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【ハイレゾイヤホン ROSE QT-7 Pro レビュー】アンプラグドライブを引き立てるボーカルホン
ROSE QT-7 Proの概要
こんな人におすすめ
- ボーカルをしっかり聞きたい
- 重低域をしっかり聞きたい
- 聴き疲れしない音が好き
- 中域がすっきりしている方が良い
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20khz
- インピーダンス:14Ω
- 感度:106dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
長所
- 臨場感のある深みのある低域
- ニュアンスに優れたボーカル
- 奥行き感のあるサウンド
- 聞き疲れしにくい
- 質の良いパッケージ
- ビルドクオリティが高い
短所
- おとなしめの高域
- 充実感に少し欠ける
- 輪郭感がはっきりしない
ROSEについて
Rose(ローズ)は2015年10月に4人の音楽愛好家により四川省成都市温江区に設立されたブランドでRoseブランド製品の設計、製造をはじめODM生産も行っています。
創業以来、多くの特徴的な技術や独特な製品の開発に取り組み、より快適なリスニング体験をしていただけるよう専門の研究開発部門を設置しています。
「大胆なデザイン」、「より良いチューニングの追及」、「オリジナルの技術開発」をブランドのコンセプトとして掲げコストパフォーマンスに優れた製品を製造することに注力し、国内一の新興ブランドとなるべく日々努力しています。
ROSE QT-7 Proの特徴
- QT-7 Proはバランスド・アーマチュアドライバー2基と+ダイナミックドライバー1基を搭載したカナル型イヤホンです。
- ダイナミックドライバーにより迫力と量感のある低音を、2基のバランスド・アーマチュアドライバーにより高解像度で高密度なボーカル再生と透明感のあるサウンドを提供します。
- 人間工学に基づき軽量かつコンパクトに設計されたハウジングは耳の小さな方へも快適な装着感を提供します。
- 銀コート高純度単晶銅を採用したイヤホンケーブルは良好な高域特性と高品位な信号伝送を実現します。
- MMCX採用のためケーブルの着脱が可能、リケーブルによるカスタマイズも可能です。
- ハードタイプとソフトタイプのイヤホンケースをはじめ各種イヤーピース、変換プラグなど付属品も充実しています。
2BA+1DDを搭載したハイブリッド構成
10mmダイナミックドライバーは迫力と量感のある低音再生を実現、ノズル付近に配置された2基のバランスド・アーマチュアドライバーはそれぞれ中音域と高音域の再生を担当し高解像度と高密度なボーカル再生と透明感のあるサウンドを提供します。
携帯電話やエントリークラスのプレーヤーで十分駆動できるようにこだわり設計されているため再生環境を選ばずご使用いただけます。
軽量かつコンパクトなハウジング
人間工学に基づき軽量かつコンパクトに設計されたハウジングは耳が小さく通常のイヤホンでは大きすぎると感じられていた方にも快適な装着感を提供します。
また、耐衝撃性に優れたアクリル樹脂製のハウジングは落下しても割れにくく、抗アレルギー仕様のため肌にも優しい造りとなっています。
カラーバリエーションは清涼感のあるクリア仕様でブラック、ブルー、レッドと葉脈をイメージしたリーフブルーの4 色をご用意しています。
高品位かつ着脱可能なイヤホンケーブル
シルバーコートされた単晶銅(5N OCC)ケーブルは良好な高域特性と伝送ロスの無い高品位な信号伝送を実現します。また、コネクタにMMCX を採用することでリケーブルを可能とし自分好みのカスタマイズを行うことが可能です。
ハードタイプとソフトタイプのイヤホンケースが付属
ハードタイプとソフトタイプのイヤホンケース(イヤホンポーチ)が付属しイヤホンをしっかりと保護すると共にお好みに合わせてご使用いただくことが可能です。
また、3 種類の異なるイヤーピースにより用途に合わせたご使用や快適な装着感を提供します。
レビュー動画(CT Viewer)
パッケージ(9.0)
内容物はイヤホン本体と、イヤーピース4ペア、ソフトケース、ハードケース、説明書などです。
価格を考えるとかなり豪華な品揃えです。パッケージの作りが豪華というわけではありませんが、開梱体験は凝っています。
なかなかおしゃれなハードケースもついていて、かなり所有欲を満たしてくれます。
ビルドクオリティ(9.0)
イヤホン本体のビルドクオリティは良好です。内部配線を裏側から透過してみることができ、フェイスプレートは透明感があっておしゃれです。
装着感(9.5)
筐体はコンパクトで耳への収まりは良く、遮音性も比較的良好です。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
音質解説
低域の深いところで強調されるサウンドを持っています。高域は量的には低域ほど目立ちませんが、ディテールの点では存在感があり、空間的な高さにも比較的優れています。そのため、拡張性が高く、レンジ感のよいサウンドを楽しめるのが魅力です。
低域(9.5)
- 原音忠実度:B
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:A-
