免責事項
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SHURE KSE1500の概要
こんな人におすすめ
- 明るい音が好き
- ソリッドで硬質な音が好き
- SHUREファン
基本スペック
- 再生周波数:10-50000Hz
- 感度:113dB
- 価格帯:300000円~500000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所
- 中域への適切なフォーカス
- ソリッドなサウンド
- 明るい音
短所
- クリア感に欠ける
- 分離感は良くない
- 原音忠実的ではない
- ローファイサウンド
- 立体感に欠ける
- エッジ感やシャープさに欠ける
- 硬すぎて不自然に聞こえる質感
SHURE KSE1500の特徴
- オーディオ再生の好みを管理する4つのカスタマイズ設定
- D4バンド・パラメトリックEQは5つのプリセット設定を搭載
- シンプルな操作性で、アンプの設定を素早く簡単に行えます。
- 静電技術を応用したSound Isolating Earphones初のシングルMicroDriverデザイン
- 音源との高い相関性により、比類ないオーディオの透明度とディテールを実現。静電技術により、最も速く正確な過渡応答が可能
- USB充電式バッテリーを内蔵し、コンピューターからUSBオーディオをストリーミングする場合でも、付属の壁掛け充電器やコンピューターから簡単に充電することができます。
- 軽量で人間工学に基づいたイヤホン形状は、快適なサウンドアイソレーションスリーブが周囲のノイズを37dBまでブロックしながら耳の疲労を最小限に抑えます。
- カスタムデザインのイヤホンケーブルは、各導体を特別に分離しています
- Micro-B to LightningおよびMicro-B OTGケーブルを含む付属のアクセサリにより、Mac、PC、iOSおよびAndroidデバイスと互換性あり
- オーディオコントロールの強化により、オーディオ再生の忠実度を高めるためのユーザーフレンドリーなオプションが追加された
- USB経由のデジタルオーディオ入力と、3.5mm(1/8インチ)ライン入力/スイッチ経由のアナログ信号パスの、デジタルまたはアナログ入力信号処理の選択が可能
- デジタルオーディオ入力信号処理のビット深度。16ビットまたは24ビット。24bit/96kHzは、日本オーディオ協会が検証するハイレゾリューション・オーディオ規格に準拠。
- Shureの品質基準に基づき製造されたブラックアルミ削り出しハウジングを採用したShureプレミアムフィット&フィニッシュ&コンストラクション
KSE1500は、最先端の静電技術をベースにしています。各マイクロドライバー・サウンド・アイソレーティング静電イヤホンは、電荷の振動を管理するバックプレートによって生成された静電フィールドに囲まれた、実質的に無重量、無質量のダイアフラムを特徴としています。この技術により、最も速く、最も正確な過渡応答が得られ、比類のないオーディオの透明度とディテールを実現します。
KSE1500は、マイクロUSB経由のデジタルオーディオと、ダイレクトラインイン経由のアナログオーディオを処理することが可能です。また、変換せずに純粋なアナログ信号としてバイパスすることも可能です。USBデジタル・アナログ・コンバーター(DAC)は、ポータブル・ソースやコンピュータからのアナログまたはデジタル・オーディオを変換する機能を備えています。
世界初
シングルMicroDriver搭載のKSE1500コンデンサー型高遮音性イヤホンシステムは、高遮音性イヤホンにコンデンサー技術を適用した初のモデル(特許取得)。電荷振動をマネージするバックプレートが生成する静電界に囲まれた低質量ダイヤフラムを搭載。
付属品
- Micro-Bライトニングケーブル
- Micro-B OTGケーブル
- Micro-B USBケーブル
- 3.5mmケーブル 15.2cm
- 3.5mmケーブル 91.4cm
- レザーキャリングケース
- イヤホンキャリングケース
- イヤパッド
- 航空機内用アダプター
- 6.3mmアダプタ
- アッテネーター
- ケーブルクリップ
- マイクロファイバー製クリーニング用クロス
- セキュリティバンド 2本
- USB電源アダプター
パッケージ(7.5)
SHURE KSE1500は豪華なパッケージで提供されます。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- 専用アンプ
- Micro-Bライトニングケーブル
- Micro-B OTGケーブル
- Micro-B USBケーブル
- 3.5mmケーブル 15.2cm
- 3.5mmケーブル 91.4cm
- レザーキャリングケース
- イヤホンキャリングケース
- イヤパッド
- 航空機内用アダプター
- 6.3mmアダプタ
- アッテネーター
- ケーブルクリップ
- マイクロファイバー製クリーニング用クロス
- セキュリティバンド 2本
- USB電源アダプター
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(9.0)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
