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TRN TA2の概要
こんな人におすすめ
- 充実感の高いサウンドが好き
- 濃密な音が好き
- 高域に敏感
- ウォームサウンドが好き
- 暗く落ち着いたサウンドが好き
基本スペック
- 周波数特性:7Hz~40kHz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:118dB
- ケーブルコネクタ:0.75mm 2pin
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
長所
- 解像度が高い
- 原音忠実度が比較的高い
- ウォームサウンド
- 充実感が高い
- 奥行き感のある音場
- 甘くノスタルジックなサウンド
- 濃密
- 上品
短所
- マイクロディテールに欠ける
- 低域の深みに欠ける
- 全体的にぼんやりしている
- 扁平な音像
- 分離感が悪い
- 高域の拡張性不足
TRN TA2の特徴
- 【2BA+1DDハイブリッド型構造】 TRN TA2はKnowlesバランスドアーマチュアドライバーとダイナミックドライバーというドライバー組み合わせを採用します。今回、TRNは大人気なKnowles33158バランスドアーマチュアドライバー*2とカスタマイズ8mm二重磁気ダイナミックドライバーを採用します。このドライバー組み合わせを利用して、暖かい音声と明瞭的なボーカル音声を体験できます。
- 【優れたアルミニウム合金フェイスプレートとシェル】 TA2イヤホンのため、弊社は優れたアルミニウム合金を選びました。このマテリアルが自然な光沢及び優しい触れ感があります。これはTA2のデザイン仕事の大切な一歩です。私たちは単なるサウンドクオリティーを注目するだけでなく、美観性も注目されています。それとともに、TA2は異なるサイズのイヤーピースを同梱して、人間の耳に非常にフィットします。
- 【カスタマイズダイナミックドライバー】 TRN社はTA2イヤホンに一つ8mmナノ二重磁気ダイナミックドライバーが搭載されます。重低音のサウンドが強化されました。グルーヴのある低域が耳元ではなく、胸と心に鳴ります。本当に、このイヤホンを利用して、低音のリズムに身を任せましょう。
- 【プロフェッショナルチューニング】 HIFIイヤホンの主要な使用目的は音楽を楽しむことです。私たちも精一杯でサウンドクオリティーに注目します。弊社は国際有名なエンジニアを誘って、このTA2イヤホンをチューニングします。TA2イヤホンのサウンドがもっと綺麗になっております。三周波数のサウンドがバランスが丁寧に調整されており、また周波数帯域のレン時が普通のイヤホンによりもっと広いです。7Hzから40KHzまでの帯域に、すべてのサウンドをが再現することができます。
- 【簡単な操作性と多様化な使用体験】 TA2イヤホンはリケーブルの構造を採用して、3.5mmステレオ端子が色々なデバイスに対応できます。またイヤホンとケーブルの接合部はQDCタイプの差し込み式の設計になっています。スペック面ではTA2のインピーダンスは16Ωで、感度が107dB/mWです。つまり、このイヤホンはスマートフォンでも簡単に駆動できます。もちろんDAPとほかのデバイスに適応できます。このイヤホンを使えば、追加デバイスを必要なしで高品質な音楽を体験することができます。
パッケージ(8.5)
パッケージは価格の標準より少し良好です。多めのイヤーピースと6.35mmへの変換アダプタ、そして金属製のケースが付属しています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース(3種類)
- 3.5mm→6.35mm変換アダプタ
- キャリイングケース
ビルドクオリティ(8.0)
装着感(8.5)
装着感はかなり良好です。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- センサアンプ:小野測器 SR-2200
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
TRN TA2は高域で出力インピーダンスの影響をわずかに受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TRN TA2は中域にフォーカスされるナローV字タイプのサウンドを持っています。音像は前方にやや凝縮されて聞こえやすく、音楽の全体像はわかりやすいですが、窮屈に聞こえやすいところがあります。中域の密度感が高く濃密で、ボーカル音像などが大きく聞こえ、わりと高い充実感があるうえ、解像度も高いので聴き応えは意外とありますが、ダイナミズムに欠け、音場が扁平になりがちなのをどう考えるかですね。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A-
低域は比較的深くまで到達しており、わずかに膨張的です。
低域のレイヤリングは悪くはないですが、良いとも言えません。重みが強調されるドラムキックはインパクトがありますが、わずかにたるんでいるように聞こえます。エレキベースは厚みがあってイキイキしていますが、深さで物足りないので、黒さに欠けます。