ROSE QT-7 Proの魅力の一つが深みのある低域にあることは間違いありません。深淵を感じさせるような沈み込みの良い低域を好む場合、QT-7 Proは検討する価値があるでしょう。
その低域はランブルの存在感が非常にクリアに感じられるパワフルさを持っていますが、同時に太さやブーム感は強くなりすぎないように調整されているため、低域がうるさすぎて感じられるということはあまりありません。
ロックでは黒く地熱の感じられるベース音とスリムでありながら重く入るバスドラムキックを味わうことができます。全体はややリラックスしているので、ベースとドラムの描き分けは必ずしも明瞭というわけではありませんが、自然な分離感を感じられるでしょう。人によっては臨場感があり、生々しく、ライブ感が高いサウンドに聞こえる音です。
中域(9.0)
- 原音忠実度:B+
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B+
ROSE QT-7 Proの中域は低域から自然につながっています。全体的に低域よりは後退的ですが、中域全体の中ではボーカルは少し前に出ています。
中域は奥行き感が強調されており、立体的に聞こえます。ボーカルの周辺は空間的に良く整理されており、低域も高域も分離感があるので、ボーカルが埋没的になることはほとんどないでしょう。重低音が強い音楽では下の方でややうるさく感じる可能性はありますが、低域は膨張的になることはないので、床面はつねに中域から一定の距離をとって聞こえるため、よく沈み込んで邪魔しません。
同時に中域から高域にかけてグルーヴが強調されるため、印象的にも低域が目立ちすぎることはありません。そのため低域が量的に多少優位ですが、意識はむしろボーカルから上の方向に自然と引き付けられ、中高域のディテールが印象的に聞こえるはずです。
QT-7 Proの中域は決して緻密な音ではなく、どちらかというとウォームで輪郭感も優しいですが、十分に明るく、凛とした張りのあるサウンドを持っています。女声ボーカルの芯の通った端正な声色は清楚に聞こえます。すっとまっすぐ立つようなボーカル表現が好きな場合、QT-7 Proは聴く価値があるイヤホンです。
高域(8.5)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B
- 荒さ:B-
- 繊細さ:B-
- 存在感:B-
高域は低域や中域に比べて量的な存在感は強くありませんが、細かなピークと拡張性の高さによって、質的な存在感でバランスが取られています。
実際のところ単体ではわりと荒々しい高域ですが、沈み込みの良い低域、凛とし、奥行き感のある中域に比べて目立ちすぎない位置にいるので、うるさい感じはありません。むしろ第一印象では少し静かすぎるくらいに思う人がいそうです。
高域は拡張性に優れており、かなり高いところまで伸びているので、風通しは強調されませんが、自然なのびやかさがあります。また歯擦音やギターエッジのギラツキは少し目立ちますが、目立ちすぎて音がギリギリして不快ということはまずないでしょう。
高域の全体は中域とのバランスがよく考えられており、とくにボーカルを引き立たせることを重視しているようです。ボーカル表現にこだわるROSEらしいチューニングと言えるでしょう。
グルーヴ/音場/クリア感
- グルーヴの中心:中域上部~高域
- 音場:A-
- クリア感:B+
ROSE QT-7 Proのグルーヴの中心は中域上部~高域に存在します。
音場は深みと奥行きに優れており、幅と高さも割と広めです。とくにボーカル周辺のマージンが多く、ボーカルが印象的に聞こえる音場になっています。
クリア感もなかなかに優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:B-
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:S-
ROSE QT7 Proは低域とボーカルを愛する人のためのイヤホンです。深みのある低域とニュアンスが多く凛とした雰囲気で印象的に聞こえるボーカル、目立たないながらもディテールと拡張性に優れた高域を持ち、聴き心地もよく考えられています。
それはライブ音源を印象的に聴かせることは確かです。重低域の存在感によって、マイクのポップノイズ感、ピアノペダルの踏み込み感、場の空気感がよく感じられるでしょう。ボーカルはニュアンスを強調されつつ、かなり前面に浮き上がって聞こえ、軸も立っているので、人によってはかなり生々しい表現に思えるはずです。アンプラグドなライブサウンドを好む人にとって、価格帯で最高クラスのサウンドを提供してくれるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 臨場感のある深みのある低域
- 軸が立ち、ニュアンスも多い生々しいボーカル
- よく整理された中域空間
- バランスの良い音質
- ディテール感が高いが、中域に調和的な高域
- 中域への適切なフォーカス
- ウォームで聴き心地が良い
- 鮮明感が高い
- 拡張性が高い音場
欠点
- 人によってはおとなしすぎる高域
- やや薄く聞こえる中域
- 輪郭感がはっきりしない
- メリハリ感に少し欠ける
張りのあるボーカル
深みのある低域
拡張性の高い音場
音楽鑑賞
藤田麻衣子「ねぇ」
軸の立った、まっすぐすらっとしたボーカル表現を持っているので、藤田麻衣子のような芯のある清楚な声質とはとても相性が良く思えます。
