免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにSoundPEATSから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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SoundPEATS H2の概要
こんな人におすすめ
- モニタースピーカーサウンドが好き
- ニアフィールドサウンドが好き
- バランスの良い音が好き
- 解像度にこだわらない
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/20h
- 防水性能:不明
- 対応コーデック:aptX Adaptive/aptX/AAC/SBC
- 技適番号:018-210297
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
長所
- 前方定位感がある
- 中域への適切なフォーカス
- バランスが良い
- 聴き心地が安定している
- 優れた拡張性
短所
- 歯擦音がわずかに強い
- 解像度がやや悪い
SoundPEATS H2の特徴
- 8mmダイナミックドライバー+Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー
- Bluetooth5.2対応
- コーデックはSBC、AAC、aptX Adaptive対応
- デュアルマイク+CvCノイズキャンセリング
- 最低60msまでのゲーミングモード搭載
- アンテナ型で、メタリックなロゴのあるイヤホン。光沢感のあるケース。近未来的な最新のSoundPEATSデザイン
- イヤホン単体連続5時間、ケースと合わせて最大20時間再生
SoundPEATS、新作ハイブリッド完全ワイヤレスイヤホン「H2」の販売ページを公開。10/29 9:00から期間限定で20%OFF購入可能な記念セール開始
SoundPEATSの次世代ハイブリッドドライバー搭載完全ワイヤレスイヤホン「SoundPEATS H2」の製品ページがamazonに登録されました。今回、SoundPEATSがQCC3040を搭載し、8mmのコンポジット振動板ダイナミックドライバーと品質に定評あるKnowles社のバランスド・アーマチュアドライバーを搭載しています。
公式プロモーション&使い方解説動画
パッケージ(8.0)
SoundPEATS H2のパッケージは全体として標準以上で、価格に十分見合っています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。パッケージには以下のものが含まれています。
- SoundPEATS H2本体
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格を考えると、良好なレベルです。
金属的な質感がありながら手触りはツルツルとした温かみのあるデザインです。
装着感(8.5)
耳によく嵌り、装着感は快適です。
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。接続品質は優秀です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、 家庭内では安定しています。距離耐性も十分で、5mくらい離れても通信が途切れることはありません。また遮蔽物を挟んでも、接続が問題なく維持されていました。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード 手動でペアリングモードにする場合は、イヤホンをケースに収納し、蓋を開けた状態でケースのペアリングボタンを3秒間長押し |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納する ②イヤホンを10秒間長押しして、イヤホンのLEDが白色に2回点滅するのを確認する |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 左耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
曲戻し | 右耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
音量+ | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを1.5秒長押し |
ボイスアシスタント起動 | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
低遅延モード切替 | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
音質解説
SoundPEATS H2はかなり原音忠実的なサウンドを持っており、スタジオチューニングを意識した調整になっています。中域上部から中高域が強調されて聞こえ、明るく音楽を楽しむことができます。ボーカルも生き生きしてますね。この価格で手に入るイヤホンとしては周波数特性がよく調整されていますが、後述するように解像度が平凡です。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:A-
- 深さ:A-
- 重み:B+
- 太さ:B-
- 存在感:B
SoundPEATS H2の低域はかなり深くまで到達しており、レイヤリングも優れています。
低域にこだわってきたSoundPEATSらしい良質な低域と言えるでしょう。中低域に余計な膨らみもなく、素直に深いサウンドを聞かせてくれます。
かなりバランスの良さを感じる低域ですが、明瞭度は低いため、あまりクリアに聞こえないのが非常に残念です。低域好きを満足させることはないでしょう。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域はかなりニュートラルで、良質なスタジオチューニングを実現しており、ボーカルが明るく前面に聞こえます。
ボーカルへのスポットライトの当たり方は少し明るく聞こえ、若干歯擦音が強く聞こえる可能性があります。
質感はやや明るすぎ、ツルツル感が強いのが気になるかもしれません。バイオリンや木管の音が磨いたようにピカピカした感じで聞こえます。
高域(9.0)
- 原音忠実度:B+
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
高域はかなり調整がうまく、原音忠実度が高めです。若干輝度が高めで、そのせいで音楽全体は明るく聞こえますが、いわゆる女優ライトを当てているような状態であり、中域の質感は少しつるつるします。
ピアノは明るく朗らかで、アコースティックギターも少し華やかにギラついて聞こえるので、ディテール感に優れているように思うかもしれませんが、木管とバイオリンの音がツルツルして聞こえすぎ、歯擦音がわずかに強化されます。
定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:A+
- 雅楽のテクスチャ:A+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
H2はスピーカーサウンドを愛する人からは高く評価されるはずです。オーケストラは質感のリアリティに少し劣りますが、原音忠実性は非常に高いサウンドです。前方定位感のあるスピーカーのサウンドが好きならおすすめできますが、生々しさがありません。しかし、優れたスタジオチューニングサウンドとは言えると思います。
雅楽も前方定位感を強調しつつ、うまくフラットに聞こえるように収めているため、かなり優秀なモニタースピーカーライクイヤホンと言えるでしょう。
音場/クリア感
- 音場:B
- クリア感:B
- イメージング:B-
- 高域:B
- 中域:B
- 低域:C+
前方定位感がある分、広く聞こえます。高さと深さにも優れており、レンジの良い音です。
クリア感は標準的です。
イメージングは平凡ですね。難しいところですが、価格の水準を満たしているとは言えません。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:B+
SoundPEATS H2はニアフィールドモニタースピーカーの再現を狙っていることがわかり、優れたサウンドバランスを持っており、SoundPEATSが確かなチューニング力を持っていることが伺えます。最近のSoundPEATSは非常にレベルが高いですね。
VGPで金賞を取ったのもこのサウンドバランスなら頷けるところではあります。
ただ、解像度は平凡なので個人的にはこの音で5000円を超えるのは少し割高に思えるところがあります。
音質的な特徴
美点
- 前方定位感がある
- 中域への適切なフォーカス
- バランスが良い
- 聴き心地が安定している
- 優れた拡張性
欠点
- 歯擦音がわずかに強い
- 解像度がやや悪い
バランスが良く、聴き心地が安定
自然なアンビエンスを生み出す前方定位感
優れた拡張性
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAptXで、標準イヤーピースを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS H2
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS H2
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS H2
海外レビュー
SoundPEATS H2の海外での評価については以下の記事で紹介しています。
SoundPEATSのハイブリッドドライバー搭載完全ワイヤレスイヤホン「SoundPEATS H2」の海外レビューをまとめて紹介します。
総評
SoundPEATS H2はニアフィールドサウンドの再現を狙った非常にバランスが良く、原音忠実性も高いサウンドを提供します。普段スタジオモニタースピーカーのサウンドに慣れている人にとってはかなり理想に近い音でしょう。ただし解像度は低いですけどね。
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