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Shanling MTW100-BAの概要
こんな人におすすめ
- デザインにこだわったイヤホンが欲しい
- 調和的なサウンドが好き
- 通信品質重視
- 装着感重視
- 聞き疲れしないイヤホンが欲しい
基本スペック
- 連続/最大再生時間:7h/24h
- 防水性能:IPX7
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:210-134975
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
長所
- ノスタルジックなサウンド
- 奥行き感のあるサウンド
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 穏和
- 密度感がある
- 甘味のあるサウンド
- 人肌感のあるハーモニクス
- 聴き心地が良い
- 浸れるサウンド
- 良好な装着感
- 高い通信安定性
短所
- 拡張性に欠ける
- 分離感が悪い
- 中域に音が集まりやすい
- 眠く聞こえやすいサウンド
Shanling MTW100-BAの特徴
- Knowles社製バランスド・アーマチュアドライバーを搭載:Knowles社製バランスド・アーマチュアドライバーを搭載し長時間のご使用でも聴き疲れしにくいバランスの取れたサウンドが特徴。より細やかで繊細なディティールを感じられるサウンドをお届けします。
- 充電ケースとの併用で最大24時間の再生が可能:イヤホン本体重量が片側僅か4.7gと非常に軽量ながらも約7時間の連続再生が可能、充電ケースを併用することで最大24時間の再生が可能なためバッテリー残量を気にすることなく長時間の再生をお楽しみいただけます。また、充電ケースにストラップホールが備わっているため付属のストラップやお気に入りのストラップを装着し持ち運ぶことが可能です。
- IPX7相当の防水性能:防水規格IPX7相当の特別な防水構造により、急な雨やスポーツ時の汗などにも強くそのままご使用いただくことが可能です。また、完全な水没にも耐えるため誤って水の中に落としてしまっても動作します。(故意に落下させたり、長時間水に浸すことは推奨いたしません。)
- イヤホンに触れるだけで簡単操作:イヤホンの背面(フェイスプレート)部分にあるタッチセンサーに触れることで各種操作を行えます。着信時の通話開始/終話、音楽の再生/停止/曲送り/曲戻し、アンビエントモード(環境音取り込み)の開始/終了などの操作が可能です。また、イヤホンの左右どちらでも片側だけでご使用いただくことも可能です(モノラルモード)。
- 非接触充電に対応:MTW100-BAは非接触充電に対応しているため、充電バッド(ワイヤレス充電器)の上に置くだけで充電を行うことが可能です。これにより充電の度にUSBケーブルを抜き差しする煩わしさから解放されます。(ワイヤレス充電器は本製品に付属いたしませんので別途ご用意ください。)
パッケージ(8.5)
価格帯では標準か少し上質なパッケージです。
パッケージ内容
- Shanling MTW100-BA本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース(S/M/L)
- ストラップ
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。充電ケースは蓋のぐらつきも少なく、開閉もスムーズです。
若干チープな質感のテカテカしたプラスチックデザインは好みを分けるかも知れません。
装着感(9.0)
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽は再生され、途切れはありません。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | ケースからイヤホンを取り出す |
電源OFF | イヤホンをケースに収納する 接続先が5分以上見つからない場合、自動でシャットダウン |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンを両方ともケースに収納する ②右側のイヤホンを取り出し、10秒待ってから5秒長押しして電源を切る ③左側のイヤホンを取り出し、10秒待ってから5秒長押しして電源を切る |
曲再生/停止 | マルチファンクションボタンを2回タップ |
曲送り | 右のマルチファンクションボタンを3回タップ |
曲戻し | 左のマルチファンクションボタンを3回タップ |
通話応答 | マルチファンクションボタンを2回タップ |
通話終了 | マルチファンクションボタンを2回タップ |
ヒアスルーモード ON/OFF | マルチファンクションボタンを4回タップ |
ヒアスルー性能
ヒアスルーの性能はあまりよくありませんね。露骨にハムノイズがあり、ジリジリした唸りのような音が聞こえます。気になる人にはかなり不快かも知れません。
音質
周波数特性
測定値は有料記事をご覧下さい。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD特性
測定値は有料記事をご覧下さい。
ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧下さい。
音質解説
Shanling MTW100-BAは中域のステージングを強調し、聞き疲れしにくいサウンドを目指してチューニングされたようです。厚みがあり充実感が高いサウンドで、色づきも良いのが特徴です。爽快感やシャープ感には少し劣るので、人によっては眠たく聞こえるかも知れません。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A-
MTW100-BAの低域は太さと厚みがあり、重量感があります。