また、藤田麻衣子の曲は重低音を重視しているものが多いですが、このイヤホンは深く重く黒いベースもしっかり存在感を感じさせてくれます。
高域は目立ちすぎないですが、マイクロディテールは強調されるのでシンバルの細かな表現はかなりはっきりと繊細に描き出されます。
ボーカル周辺のマージンが広く、奥行きのあるステージになっているため、ボーカルフォーカスに優れ、のびやかなボーカルが印象的に聞こえる空間性があります。
率直に言って、これは良いですね。
富田美憂「翼と告白」
わりと低域が目立ちやすい曲ですが、このイヤホンはうまく沈み込ませて聞かせてくれるので、低域の躍動感はしっかりしているのに、中域を邪魔する感じがありません。
量的にはわりと目立つ低域ですが、このイヤホンの音響構造上、印象的にはむしろボーカルニュアンスのあたりとその上のエレキギターがのびやかに聞こえるあたりに意識が向くので重苦しさはありません。
また中域のマージンが広いので、空間的な余裕が感じられ、聴き疲れ感もうまく抑えられています。
ただ、好みの範疇の気もしますが、高域が少しおとなしいので、爽快感やアグレッシブさで物足りないと感じる可能性はあります。あるいは反対に、高域の少し荒っぽい感じが滑らかさに欠け、不自然に思えるという可能性もあるでしょう。
能登麻美子「藍染」
重低域が強調されているので、深みのあるサウンドになっています。
ボーカルはすらっとしていてスリムに聞こえ、ニュアンスもよく清潔感が感じられますが、充実感に欠けるところがあるので、ボディが少し不足する感じがあります。ふっくらした感じは少し足りず、ところどころ声を絞り出してるように苦し気に聞こえる場面があるのが、気になると言えば気になるところはあります。
また同様の理由から、中域は少しカサカサしていてドライに聞こえる傾向があります。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15を用いています。ゲインは低設定で、使用イヤーピースは標準イヤーピースのSサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲【原曲】GENS D'ARMES
- 原曲(+5dB)【原曲】GENS D'ARMES(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - ROSE QT-7 Pro
白き魔女(クラシック系)
- 原曲【原曲】白き魔女
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】白き魔女(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - ROSE QT-7 Pro
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲【原曲】The Silver Will -ギンノイシ-
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】The Silver Will -ギンノイシ-(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - ROSE QT-7 Pro
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲【原曲】Sophisticated Fight
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】Sophisticated Fight(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - ROSE QT-7 Pro
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲【原曲】浮遊大陸アルジェス -Introduction-
この動画を YouTube で視聴 - 原曲(+5dB)【原曲】浮遊大陸アルジェス -Introduction-(+5dB@1khz)
この動画を YouTube で視聴 - ROSE QT-7 Pro
総評
ROSE QT-7 Proはビルドクオリティもよく、パッケージ内容も豊富で1万円台ではなかなか魅力的なイヤホンです。そのサウンドはライブ感のある重低域を持ち、生き生きとしたボーカルをフォーカスして丁寧に聞かせます。それはアンプラグドなライブミュージックをとくに楽しませてくれるでしょう。
コメント
レビューされたQT-7 Proのカラーはリーフブルーでしょうか、ブルーでしょうか?
ONZOの説明によると、リーフブルーのようです。写真ではところどころ色味は少し濃く見えるかもしれませんが、実際は珊瑚海を思わせる明るい青です。
リーフブルーなんですね、綺麗な色味ですね
Amazonで商品画像見てもどちらとも判別付き難かったのでスッキリしました
ありがとうございます
いえいえ、質問していただいて、色のことに気づけたので逆に感謝です。
今回のROSE QT-7 Proはたぶん工作精度は問題ないと思いますが、ROSEはBR5 mk2は少し工作精度にばらつきがあったのか故障報告がわりと多かったと思います。
私のBR5 mk2は今も元気ですが!
一応ご参考に!