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【中華イヤホン SeeAudio Yume レビュー】ハーマンターゲットを意識したバランスの良い音質。深みのある低域が音楽に確かな実在感を与える
SeeAudio Yumeの概要
こんな人におすすめ
- フラットサウンドが好き
- 甘いボーカルが好き
- くっきり感のある音が好き
- 装着感重視
- イヤホンのパッケージやデザインなどで所有欲を満足させたい
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20khz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:106dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
公式サイト
長所
- 全体のバランスが良い
- 調和的なサウンド
- 見通しの良いサウンド
- パッケージクオリティが高い
- ビルドクオリティが高い
- 装着感が良い
- コストパフォーマンスが良い
短所
- クリア感に欠ける
- 輪郭感と分離感は抑えめ
See Audioについて
SeeAudioは2018年に設立されたばかりのまだ非常に若いブランドです。その評判は中華イヤホン界隈でもほとんど無名と言っていいでしょう。このブランドの製品は現代日本文化へのリスペクトに溢れています。静電型ドライバー4基とバランスドアーマチュアドライバー4基を搭載したブランドのフラッグシップIEMは「Kaguya(輝夜)」と名付けられました。
SeeAudio Yumeの特徴
3ハイブリッドドライバー構成 + リキッドシリコンダイヤフラムDD
SeeAudio Yumeは1基のダイナミックドライバーと2基のバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせたハイブリッドセットアップを備えています。リキッドシリコンダイナミックドライバーは、世界中のさまざまな気象条件で変化せず、その完全性を維持し、優れた重低域ダイナミクスと低歪みのウォームサウンドを提供する一方、2基のバランスドアーマチュアドライバーが甘いボーカルとサウンドの明瞭性を提供します。
SeeAudio Yumeには、9.2mmのダイナミックドライバーユニットが搭載されています。 新しい液体シリコンダイヤフラム素材が特徴です。 液体シリカゲルは温度変化に非常に鈍感であるため、歪みが非常に少なく、一貫した出力が可能です。DDユニットはローエンドを処理し、パワフルで深いレスポンスを備えたリッチで質感のあるローエンドを提供します。 それは他の周波数をよく補完します。
L.F.C. 技術 + The 2020 Harman Target Curve
マルチドライバーのクロスオーバーや出力の歪みの問題を取り除くために、SeeAudioはローパスフィルター変換テクノロジーに従って内部音響構造を設計しました。この内部構造には、ブランドはDDとサウンドガイドキャピラリーの間に正確に設計された33.91立方ミリメートルのフロントキャビティが追加されました。これにより、出力の全体的な一貫性が向上し、マルチドライバーの歪みがなくなります。
SeeAudioのプロ音響エンジニアは、2020年のハーマンターゲットカーブに従ってSeeAudio Yumeを調整しました。出力は非常に滑らかに聞こえ、豊かで詳細なボーカル、パワフルでパンチの効いたローエンドが特徴です。 大音量でも出力から歯擦音や疲労感を感じることはなく、お気に入りの音楽を数え切れないほど楽しむことができます。
絶妙なルックス
SeeAudio Yumeは、3.5mmエンドプラグを備えた高品質の5N OCC銅ケーブルを備えています。 イヤホン本体とケーブルをしっかりと接続するためのユニバーサル0.78mm 2ピンコネクタを備えています。
レビュー動画(Super* Review)
パッケージ(9.5)
内容物はイヤホン本体と、イヤーピース2種類合計8ペア、キャリイングケース、説明書、ステッカーなどです。
パッケージは全体的に豪華で、とても1万円台の製品とは思えません。開梱体験はとても満足できます。
珍しい付属品としてはSee Audio公式イメージキャラクターのRinkoのLINEスタンプ風ステッカーが入っています。
ビルドクオリティ(9)
イヤホン本体のビルドクオリティは良好です。非常に美しく、透明感のあるデザインになっています。
パッケージ開梱動画
装着感
