免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにLinsoulから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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Tripowin✕HBB Olinaの概要
こんな人におすすめ
- モニタースピーカーの音が好き
- 中域にこだわる
- 明るく透明感のあるサウンドが好き
- ボーカル重視
- エレキギター重視
基本スペック
- 周波数特性:10Hz~43kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:110dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- みずみずしい
- 高い解像度
- 完璧な質感
- 原音忠実度が高い
- ほぼ完璧なモニタースピーカーサウンド
- 音像一貫性に優れる
- 透明度の高い音
- 前方定位的
短所
- 爽快感に少し欠ける
- 鮮明感で物足りない
- 深みに欠ける
- 高域の拡張性に少し欠ける
Tripowin✕HBB Olinaの特徴
- 10mm キャビティ付き高性能ダイナミックドライバー
- カーボンナノチューブ(CNT)振動板素材
- TripowinとHBBの新しいコラボレーションIEM
- 高品質な素材。アルミ合金、樹脂
- 着脱式2ピンケーブル
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(8.5)
全体的に質感は滑らかでよく造型されています。
装着感(8.5)
装着感はかなり良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Tripowin x HBB Olinaはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Tripowin x HBB Olinaはかなりニュートラルに近いなだらかなV字型サウンドを持っています。高域はスピーカーのような前方定位感を実現するように調整されており、中域の質感はほぼ完璧に近く、構築感にも優れているため、立体感も確かです。解像度も高く、高調波歪みは価格の水準以上に低く抑えられています。一言で言えば、非常に優れたイヤホンです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B+
Tripowin Olinaは引き締まりの良い、レイヤリングに優れたモニター的な低域を持っており、重みが強調され、力感に優れた低域を実現しています。ただ少し浅いですね。
バスドラムキックは生き生きと躍動的に聞こえますが、ランブルは少し弱く、エレキベースもやや薄味で聞こえ、広がりに少し欠けますね。
低域好きを満足させることができるかは少し微妙なところで、深さと量でやや物足りなく思う可能性があります。
中域(10.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
Olinaの中域はほとんど完璧にニュートラルで優れた質感表現を実現しています。中域はクリアで透明度が高く、ピアノの音やバイオリンの音がみずみずしく聞こえます。
ボーカルも軸がしっかりしており、ほどよくふくよかで明るく、なめらかで自然な朗らかさが感じられます。ボーカルソングを明るく透き通る雰囲気で楽しめるでしょう。ギターも艶やかで色気があり、スネアも躍動感が生き生きとしています。
ライバルとなるMoondrop Starfieldの中域が一般に滑らかすぎてわずかにエネルギッシュさに欠けると比べると、Olinaはわずかに快活さを加えて生き生きとエネルギッシュに聞こえるようにうまく調整しています。好みの違いはあると思いますが、立体感はStarfieldより優れて聞こえるので、私はOlinaをより高く評価します。
オーディオマニアを満足させる非常によく作り込まれた中域の一つと言えるでしょう。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B-
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:C+
高域はスピーカー的な前方定位感を実現するようになめらかにロールオフして遠ざかっています。個人的にはもっと前に出て、抜けももっとある方が好きです。鮮明感と繊細さ、空気感が少し物足りない気がしますね。
とはいえ、かなり優れた調整で、歯擦音やピアース感がよく抑えられています。
定位/質感
- 質感の正確性:S+
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:A+
- 雅楽のテクスチャ:A+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
質感表現がかなり正確で定位感もスピーカーに近く、また中域の立体感の再現度にも優れているため、フルオーケストラのダイナミズムをOlinaはかなり的確に描写することが出来ます。個人的な意見では、ライバルのStarfieldよりも定位感で優れており、フルオーケストラは楽しく、生き生きと聞こえ、没入感で勝りますね。
自然な質感で篳篥の音はみずみずしく流麗に聞こえます。わずかに抜けが悪く甲高いものの、聴き心地が安定している和音も美しいですね。抜けが悪いせいか、少し明るすぎてうるさい雰囲気はあるものの、ほとんど文句のつけようがありません。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:A
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:C+
深さは物足りず、高さは標準的です。
クリア感はかなり優秀です。
イメージング性能は価格帯では抜群に近いですね。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S+
Tripowin x HBB Olinaは1万円台で手に入る最も優れたイヤホンの一つであり、オーディオスペック的にもこれ以上の機種はこれ以上の価格帯でもなかなかありません。
より高い値段で売られているMoondrop Starfieldが最も近い競合相手と思われます。ドライバー材質や構造で似ているためか、音響特性がほぼ似通った傾向にありますが、全体的によりなめらかにチューニングされたStarfieldに対し、Olinaはより立体的で骨組みのしっかりしたサウンドを提供します。両者はほぼ同等のため、どちらが優れているかは僅差ですが、私のオススメはOlinaです。
音質的な特徴
美点
- みずみずしい
- 高い解像度
- 完璧な質感
- 原音忠実度が高い
- ほぼ完璧なモニタースピーカーサウンド
- 音像一貫性に優れる
- 透明度の高い音
- 前方定位的
欠点
- 爽快感に少し欠ける
- 鮮明感で物足りない
- 深みに欠ける
- 高域の拡張性に少し欠ける
正確な質感表現
明るく透明度が高い
全体の原音忠実度が高い
Re:ゼロから始める異世界生活 プレシャスフィギュア レム和風メイドver.
オリジナルの和風メイド衣装を身にまとったかわいいレムを、心ゆくまで堪能できる愛らしいフィギュアが完成しました。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Tripowin x HBB Olina
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Tripowin x HBB Olina
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Tripowin x HBB Olina
総評
Tripowin x HBB Olinaは1万円台という廉価な価格で非常に高品質で高解像のニュートラルサウンドを提供する素晴らしいイヤホンの一つです。それは文句なく私の推奨リストの最上段に収まります。
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