量感は豊かに聞こえるので迫力がありますが、中域に対する存在感が少し強すぎるかも知れませんね。せり上がってくる感じも強いので、腰高に聞こえる低域で深みが足りず、音場の拡張性で劣っています。
温かみのあるサウンドが好きなら悪くありませんが、全体のプレゼンテーションのバランスを考えると、重厚感を出しすぎている感じがしますね。床面の安定感は強いですが、中域の不足感を考えると、低域はもう少しプレゼンスを抑えておくべきだったでしょう。
中域(7.5)
- 原音忠実度:B+
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B-
- 存在感:B
MTW100-BAの中域はステージングを重視してチューニングされているようですが、高さが不足しており、奥行きが過剰すぎる傾向があります。
中域は奥の消失点が強調されており、楽器音が奥に向かって吸い込まれていき、またそこから広がっていくように聞こえます。
中域に余裕が感じられないので、窮屈感があります。ボーカルはのびやかさに欠ける傾向がありますね。地平線上に楽器もボーカルも並んで聞こえるので、モニタリングはしやすいですが、開放感に欠けます。
コクピットルームで音楽を聴いてるみたいですね。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B-
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:B-
高域は単純に高さが足りてませんね。中域で少し過剰に奥行き感が強調されているせいか、前屈みで天井も低く、音楽が閉鎖的に聞こえます。
利点があることも事実で、深さと高さに欠けるので、中域周辺に音が集まる傾向があり、音楽の全体像は分かりやすいです。フォーカス感も良いでしょう。ただ爽快感がなく、妙に元気がないサウンドに聞こえるので、私の好みではありません。
私にはカタルシスの感じられないサウンドです。ただ艶やかで色づきは良いですね。
定位/質感
- 質感の正確性:C+
- 定位の正確性:B-
- オーケストラのテクスチャ:C+
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
オーケストラは天井の低いところで演奏している感じで全然スケール感が出ませんね。また、音圧も稼げない機種のようで、最大音量にしてもクラシックを楽しむほどのダイナミックレンジをカヴァーするは苦しいところがあります。
重厚感は充分なので妙に迫力はありますが、バイオリンが弱々しいのは大きな欠点ですね。あまりオーケストラ向きではないでしょう。
雅楽を聴いてみると、こちらはボディに充分な重厚感があり、和音が滲むように独特の遠近感を出しながら聞こえるので、一聴した印象は悪くないように思えます。開放感に欠けるので、食事の席のような少しプライベートに近い空間で演奏されているように聞こえます。屋形船かお茶屋で雅楽を楽しんでいるようなサウンドですね。
あまり正統派の雅楽表現とは言えない気がしますが、これはこれでなぜか風情を感じます。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音場:C+
- クリア感:B+
音場は高さが足りず、奥行きが少し過剰ですね。深みにも欠けます。
クリア感は価格の標準は満たしていますね。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B-
Shanling MTW100-BAのサウンドは少しレトロに聞こえるところがあり、プライベートな雰囲気で音楽を楽しめるややコンパクトな箱庭感があります。
音楽の全体像はわかりやすいですが、スケール感に欠け、少し窮屈に聞こえやすいところは明白な欠点ですね。聴き心地は非常に安定しているので、いつまでも聞き疲れせずに聴けそうなところは美点です。
音質的な特徴
美点
- ノスタルジックなサウンド
- 奥行き感のあるサウンド
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 穏和
- 密度感がある
- 甘味のあるサウンド
- 人肌感のあるハーモニクス
- 聴き心地が良い
- 浸れるサウンド
欠点
- 拡張性に欠ける
- 分離感が悪い
- 中域に音が集まりやすい
- 眠く聞こえやすいサウンド
ノスタルジックなサウンド
調和的
アナログ感がある
HiFiGOレビュー
この製品についてのHiFiGOによるレビューはこちらの記事を参照して下さい。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはRME ADI-2 Pro FS R Black EditionとFiiO BTA30を用いています。コーデックはAACです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
LACRIMOSA OF DANA -Opening Ver.-
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
巨イナルチカラ
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
ユルギナイツヨサ
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
Intense Chase
- 原曲(-23LUFS)
- Shanling MTW100-BA
総評
Shanling MTW100-BAは装着感が良く、長時間再生できるパワフルなバッテリー性能を持っています。そのサウンドは長時間聴いても聞き疲れない音質で、長旅のお供にはぴったりです。ややゆったりした空間表現を持っているので、少し眠く思えるところもありますが、優しいサウンドが好きならきっと気に入るでしょう。
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