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TaoTronics SoundLiberty Pro S10の概要
こんな人におすすめ
- デザインで人とは違うイヤホンが欲しい
- aptX重視
- ブーミーなサウンドが好き
- 通信品質重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:4h/20h
- 防水性能:IPX7
- 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
- 技適番号:204-B00215
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
長所
- ノスタルジックなサウンド
- フルオーケストラを充分楽しめる音圧感
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 穏和
- 音の広がりが豊か
- 相対的に優れた鮮明感
- 甘味のあるサウンド
- 独特のデザイン
- 高い通信品質
短所
- 篭もりやすい
- 分離感が悪い
- 解像感が悪い
- クリア感に欠ける
- ディテールに欠ける
- 少し短い再生時間
TaoTronics SoundLiberty Pro S10の特徴
- 【AI-通話品質の向上】プラスノイズ抑制マイクのおかげで、音声が通話中にはっきりとブロードキャストされ、クリアコール向けのスマートAIノイズキャンセルアルゴリズム(Elevoc Vocplusl)は、DNNベースのノイズキャンセリングであり、電話通話中の雑音除去し、周囲の騒音を消してクリアな音声を通話相手に伝えることができます。
- 【スライドコントロール】タッチセンサーを搭載し、イヤホンをタップしてスワイプするだけで、通話、音楽トラック、ボイスコントロールなどができます。更に上下にスライドして音量調節や音楽切替することが出来ます。(タッチコントロール機能は、イヤホンを装着している際のみ利用可能です。)
- 【優れた音質】12mm大口径HiFiダイナミックドライバーは、圧縮によるデータ消失が少なく高音質aptXオーディオとAACコーデックでサポートされた優れた音響を提供し、豊かで高品質なサウンドスケープを実現します。
- 【自動耳検出】モーションセンサーは、イヤホンが耳に入っているかどうかを認識し、イヤホンを取り出すと自動的に音楽を一時停止し、元に戻すと再開します。また、イヤホンを着用して着信コールに応答し、外して電話に切り替えます。
- 【十分な利用時間】 TaoTronics ワイヤレスイヤホン SoundLiberty Pro S10は1回の充電でイヤホン単体4時間、充電ケースを合わせて合計最大20時間連続再生できます。。※充電ポートはType-Cです。
パッケージ(8.5)
パッケージは以前とは一新されたようです。以前よりもさらにストレスフリーで、蓋を開ければイヤホンをすぐ取り出せるという非常に機能的なデザインになっています。しかも紙素材が多く、環境にも配慮されています。
パッケージ内容
- TaoTronics SoundLiberty S10 Pro本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
どこか近未来的なデザインです。ビルドクオリティは良好です。
装着感(9.0)
装着感はインナーイヤー型の中でもかなり快適です。デザインは好みを分けるところがありそうです。装着すると少し目立ちますね。
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽は再生され、途切れはありません。通信チップが旧世代のQCC3020なので通信品質は少し劣るかと思ったのですが、アンテナが高品質なのか通信品質はむしろ優秀なようです。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | ケースのふたを開ける |
電源OFF | イヤホンを収納し、ふたを閉める |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード 手動の場合、マルチファンクションボタンを6秒長押し |
リセット方法 | イヤホンを両方ともケースに収納し、マルチファンクションボタンを16秒長押し |
曲再生/停止 | マルチファンクションボタンを2回タップ また耳から外すと自動で再生停止/再着用で再生再開 |
曲送り | 左のマルチファンクションボタンをスワイプアップ |
曲戻し | 左のマルチファンクションボタンをスワイプダウン |
音量+ | 右のマルチファンクションボタンをスワイプアップ |
音量- | 右のマルチファンクションボタンをスワイプダウン |
通話応答 | マルチファンクションボタンを1回タップ |
通話終了 | マルチファンクションボタンを2秒長押し |
着信拒否 | マルチファンクションボタンを2秒長押し |
音声アシスタント起動 | マルチファンクションボタンを2秒長押し |
音質
周波数特性
オーディオステータス(ノーマルモード)
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD特性
THD特性とは音に含まれる歪み成分を表し、パーセンテージが低いほど音がピュアできれいに聞こえます。
上は60dBSPL@1kHz時の周波数帯域ベースのTHD特性、下は1kHzでの音量レベルTHD特性(30dBSPL~70dBSPL;適正音量レベル)です。THD特性は1%以下で、満足できる品質です。
- THD平均値:0.9378308075%
- THD平均値(100Hz以上):0.36325441%
- THDL平均値:0.17941675%
- THDL平均値(40dBSPL以上):0.0825303333%
ラウドネスステータス