SHURE KSE1500は中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B
KSE1500の低域はかなりリニアで深くまでよく伸びています。
中域とのバランス感覚もよいように思えますが、個人的には存在感が物足りないですね。好みもあるでしょうが、設定をLow Boostにしたくらいが多くの人にとってちょうどよいように思われます。
全体的に少し量的に物足りなく聞こえがちで、Low Boostでもドラムキックのインパクトがいまいちに思えますね。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:A-
- 存在感:B
KSE1500は中域が前面に出てくるように調整されています。
総じて明るく、硬い中域です。この中域はソリッド感は十分にあるのですが、エッジ感や輪郭感はいまいちなので、曲の立体感の再現度が悪く、個人的にはつまらない音に思えますね。
ギターエッジにシャープさがなく、バイオリンも軸の力強さがいまいちで直立して聞こえません。ボーカルも少しシャウト感が出やすく、スネアはカチコチに塗り固められたような音でカタカタしています。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D+
- 存在感:C
高域の拡張性はあまりよくありません。
中高域が埋没的なせいでシャープさに欠ける音で、輝度は十分なものの、いまいちキレが悪いサウンドです。スネアが抜けが悪くて気色悪い音で聞こえたり、篳篥の音が耳にギンギンして聞こえるのも、こうした中高域の調整の悪さに起因しています。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:C-
- オーケストラのテクスチャ:C
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
SHURE KSE1500でフルオーケストラを聴くのはお勧めできません。30万円以上もこれに費やすなら、そのお金でフルオーケストラの鑑賞にはるかに向くイヤホンを5本は買えそうです。
雅楽もひどい有様です。篳篥の音はギンギンするし、和音も金属的で気色悪く、この世の終わりの音楽かと思うくらいです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:B
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:C+
低域の深さは悪くなく、中域は比較的前面におり、高域は高さで物足りません。
クリア感は価格の水準からするとかなり物足りません。
イメージング性能は価格の水準を満たしています。中域の解像度が優れていますが、総合性能は30万円以上もする機種にしては平凡ですね。たとえば3000円くらいで買えるTripowin LeaとかQCY T17のほうが音がくっきり聞こえるくらいです。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:C-
- 個人的な好み:D
静電ドライバー技術をイヤホンに搭載したパイオニアであるという事実以外に、SHURE KSE1500の価値は2022年現在、おそらくほとんどありません。
静電型技術はいまやイヤホンで一般的なものになっており、相変わらず少し高価ですが、30万を出す必要はなくなっていますし、KSE1500のようにかさばる専用アンプを持ち運ぶ必要もなくなっています。SHURE KSE1500は一つのメルクマールあるいはマイルストーンであったかもしれませんが、本当にそれは中間地点にしか過ぎませんでした。
2022年の現在、これを購入する意味は好奇心や何かしらの収集趣味、懐古趣味を満たす以外にほとんどないと言えるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- ソリッドなサウンド
- 明るい音
欠点
- クリア感に欠ける
- 分離感は良くない
- 原音忠実的ではない
- ローファイサウンド
- 立体感に欠ける
- エッジ感やシャープさに欠ける
- 硬すぎて不自然に聞こえる質感
中域への適切なフォーカス
ソリッドなサウンド
明るい音
初音ミクレーシングVer. ESPRESTO est Prints&Texture レーシングミク2020 TeamUKYO応援Ver.
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SHURE KSE1500
- SHURE KSE1500 (Low Boost)
- SHURE KSE1500 (Vocal Boost)
- SHURE KSE1500 (Loudness)
- SHURE KSE1500 (DE-ESS)
総評
SHURE KSE1500はSHUREのイヤホン史に残る栄光の残滓であり、歴史的遺産として燦然と輝く製品です。たとえそのサウンドが古臭く、もはや骨董品に近いとしても、一部の人はそれに数十万円あるいは数百万円のお金を費やす価値があると考えるかもしれません。
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