免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにThe House Of Marley Japanから貸し出されたサンプルに基づいて書かれています。
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The House Of Marley Rebelの概要
こんな人におすすめ
- レゲエ、EDM、ヒップホップが好き
- 臨場感のあるサウンドが好き
- 人とは違うイヤホンを求めている
- エコ&自然志向
- SDGsに関心を持っている
- The House Of Marleyファン
基本スペック
- 連続/最大再生時間:8h/30h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:SBC
- 技適番号:210-161327
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:7.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:7.0/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
長所
- 深みのある低域(EQで強化される)
- 甘やかで色気のあるサウンド
- 刺さりの少ないマイルドな高域
- ダイナミズムのあるサウンド
- グルーヴ感に優れる
- 臨場感に優れる
- 包まれ感があり、没入感に優れる
- 温もり感のあるエコなデザイン
短所
- 解像度が低い
- 原音忠実度が低い
- 爽快感に欠ける
- 鮮明感に欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
The House Of Marley Rebelの特徴
- ボブ・マーリーの普遍的な愛や音楽、そして自然や生命に対するリスペクトをマーリーファミリーが具象化し、素材と環境に配慮したブランド【House of Marley】から、新たな完全ワイヤレスイヤホン『REBEL』 が登場
- 再生可能な竹や天然木繊維複合材、通常のプラスチックの代替品となる、より環境に優しいリサイクルプラスチックなどサステナブルな素材を使用し、耐久性に優れた汗に強いIPX5防水仕様。
- パワフルな10mmのドライバーを搭載したバランスのよいHouse of Marleyのシグニチャーサウンド。また、エコーノイズキャンセリングにより、バックグラウンドのノイズを除去し、通話の質を向上。タッチコントロールによる音量調整、曲送り・曲戻しが可能。
- 1回の充電で約8時間の連続再生。専用の充電ケースを使用して約30時間再生が可能。また、置くだけで充電できるワイヤレス充電に対応。
技術仕様
- 重量 : 約11g(イヤホン両耳) 約42g(充電ケース)
- 連続再生時間 : 約8時間(充電ケース使用で約30時間)
- フル充電時間 :約2時間(イヤホン)約3時間(充電ケース)
- 通信方式/対応コーデック : Bluetooh Ver5.0/SBC
- 付属品:充電ケース、USB TYPE C充電ケーブル(約36cm)、イヤーチップ S,M,L
パッケージ(8.5)
ビルドクオリティ(8.5)
外観のビルドクオリティは価格帯の水準を満たしています。The House Of Marley独特の自然素材の手触り感がある美しいデザインです。
装着感(7.5)
少し大きめに見えますが、比較的収まりの良いハウジングで、装着感は悪くありません。大きめで衝撃などで外れやすいところはあるので、イヤーピースはよく選ぶ必要があります。
接続品質
SBCでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと音が途切れ、一貫して聴くのは困難です。
ホワイトノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す あるいはイヤホンの多機能ボタンを3秒長押し |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する あるいはイヤホンの多機能ボタンを8秒長押し |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生 | 多機能ボタンを1回タップ or 耳にイヤホンを入れる |
再生停止 | 耳からイヤホンを外す |
曲送り | 右耳側の多機能ボタン を2回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを2回タップ |
音量を上げる | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量を下げる | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2秒長押し |
EQモードON/OFF | 多機能ボタンを3回タップ |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とSBCでつないでノーマルモードでレビューします。
The House Of Marley Rebelは低域と中域上部から中高域が強調されたV字型のドンシャリサウンドを持っています。The House Of MarleyはレゲエやEDM、ヒップホップの生々しいリズムを生み出す低域を一貫して重視しており、Rebelも例外ではありません。
自然を愛するThe House Of Marleyのサウンドデザインにおいて、質の高い低域は最も重要なファクターのようです。人間は母親の胎内にいるとき、最初に聴くのが母親の心臓の鼓動や体内に響く母親の声であり、それは低音として聞こえます。私達が生を受けて初めて体験する原初の世界の音は低域であり、自然な音楽体験には低域の品質が必要不可欠です。