ラウドネスステータスはISO226:2003 等ラウドネス曲線に基づく補正値を自由音場補正済み周波数特性(Z特性)に加えたものです。ラウドネスステータスは音量による聴感周波数特性の変化を表します。一般的な人は40phon~80phonの間で音楽の聴取音量を快適に感じると思われます。
上は10phon~90phonの変化グラフ、下は40phon・60phon・80phonのみにフォーカスした変化グラフです。
TaoTronics SoundLiberty S10 Proは60~80phonphon付近でニュートラルに近いサウンドを聴かせてくれます。
音質解説
TaoTronics SoundLiberty S10 Proはやや低域が強めのドンシャリサウンドです。ウォームで優しいサウンドですが、人によって篭もりを感じやすいところと高域が鈍く聞こえやすいところが少し好みを分けそうです。穏和なリスニングイヤホンとしては悪くないでしょう。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:C-
- 臨場感:C
- 深さ:B
- 重み:A-
- 太さ:A
- 存在感:A-
率直に言ってブーミーな低域でクリア感も悪く、明晰性に欠ける低域です。
ドラムとベースの描き分けははっきりしません。中域との境目付近に盛り上がりがあるせいか膨張感も強く、篭もって聞こえやすいところがあります。
温かみのあるサウンドが好きなら悪くありませんが、基本的に過剰で、中域も少し濁って聞こえます。
個人的には難しく感じる低域ですが、ライブ感のある雰囲気が好きなら悪くないかも知れません。しかし、ベースとドラムは埋もれて聞こえがちです。
中域(8.0)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:A
- 明るさ:A
- 硬さ:B+
- 存在感:B
高域が落ち着いているために、かなり太く厚みのある中域は前面に押し出されて聞こえてきます。
ボーカルは穏和で甘味があり、やや前進して聞こえますが、子音は埋没的です。歌詞は明瞭に聞こえますが、全体的に少しボンヤリしています。音同士が繋がり合っているような、輪郭の緩いサウンドで調和的に感じられます。
ディテールやニュアンスに優れているサウンドではありませんが、中低域から中域はハーモニクスが豊かで、甘味と温かさに優れ、高い充実感があります。
高域(8.0)
- 原音忠実度:B
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B-
- 脆さ:C
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:D
このイヤホンの最大の欠点は高域のプレゼンスの不足です。
高域はなだらかにロールオフしており、中域から遠ざかるにつれ控えめになっていきます。クリア感は高く、鮮明感だけは少し強調されているので、完全に埋没的というわけではありませんが、人によってはかなり精彩に欠けて聞こえるでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:C-
- オーケストラのテクスチャ:S+(ただし条件付き)
- 雅楽のテクスチャ:A+(条件付き)
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
ちょっと奥歯に物が挟まったような言い方になりますが、オーケストラの聴かせ方は人によっては非常にリアルだと思われます。
オーケストラを聴くまで、このイヤホンにあまり魅力を感じていませんでしたが、オーケストラを聴いたときにこのイヤホンのチューニング意図が見えてきました。このイヤホンは特等席と言うよりはもう少し奥の、俯瞰できる程度の位置から、オーケストラを聴くサウンドに似ています。中域から高域にかけての聴感周波数上のゆるやかな減衰は、ホールの客席からステージへの距離感を再現しているのでしょう。
さて、原音忠実主義に立つ場合、このイヤホンのサウンドはあまりよくないことは事実です。音は遠く、妙に反射音の多く感じられるサウンドで、音像はぼやけています。付帯音も多く、低域は明らかに純度に優れませんが、妙に生々しいロングパスエコーがあります。音源とはだいぶ距離を感じるのに、鼓膜に到達する音圧感も充分です。
個人的に非常に評価に困るのですが、本来あるべきクラシックの再生忠実度とは異なる気がするものの、このイヤホンのクラシックの聴かせ方にホールの響きの生々しさを感じます。ただしそれはたぶん特等席ではありません。むしろ小市民が一般席で聴くような距離感で、妙に生活臭のある音です。家族で行く市民ホールのクリスマスコンサートの音と言うべきでしょうか。
率直に言って、私はこのサウンドをオーディオマニアやクラシックファンに表面上あまりおすすめしませんが、内心では是非聞いてもらいたいと思っています。不思議なことに、小市民的な私には非常に生々しく、本物の臨場感に溢れたオーケストラサウンドに聞こえました。
生活感がある雰囲気は雅楽にも共通しています。音像は妙に反射音が多く、人によっては音が二重に聞こえたり、和音がぶれていたり、間が抜けた感じがすると思うでしょう。ほとんど優れていると思える点はないので、私もわりと不思議に思うのですが、それでもこの音は身体に馴染みます。
そのため、個人的には非常に好きな音で、できれば高く評価したいのですが、原音忠実主義に立ち返りレビュアーとしての責務を果たす立場を守る場合、これはオーディオマニアとしては高く評価するのに抵抗があるということを述べたいと思います。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域~高域
- 音場:A+
- クリア感:B-
このイヤホンの音響的焦点は一般に中低域~中域に存在すると思われます。
音場は奥行きが広く、深さは平凡ですが、高さはやや広く聞こえます。音場の位置は全体的に少し遠めです。
クリア感は平凡です。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:S
TaoTronics SoundLiberty S10 Proをおすすめするかと言われたら、それほどおすすめしません。少なくとも原音忠実主義を重視するオーディオマニア向きのサウンドとは思えないことは確かです。
