免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
- 「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。
RHA TrueControl ANCの概要
こんな人におすすめ
- くっきりしたサウンドが好き
- 鮮明感の高いサウンドが好み
- スタジオモニターサウンドが好き
基本スペック
- 連続/最大再生時間:ANC ON時5h/20h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
- 技適番号:201-200826
- 価格帯:30000円~50000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:7.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 自然な質感
- 明るく輝度の高いサウンド
- くっきり明瞭なサウンド
- 色づきが良い
- 構築感に優れる
- 鮮明感が高い
- エネルギッシュで溌剌としたサウンド
短所
- 金属的に聞こえやすい
- 低域の深さに欠ける
- アグレッシブサウンド
- 少しガチャガチャしやすい
- 平凡なANC
RHA TrueControl ANCの特徴
Find your focus with industry leading ANC.
優れたノイズキャンセリング性能
最先端のアクティブノイズキャンセリング技術に、人間工学に基づく優れたフィッティング性能によるノイズアイソレーション設計の相乗効果が加わり、類をみないノイズキャンセリング性能を実現。飛行機のエンジン音や地下鉄の騒音、さらに空調ノイズやパソコンのタイピング音まで、様々な騒音を低減します。また、適正な音量で音楽リスニングができるので、難聴防止にも有効です。
RHA Hi-Fiサウンド
そのオーディオ性能に高い評価を得てきた、RHAが誇る数々のイヤホン製品のエッセンスを『TrueControl ANC』の音響設計に注ぎ込みました。ワイヤレスイヤホンにおける原音再生をテーマに、高性能6mm径ダイナミックドライバーの能力を最大限引き出す内部設計と、RHAサウンドチューニング技術により、ANCを常時ONにしても、正に“自然”なRHAのHi-Fiサウンドで音楽を奏でます。
ワンタッチで外音を取り込める“アンビエントモード
Qi規格ワイヤレス充電に対応
充電方法は付属のUSB Type-Cケーブルを使用した有線での充電と、Qi規格のワイヤレス充電に対応します。常時ANCをONにしても“本体5時間+充電ケース15時間”の長時間再生が可能で、約15分の充電で1時間以上再生できる急速充電にも対応しています。
RHAから新作完全ワイヤレスイヤホン RHA TrueControl ANCが登場しました
英国のオーディオブランド RHAはアクティブノイズキャンセリングと全く新しいアプリ「RHA Connect」に対応した完全ワイヤレスイヤホンRHA TrueControl ANCを発表しました。そのデザインは人間工学に基づき、ワイヤレス充電に対応します。
パッケージ(8.0)
RHA TrueControl ANCのパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- RHA TrueControl ANC本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース多数
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格を考えると、良好なレベルです。
装着感(8.5)
本体はやや大きいですが、カスタムIEMのようなデザインになっており、装着感は悪くありません。ただ耳が小さい人が付けると、少し出っ張る感じになるようです。
接続品質
AptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも接続が途切れることなく、接続は維持されますが、ときどき途切れがちになります。それでも音楽再生は満足なレベルで継続されました。ただしとくに距離的に問題ない場合でも時々妙に音飛びしたり通信が乱れることがあります。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し、蓋を閉める |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード ケースにイヤホンを収めた状態でイヤホンの多機能ボタンを5秒長押しすると手動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを1回タップ |
曲送り | 左耳側の多機能ボタンを前にスワイプ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを後ろにスワイプ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを前にスワイプ |
音量- | 右耳側の多機能ボタンを後ろにスワイプ |
通話応答 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを1.5秒長押し |
通話拒否 | 多機能ボタンを1.5秒長押し |
ボイスアシスタント起動 | 右耳側の多機能ボタンを2秒長押し |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを2回タップ |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、RHA TrueControl ANCのANC性能は価格帯で標準かやや物足りません。
アプリ
RHA Connectアプリでできることは以下のとおりです
- イコライザーによる音質調整(プリセットのみ、独自EQがは作れない)
- ファームウェアアップデート
- コントロールのカスタマイズ
- ヒアスルー機能の調整
- 装着感検出機能の調整
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
