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SGOR Venusの概要
こんな人におすすめ
- 奥行き感のあるサウンドが好き
- 高域の爽快感重視
- 解像度重視
- 見た目のデザイン重視
- コスパ重視
基本スペック
- 再生周波数:7-45000Hz
- インピーダンス:32Ω±10%
- 感度:110±3dB
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
- 価格帯:1000円~3000円


- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.0/10.0
長所
- 良好な原音忠実度
- 優れた解像度
- 奥行き感がある
- 良好な高域拡張性
- 優れた定位感
- 繊細
- 優れたビルドクオリティ
短所
- 低域の深さで物足りない
- 暗くて窮屈に聞こえる中域
- ドライなサウンド
- 籠り感
- 金細工のように人工的に聞こえやすい
SGOR Venusの特徴
- デュアル磁気回路ダイナミックドライバーとテーラードデザイン
- トリプルエンフォースメントによる高品位なリスニング体験の保証
- 着脱式0.78mm2pinコネクター&高品質OFCケーブル
- 人間工学に基づいた設計で、しっかりとした耳栓を実現
- ユーザーフレンドリーなデザイン


デュアル磁気回路ダイナミックドライバーとテーラーメード設計
SGOR Venusは、デュアル磁気回路ダイナミック型ユニットとセミオープン音響キャビティ設計を搭載し、より低いTHD、スーパーダイナミックな低音、より高い密度、優れたボーカル性能を提供します。高磁束設計のダイナミックユニットにより、本格的なオーディオのディテールが耳に届き、低音はより弾力的に、中高音域はより自然に聞こえます。

トリプルエンフォースメントで保証された壮大なリスニング体験
SGOR Venusは高度なダイナミックドライバーを搭載し、経験豊富なマスターによってチューニングされ、音響構造とサウンドユニットはユーザーに非常に楽しいリスニング体験を提供するために磨き上げられました。デュアルダイナミックドライバー、マスターハンドチューニング、特別に設計されたフロントとリアキャビティの総合力で、このHiFi IEMは多くの高価な製品を凌駕しています。

着脱式0.78mm2pinコネクター&高品質OFCケーブル
着脱式コネクターは、旧来の設計にあった簡単な緩みを防止するソケットとラップアラウンドプラグを採用し、スムーズでスピーディな信号伝送を損なうことなくコネクターの着脱を自由に行えるようにアップデートしました。高い光透過率で包まれた無酸素銅は、遅延のないスムーズなリスニング体験を保証すると同時に、耐久性と美しさを保ちます。

人間工学に基づいた設計でしっかりとした気密性の高い遮音性を実現
3D耳介のビッグデータのサンプリングに基づくキャビティ設計により、ほとんどの人の耳介にフィットするイヤホンを実現し、気密性の高い快適な装着感を実現しました。特別に設計された空洞とケーブル上の弾性記憶チューブにより、イヤホンはしっかりと固定され、リスニング体験を妨げる外部ノイズを低減しますが、長時間の使用でも不快感を感じさせません。

ユーザーフレンドリーなデザイン
SGOR Venusは、マイクとインティネコントロールを内蔵しているので、電話やボイスメッセージが簡単にでき、音楽再生の操作も手間なく行えます。
※この機能はマイク付きバージョンにのみ搭載されています。

パッケージ(8.0)

パッケージは価格の標準を満たしています。シンプルで処分しやすいパッケージです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- マニュアル類










ビルドクオリティ(9.0)

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
低価格ですが、非常に美しく洗練されたデザインです。








装着感(8.5)

装着感は良好です。



音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)


SGORの公式測定値はおそらく9kHzピークを基準としています。参考用に9kHzピークの測定値を掲載します。

当サイトのレファレンスに近い測定値と公式基準に近い測定値の比較です。
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
SGOR Venusはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
SGOR Venusは中域が凹んだV字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域(8.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:A-

