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SoundPEATS Miniの概要
こんな人におすすめ
- ダイナミックなサウンドが好き
- 重厚な低域が好み
- メタリックな音が好き
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/20h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:210-157676
- 価格帯:3000円~5000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:8.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- ダイナミックなサウンド
- 繊細
- 中域への適切なフォーカス
- メタリック
- 深みと重みがありながら引き締まった低域
- 没入感がある
- 良好な装着感
- 良好な通信品質
短所
- エッジ感に欠ける
- 構築感に欠ける
- 輪郭がぼんやりしやすい
- 芯の強さに欠ける、なよなよした音
- 金属質
SoundPEATS Miniの特徴
- 【流麗で美しいサウンド&美しく見える外観】 低遅延を発揮する高性能チップセットが搭載され、高音質で優れた6.1mm径のダイナミック型ドライバーが搭載、遅延や途切れせず、パワフルな低音かつ爽やかな余韻の抜け味が心地よく耳に馴染んできます。高音もクリアで全体的にフラットで自然に聞こえてきます。イヤホンは装着感する時に、「美しく見える」ことを考え、小型で丸いイヤホンの外観に合わせて、製品ロゴは特別に新しく設計し、構成されました。ケースにも所有する喜びを感じられる「高級感」を意識しました。
- 【VGP評論家が評するワイヤレスイヤホン、デザインでコンパクト】SOUNDPEATS Miniは、国内最大級を誇るオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP」で入賞しました! イヤホン単体はわずか4.2gで、装着していることを忘れるほど超軽量のデザインを採用しています。人間工学に基づいたデザインにより、耳にピッタリ付け、圧力を適度に分散し、長時間付けて痛くなりません。快適な着装感が実現した一方、スタイリッシュなデザインでおしゃれが人気なポイントです。小銭入れでも女性の方のカバンでも入られる充電ケースが付属し、持ち運びに便利です。
- 【AI通話ノイズキャンセリング対応、リアルな通話実現】 AI機能を強化したプロファイル搭載のプロセッサーが、5,000万種類以上のバックグラウンドノイズを低減しながら、ボーカルの高調波を保持することで、通話中の雑音や周囲のノイズをしっかり抑制、どんな環境でもクリアな音声コミュニケーションを実現、相手の声を聞き取れます。在宅勤務やテレワークやオンライン授業などのご使用は最適です。※本機のノイズキャン機能はANC(アクティブノイズキャンセリング)と異なる機能であり、通話中のみ効くこととなっております。
- 【安定性にこだわったMCSync左右同時伝送対応&最新のBluetooth5.2対応】Airoha社の革新的なMCSync技術採用。端末から伝送してきた電波が直接に受信される”左右同時伝送”に対応するため、従来のチップより遅延と音飛びが改善され安定性が大幅に上昇し、より使いやすい製品へと進化した。繁華街の中もしくは朝の満員電車でも快適に音楽を楽しめます。デイバスの切り替えの時は音楽を停止する必要がなく、スムーズに変更が可能です。オートペアリング技術を加えて、ケースを開くだけで、自動に再度ペアリングします。ペアリングの手間を著しく短縮します。
- 【驚異的な長持ち、単体5時間連続再生】イヤホン単体5時間連続再生可能で、充電ケースと併用すると、最大20時間持ちます。便利なタッチセンサーが搭載され、耳元に軽くタッチするだけで、音量調整、通話など色んな操作を実現できます。
- 【心のサポート体制〜30日間フリー返品&1年メーカー保証付き】本機は、電波法ならびに電気通信事業法に基づく技術基準に適合しています。
パッケージ(8.0)
SoundPEATS Miniのパッケージは価格の標準を満たしています。紙製で構造は簡素ですが、しっかりした作りです。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- SoundPEATS Mini本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、良好なレベルです。
装着感(9.0)
装着感は良好です。小さな耳でも多分問題ないと思います。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも、接続はほとんど問題ないですが、わずかに途切れやすくなります。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタン を1.5秒長押し |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
音声アシスタントの起動 | 多機能ボタンを2回タップ |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
SoundPEATS MiniはEtymoticターゲットを意識し、それよりは低域と高域を強調して拡張性を高めています。一般に音場が狭く聞こえやすいEtymoticターゲットの弱点を克服しつつ、中域がくっきりと聞こえるEtymoサウンドの良いところを取り入れようという意図が感じられ、しかも従来のSoundPEATSファンの好みに寄り添う低域の強調があります。わりと説得的な調整で、最近のSoundPEATSのチューニングには本当に感心させられますね。
