンド愛好者の多いオーディオマニアにも全く刺さることがないでしょう。ボーカル音像で劣り、クラシック音源とも相性が良いとは言えないため、これらのコア層の関心を呼ぶことも望みが薄いでしょう。
音質的な特徴
美点
- メタリック
- 解像度に優れる
- 鮮明感に優れる
- 繊細
- ダイナミズムに優れる
欠点
- 歯擦音が強い
- ピーキー
- 薄っぺらい中域
- 高域の拡張性の不足
- 深みのない低域
- 高域の刺激が強すぎる
- 原音忠実的ではない
メタリック
解像感に優れる
繊細
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはaptXで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Tronsmart Onyx Apex
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Tronsmart Onyx Apex
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Tronsmart Onyx Apex
海外レビュー
Tronsmart Onyx Apexの海外での評価については以下の記事で紹介しています。
Tronsmartの低価格アクティブノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン「Tronsmart Onyx Apex」についての海外レビューをまとめて紹介します。
総評
メタリックでダイナミックな表現を好む場合、Tronsmart Onyx Apexはそれにぴったりなサウンドを提供し、楽しく没入感のある体験をもたらしてくれるでしょう。しかし、かなり高い解像感を除いては、基本的には平凡以下の機種で、サウンドバランスもピーキーで万人向きではありません。まあでも、CA ANDROMEDAみたいな音が好きな人にはウケそうです。そういう人にとっては「低価格なのにこんなに解像度が高い!すごい!」って機種になる可能性はありますね。
ANCによる音質変化がなく、効果も価格の割に高いのは美点です。
とくに同じ価格帯では解像度と聴き心地を兼ね備えたEarFun Air Pro 2がいるので、そちらを検討したほうが良いでしょう。
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