免責事項
- このレビューはSoundPEATSから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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SoundPEATS Air 3の概要
こんな人におすすめ
- インナーイヤー型が好き
- ウォームなサウンドが好き
- バランスの良いサウンドが好き
- ボーカル重視
- コスパ重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/17.5h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:aptX Adaptive/aptX/SBC
- 技適番号:018-200279
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 豊かな力感
- 重厚感がある
- ウォーム
- マイルドで聴き心地が良い
- わりと原音忠実性が高い
- 鮮明感に優れる
- 音が艶やか
- コンパクトで携行性に優れる
- ビルドクオリティが高い
- コストパフォーマンスが良い
短所
- 拡張性に欠ける
- 篭もりを感じる可能性がある
- マイクロディテールに欠ける
- 鈍重に聞こえやすいリズム
SoundPEATS Air 3の特徴
- 【極小サイズながら多彩な機能搭載】 コンパクト化するライフスタイルに対応するために、SOUNDPEATS史上最小サイズにデザインされ、高い機能性もコンパクトで持ち運びやすい便利さも妥協しない新モデルです。最先端技術を小さいケースに凝縮し、従来のTrueAir2よりもっと小型にし、耳穴の小さい女性であっても無理なく装着でき、洋服のポケットに入れても膨らみを感じなく、持ち運びが更に便利になります。
- 【14.2mmダイナミックドライバーより豊かな音】 VGP 2021 ECコスパ大賞・部門金賞に輝く「TrueAir2」をベースとし、14.2mmバイオセルロース振動板に改良/チューニングを施しました。豊かで立体的なサウンドと自然な聞き心地が実現し、リアルな質感とディテールが復元されます。大口径ならではの量感ある低音と、インナーイヤー型らしい開放的で自然な音場を、心地よい装着感でお楽しみいただけます。
- 【音飛びや音切れの最新改善策aptX Adaptiveコーデック対応】 従来のaptXでは固定されたビットレートでデータ転送ため、通信が混雑する場所や時間帯など環境によっては音の途切れやノイズが発生する場合が多いです。aptX Adaptiveではリスニング環境の電波状況やデータ量に応じて転送ビットレートを可変させることで、安定して遅延の少ないオーディオリスニング環境が実現できます。音楽や動画・ゲームなど様々な場合でストレスなく楽しめるように自動的に最適な音質と遅延を調整できます。
- 【Bluetooth5.2が持ってきた転送速度、接続安定性や接続範囲】 最新Qualcomm製SoC「QCC3040」を採用、Bluetooth 5.2に準拠しており、デバイスに依存しない接続方式「TrueWireless Mirroring」にサポートし、次世代の主流オーディオコーデックであるaptX Adaptiveにも対応。省電力性能に優れているだけでなく、環境の変化に合わせて自動的に親子機を切り替え、自動的データ転送ビットレートを調整します。従来以上に改善された接続安定性、接続範囲や電池寿命を実現しました。
- 【装着検出機能 お気に入る音楽を聞き逃がさない】 耳との着脱を自動で感知できる装着検出機能機能を搭載で、左右両側を装着した状態で音楽を再生し、一時的に片側を外すと、自動で音楽が一時停止。再度装着すると自動で音楽が再生します。イヤホンを装着した瞬間から音楽を楽しむことができ、お気に入りの部分を聞き逃すこともありません。もっと便利に、快適に音楽を聴いてみましょう!