筐体はコンパクトで耳への収まりは良く、遮音性も良好です。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
音質解説
SeeAudio Yumeの周波数バランスはかなりフラットに忠実で、全体的に均整がとれています。その中で、低域の拡張性の高さが光っており、深さの点で非常に優れているので、音楽から高いライブ感を引き出します。鮮明感もしっかりしており、歪みの少なさの点でも価格の標準を何とか満たすので、フラットサウンド好きにとってこの価格帯における最高の選択肢の一つになるでしょう。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B
低域はSeeAudio Yumeの音響構造の全体の中において、量的には少し強調されています。しかし、全体のバランス感覚が良いので、存在感の上では量的なバランスほど主張しません。そのため低域が苦手な人でも目立ってうるさく感じるということはほとんどないでしょう。
深くなるほど音が強調されていく構造になっているので、階層性に優れており、ライブ感のあるサウンドを聞かせます。それでいて、量的に中域を圧倒するほど強くならないので、低域の存在感やノイズ感によって中域が濁るということもあまりないでしょう。
中域(9.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
SeeAudio Yumeの中域もフラットに近く、非常に原音忠実的です。
ボーカルは一般に最前面近くに出てきます。楽器音の鮮明感は高いですが、音のエッジは少し抑え目で、分離感や描写力が強すぎる感じはなく、高域とのつながりは滑らかでしなやかです。構築感も強くならないので、音楽的で音の雰囲気に駆動の均質性を感じます。そのため、質感のつながりはよく調整されているように思えます。
ハイブリッド型にありがちな、中域周辺の、質感の上下での変化による違和感についてはほとんど感じないでしょう。
SeeAudio Yumeの音響構造において中域は空間的にはわずかに奥に感じられるかもしれませんが、印象の上では最も印象的に聞こえる領域であり、子音もわずかに強調される傾向にあるので、ボーカル曲を生き生きとさせるでしょう。
高域(9)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C
- 存在感:C+
高域はマイクロディテールに強調がありますが、フラット感を意識して丁寧にチューニングされています。
高域には不自然さを誘うピークはなく、ハイブリッド型でありながら、ダイナミック型のような、つながりのよい、かなり自然な雰囲気で聞こえます。
高域は風通しが良く聞こえ、拡張性に優れているように思われ、天井も少し高く感じられます。ハイハットは粒立ちの細かさに強調がありますが、それでいて目立ちすぎないバランスになっており、中域の雰囲気をかき乱すことがありません。
グルーヴ/音場/クリア感
- グルーヴの中心:中域
- 音場:A-
- クリア感:C
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:B
SeeAudio Yumeのグルーヴの中心は中域に存在します。
音場はフラットサウンドにありがちな平面的な雰囲気がありますが、深さと高さに少し優れており、わずかに奥行き感も強調されています。
フラットサウンド独特のスタティックな雰囲気でありながら一定の響きと躍動感を感じることができます。
クリア感は価格帯では標準レベルか少し物足りないです。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:S
SeeAudio Yumeは1万円台で良質なフラットサウンドを求めているユーザーにとって最良の選択肢の一つになります。
それはDTM用のモニターとして優秀ですか?いいえ。Yumeはフラットサウンドを持っていますが、クリア感に優れているわけではないので、DTMerにとっては音の細かなニュアンスや精確性を捉えるのには物足りないでしょう。Yumeは全体の雰囲気を忠実に維持しつつ、一般的な解像度に落としてくれるので、完成品の聞こえ方の確認には良いかもしれませんが、製作段階の相棒としては物足りない存在です。ミックス時などに音の効果を確認するには、構築感も少し足りないでしょう。
Yumeはそういう意味で音楽鑑賞向きのイヤホンであり、さまざまな曲を長時間聞いても聴き疲れしないので、優れたバランスでロングタイムリスニングを楽しみたい人向きです。