SGOR Venusの低域は深さで物足りません。
ドラムキックは重みと太さがあってたくましく、インパクトが十分にあるものの、浅いトコトコした印象で聞こえやすい音です。明るく聞こえるため、リズム感はわかりやすいですが、臨場感には物足りなさを覚えることが多いでしょう。
エレキベースはやや明るく、黒さはやや物足りない印象を受けます。
中域より少し存在感が強めの低域ですが、腰高に聞こえる音で、低域マニアを満足させる水準にはないでしょう。

中域(8.5)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B

SGOR Venusの中域はやや凹んで奥まって聞こえます。少しナローで窮屈に聞こえやすいところがありますが、高域は比較的よく開けているため、天井に開放感があり、風通しは悪くありません。
全体的にやや暗く、ボーカルは暗い位置で聞こえがちでスポットライトがあまり当たっておらず、フォーカス感はいまいちです。明度に対して高域の輝度は高いため、ディテール感はわりとはっきり聞こえます。真ん中が暗くなるブラックホールのような音場です。
エッジや歯擦音はやや高めで、ややギスギスした感じがあり、ボーカルはドライで子音が尖り気味に聞こえがちです。
シャープネスが強い影響でギターのバイト感はかなりギリッとはっきり感じられ、スネアもややキレが強い音に聞こえます。
中域は全体的に後傾的でステージングが強調されています。

高域(9.5)
- 原音忠実度:C
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C-
- 存在感:B-

SGOR Venusの高域は比較的よく伸びており、精細感も十分です。シンバルクラッシュもかなり繊細で広がりが良く聞こえます。
歯擦音やサ行の刺さりはやや強めに出る可能性がありますが、空気感が十分にあるので耳障りにはなりにくいでしょう。ただ全体的にギスギスしがちです。窮屈な中域のせいもあり、音楽が凝集的で縦長の音場で聞こえるように思うかもしれません。

定位/質感
- 質感の正確性:A
- 定位の正確性:A+
- オーケストラのテクスチャ:B
- 雅楽のテクスチャ:B
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
SGOR Venusはフルオーケストラ向きのイヤホンとしてはそれほどおすすめ度は高くありません。中域が狭く、質感が正確でない点が気になります。定位感はよいですが、窮屈でいまいち広さに欠ける印象を受けます。天井の高い廊下のようなところでフルオーケストラを演奏している雰囲気です。それでも解像度はかなり高いので意外と音に生々しさがあり、バイオリンや木管の伸び、シンバルクラッシュはかなりきれいです。
雅楽も奥行きが強調されて妙に窮屈です。全体的にドライでギスギスしており、みずみずしさにも欠けます。

音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A
- イメージング:A-
- 高域:S-
- 中域:A-
- 低域:B-

低域の深さは物足りず、中域で奥行き感が強調され、高域は標準以上の高さがあります。
クリア感は価格の水準以上です。
イメージング性能は抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B

SGOR Venusは奥行き感のある音場を持ち、解像度に優れたサウンドを持っています。万人向きとは言い難いサウンドバランスで、中域が窮屈に聞こえるところが好みを分けそうなものの、オーディオスペックの上では価格以上の水準にあると言えるでしょう。
V字サウンドが好きで、低域を重視する場合は同じ価格帯のLafitear LM1をおすすめします。
音質的な特徴
美点
- 良好な原音忠実度
- 優れた解像度
- 奥行き感がある
- 良好な高域拡張性
- 優れた定位感
- 繊細
欠点
- 低域の深さで物足りない
- 暗くて窮屈に聞こえる中域
- ドライなサウンド
- 籠り感
- 金細工のように聞こえやすい

奥行き感があるサウンド
良好な原音忠実度
優れた定位感






レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90
を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation

- 原曲(-23LUFS)
- SGOR Venus
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- SGOR Venus
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- SGOR Venus
総評
SGOR Venusは高い解像度を持ち、そのオーディオスペックは価格以上で、外観のビルドクオリティも高く、価格帯では悪くない選択肢かもしれません。しかし、そのサウンドは中域がやや窮屈で癖があり、人を選ぶところがありそうです。
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