免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにSuperEQから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
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SuperEQ Q2 Proの概要
こんな人におすすめ
- 色気のあるサウンドが好き
- 充実感の高いサウンドが好み
- 響き重視
- アクティブノイズキャンセリング性能重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:ANC ON時8h/30h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:214-115100
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:5.5/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:8.0/10.0
長所
- 響きが豊か
- 充実感の高いサウンド
- ふくよかなボーカル
- 色づきが良い
- 艶やかな色気のあるサウンド
- 鮮明感が高い
- 甘くノスタルジックな雰囲気
- 優れたANC性能
短所
- 天井感の強いサウンド
- 音場が窮屈
- 解像度が悪い
- ぼんやりする音像
- アグレッシブサウンド
- 締りが悪い
- 音像の一貫性に欠ける
SuperEQ Q2 Proの特徴
- Bluetooth 完全ワイヤレス
- Type-C急速充電&長時間再生
- AAC&HIFI高音質マイク付き
- 外部音取り込みモード
- ハイブリッドアクティブノイズキャンセリング
OneOdioサブブランドの放つ新作完全ワイヤレスイヤホン「SuperEQ Q2 Pro TrueWireless」。35dBのANCが魅力
DJヘッドホンでおなじみ「OneOdio」のサブブランド「SuperEQ」からアクティブノイズキャンセリング搭載の完全ワイヤレスイヤホン「SuperEQ F06 TrueWireless」がリリースされました。
パッケージ(8.0)
SuperEQ Q2 Proのパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- SuperEQ Q2 Pro本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、良好なレベルです。
装着感(8.5)
耳が小さい人でも問題なく装着できそうです。収まりもよいでしょう。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも接続が途切れることなく、接続は維持されますが、ときどき途切れがちになります。それでも音楽再生は満足なレベルで継続されました。ただしとくに距離的に問題ない場合でも時々妙に音飛びしたり通信が乱れることがあります。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し、蓋を閉める |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを1回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを2回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを2回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを2秒長押し |
ボイスアシスタント起動 | 多機能ボタンを3回タップ |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを2秒長押し |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、SuperEQ Q2 ProのANC性能は価格帯ではかなり優秀です。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
SuperEQ Q2 Proの中低域が強調されたマイルドV字型というようなサウンドをしています。ウォームで中域に濃厚感があり、充実感を重視するリスナーに好まれる可能性がありますが、空気感が悪く開放感がなく、解像度も低いのがネックです。低域もいまいち深さに欠けるので引き締まりに欠けるのが好みを分けるでしょう。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:B-
- 深さ:A-
- 重み:A
- 太さ:A-
- 存在感:A-
低域は比較的深くまで出ていますが、明瞭度が悪く、全体的にぼんやりしており、よく聞こえません。
中低域が強いバランスになっているので、やや膨張的に聞こえやすいところもあり、ドラムキックはドンドンというよりはボンボンしています。ウォームでマイルドな聴き心地で柔らかく優しいと言えるかもしれませんが、個人的には締りが悪く、ほとんど魅力を感じない低域です。
エレキベースは黒さが足りず、明るいところがあり、ブリブリしたあたりがよく聞こえますが、音に躍動感がありません。
中域(5.5)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は全体の中で少し凹んでおり、とくに中低域の影響を受けるため、やや濁りが出やすく、人によっては少しこもって聞こえやすいですね。
温かみが感じられ、充実感が高く、濃厚感のある中域です。ボーカルはふくよかで、少し埋没的です。ボーカルや楽器音にはわりとはっきりした艶があり、少しぼんやりした中でも色づきはよく聞こえますが、質感はツルツルしがちです。
中域は奥行き感が少し強調されているため、やや広く聞こえます。
高域(6.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C+
SuperEQ Q2 Proの最大の欠点は高域にあります。拡張性が大幅に足りておらず、音場は天井が低く、窮屈でシンバルの音がガシャガシャとうるさく聞こえがちです。全体的に抜けが悪いですね。
ギラツキ感がかなり強調され、鮮明感がありますが、解像度は低いため、全体的にぼんやりしています。
バイオリンの音、木管、金管などはよく聞くと、妙にアグレッシブでわりとうるさげなのですが、響きが多く、音像がマイルドな感触になっており、解像度があまり高くないのではっきり聞こえないため、意外と気になりません。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
フルオーケストラは妙に天井が近く、窮屈です。楽器音は艶が強調されているため、わりと色気があって第一印象で聴き応えを感じるかもしれませんが、よく聴くと、質感が全体的にツルツルしており、不自然に思えるうえ、少し甲高いですね。響きが多く、ホールのような雰囲気があるので、面白いですが、原音忠実的ではありません。低域も浅く、深みのない表現なので、オーディオマニア向きとは言えないでしょう。
雅楽は和音がかなりうるさげなのですが、響きが多いせいか意外と聞き苦しさを感じません。全体的に少し押し出し感が強く、余裕のない表現で聞こえやすく、あまり雅な雰囲気とは言えませんね。
音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B-
- イメージング:B-
- 高域:B-
- 中域:B+
- 低域:C+
中域で奥行き感がありますが、天井が近く、余裕のない音場になっています。
クリア感は価格帯では平凡か少し劣るレベルです。
解像度はあまり良くありません。価格の水準を満たしているとは言えないでしょう。中域の解像度が悪くないのが救いです。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:C-
- 個人的な好み:D-
響きが豊かで充実感が高く、少しぼんやりしたサウンドが好きなら、SuperEQ Q2 Proを選択肢に加えてもいいでしょう。
しかし、オーディオスペックで価格の標準を満たしていないため、サウンド面でのお得感は全くありません。
音質的な特徴
美点
- 響きが豊か
- 充実感の高いサウンド
- ふくよかなボーカル
- 色づきが良い
- 艶やかな色気のあるサウンド
- 鮮明感が高い
- 甘くノスタルジックな雰囲気
欠点
- 天井感の強いサウンド
- 音場が窮屈
- 解像度が悪い
- ぼんやりする音像
- アグレッシブサウンド
- 締りが悪い
- 音像の一貫性に欠ける
響きが豊か
充実感の高いサウンド
甘くノスタルジック
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- SuperEQ Q2 Pro
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SuperEQ Q2 Pro
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- SuperEQ Q2 Pro
総評
SuperEQ Q2 Proは充実感の高い、色気があって甘いサウンドを聞かせてくれますが、解像度が悪く、オーディオスペックでは価格帯の標準に少し届いていないという欠点があります。アクティブノイズキャンセリングの性能は良いので、耳栓目的ならコストパフォーマンスは悪くないでしょうが、音楽用に買う場合は、同等のANC性能でより音質面で優れているSoundPEATS T2やEarFun Free Pro 2を買ったほうが良いでしょう。低域重視なら前者、色気のあるサウンドが好きなら後者を選べば、幸せになれるはずです。
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