免責事項
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TAGO STUDIO T3-03(GAMING PKG)の概要
こんな人におすすめ
- ボーカルをはっきり聴きたい
- 色彩感のしっかりした明るいサウンドが好き
- 低域がうるさいのが嫌い
基本スペック
- 周波数特性:20~20kHz
- インピーダンス:70Ω
- 感度:102dB
- 価格帯:30000円~50000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:5.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
長所
- 原音忠実度が高い
- 明るくフラット
- 色気のあるボーカル、スネア、ギター
- 中域がはっきり聞こえる
- 解像度が高い
短所
- うるさすぎる中域
- よくない定位感
- スカスカの低域
- 滑らかでない高域
- 扁平で前かがみな音像
- ダイナミズムに欠ける
- 窮屈な音場
TAGO STUDIO T3-03(GAMING PKG)の特徴
「最高のモニターヘッドホン」は、「最強のゲーミングヘッドホン」になる
TAGO STUDIO T3-03 (GAMING PKG) は、ホワイトカラーの「T3-03」にマイク付きケーブル「T3-PM01」を同梱したゲーミング専用パッケージです。私たちは音楽制作とゲーミングに求められるサウンドの共通点に着目し、音の分離、解像度など、最高のモニターヘッドホンと最強のゲーミングヘッドホンの要素は一つになると考えました。また、マイクロホンは、マイクロホンのパイオニアである株式会社プリモと共同開発する事で、妥協のないスタジオ品質のブームマイクを作り上げました。
パッケージ(7.5)
業務用製品のため、パッケージは簡素です。紙製でエコ、処分しやすくなっています。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- マイク
- マイクケーブル
- マイク無しケーブル
- キャリングポーチ
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準以上です。折りたたみ可能ですが、片耳モニタリングはできません。
装着感(8.5)
イヤーマフはやや小ぶりですが、装着感に硬さはなく、軽量で快適です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
TAGO STUDIO T3-03はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回はFiiO M15で駆動してレビューします。
TAGO STUDIO T3-03は中域寄りのかまぼこサウンドを持っています。上位機種に当たるT3-01より低域が少なく、全体的に高域寄りになっています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(5.0)
- 原音忠実度:D+
- 臨場感:D
- 深さ:C+
- 重み:B
- 太さ:B
- 存在感:D+
低域はT3-03の最大の欠点であり、ほとんど存在感がありません。
エレキベースは広がりに欠け、明るめに聞こえ、バスドラムキックも浅く、重厚感に欠けます。ランブルが弱く、深いところが全く出ていないので、薄味の低域ですね。モニター用にはこれくらい浅くても良いという人もいるかもしれませんが、ゲーミング用には少し臨場感が足りなすぎる気がします。
中域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:A-
- 明るさ:A+
- 硬さ:A
- 存在感:B
T3-03の中域は前面に出てくるようにチューニングされています。明るく聞こえますが、中域下部に不足があるので、充実感はイマイチでどうも音楽表現の造型が上っ面だけになりがちで、またシャウト感も少し強調されやすいのが問題ですね。
女声ボーカルを重視したチューニングといえ、ボーカルは前面に聞こえます。音像は扁平で前かがみに聞こえるので、フラットと捉える可能性があります。実際、全体の原音忠実度はかなり高いので、バランス的には自由音場フラットに近いのですが、質感はいまいちで生々しさに欠ける音です。ただし、構築感は高く中域の立体感の再現度はわりと良いですね。しかし、奥行き感に欠けるので構築感が高いわりに、定位感は分かりづらいです。
こうしたチューニングの良いところは直接音が増大するため、解像度は一般に向上するところですね。実際にT3-03はかなり良好な解像度を持っています。
高域(7.5)
- 原音忠実度:C+
- 艶やかさ:A
- 鋭さ:A
- 脆さ:B
- 荒さ:C
- 繊細さ:C+
- 存在感:C
T3-03の高域はT3-01からバランスが劣化しており、定位感に悪影響が出ています。
空気感があるのに中域の抜けが悪いのは6kHz付近にある深いディップのせいですね。ほとんど似ているサウンドバランスでありながら、丁寧に高域を作り込んでいるCLASSIC PRO CPH7000と聴き比べると、定位感のわかりやすさに段違いの差があることがわかります。
定位が重要なゲーミング用に使うなら、これよりCPH7000を買ったほうがまともに使えるでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:B-
- 定位の正確性:C+
- オーケストラのテクスチャ:C
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
中域が妙にうるさいフルオーケストラです。直接音が多いので、非常に明るくはっきりと聞こえますが、ギャンギャンギンギンするうるさい音で、重厚感も足りないため、なんとも安っぽい音ですね。私は好みじゃありません。
中域は明るくしっかり聞こえますが、和音がよくありません。高域の大きなディップのせいで倍音がきれいに聞こえないようです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:C+
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A
- 低域:C-
低域は浅く、全体的に腰高気味です。高域の抜けは悪くありませんが、全体的に奥行き感に欠ける音です。
クリア感は価格の標準を満たしています。
イメージング性能は価格を考えるとかなり優れています。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B-
3万円も出してこれを買う必要があるかは少し疑問です。ゲーミング用に使うには定位感の悪さ、低域の臨場感の足りなさ具合がとくに気になり、どうも真面目にゲーミング用に作っているような音には思えません。これがゲーミングヘッドホンとして成立するなら、同等の解像度を持ち、同じようなサウンドバランスでより優れた定位を提供するCPH7000のほうがさらに優れたゲーミングヘッドホンと言えます。ただ、CPH7000にはマイクがありません。
自由音場フラット系の音が好きなら悪くありませんが、モニターヘッドホンとしてはCPH7000をはじめ、この機種の半額以内でもっと優秀な機種がたくさんありますし、低域が少なすぎてあまりおすすめできません。空間表現を重視する現代的なミュージックデザインに合っていない音響設計に思えます。
音質的な特徴
美点
- 原音忠実度が高い
- 明るくフラット
- 色気のあるボーカル、スネア、ギター
- 中域がはっきり聞こえる
- 解像度が高い
欠点
- うるさすぎる中域
- よくない定位感
- スカスカの低域
- 滑らかでない高域
- 扁平で前かがみな音像
- ダイナミズムに欠ける
- 窮屈な音場
原音忠実度が高い
明るくフラット
解像度が高い
レム チャイナドレスver. 1/7スケールフィギュア
『Re:ゼロから始める異世界生活』より、レムがF:NEXオリジナルデザインのチャイナドレス風衣装でフィギュア化!
舞うようにモーニングスターを振るう姿は、力強さと躍動感、女性らしいしなやかさを備えた美しさ!
ドレスはレムをイメージしたブルーのメタリック塗装を施し金の装飾も丁寧に仕上げています。
黒タイツは布製で制作し、本物の質感を追求。肌の透け具合も飛び切り華麗に仕上がりました。
鬼がかった美しさ! チャイナドレス姿で戦うレムをお招きください。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- TAGO STUDIO T3-03
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- TAGO STUDIO T3-03
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- TAGO STUDIO T3-03
総評
TAGO STUDIO T3-03は自由音場フラットに基づいてチューニングされたモニターヘッドホンです。サウンドバランスは全体的に高域に寄ったかまぼこサウンドで、中域がはっきり聞こえますが、前面に出すぎてうるさくなりやすいのをどう捉えるかですね。個人的には3万円もする割にパッとしない機種です。音はゲーミング用にチューニングされているとはとても思えないんですが、どうなんでしょうね。
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