免責事項
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Shure AONIC 3の概要
こんな人におすすめ
- 定位感にこだわる
- ローファイサウンドが好き
- SHUREファン
基本スペック
- 周波数特性:22Hz~18.5kHz
- インピーダンス:28Ω
- 感度:108dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:7.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:6.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所
- マイルドな聴き心地
- 優れた定位感
- 中域への適切なフォーカス
- ローファイでノスタルジックな雰囲気
短所
- 透明感に欠ける
- ダイナミズムに欠ける
- 爽快感に欠ける
- 深みに欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
- ローファイサウンド
Shure AONIC 3の特徴
3基のバランスド・アーマチュア・ドライバー搭載。
低域・中域・高域に割り当てられた各ドライバー は、それぞれの周波数帯域を極めてスムーズに鳴らせるよう設計されています。力強い低域と明瞭な中域、そして驚くほど冴えわたる高域は、あらゆるステージでのパフォーマンスを完璧なものにしてくれます。
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(8.0)
外観のビルドクオリティは価格帯の水準を満たしています。
装着感(7.0)
装着感はお世辞にも良いとは言えませんね。Etymotic Researchより悪いです。耳の小さい人は耳から飛び出します。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Shure AONIC 3はアンプ側の出力インピーダンスに少し影響されます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Shure AONIC 3はウォームニュートラル系のサウンドを持っています。中域に音が集まる傾向があり、解像度も高く定位感も良いため、中域ははっきり聞こえますが、質感は不自然です。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(6.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:B
SHURE AONIC 3の低域は控えめに言っても悪いです。高い歪み率のうえ、深みに欠けるため、レイヤリングは非常に悪く、バスドラムとエレキベースが濁ってヘドロにまみれたような音に聞こえます。
聴く価値はありません。
中域(7.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:A
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B
中域のサウンドバランスは悪くありませんが、歪率が高く、音が濁って聞こえやすいのが問題です。
中域の解像度は高いので、第一印象は悪くありませんが、明瞭に聞こえるわりにボーカルがノイズで透明度が悪く聞こえ、全体的にぼそぼそしています。いわゆる付帯音が多く感じられる音というやつですね。ラジオのように聞こえます。
ローファイな雰囲気が好きなら悪くありませんが、まじめに音楽鑑賞するときはこんな音、5分も聴いてられませんよ。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D-
- 存在感:C
高域はかなり直線的で定位感に優れていますが、圧倒的に拡張性が足りません。
定位感だけは優れています。それ以外は全くと言っていいほどダメですね。全体的に伸びが悪く、シンバルが死んでます。
定位/質感
- 質感の正確性:A
- 定位の正確性:S-
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
定位感は優れています。質感はサウンドバランスの上では良さそうですが、THDが高すぎて透明度が悪く、ハイレゾ音源であろうが、ラジオの音のように聴かせます。ひどいですね。
篳篥の音がひどすぎます。最初から聴く気が失せます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:C+
- クリア感:B
- イメージング:A
- 高域:S-
- 中域:A+
- 低域:B-
音場は深さはかなり不足しており、中域で奥行きがやや強調され、高さは大幅に物足りません。
クリア感は物足りません。
イメージング性能は価格を考えると抜群に近いですね。中域の解像度の高さが光ります。
音質総評
- 原音忠実度:B
- おすすめ度:B-
- 個人的な好み:D-
現行のAONICシリーズで最も低価格のAONIC 3ですが、音質だけで言えば、おそらく現行シリーズの3, 4, 5の中で最もまともだと思われます。高い解像度と定位感の正確性はAONIC 3を一定程度実用的なモニターイヤホンにしています。
しかし、高い歪み率をはじめ、濁って聞こえづらい低域、抜けが悪く籠もったサウンド、爽快感がまったくないなど、SHUREのイヤホンが一般的に抱えている問題にまみれています。AONICでどれか買うなら、これが一番まともだと思いますが、率直に言って、おすすめできるイヤホンではありません。
Shureはなぜか歪み率を重視しておらず、歪の多い音響機器を作り続けている悪い癖があります。ヘッドホンの方はサウンドバランスが良いですし、中域の歪み率が問題になるほどではないのでむしろ優れていると言えるほどですが、イヤホンの方はサウンドバランスが悪く、いいところがほとんど全くないので、昔からだめですね。
以前は周りも良くなかったので個性の範囲と言えなくもなく、それほど目立ちませんでしたが、2022年の水準でこんな製品を出しているようでは目も当てられません。
最近のKZのイヤホンを目隠しして買ったって、これよりいいイヤホンが手に入る可能性は高いでしょう。
音質的な特徴
美点
- マイルドな聴き心地
- 優れた定位感
- 中域への適切なフォーカス
- ローファイでノスタルジックな雰囲気
欠点
- 透明感に欠ける
- ダイナミズムに欠ける
- 爽快感に欠ける
- 深みに欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
- ローファイサウンド
マイルドな聴き心地
優れた定位感
中域への適切なフォーカス
艦隊これくしょん~艦これ~ 島風 (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
大人気PCブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ~』より、”島風型1番艦”駆逐艦「島風」をリリースいたします。
ファンにはおなじみのゲーム内イラストを元に、とってもキュートな立ち姿を忠実に立体化しました。特徴的なウサ耳に金髪ロングヘアー、へそ出しセーラー&ミニスカに大胆ヒモパン、紅白ストライプのニーソ等々…萌え要素超満載です。
もちろん大中小の「連装砲ちゃん」も付属してボリューム満点の造形となっています。背中に搭載された五連装酸素魚雷発射管のメカメカしいディティールや各種装備類の質感など、こだわりのつまった逸品です。
速さが自慢の重雷装駆逐艦「島風」を是非あなたの編成に加えて下さい!
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shure AONIC 3
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Shure AONIC 3
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Shure AONIC 3
総評
素晴らしいモニターヘッドホンで知られるSHUREですが、イヤホン部門は本当によくありません。テコ入れが必要でしょう。SHURE AONIC 3を買うお金があるなら、目隠しして同価格帯の隣のイヤホンを買ったほうがまだまともな可能性が高いですね。デザインもなんとかならなかったんでしょうか。
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