免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにSymphoniumから貸し出されたサンプルに基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
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Symphonium Heliosの概要
こんな人におすすめ
- バランスの良いサウンドが好き
- ニュートラルサウンドが好き
- 定位感にこだわる
- 楽器音の質感とトーンの正確性にこだわる
基本スペック
- 周波数特性:12Hz~24kHz
- インピーダンス:8.5Ω
- 感度:104dB/Vrms
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:100000円~200000円


- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.0/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.0/10.0
長所
- ほぼ完璧なニュートラルサウンド
- 定位感に優れる
- 自然な質感
- 中域への適切なフォーカス
- 全体の原音忠実度が高い
- 透明度の高い音
短所
- 高域の拡張性が足りない
- 低域の深さがもう少し欲しい
Symphonium Heliosの特徴
Heliosは、マルチドライバーのバランスド・アーマチュア型イヤホンに対する固定観念を払拭するために設計された、私たちの世代的な飛躍を象徴する製品です。バランスド・アーマチュア型サブウーファーは、新開発の技術により、ボーカルの表現力を損なわないクリーンな低音域を実現しました。また、バランスド・アーマチュア・トゥイーターの限界を超える高音域の伸びを実現しています。様々なモニターが持つ最高の特徴を1つの製品にまとめました。
4Wayクロスオーバーを搭載したHeliosは、そのダイナミズムと活力に感動することでしょう。私たちは限界に挑戦することを怠りません。

パッケージ(8.0)

パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャリイングケース
- イヤーピース(2種類)




ビルドクオリティ(8.5)

外観のビルドクオリティは価格の標準を十分満たしています。



装着感(8.0)

装着感は一般的な人にはかなり良好ですが、金属ハウジングは少し大きく、耳が小さい人には収まりが悪いかもしれません。



音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
Symphonium Heliosは出力インピーダンスの影響はほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説
今回は標準イヤーチップ(SednaEarfit) Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Symphonium Heliosのサウンドは全体の原音忠実性が高く、ニュートラルに近いため、非常にバランスに優れています。個人的には少し低域が物足りないですが、モニター的で正確なサウンドを持っており、質感と定位感の両面の表現で優れているため、ニュートラルサウンドを愛するオーディオマニアをほぼ完全に満足させることができるでしょう。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域(9.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:A-
- 重み:B+
- 太さ:B
- 存在感:B

Symphonium Heliosの低域は個人的には拡張性でやや物足りなさを感じるものの、十分に深くまで到達しており、レイヤリングに優れています。
低域は全体の中では明瞭度とTHDで劣るため、個人的には存在感はわずかに弱いバランスに感じられますが、私がやや低域偏重を好む傾向があることを考えると、多くの人にとってはむしろバランスが良いサウンドでしょう。
個人的にはエレキベースに黒さがもう少し欲しいところがあり、やや明るい低域のように思いますが、ベースとドラムのバランスもよく、スピード感の点でも鈍重さがなく、中庸に近い機敏さが感じられます。キックとエレキベースともに情報量が十分あり、生き生きと描き出されます。
よくできた低域ですが、個人的には深みがもう少し足りないので、この音域がこのイヤホンの最大のネックに思います。
中域(10.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B+
- 硬さ:B
- 存在感:B

中域はかなり原音忠実的かつほとんど完全にニュートラルです。
質感表現はほぼ完璧に近く、定位にも優れています。この透明度の高い中域は位置的にも耳と耳をつないだ冠状面ほぼ沿って少し前方正面に聞こえ、十分な没入感が得られます。
中域は十分に広く思えるものの、超高域の展開力に欠けるため、イメージングはやや狭く、総合的な音場は私の好みより少し窮屈ですね。
正直に言いますと、私はHeliosの中域が定位と質感でより素晴らしいということを測定値でも聴感でも確認しつつ、このイメージングの展開力の差でSoundPEATS Gamer No.1のより広いイメージングを好みます。私が高価なイヤホンを買うことに興味がなくなっているのは、つまるところ、どんなイヤホンを聴いても最終的に私自身がGamer No.1のサウンドに戻るからであり、今のところこれでしか音楽を聴く気にならないことが多いからです。
しかし、だからといって、このイヤホンが定位と質感の両面で優れていることは確実であり、私がこれまで出会ったイヤホンの中でもこの機種に上位の関心を抱いていることは事実です。
高域(9.5)
- 原音忠実度:B
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B-
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C
- 存在感:C+

