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TANCHJIM ZEROの概要
こんな人におすすめ
- 明るい音が好き
- サウンドバランス重視
- 定位感にこだわる
- 華やかな音が好き
- 爽快感重視
- コスパ重視
基本スペック
- 再生周波数:5-20000Hz
- インピーダンス:15.5Ω
- 感度:115dB
- 価格帯:1000円~3000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.0/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- 正確な質感
- 優れた定位感
- 優れた原音忠実性
- 艶やかで華やかな音
- 軽やかで抜けの良いサウンド
- 優れた構築感
- 音像一貫性に優れる
- 良好な制動特性
- サウンドバランスが良い
- 良好な解像度
短所
- 深みに欠ける低域
TANCHJIM ZEROの特徴
- 軽量で快適なデザイン
- コンポジット振動板を採用したプレミアムDMT4ダイナミックドライバー
- 防塵・防水SATTIフィルター搭載のプレミアムクラフトマンシップ
- 精密に設計された音響キャビティ構造
- フラッグシップクラスの性能をエントリーレベルで実現
- 広い周波数帯域
- 高品位OFC銀メッキ銅線ケーブル
- 豊かでバランスのとれたサウンドパフォーマンス
エントリークラスの新標準
Tanchjim Zeroは、コンパクトな弾丸型デザイン、DMT4ベースのシングルダイナミックドライバー、そしてエントリークラスの価格を実現した全く新しいシングルダイナミックドライバーIEMです。複合振動板を採用した10mm径のプレミアム・ダイナミックドライバーを搭載し、フラッグシップクラスの性能を誇ります。タンチジムは深い研究開発により、優れた音質出力を得るために音響キャビティ構造を調整しました。フロントキャビティにはイタリアから特別に輸入したSATTI Filterを搭載し、防塵・防水性を高めています。タンチジムZEROは、フラッグシップクラスのプレミアムな音質を、コンパクトで人間工学に基づいたフォームファクターに詰め込んでいます!
プレミアムDMT4アーキテクチャー・ダイナミックドライバー
Tanchjimは、最新のZEROに10mmコンポジットダイアフラムのダイナミックドライバーユニットを搭載しました。このドライバーは、タンチジム社のDMT4アーキテクチャに基づき設計されています。FEA有限要素解析ソフトウェアを採用し、ドライバーデータのシミュレーションと解析を行い、導波管音響構造の最適化、磁気回路の強化、サスペンション品質の低減、振動板材料の剛性調整などを行っています。ZEROは、バジェットプライスポイントで高品質なパフォーマンスを提供するために設計されています!
精密に設計された音響キャビティ構造
Tanchjimは、ZEROの音響キャビティ構造を開発するために、徹底的な研究開発を行いました。この空洞構造は、音響構造カップリングASIと音響透過損失STL技術を使って分析されています。この内部空洞は、完全に計算されたフィルター密度、選択されたハウジング材料、およびサスペンションシステムの変数が調整されて作られています。この精密に作られた音響構造は、セットで優れた音響性能を達成することに貢献しています。
輸入された防塵・防水フィルター
TanchjimはZEROのフロントキャビティに輸入品のSATTIフィルターを装備しています。これはドライバーと内部音響構造を埃や水しぶきから保護するものです。また、シェル表面にはナノコーティングが施されており、耐久性にも優れています。フィルター側には、ステンレス製のプロテクターを装備しています。
プレミアムOFC銀メッキ銅ケーブル
Tanchjim ZEROは着脱式ケーブルです。LITZの抗酸化構造を持つ高品質の4N OFC Silver-Plated Copperケーブルを採用しています。ケーブルは柔軟性と耐久性に優れています。標準的な3.5mm金メッキ終端プラグを採用しています。
Tanchjim Zero:DMT4アーキテクチャを採用した最新の低価格シングルダイナミックドライバー中華イヤホン
HiFiGOニュース
Tanchjimは、シングルダイナミックドライバーIEMの設計で専門知識を得ています。彼らはTanchjim Ola、Hana 2021、Oxygenなどのような非常に高く評価されているシングルDD IEMの巨大なカタログを持っています。今日、彼らは彼らのカタログにシングルダイナミックドライバーIEMの別のポケットフレンドリーなセットを追加し、すべてのブランドの新しいTanchjim Zeroを提示します。
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準以上です。保管に場所を取らず、捨てやすいのはいいですね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- キャリングポーチ
- 説明書など
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(8.0)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
TANCHJIM ZEROはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TANCHJIM ZEROはニュートラルかつフラットと言える非常にバランスが良いサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B-
- 深さ:B
- 重み:B
- 太さ:B+
- 存在感:B-
TANCHJIM ZEROの低域は十分に直線的ですが、深さは少しだけ物足りません。