RHA TrueControl ANCのサウンドはマイルドなU字型をしており、かなりニュートラルに近いシグネチャーになっています。解像度も良好で、かなりオーディオマニア向きの調整になっており、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの中ではかなり良好なチューニングと言えるでしょう。RHAのこだわりが感じられます。
以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:A-
- 臨場感:C+
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B
低域は比較的深くまで出ていますが、深みに欠けるため、臨場感に欠けます。
レイヤリングがよく、引き締まり感があり、低域は深いところまで見通せますが、全体的に明るく、黒さに欠けます。
ドラムキックは機敏で、キレと迫力もあり、精確なリズムを刻みますが、床面の存在感が希薄で重量感がありません。エレキベースは浅いために黒さがいまいち足りず、若干薄味気味で聞こえます。ドカっという衝撃力はあるものの、ドスンという重厚感がなく、端正なサウンドでブリティッシュ・ロックの雰囲気に合いそうな低域ですね。
中域(10.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域は原音忠実度も高く、ほとんど完全にニュートラルなため、質感表現は非常に正確です。
RHAはやや明るいサウンドを好む傾向にありますが、RHA TrueControl ANCも例外ではなく、輝度は少し高く、ボーカル周辺のスポットライトは中庸よりは明るい方向に傾いています。音が少し鋭く、固めに聞こえますが、鮮明感が高く、くっきりしており、構築感にも優れているため、音楽の心臓部の骨格は明確です。音楽が少し角張って聞こえるものの、EDMやロックを枠にはめて聞かせるように、非常にかっちりと表現してくれるでしょう。
透明度はかなり高く、よくできています。
高域(9.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:A-
- 脆さ:B
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:B-
RHAらしい、やや明るい高域に調整されています。
輝度が高めで、少し金属質に聞こえるため、バイオリンや金管、シンバルが若干ギラギラして派手に聞こえます。
個人的な好みからすると、空気感はわずかに不足しているような気がしますが、ほとんど中庸な水準に調整されているので、多くの人は抜けが悪いとは思わないでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:A
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
RHA TrueControl ANCはフルオーケストラを楽しむのに比較的おすすめできる選択肢ですが、重厚感を重視する人には向きません。また表現はわずかに甲高く、少し金属的になっており、表現は全体的に明るめで派手です。そのため、上品で静か、響きを少し強調するホールの雰囲気を好む人には少し軽薄な音に聞こえるかもしれません。一方で華やかで少し軽やかに聞こえる表現が好きなら、かなり楽しく聴くことができるでしょう。
雅楽は明るく聞こえ、華やかです。全体的にギラツキが強いので、わずかに甲高く、金属的な雰囲気で和音が聞こえるのが難点ですが、抜けが良いので聞き苦しさはほろんどありません。ただし、少し硬く鋭い傾向に聞こえやすいので、優美さに欠け、ややがさつに思えるところがあり、気品が足りないと思うかもしれません。
音場/クリア感
- 音場:B
- クリア感:B
- イメージング:B+
- 高域:B+
- 中域:A-
- 低域:B-
深さが足りません。高さは標準的な水準を満たしています。
クリア感は価格帯を考えると平凡です。
解像度は価格の水準を満たしており、良好です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:B+
RHA TrueControl ANCは中域が美しく、透明度の高く明瞭なくっきりしたサウンドを聞かせてくれます。RHAらしい明るい音で若干金属質に聞こえますが、全体のバランスが良く、定位もかなり精確です。
個人的には低域の深みが足りないのがあまり好きではありませんが、モニター的な完全ワイヤレスイヤホンを探しているなら、真っ先におすすめできます。
音質的な特徴
美点
- 自然な質感
- 明るく輝度の高いサウンド
- くっきり明瞭なサウンド
- 色づきが良い
- 構築感に優れる
- 鮮明感が高い
- エネルギッシュで溌剌としたサウンド
欠点
- 金属的に聞こえやすい
- 低域の深さに欠ける
- アグレッシブサウンド
くっきり明瞭
構築的
エネルギッシュ
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはaptXで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- RHA TrueControl ANC (normal)
- RHA TrueControl ANC (ANC)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- RHA TrueControl ANC (normal)
- RHA TrueControl ANC (ANC)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- RHA TrueControl ANC (normal)
- RHA TrueControl ANC (ANC)
総評
RHA TrueControl ANCは音質面ではオーディオマニア向きのニュートラル系のサウンドバランスとなっており、オーディオスペック的にも価格の標準レベルを満たしているため、かなりおすすめできる機種です。アプリの機能も多岐にわたりますが、イコライザーの自由度は低く、できることはそれほど多くはありません。アクティブノイズキャンセリングの性能も少し物足りないですが、パッシブノイズキャンセリング性能が高いので、それほど欠点にはなりません。
コメント