クイックスタート動画
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(9.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、良好なレベルです。
マットな質感で高級感があります。また、非常にコンパクトで携行が楽です。
装着感(9.0)
Air 3の装着感はわりと良好です。軽量で負担感がありません。
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では標準的な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと接続が途切れがちになりますが、接続は維持され、音楽再生が継続されました。ただし、時々音飛びや途切れが発生します。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し蓋を閉じる |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード イヤホンをケースに収め、ケースのペアリングボタンを3秒押すと手動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納 ②両方のイヤホンをケースに収め、ケースのリセットボタンを10秒長押し ③LEDが5回点滅したらリセット完了 |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 左耳側の 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを1.5秒長押し |
ボイスアシスタント起動 | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
ゲーミングモード ON/OFF | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。
オーディオステータス
音質解説
SoundPEATS Air 3のサウンドは中域が前面に出てくるウォームサウンドですが、鮮明感にも優れており、全体の原音忠実度は高めです。中域で奥行き感が強調されるところがあり、ヘッドホンのような開放感がありますが、高域の拡張性は平凡です。
以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:D
- 臨場感:D+
- 深さ:C+
- 重み:A-
- 太さ:A
- 存在感:B-
インナーイヤー型は一般に低域に優れていません。Air 3は重さはわりとしっかりしていますが、深さが足りず、沈み込みに欠けるので引き締まりが悪く、鈍重でぼんやりしています。
太いサウンドで重厚感がありますが、キックは浅く、パンチ重視でぼんやりしたブーミーサウンドです。機敏さには欠けますね。
エレキベースも浅く、芯が捉えられていないので、全体的に音像が滲んでおり、存在感が希薄です。
中域(9.0)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:A
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B
中域は前面に出てきます。
ボーカルは押し出し感がありますが、前傾してはいないので、シャウト感はあまりなく、音像が近く大きく聞こえます。子音はややゆるく、ウォームで音像がぼんやりしていますね。
低域でやや熱量の多い曲、たとえば川田まみ「JOINT」を聴くと明らかに中低域付近の熱気が中域中心部に滲み出してきて、音像をゆるくします。
中域は奥行き感があり、ボーカルを前面に、楽器を後退させて聞かせますが、全体は近い位置にあります。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:A-
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:C
高域は少し存在感が弱く、艶やかさはありますが、輪郭は曖昧に聞こえやすいですね。鮮明感は高いので、音の解像度自体は悪くありませんが、響きが強く、マイクロディテールは少し大雑把に聞こえます。
中高域は落ち着いているので、歯擦音などの尖りがなく、マイルドに聞け、しかも少し音場に奥行きを感じることができます。ただし、拡張性は平凡なので抜けが悪く、少し天井感があり、窮屈ですね。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:B
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
少しホールのような奥行き感があり、中域は質感は悪くないとも言え、定位も案外正確です。ただ、抜けが悪いのでバイオリンが窮屈ですし、シンバルは少しガシャガシャしてうるさく聞こえます。高域の天井の低さが気にならなければ悪くないかもしれませんが、私はちょっとこれでフルオケは無理ですね。
雅楽を聴いても、やはり抜けが悪いので和音のあたりがうるさくなりやすく、分離も悪いです。笙が少し甲高く、龍笛が気色悪い音で聞こえます。
音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B+
中域で奥行きが少し強調されますが、低域と高域ともに拡張性は不足しています。
価格を考えると、クリア感は悪くありません。また大口径ドライバーの強みでしょうか、音量を上げても歪みの上昇は緩やかです。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:B+
SoundPEATS Air 3のサウンドはインナーイヤー型としては優れている方で、このタイプをこの価格帯で選ぶなら真っ先におすすめできる機種の一つです。
ただ、とくにインナーイヤー型にこだわりがないならば、カナル型を選んだほうが良いでしょう。インナーイヤー型は装着における通気性の高さで利点がありますが、一般に音質面でカナル型に対して優位性は全くと言っていいほどありません。
音質バランスや全体的な音質では、SoundPEATS Air 3よりUGREEN HiTune T2のほうが、原音忠実性は少し劣りますが、より多くの人の聴感上のニュートラルに近いはずなので、優れている可能性があります。しかも、より安く手に入りますが、装着感が良くないのでおすすめできません。総合的にはAir 3に軍配が上がります。
音質的な特徴
美点
- 豊かな力感
- 重厚感がある
- ウォーム
- マイルドで聴き心地が良い
- わりと原音忠実性が高い
- 鮮明感に優れる
- 音が艶やか
欠点
- 拡張性に欠ける
- 篭もりを感じる可能性がある
- マイクロディテールに欠ける
- 鈍重に聞こえやすいリズム
豊かな力感
重厚感がある
構築感に優れる
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはaptXです。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Air 3
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Air 3
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- SoundPEATS Air 3
総評
SoundPEATS Air 3はインナーイヤー型でありながら原音忠実性がかなり高く、鮮明感もあり、中域がはっきりと聞こえる優秀なイヤホンです。筐体もコンパクトで軽量、かつビルドクオリティも高く、全体的な完成度は高いですが、音質を重視する場合はカナル型に分があります。インナーイヤー型にこだわりがないならば、同じ価格くらいで買えるSOUNDPEATS Sonic Proのほうが良いでしょう。
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