そして一部の人が好むようなパンチが目立つ、ブーミーな音でもないので、なんというか、悪くはないが、中途半端で面白くないという印象を持ちます。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域の中心は少し凹んだ位置にあり、わずかに低域の影響を受ける可能性がありますが、ほとんどニュートラルです。
中域は厚みが強調されており、温かみがあって調和的ですが、そのせいで中域の音像はぼんやりしがちです。また中域の中央の凹みのせいか、音の中心部はドライで、もさもさしたように聞こえます。
中域は濃密は密度が高く、太く厚みのある骨太のサウンドを聞かせ、解像度も高いためにわりと心地よいですが、批判的なリスニングは全く向きません。どちらかといえば懐の深い、包み込んでリラックスさせてくれる中域です。
高域(7.5)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:C-
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:C-
高域は拡張性が大幅に不足していますが、わりとなめらかで自然な減衰感があるため、倍音の表現は自然です。
マイクロディテールに不足し、やや活気に欠けるおとなしい高域ですが、マイルドで優しく、心地よい音です。またこの少し閉じた高域は中域に濃厚感を生み出し、スウィートな雰囲気を作り出しています。
定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:D
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:C+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
太く重厚でマッチョなオーケストラを聴きたいなら悪くはありません。音の伸びは悪いですが、倍音の表現は自然なうえ、中域の解像度も高いので、案外聴きごたえがあります。夕べの演奏会のように、少し暗い、濃密な音に包まれたいという気分のときにはわりと活躍してくれるかもしれません。
雅楽は少し甲高く、抜けが悪いため、篳篥の音が苦しく、少しブブゼラのように聞こえます。ちょっと気色悪いですね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:C+
- クリア感:A-
- イメージング:A-
- 高域:S-
- 中域:A
- 低域:B-
音場は中域で奥行きが少し強調され、深さと高さは少し足りません。
クリア感はかなり優秀です。
イメージング性能は価格を考えると十分に優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:B
この機種の評価は難しいですね。この機種より安いTRN MT1(okcsc ED10)とすぐ上の価格のTRN VX Proの両方が比較的優れているため、全体的に中途半端で、解像度以外にほとんどポジティブな要素を見つけづらいTRN TA2はそれらの影に隠れやすく、非主流派に位置づけられます。
多くの場合これを買うよりMT1を買うほうがよく、MT1から買い足す場合、VX Proのほうがサウンドバランスでも使い分けの点でも優れています。つまり、TRN製品を完璧にコレクションしたいという人以外は素通りするのが良いでしょう。
音質的な特徴
美点
- 解像度が高い
- 原音忠実度が比較的高い
- ウォームサウンド
- 充実感が高い
- 奥行き感のある音場
- 甘くノスタルジックなサウンド
- 濃密
- 上品
欠点
- マイクロディテールに欠ける
- 低域の深みに欠ける
- 全体的にぼんやりしている
- 扁平な音像
- 分離感が悪い
- 高域の拡張性不足
解像度が高い
濃密なサウンド
ウォームで聴き心地が良い
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- センサアンプ:小野測器 SR-2200
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- TRN TA2
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- TRN TA2
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- TRN TA2
総評
TRN TA2は濃密なサウンドを持つリスニングイヤホンです。まったりと音楽を楽しむのには悪くないですが、多くの人には癖が強すぎ、解像度が高いのにディテール再現度では劣り、全体的にぼんやりしているのがいまいちに思われるでしょう。同じ価格帯により優れたイヤホンが多いだけでなく、TRNに限っても、より安い価格で手に入るMT1や少し我慢すれば買えるVX Proなど定評ある優秀な選択肢が近くにいるので、なおさら後回しになりがちな製品です。
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