バスドラムキックには太さと適度な重みがあり、それなりに悪くないとは思いますが、エレキベースは少し明るく、ランブルも弱いので生々しさには少し欠ける低域です。
モニター的な低域が好きなら悪くありませんが、低域マニアを満足させるという傾向の音ではないでしょう。
中域(10.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
TANCHJIM ZEROの中域はほぼハーマンターゲットIE 2017を忠実になぞっており、非常に優れた質感表現を持っています。
価格帯では文句ない透明度で、Moondrop CHUや7Hz Salnotes ZEROといった同価格帯の優れたイヤホンに匹敵します。
それでもTripowin Leaの優れた中域には及びません。
非常になめらかで音像一貫性に優れており、自然な質感で明るく前面で色づきよく聞こえます。また歪率もかなり低く、ノイズ感もまず感じないでしょう。
高域(9.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:A-
- 鋭さ:A-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C-
- 存在感:B-
高域は低価格でありながら拡張性に優れており、ハイエンド機種に匹敵します。
鮮明感は良好で、ディテール感にも優れ、繊細に聞こえる高域です。
中高域がやや盛り上がっているため、艶やかさが強調されており、若干音が鋭く、硬めに聞こえる傾向がありますが、抜けが良いので耳に残る感じがなく、おそらくほとんど気になりません。
むしろ中域の構築感をしっかり描き出し、立体感の再現度に貢献するため、好ましく思う可能性が高いでしょう。
ボーカル表現でわずかにタ行が尖って聞こえる可能性がありますが、刺さりは抑制されているので聞き苦しい感じにはならないはずです。
定位/質感
- 質感の正確性:S+
- 定位の正確性:A-
- オーケストラのテクスチャ:S-
- 雅楽のテクスチャ:S-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
スケール感と定位感、中域の質感表現に優れ、透明度も十分に高いため、この価格帯では最もフルオーケストラ向きと言えるイヤホンの一つです。ただし、重厚感には欠けるため、人によっては高級感の感じられない軽っぽい音に聞こえるかもしれません。逆に軽やかで華やかに、ワルツを踊るような雰囲気で聞こえる感じが好きなら、かなりおすすめできます。
雅楽も雰囲気が軽っぽく、少し浮かれ気味に聞こえるのを除けば、全体的に優れています。篳篥も色気を強調しながら、しっかり際まで伸びますし、和音も十分なディテールを持ちながら、艶やかで印象的に聞こえます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A-
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:C+
低域の深さはやや物足りず、中域は比較的前面におり、高域の高さは標準以上です。
クリア感は優秀な水準です。
イメージング性能は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S
- 個人的な好み:A+
TANCHJIM ZEROは低価格でありながら、非常に優れたオーディオスペックを実現しているだけでなく、優れたレンジ感とサウンドバランスでハイエンド機種に匹敵するサウンドを実現しています。
もちろんそのことは同じ価格帯でZEROがずば抜けて独り勝ちしているということを意味しません。
全体的な解像度ではTripowin Leaが相変わらず価格帯の頂点に君臨しており、ハイエンドクラスを凌駕しさえする優れた透明度の中域はライバルを寄せ付けません。
また総合的な性能でMoondrop CHUがZEROに先んじています。そしてサウンドバランス、とりわけ原音忠実度では7Hz Salnotes ZEROがTANCHJIM ZEROを凌いでいます。
しかし、高域方向のレンジ感と定位感の正確性ではZEROはこれらのライバルを圧倒することができ、とくに低域が強い音が苦手な人には最適な選択肢となるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 正確な質感
- 優れた定位感
- 優れた原音忠実性
- 艶やかで華やかな音
- 軽やかで抜けの良いサウンド
- 優れた構築感
- 音像一貫性に優れる
- 良好な制動特性
- サウンドバランスが良い
- 良好な解像度
欠点
- 深みに欠ける低域
正確な質感と定位
優れた原音忠実性
華やかで軽やかな音
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- TANCHJIM ZERO
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- TANCHJIM ZERO
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- TANCHJIM ZERO
海外レビューの紹介
人気ブランドのエントリークラスイヤホン「Tanchjim Zero」の海外レビューまとめ
人気ブランド「Tanchjim」のエントリークラス中華イヤホン「Tanchjim Zero」の海外レビューをまとめて紹介します。
総評
明るく華やかで抜けの良いサウンドが好きなら、きっとTANCHJIM ZEROを気に入ることでしょう。それはオーディオスペックの点でも1万円以上の多くの機種より優れており、サウンドバランスも非常によく整えられています。欠点は低域が浅いことくらいです。
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