もともとランブルの豊かな臨場感のある低域を持っているRebelですが、さらに専用のイコライザーを備えており、それをONにするとさらに力強いグルーヴを生み出すようになります。
今回の評価値の括弧内はEQ時のものです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.5)
- 原音忠実度:S-(A+)
- 臨場感:A-(A)
- 深さ:A(A+)
- 重み:A(A+)
- 太さ:A-(A-)
- 存在感:A+(S-)
ノーマルモードでも低域は十分は深く、ランブルが感じられ、レイヤリングは良好です。
深みがあり、生々しいリズムと深淵を生み出す低域はRebelの最大のチャームポイントです。重く重厚感があり、ランブルも豊かで震えの感じられるドラムキック、黒く音楽全体を引き締めるエレキベースが音楽に生々しい臨場感を与えています。ただ、SoundPEATS T2ほどの深みは出せていません。また、重さに対して太さはともかく厚みが少し不足するので、やや薄っぺらく聞こえやすいところがあります。
中域(7.0)
- 原音忠実度:A+(A)
- 厚み:B+(B+)
- 明るさ:B(B)
- 硬さ:B(B-)
- 存在感:B
中域はとくに低域に対して凹んだ位置にいるため、全体的に遠く薄っぺらく聞こえます。
中心部に奥行き感が感じられ、前傾している中域で、たとえば女声は奥から伸びてくるように聞こえてきます。ボーカルの声色は艶やかで色気がありながら明るさを抑え、落ち着いて上品に聞こえ、個人的には好みです。
この中域では楽器音は躍動的で、少し響きの強調があるまろやかな雰囲気で聞こえます。高域も閉じているため、存在感が地味なわりに色濃く、案外印象的に聞こえます。ただ楽器音にせよボーカルにせよ軸が少し弱く感じられるため、安定感に欠けて聞こえるところがあります。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D(D)
- 艶やかさ:B(B)
- 鋭さ:B+(B+)
- 脆さ:C(C)
- 荒さ:D-(D-)
- 繊細さ:D-(D-)
- 存在感:C+(C+)
高域は拡張性がかなり物足りず、鮮明感に欠けます。
わりとギラついている高域ですが、高域のロールオフは早く、のびやかさや爽快感に欠ける閉じた構造を持っています。歯擦音やピアース感のない比較的快適な高域ですが、エッジが少し強く、バイオリンの音がヒステリックにキリキリして聞こえやすいのが気になります。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
重厚感と奥行き感があるのは良いですが、薄っぺらく聞こえる中域の透明度不足、高域の各調整不足からスケール感不足は気になります。ヒステリックでのびやかさに欠ける木管やバイオリンなどを聴くと、フルオーケストラと相性はよくなさそうなサウンドに思えます。
篳篥の音が少しかすれがちです。また和音は少しギラついてますが、甲高さはあまり感じず、マイルドで聞きやすいですね。ただ全体的にぼんやりしており、おすすめできる感じではありません。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:B
- 高域:B-
- 中域:B+
- 低域:B
音場は深さに優れ、奥行きが強調されており、高さは物足りません。
クリア感は価格の標準を満たしています。
イメージング性能は価格を考えると大きく劣っていて、物足りません。ただ、中域の解像度だけはわりと良いのが救いですね。
音質総評
- 原音忠実度:C+(C-)
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:B
なかなか得難い深みのある低域、艷やかでありながら上品で、甘やかな雰囲気のある中域を生み出しているサウンドバランス自体は悪くないように思いますが、オーディオスペックは価格に対して大幅に不足を感じます。
The House Of Marleyらしいグルーヴ感の豊かなサウンドが好きなら検討に値するかもしれません。ただ、SoundPEATS T2やM-SOUNDS MS-TW33、Sudio T2あたりを確認してからがよいかと思われます。
音質的な特徴
美点
- 深みのある低域(EQで強化される)
- 甘やかで色気のあるサウンド
- 刺さりの少ないマイルドな高域
- ダイナミズムのあるサウンド
- グルーヴ感に優れる
- 包まれ感があり、没入感に優れる
- 臨場感に優れる
欠点
- 解像度が低い
- 原音忠実度が低い
- 爽快感に欠ける
- 鮮明感に欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
深みのある低域
色気がある
臨場感に優れる
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- The House Of Marley Rebel
- The House Of Marley Rebel (EQ)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- The House Of Marley Rebel
- The House Of Marley Rebel (EQ)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- The House Of Marley Rebel
- The House Of Marley Rebel (EQ)
総評
The House Of Marley Rebelは豊かなグルーヴを生み出す深みと黒みのある低域と色気の感じられる艶やかな中高域によって、ダイナミックで没入感の高いサウンドを聞かせてくれます。デザインはいつものHOMらしい温もり感のある自然な質感を重視したものとなっており、見た目の美しさも素敵です。しかし、解像度は価格の標準を大きく満たしていないため、おすすめ度を高くすることは難しいですね。
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