高域はほとんど完璧ですが、拡張性が少し不足しているため、空気感が不足しており、それが音場全体にわずかな窮屈感をもたらしています。
この空気感の不足による抜けの悪さは高域の雰囲気をわずかに金属的に傾かせており、シンバルクラッシュが素直にすっきり抜けてくれていない原因になっていますが、多くの人にとってはむしろギラツキがはっきり聞こえて良いと思うかもしれません。
また歯擦音もうまく調整されており、私にとってわずかに金属的に聞こえるにも関わらず、ボーカルの子音に刺々しさを感じることは殆どありません。
定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:S
- オーケストラのテクスチャ:S-
- 雅楽のテクスチャ:S
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
クラシックを楽しむためのイヤホンとして、Heliosは文句なくおすすめできます。個人的な趣味から言うと、低域の重厚感と深みがもっとほしいというのが本音ですが、代わりに中域がより印象的に聞こえる明るい音場になっているので、これは好みの問題かもしれません。どちらにせよ、表現は全体的に素晴らしいので、文句のつけようは殆どないですね。少し天井が低いのが気になる程度です。
雅楽も完璧に近く、音場は少し明るいですが、和音がきれいに聞こえ、耳に突き刺さる感じもなく、甲高さもなく、非常に質感が正確に聞こえます。完璧な雅楽に近いですね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:B+
- 低域:C

深さは標準を満たしていますが、高さは少し物足りません。
クリア感は価格の標準以上です。
イメージング性能は価格の標準を満たしています。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S-

Symphonium Heliosはほぼ完璧なニュートラルモニターサウンドを持っており、解像度やTHDの点でも文句なく、価格に十分に見合っています。定位感も完璧に近いです。サウンドバランスの点でこれ以上のイヤホンはほとんどないでしょう。
そういうわけで、オーディオマニアとしてほとんど文句のつけようがありませんが、思ったより私の感動を呼ばないのはおそらく単純にレンジ感が足りないせいです。低域の深み、高域の伸びしろの両面で私が聴いたこれまでのイヤホンのほとんどと同じ水準にとどまっています。解像度も特別に優れているというわけではありません。
10万円以上するイヤホンの価値というものを考えた場合、サウンドバランスが整っているのはもはや当たり前、さらにレンジ感と解像度で優れている必要があるでしょう。このイヤホンは私を非常に感心させるものの、その音に感動するかという点ではいまいち物足りなさを感じます。
音質的な特徴
美点
- ほぼ完璧なニュートラルサウンド
- 定位感に優れる
- 自然な質感
- 中域への適切なフォーカス
- 全体の原音忠実度が高い
- 透明度の高い音
欠点
- 高域の拡張性が足りない
- 低域の深さが足りない

ほぼ完璧なニュートラルサウンド
定位感に優れる
全体の原音忠実度が高い
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING L50
を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース(SednaEarFit) Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation

- 原曲(-23LUFS)
- Symphonium Helios
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Symphonium Helios
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Symphonium Helios
総評
10万円くらいの価格で、定位と質感に優れた完全なニュートラルサウンドに近い優れたIEMを探しているなら、Symphonium Heliosを見逃すべきではありません。それは少なくともサウンドバランスにおいて完璧に近く、モニターイヤホンに求められる仕事をほぼ完璧にこなすことができます。
![【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編] 【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編]](https://i0.wp.com/cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kanbun/20210922/20210922100044.jpg?w=1256&ssl=1)
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