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【モニターヘッドホン SONY MDR-7506 レビュー】ディテール感重視のモニターヘッドホン
SONY MDR-7506の概要
こんな人におすすめ
- クリアで解像感が高いサウンドを求めている
- 緻密なサウンドが好き
- 低域はうるさくない方が良い
- アグレッシブなサウンドが好き
- ディテール感の高いサウンドが好き
- 使い勝手が良いヘッドホンが欲しい
- ミキシング用のモニターヘッドホンが欲しい
基本スペック
- 周波数特性:10hz-20khz
- インピーダンス:63Ω
- 感度:106dB
長所
- パッケージクオリティが高い
- 使い勝手が良い
- 正統派モニターサウンド
- ディテール感が高い
- 鮮明感が高い
- クリア感が高い
- ボーカルフォーカスが良い
- ニュアンスが繊細
- 見通し感に優れる
短所
- 存在感の薄い低域
- アグレッシブなサウンド
- 広くなく、前かがみで少し窮屈な音場
- ガチャガチャしやすい
SONYについて
SONYは言わずと知れた日本最大の総合電機メーカーのひとつであり、ハードウェアに限らず、関連するサービス分野、ソフトウェア分野、金融分野にまで業容を拡大している多国籍コングロマリットです。
SONY MDR-7506の特徴
発売以来、世界中で大人気!折りたたみ可能。動きの激しい方でもぴったりフィットする装着感はGOOD!カールコード。900STより柔らかい音色でやや膨らみのある低音が特徴的。適度な側圧でモニタリングからリスニングまで対応の万能型ヘッドホン!MDR-CD900STのレッドラインに対してMDR7506はブルーラインで勝負!
口径40mmドライバーユニット採用
業務用のモニターヘッドホンとして、高音質・高耐入力(最大入力:1,000mW)を実現。大口径40mmドライバーユニットとネオジウムマグネットを採用し、クリアかつパワフルな音を再現します。
携帯・収納に便利な折りたたみ式
持ち運びに便利な折りたたみ式。キャリングポーチも付属。
邪魔にならないカールコードを採用
音声の伝達ロスを抑え、しなやかなOFCリッツ線を使用した片出しカールコード採用。
金メッキ2ウェイプラグ
ステレオ標準ジャックとステレオミニジャックに対応。
便利なクリックスケール式スライダー
ヘッドバンドの長さ調整は目盛り付きのクリックスケール式スライダーを採用。
世界的定番のスタジオ・モニターヘッドホン
プロフェッショナルの使用に応える高音質・高耐入力の折りたたみ式業務用モニターヘッドホン。
製品紹介動画(サウンドハウス)
vs MDR-CD900ST 比較試聴動画
パッケージ(8.5)
業務用モニターというと、簡素なパッケージが多いですが、SONY MDR-7506の外装は比較的豪華です。
開梱体験には高級感が感じられ、付属品にはキャリイングポーチが含まれます。
ビルドクオリティ(8.5)
ヘッドホン本体のビルドクオリティは必要十分で、高級感はありませんが、チープでもなく、自然な機能美が備わっています。
ヘッドバンドは金属製のシャーシを備えており、頑強性は十分に思われますが、ケーブル配線が露出しているのが気になります。それは実際上、断線のリスクはほとんどないと思いますが、内部配線方式より危険性が高いことは事実です。
イヤーカップは柔軟で、片耳モニタリングも可能です。
装着感(8.5)
筐体は軽量で負担感はありません。イヤーマフの厚みは適切で、耳が痛くなることはありません。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
音質解説
SONY MDR-7506はブライト系のサウンドを持つ、明瞭性の高いモニターヘッドホンです。音楽のディテール感をかなり高く引き出して提示してくれます。音が輪郭、光沢ともにはっきりしており、少し押し出し感が強いところがありますが、不思議と個人的には聞き疲れ感は強くない音です。ただ、人によっては聴き疲れするかもしれません。組み合わせる機材にもよるかもしれません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:B+
- 臨場感:C+
- 深さ:B-
- 重み:B
- 太さ:B
- 存在感:C+
低域はモニター的ですが、分離感が意識されたチューニングがされており、重低域が少し目立つようになっています。
ローエンドはノイズ感につながりやすい深いところは出ないモニタースピーカー的な構造になっています。低域自体はフラットではなく、中域と分離的に感じられるよう調整されており、低域内でもベースとバスドラムがかなり分離的に聞こえて描き分けは明瞭です。
ただし量的には最も存在感が薄いうえ、ランブルはかなり薄いので、臨場感に欠け、低域好きにとってはあまり面白みがないでしょう。パンチやブームはわりとはっきりしています。
