免責事項
- このレビューはSudioから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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Sudio T2の概要
こんな人におすすめ
- バランスの良いサウンドが好き
- EDMが好き
- ロックが好き
- おしゃれなデザインのイヤホンがほしい
- ANCやヒアスルーなど外音制御系の機能は必須だと思っている人
基本スペック
- 連続/最大再生時間:7.5h/35h
- 防水性能:汗や水しぶきへの耐性
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:210-164453
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:7.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- バランスの良いサウンド
- ディテール感に優れる
- 鮮明で印象的な解像度が高い
- 原音忠実性が比較的高い
- 躍動感に優れたサウンド
- 機敏で正確なリズム
- ビルドクオリティ
短所
- 薄い中域
- 構築感に欠ける
- 臨場感に欠ける
- 充実感に欠ける
- 低域で効果の薄いANC
- やや物足りない通信品質
Sudio T2の特徴
機能
- アクティブノイズキャンセリング機能
いつでもどこでも聴きたい音に集中できる - ビームフォーミングマイクロホン搭載
通話時に周りの環境音を抑え、必要な音声を的確に届ける - 急速充電
最新のType-Cに対応。10分の充電で2時間再生時間を確保 - パワフルなバッテリー
単体で7.5時間、ケース充電を含めて最大連続35時間 - 力強い低音と鮮やかでクリアな高音
パワフルなダイナミックドライバーで低域好きを満足させる低音を実現
デザイン
- 汗や雨しぶきにも強い防水仕様
ジムやランニング、突然の雨にも対応可能 - 北欧スウェーデンから生まれたこだわりのデザイン
ファッションにも合わせやすい、丸みを帯びた愛らしいデザイン - 1日中つけても疲れないイヤーチップ
XS~Lまで5種類のチップ付属で最適サイズが見つかる
汚れがつきにくい素材を採用、清潔感を保ち、音質の劣化も防ぐ - 操作が簡単なタッチパネル
イヤホン側面のタッチパネルで、楽曲選択やボリューム操作も可能
公式プロモーション動画
クイックスタート動画
パッケージ(8.0)
Sudio T2のパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- Sudio T2 本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(9.0)
ビルドクオリティは価格なりかわずかに上質です。パステルカラーで調和的な雰囲気です。
ケースのイヤホン収納部には比較的余裕があり、普通のイヤホン用のLサイズイヤーチップでもほとんどが収納できます。
装着感(8.5)
Sudio T2の装着感はわりと良好です。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと接続が途切れがちになりますが、接続は維持され、音楽再生が継続されました。ただし、時々音飛びや途切れが発生します。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し蓋を閉じる |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納 ②両方のイヤホンをケースに収め、ケースのリセットボタンを5秒長押し ③LEDが2回点滅したらリセット完了 |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを1回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを2回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを2回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを3秒長押し |
通話拒否 | 多機能ボタンを3秒長押し |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを2秒長押し |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、Sudio T2のANC性能は価格帯では標準的なレベルです。聴感上の影響が大きい中域は比較的遮断率が大きいですが、低域の遮断率は低いので、たとえば地下鉄のゴーゴーとした音はほとんど静かになりません。ただし、相対的に低域が強くなるため、マスキングによって中域が聞こえづらくなり、人によっては体感的な遮音性が高いと思う可能性があります。
ANC録音
録音はAntelope Audio Amariにつないだヘッドホン(beyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ω)から、テストトーンの音量レベルを合わせた上で、専用のテスト音源を自由音場フィルターを適用したうえで再生しています。音源はヘッドホンのみでの再生音源と、Sudio T2をANCモードにしたうえで、そのうえにヘッドホンをかぶせて再生したものが用意されています。これで疑似的にアクティブノイズキャンセリングを体感できます。
参考用にEarFun Air Pro 2のANC効果音源も掲載します。
実際のANCは装着感の影響も大きいですし、ヘッドホンをかぶせて再生しているために実際の聞こえ方とは異なりますが、比較的実際に近い体験ができます。
なお環境音源は効果音ラボさんの音源を利用しています。
- ヘッドホンのみの再生
- Sudio T2 ANC ON
- EarFun Air Pro 2 ANC ON
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。各モードの周波数特性の違いなど、より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
Sudio T2のサウンドは全体が聴感上のニュートラルに近く、自然に近い質感と繋がりのよい中域、自然な定位感、比較的高い録音忠実性を提供します。全体は広めのU字型構造になっていることから、中域は少し薄く聞こえやすいため、充実感に欠け、アコースティックな音源を聞くのには少し向かない可能性があります。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないで標準イヤーチップLサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:A-