そのサウンドは篭もった音源をさらに篭もって聴かせるようなところがあり、音像はぼやけやすく、分離感はよくありません。
外面を整えて言えば、オーディオ機器としての完成度でSoundPEATS Gamer No.1やEarfun Air Proのほうがあらゆる意味で優れているサウンドです。同じ価格くらいであれば、1more Comfobuds Proを薦めます。これらを薦めることに私には何のためらいもありません。TaoTronics SoundLiberty S10 Proはそういう機種ではありません。
しかし、私の個人的な趣味で言えば、このサウンドは非常に素晴らしい。この高域が減衰するサウンドには生活感のあるリアリズムがあります。そのサウンドには生々しい人肌感があり、ノスタルジックでとても泥臭い美しさがあります。
目立つ欠点は多いので、探せばこのイヤホンのサウンドの悪いところはいくらでも出てきますし、酷評も多いでしょう。万人向きというサウンドではないと思われます。
音質的な特徴
美点
- ノスタルジックなサウンド
- フルオーケストラを充分楽しめる音圧感
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 穏和
- 音の広がりが豊か
- 相対的に優れた鮮明感
- 甘味のあるサウンド
- 奥行き感のある広い音場
- 豊かなハーモニクス
欠点
- 篭もりやすい
- 分離感が悪い
- 解像感が悪い
- クリア感に欠ける
- ディテールに欠ける
ノスタルジックなサウンド
調和的
アナログ感がある
音楽鑑賞
Nulbarich「Kiss You Back」
この曲をボリューム感たっぷりに味わうならTaoTronics SoundLiberty S10 Proは悪くありません。率直に言って低域は曖昧で過剰にブーミーかつウォームであり、人によっては篭もっていると思うサウンドですが、付帯音が多く豊かに聞こえ、高いライブ感も感じられます。この点はかなり好みに影響されるだろうということは言えます。
低域と中域の緩やかな繋がりと、低域の曖昧な熱気と対比するとかなりクリアに聞こえる中域の印象は、中域への適切なフォーカスを生み出しており、少し篭もりが強いにも関わらず、中域の印象度はそれほど悪くありません。良いとも言えませんが。
母音は明確なので、非常に日本語歌詞が聞き取りやすいのも、印象の向上に貢献していると思われます。
茅野愛衣&戸松遥&早見沙織「secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)」
オーディオマニア的な観点ではいろいろ言いたいことがありますが、この曲の聴かせ方は私の趣味に非常に合致しているので、言葉は自然と引っ込みます。
この曲のノスタルジックな甘い雰囲気ととにかく相性が良く、非常に豊かで美しいサウンドに浸れます。ぼんやりしているけれど優しく、色づきだけはしっかりしていて情熱的な楽器音、艶やかでありながら滲んで聞こえるボーカル表現がとても心の琴線に響きます。じんじんくるサウンドです。率直に言って、個人的にはすごく良い。
水瀬いのり&花澤香菜&井口裕香&早見沙織「One Step」
とにかく細かいところ何もかも忘れて、個人的に言わせてもらえば、ボーカル表現が凄くいい。ぼんやりしていて音像ははっきりしないけど、その雰囲気がとても良い。人によってはすごく安っぽい音に思えるかも知れないが、それがとても良い。肌に馴染む。音場に奥行きがあり、音の響きの広がりが豊かで、包まれるように聴ける。ぼんやりして篭もり感も強く、はっきりしないが、その音の滲み方すら美しい。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはRME ADI-2 Pro FS R Black EditionとFiiO BTA30を用いています。コーデックはaptXです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- TaoTronics SoundLiberty Pro S10
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- TaoTronics SoundLiberty Pro S10
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- TaoTronics SoundLiberty Pro S10
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- TaoTronics SoundLiberty Pro S10
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- TaoTronics SoundLiberty Pro S10
総評
TaoTronics SoundLiberty S10 Proは私のおすすめのリストの上位に来る製品ではありません。それはシャープで近未来的なデザインを持っているにも関わらず、サウンドは鈍く、非常に穏やかな、どこか保守的ですらあると思えるノスタルジックな音色を持っています。そのあまりのディテール感の無さに、私は最初このイヤホンは故障しているのではないかと思ったほどです(いろんな機器に繋いで試しました)。しかし、聞き慣れてくると、そのサウンドはとてもウォームで心安まるものがあり、私のお気に入りに加わりました。
私はこの機種の欠点をよく知っているので、この機種をいたずらに薦めることはしませんが、私と好みが合う人にはきっとこの良さが伝わると思っています。このサウンドは決して流行に沿っているとは思えませんが、なぜかとても私を感動させる要素があります。少なくとも日本語音域にフォーカスされるサウンドなので、個人的にとても心地よく聞こえるのだろうという推測は成り立つかも知れません。
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