中域(9.5)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B+
MDR-7506の中域は輝度と明度が高く、前進的ではっきりと聞こえます。ステージングはやや親密なところに形成されます。自由音場フラット系の並列的な音場になるため、音像は安定的で捉えやすいですが、定位の強調はほとんどありません。
全体的にアグレッシブで押し出し感が強いところがあり、やや圧迫感が強い傾向にありますが、鮮明感が高く、クリア感の高いサウンドが味わえます。
刺さりを感じたり、歯擦音で耳が痛くなることはあまりありませんが、ボーカルは少しシャウティで落ち着きには欠けるところがあります。
高域(9.0)
- 原音忠実度:B+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B+
- 荒さ:B-
- 繊細さ:B-
- 存在感:B+
MDR-7506の音響構造の中では、高域はグルーヴの点でも量的な存在感の上でも最も印象的に聞こえます。
鮮明感が高く、輝度の高いマイクロディテール感に強調のあるサウンドで、音楽は一般的に高域に向かって流れていき、高域でエネルギーが最も高くなります。
高域はかなり派手ですが、その上の超高域も比較的伸びており、音のエネルギーは高く抜けるので滞留感は少なく、わりと風通し良く、後味はすっきりしています。
また、少しシャープネスが強いので、金属的なサウンドに聞こえる可能性があります。
爽快感が高いサウンドが好きな場合、MDR-7506は検討に値するヘッドホンでしょう。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域~高域
- 音場:B
- クリア感:A
MDR-7506の音響的焦点は中域~高域に存在します。
音場は自由音場フラット的ですが、少し前かがみに聞こえるでしょう。奥行き感は低域のほうが引っ込んで少し遠く聞こえるバランスになっています。
クリア感はモニターヘッドホンとして不足を感じない優秀なレベルです。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:S
MDR-7506は1万円前後でモニターヘッドホンの購入を考えている場合は真っ先に検討するに値する機種の一つです。
この価格帯ではDTM初心者にはSW-HP10Sのほうがバランスと聞き心地が良いので推奨されますが、分析性はMDR-7506のほうが高いので、とくにスピード感と緻密性の高い音楽を作り込む場合にはMDR-7506のほうが優れているでしょう。
ボーカルフォーカスが良好で、ボーカルニュアンスの表現力も高いので、ボーカリストの人も場合によってSW-HP10Sより好ましく思うかもしれません。マイクノイズも比較的わかりやすく拾ってくれます。
全体的に明るめのサウンドなので、くっきりとしたわかりやすい解像感の高さが感じられる一方、人によっては少し刺激的でうるさすぎるように感じる可能性はあります。
MDR-7506からのステップアップ先としては、より定位やディテール、低域の把握能力が高いHPH-MT8が検討に値すると思われます。
音質的な特徴
美点
- フラットに近い正統派モニターサウンド
- ディテール感が高い
- 鮮明感が高い
- クリア感が高い
- ボーカルフォーカスが良い
- ニュアンスが繊細
- 分離が良く、階層性も感じられる低域
- 見通し感に優れる
- 一定のフレーム内に音楽が収まる
- 抜けが良く音に滞留感がない
欠点
- 低域は存在感が薄い
- アグレッシブでシャウティなサウンド
- 広くなく、前かがみで少し窮屈な音場
- ガチャガチャしやすい
詳細で明瞭、分析的なサウンド
ボーカルが生き生きしている
クリア感が高い
音楽鑑賞
パスピエ「メーデー」
この曲を明るい雰囲気で、緻密に聴きたいならかなりおすすめできるヘッドホンです。
中高域がかなり前進的でディテールも強調されるので情報量は多めに聞こえます。
ボーカルも前面に浮き上がってくるうえ、ニュアンスがかなり強調されるので、滑舌がはっきりして歌詞が明瞭です。
低域は分離的で少し深い位置に、控えめな量感で聞こえるため、中域を邪魔することがありません。
明度と輝度が高い、デジタル的なサウンドでくっきり聞こえ、全体的にS/Nの良好なHiFi性が感じられます。
MIO「エルガイム -Time for L-GAIM-」
こういうテクノ感のある曲をくっきり聞かせてくれます。全体的に明晰性が高く、情報量が多く、この曲の非常に生き生きしているMIOのボーカルがよりニュアンスが細かく、輝きを増して聞こえます。
音場は平面的ですが、音像は無響的なため、安定的で明瞭性が高く、芯と輪郭を捉えやすく、全体的に音離れが良く、一音一音が明確です。
さらに空間の風通しも良いので、少し派手な高域音が後味すっきりと抜け、耳に音が残る感じもありません。響きが後を引かず、すっと消えていきます。そのため音楽の全体にスピード感が感じられ、スムーズに音が流れていく疾走感があります。