全体的に良く出来ているイヤホンで、SoundPEATS製品でも比較的人気があるのは理解できるところです。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.5)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:B-
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B
- 存在感:B
低域は量的にはセーブされていますが、深さが強調されており、中域を邪魔しないバランスで重量感を出すことに成功しています。
SoundPEATS T2とは異なり、本当の重低域マニアを満足させるほどの深さはありませんが、レイヤリングに優れ、引き締まりの良くパワフルな、わりと良質な低域を提供します。また、ドラムとベースの描き分けを意識して調整が入れられています。個人的にはこういう低域は好みですね。
よほどの低域ジャンキーを除けば、SoundPEATSの伝統的なファンを十分満足させることができるでしょう。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
Etymoサウンド特有の中域がわりと前面に存在している調整になっています。オリジナルのEtymoサウンドより鮮明感で改善されているので、やや金属質な雰囲気が気になるものの、個人的にはEtymoサウンドより好みです。というより、私はEtymoサウンドが好きではありません。
エッジ感の不足は気になるところで、妙になよなよするバイオリンやなめらかすぎるエレキギターは正直どうかなと思います。また、ボーカルは子音の滑舌が少し悪いですが、歯擦音やサ行が強めに聞こえやすいので、エネルギッシュなところもあり、人によってはピーキーに聞こえる可能性があります。
Etymoサウンドにありがちな中域で密度が高くなりすぎる傾向もあり、音の分離が悪く思えますが、全体像を聞きやすいと思えば、悪くないと言う人もいるでしょう。私?本音では、わりと好みですね。レビュアーとしては中域がくっきりしているわりに輪郭がぼんやりしすぎてて、構築感が不足しており、音楽の立体感の再現度に劣るので、あまり感心できないという顔をしますが。
高域(8.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C
- 存在感:B-
高域は空気感が少し不足しているように思われます。
シンバルは輝度が高く、メタリックで少しシャカシャカしやすく派手ですが、個人的には思ったより不快感はなく、わりとシルキーに爽やかに聞こえます。とはいえ、かなりぎりぎりの調整に思えるので、人によっては不快でしょう。また、すでに述べたようにボーカルの子音はわずかに歯擦音が強めなので、高域に敏感な人は少し苦手に思うでしょう。
逆に言えば、そうした点が気になるどころか美点に感じる人にはダイナミックで爽快感のある楽しい高域です。空気感が少し不足して抜けきらないところも、中域に濃厚感を生み出していると考えれば案外肯定できそうです。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:A-
- オーケストラのテクスチャ:C+
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
これでクラシックを聞くかと言われたら、「ダイナミズムは悪くないにしても、なよなよして気持ち悪いバイオリンが好みでないので聞かない」と答えるでしょう。木管も力強さに欠け、ホワンホワンしたやる気のない音を聞かせてくるのでゲンナリします。まあ、こういうふにゃふにゃした雰囲気が好きな人もいるかも知れません。捉え方によってはスタイリッシュと言えなくもないですし。
雅楽はどうですかね?篳篥が嫋やかに聞こえる割に妙に和音が金属的でアンバランスに思えますし、抜けが悪いので、おすすめはしづらいですね。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:B
- 中域:A
- 低域:B
中域で少し奥行きが強調されているので少し広く感じますが、左右が少し窮屈ですね。深さは標準を満たしていますが、高さは少し足りないでしょう。
クリア感は価格帯を考えると比較的優秀ですが、適正音量以上で歪みやすいです。
解像度は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A+
SoundPEATS MiniはEtymoticターゲットを意識しつつ、高域と低域に強調を加えたモデルです。個人的にはEtymoの欠点と言えるところを改善してくれているので好感が持てますが、高域で刺激が強くなっているところが評価の分かれ目でしょう。
音質的な特徴
美点
- ダイナミックなサウンド
- 繊細
- 中域への適切なフォーカス
- メタリック
- 深みと重みがありながら引き締まった低域
- 没入感がある
欠点
- エッジ感に欠ける
- 構築感に欠ける
- 輪郭がぼんやりしやすい
- 芯の強さに欠ける、なよなよした音
- 金属質
ダイナミックサウンド
中域への適切なフォーカス
没入感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Mini
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Mini
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Mini
総評
SoundPEATS MiniはEtymoticターゲットベースでありながら、ダイナミズムを強調した楽しいサウンドを提供する完全ワイヤレスイヤホンです。重みのある低域、金属的だが繊細さの感じられる高域など音楽を楽しませる演出感があります。そのサウンドはオーディオマニア向きとは言えないものの、個人的には低域が生き生きしていて、わりと楽しめますね。通信品質を含め、全体的な品質は良好なので、エントリーモデルとしておすすめできます。
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