免責事項
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SoundWarrior SW-HP20の概要
こんな人におすすめ
- 明るい音が好き
- 解像度重視
- 装着感重視
基本スペック
- 再生周波数:10Hz-35000Hz
- インピーダンス:40Ω
- 感度:101dB
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 明るく朗らか
- 抜けが良く、爽快な高域
- ディテールが詳細で繊細
- バランスが良い
- 原音忠実度が高い
- 優秀な解像度
- モニター的で見通しの良い低域
短所
- 不自然な質感
- 定位感の再現度に劣る
- 量感・深さともに少し物足りない低域
SoundWarrior SW-HP20の特徴
SOUND WARRIOR SW-HP20が付属品を一新して登場。SW-HP20-Bは、原音に忠実な再現力、ハードな使用に耐える高い耐久性、長時間でも快適な着け心地を実現したSW-HP10をベースに、新開発ドライバーユニットを搭載しハイレゾ音源を意識したより広い周波数特性を実現したリスニング用ヘッドホンです。
特徴
- 空間の拡がりやボーカルの息づかいまで鮮明に再現する広い再生周波数帯域を実現。
- 着脱式ケーブルを採用し、3.5mm接続コード(1.2m)×1、延長コード(2m)×1、6.3mm変換アダプタ×1が付属します。
- プロ現場の様々な要求を実現し磨き上げられたヘッドホン。ケーブルの耐久性はもちろん、ヘッドホンを落としても壊れない、破損や劣化に強いナイロン製ハウジングや、皮脂などの油性劣化に強いポリウレタン性イヤーパッドなど、ひとつひとつの素材は全て高耐久性仕様となっています。
- 抜群のフィット感を実現するエルゴノミックデザイン・イヤーパッドを採用。密閉型ヘッドホンには必須の密着性や遮音性を実現するだけでなく、人間工学に基づいたエルゴノミックデザインのイヤーパッドを採用し、包み込むような優しいフィット感をも実現。Made in Japanらしい丁寧で拘り抜いた作りになっていいます。
パッケージ(7.5)
パッケージはシンプルです。価格の水準はぎりぎり満たしているといった感じでしょう。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- 延長ケーブル
- 3.5mm→6.35mmアダプター
- 説明書
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格の水準を満たしています。
装着感(8.5)
装着感は快適です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
城下工業 SoundWarrior SW-HP20はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回はFiiO M15につないでレビューしています。
城下工業 SoundWarrior SW-HP20は中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:C
- 深さ:B-
- 重み:B
- 太さ:B
- 存在感:C-
城下工業 SoundWarrior SW-HP20の低域はストンと落ちるモニタースピーカーのような低域です。中域を邪魔しないよう存在感は弱めにされており、深さも少し物足りません。
全体的に明瞭で見通し感はよく、レイヤリングは良好ですが、ドラムキックのインパクトは抑えめで、エレキベースも少し広がりに欠ける印象を受けます。
低域は原音忠実性も高く、良質と言えますが、低域マニアを満足させる量と重み、深みには欠けるでしょう。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:A
- 硬さ:A
- 存在感:B
中域は前面に出てきて、明るい位置で聞こえます。
質感表現はあまり正確ではありませんが、透明度が非常に高く、階調感に優れた見通しの良い中域を実現しています。明度も高く、全体的にくっきりしています。
厚みを抑えて硬く聞こえるところがありますが、そのソリッドな感触が、高い透明度と相まって、かっつりと音を立体的に描き出す感覚があります。曲の立体感をよく引き出してくれているように聞こえるのは美点ですね。
ただそのせいでボーカルがシャウトに傾いて聞こえたり、音にギンギンする若干耳障りな感じが出やすいのは気になるところです。
高域(9.0)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:A-
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:C
- 繊細さ:C+
- 存在感:C
高域の調整は拡張性も比較的良好で、なかなかに悪くありません。
中域の明度に対して輝度はバランスが取れており、鮮明感が高いため、はっきり明るく繊細に音を描き出すことができます。明瞭度も十分で比較的細かなニュアンスもわかりやすく、ディテール感はなかなかに優れています。
ただ高域の音像一貫性は少し低く、バイオリンや木管を聴くとまっすぐ抜けずに少し軸がふらついて聞こえます。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:C+
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
全体の解像度が高いため、楽器の音は比較的生き生きしていますが、質感の正確性と定位感の再現度はあまりよくありません。とくにフルオーケストラの主軸となるバイオリンがしっかりと直立して聞こえないのは難しいですね。重厚感にも欠けます。
雅楽も篳篥の音がところどころ滲んでわかりづらく、和音も荒っぽくて、解像度のわりにいまいちです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A
- 低域:B-
低域の深さは物足りません。中域は前面に出てきます。高域の高さは標準以上です。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
解像度は価格帯では抜群に近いでしょう。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B-
城下工業 SoundWarrior SW-HP20は価格帯では優れた解像度を持っており、精細感のある音楽を再現できますが、残念ながらその音像描写はかなり脚色され、正確とは言い難く、質感と定位感の両面で再現度にあまり優れていません。
価格帯では悪くないほうだとは思いますが、あえてこれをおすすめする理由もありません。
音質的な特徴
美点
- 明るく朗らか
- 抜けが良く、爽快な高域
- ディテールが詳細で繊細
- バランスが良い
- 原音忠実度が高い
- 優秀な解像度
- モニター的で見通しの良い低域
欠点
- 不自然な質感
- 定位感の再現度に劣る
- 量感・深さともに少し物足りない低域
優秀な解像度
詳細で繊細、かつ爽快
優れた原音忠実度
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- 城下工業 SoundWarrior SW-HP20
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- 城下工業 SoundWarrior SW-HP20
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- 城下工業 SoundWarrior SW-HP20
総評
城下工業 SoundWarrior SW-HP20は高い解像度を実現したリスニングヘッドホンです。それは価格帯を超えた透明度で音楽の全体像をくっきりと描き出すことができますが、質感と定位の正確性には劣るため、モニターヘッドホンとしてはいまいちで、中域の音像にこだわるオーディオマニアにもあまり向きません。
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