- 臨場感:A-
- 深さ:A
- 重み:B+
- 太さ:B
- 存在感:A-
Sudio T2の低域は十分に深くまで到達しており、EDMのベースラインも十分に再現できます。
低域は引き締まりがよく、階層性が強調されていますが、ランブルやサンプは抑えられているため、少し生々しさに欠けます。そのためライブ音源よりは、どちらかといえば、EDMのような電子的なサウンド向きの低域ですね。
機敏でリズム感の良い低域で、ドラムサウンドのリズムはスポーティに聞こえ、ステップが明瞭で、楽しいですね。音にインパクトを感じさせる重みは十分にありますが、同時にボディの動きが軽快に感じられる俊敏さがあるので、音楽にしなやかな雰囲気があります。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域を聴く限り、このブランドは中域の作り方をよくわかっています。
中域の中心部は少し奥に聞こえますが、明るさは十分で、質感もかなり自然です。
この中域と高域のあたりの作り込みは本当によくできており、シンバルのみずみずしい響きが美しく、適度に弾力もあり、ライブ感に満ちた有機的な音楽表現を作り出します。
また子音の処理はかなりうまく、歯擦音はやや強いものの、尖りをうまく抑えています。サ行だけは刺さりが気になる可能性はありますね。周波数特性を見てわかりましたが、イヤホン設計における中域の空気感の作り方を熟知している雰囲気があります。
全体の雰囲気は質感の正確性にも関わらず、やや輝度が高く、充実感も薄いため、人工的に聞こえるものの、印象的な鮮明度が高いため、解像度が高い印象を受けるでしょう。
高域(9.0)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B
- 荒さ:B-
- 繊細さ:D
- 存在感:B
高域は中域とよくバランスが取れており、抜けも悪くありませんが、少し輝度が高く、拡張性は悪くありません。
比較的ナチュラルに聞こえる高域で、つながりがよくスムーズです。光沢感は少し強いので、人によってはガラス質な音に感じるかもしれませんが、構築感は少し抑えめになるので、硬質な印象は受けないでしょう。
Sudioのチューニングに私が不満を感じるとすれば、この構築感の不足で、これはピアノのコンコンした硬さの不足に繋がりやすい要素です。たとえば、G.グールド「ゴールドベルク変奏曲」を聴いてみると、ピアノの音が少し角が取れて、ゴムのように聞こえるため、グールドの繊細なタッチがややぼんやりして聞こえることで、すぐにその不足がわかります。この曲は静かに湧き出る泉のように、静寂の中で滾々とした力強さが感じられる曲のはずですが、T2で聴くと肝心の音の芯と骨格部分で精彩を欠き、面白みがありません。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:A+
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:A
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
Sudio T2でクラシックを楽しめるかといえば、個人的な意見としてはNOです。
定位や質感が優れているにも関わらず、それはデジタル的でリマスターによって不自然に解像感を高めたように聞こえやすく、透明度はかなり高く思えるのに、ランブルの不足や中域の薄っぺらい印象によって、私には生々しく聞こえません。
T2はたとえばfinal A3000のように意図的な暗さを加えることで音像の一貫性を犠牲にしつつ、自然な雰囲気を演出することもできたはずですが、最終的にはそれを選んでいません。ただ音は滑らかでなかなか美しく聞こえます。中域の奥行きの強調もホールの響きの雰囲気を少し強く感じさせるかもしれません。
私にはあまり生々しく聞こえないので、好みではありませんが、人が何に魅力を感じるかという点は難しく、T2は定位と質感において優れていることは事実なので、客観的に考えると高く評価すべき気がします。
雅楽にも同じことが言えます。私には少しスカスカして聞こえますし、和音が明るくきれいに聞こえすぎます。しかし、それが悪いかと言うと、そうとも言い切れないですね。それに高域の聴力の衰えを考えると、もう少し年齢を重ねればこのくらいの強調がちょうどよく思える可能性もあります。
そういうわけで、なんだかアコースティックな雰囲気、場の空気感のようなものに欠けると思いつつ、全体として評価を悪くすることはできません。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:A
音場はほとんど自然で、少し奥行きがあり、高さと深さで少し優れていますね。
クリア感は優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A+
Sudio T2は音質的にこの価格帯ではおすすめできる機種です。全体のバランスと質感、定位感をうまく維持しながら、低域と高域で強調が見られ、音楽の全体は少しダイナミズムが強調されて聞こえます。
ロックやEDMはスピード感があり、階層的でクリアに聞こえる機敏な低域によって楽しく聞こえます。それでいて、刺さりや尖りなど耳に痛くなる要素はうまく抑え込まれており、音楽の全体はスムーズで不快なピーク感はほとんどありません。
総合的に、わりとよくできたチューニングに思います。
音質的な特徴
美点
- バランスの良いサウンド
- ディテール感に優れる
- 鮮明で印象的な解像度が高い
- 原音忠実性が比較的高い
- 躍動感に優れたサウンド
- 機敏で正確なリズム
欠点
- 薄い中域
- 構築感に欠ける
- 臨場感に欠ける
- 充実感に欠ける
バランスが良い
鮮明で印象的な解像度が高い
機敏で正確なリズム
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAACで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Sudio T2
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Sudio T2
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Sudio T2
総評
Sudio T2はバランスの取れたU字型サウンドと調和的で質感に優れたデザイン、まずまず効果的に機能するアクティブノイズキャンセリングを提供する、比較的コストパフォーマンスの良い機種です。とくにEDMやロックを好むリスナーにはダイナミックで楽しく、印象的な解像度の高いサウンドを提供するでしょう。
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