Ed Sheeran「Photograph」
このヘッドホンの神がかったボーカルフォーカス性能を味わいたいなら、Ed Sheeranを聴くべきです。そのニュアンスの豊富なボーカル表現力は神がかっています。
この曲を丁寧に正統派に全体像を味わうなら間違いなく正解はSW-HP10Sです。高域と低域が釣り合い、中域も丁寧に提示され、音像もそれぞれわかりやすい。曲の全体像をしっかりとモニターしてくれます。
MDR-7506の聴かせ方はそれに比べると明らかにボーカルの音像が大きすぎます。音場が広くないこともあり、かなりボーカルが支配的になりやすいところがあります。しかし、ニュアンスは豊かで、シンプルなこの曲のボーカルだけでも、ハーモニーの情報量が多く、圧倒されます。細かな口の動き、喉や唇の細かな震えまで拾って聞かせるような生々しさがあります。
迫真のボーカルに飲み込まれる体験をしたいなら、このヘッドホンを見逃すべきではありません。是非検討してみることをオススメします。
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無料の 37 種類のエフェクトに加え、拡張性の高い Synergy Core ライブラリには、Grove Hill の Liverpool や Gyratec の伝説的な EQ のエミュレーション、Antares の Auto-Tune や Inertia の Instinct のようなサードパーティ製エフェクトなど、50 種類以上のエフェクトがオプションで用意されています。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15を用いています。ゲインは高設定で、ヘッドホンモードもONにしています。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲【原曲】GENS D'ARMES
- 原曲(+5dB)【原曲】GENS D'ARMES(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - SONY MDR-7506
白き魔女(クラシック系)
- 原曲【原曲】白き魔女
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】白き魔女(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - SONY MDR-7506
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲【原曲】The Silver Will -ギンノイシ-
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】The Silver Will -ギンノイシ-(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - SONY MDR-7506
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲【原曲】Sophisticated Fight
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】Sophisticated Fight(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - SONY MDR-7506
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲【原曲】浮遊大陸アルジェス -Introduction-
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】浮遊大陸アルジェス -Introduction-(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - SONY MDR-7506
総評
SONY MDR-7506はわりとなんとなく買った機種ですが、たちまち私のお気に入りになりました。それは一定のフレームに音楽の全体像を情報量が多めに提示してくれる効率的なサウンドを持っているだけでなく、非常にボーカルフォーカスに優れたヘッドホンでもあります。ハイ上がりのややアグレッシブなサウンドですが、宅録で歌唱をする人におすすめできるだけでなく、ボーカルを愛するすべての人にとって、この価格帯で最も魅力的なヘッドホンの一つになりえるでしょう。ただし一般的な作曲・モニターチェック用途にはSW-HP10Sのほうが優れていると思われるので、万能系のモニターヘッドホンを求めている場合はそちらを選んだほうが良いでしょう。
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