個人的にはEDMだと少し緻密感が足りない気がするんで、わりとJAZZのような曲をこのイヤホンで聴くのが好きですね。
音質的な特徴
美点
- 全体のバランスが良い
- 見通しの良いサウンド
- くっきり感がある
- 調和的なサウンド
- 階層的でレイヤリングの良い低域
- ほどよく強調される繊細さ
- 中域への適切なフォーカス
- ボーカルが生き生きしている
欠点
- クリア感に欠ける
- 人によって、わずかに強いかもしれない低域
- 場合によってディテール感に欠ける
- 構築感が少し足りない
原音忠実的なフラットサウンド
滑らかでしなやか
上下の拡張性に優れる
競合機種との聴き比べ
以下の記事で競合機種と聞き比べを行っています。
音楽鑑賞
鈴木みのり「Crosswalk」
私の大好きな曲ですが、この曲なんか聞くとYumeはいいなって思いますね。
鮮明感が高く、低域も深く、高域もわりと高いところで強調されるので、音楽全体に深みとのびやかさが感じられます。
それでいて、輪郭感や分離感はわずかに柔らかくなっているので、この曲の調和的な雰囲気をうまく聴かせてくれます。音楽全体に自然な温かみがあり、充実感はもうちょっとほしい気がしないでもないですが、生き生きしたボーカルのニュアンスによって、サビで情熱が少し引き出され、自然なカタルシスが得られます。
Yumeの鮮明でありながら、どこかアナログ感を忘れない、手作り感のあるサウンドは、音楽をモニター的なバランスで正確に描写しながら、その質感に人間的な表現を加えることを忘れません。
佐々木李子「Good Night」
ぶっちゃけYumeの女声ボーカルの表現はかなり好みなので、女声ボーカルの好きな曲は割となんでもいけますね。この曲も私の好きな曲です。
音は鮮明で彩度が高く、音像はかなりはっきり聞こえますが、分離感や輪郭感はわずかに抑えられており、クリア感も高い方ではないので、全体的にどこか調和的で、この曲のほんわかした雰囲気がうまく維持されます。ボーカルも元々のふんわりした声質がそのまま聞こえるくらいのバランスになっていて、ボディに強調があまりないのに、ボディの存在感を豊かに感じることができます。
楽器音も奏者の演奏がくっきり見えるというよりは、むしろ音楽の中に奏者が溶け込んで聞こえるというような包み込まれるような没入感があります。
南壽あさ子「みるいろの星」
こうした温かみのあるボーカル表現の魅力を引き出すのはうまいです。普通温かみのあるサウンドを聴きたい場合、ウォーム感や充実感を優先してふっくらしたサウンドが甘みを引き出してくれるところがありますが、このイヤホンはその点に強調がないのにもかかわらず、この曲のボーカルから十分な温かみと甘みを引き出してくれます。
音に不自然な膨張感がないにもかかわらず、中域のボーカルや楽器音はふわっと空間に広がり、空間を色づけて豊かな色彩感を音場全体で感じさせてくれるかのようです。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15を用いています。ゲインは低設定で、使用イヤーピースは標準イヤーピースのSサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
LACRIMOSA OF DANA -Opening Ver.-
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
巨イナルチカラ
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
ユルギナイツヨサ
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- BQEYZ Summer
Intense Chase
- 原曲(-23LUFS)
- SeeAudio Yume
総評
SeeAudio Yumeは音質バランスが良く、鮮明感は高いのに調和的で、どこか人間的なサウンドを聴かせる魅力的な機種です。深い低域と拡張性に優れた高域を持ち、艶やかなボーカルを甘い雰囲気で豊かに聴かせる独特のサウンドに、もしかすると強く魅了されてしまうかもしれません。実際私もその優れた音楽性の高いサウンドをとても気に入っており、レギュラーメンバーとして使っています。
パッケージやビルドクオリティの点でも優れた機種で、不満は出ないと思いますが、FiiO FH3やTri Starseaといったライバル機種と比べると、バランスは最も良いですが、クリア感や音場の広さで少し劣るように思うかもしれません。
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