免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにQCYから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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QCY G1の概要
こんな人におすすめ
- 中域中心で音楽を楽しみたい
- 高域に敏感
- かっこいいデザインのイヤホンがほしい
- サイバーパンクデザインが好き
基本スペック
- 連続/最大再生時間:8h/36h
- 防水性能:IPX7
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:216-210066/216-210067
- 価格帯:3000円~5000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:7.0/10.0
長所
- 中域への適切なフォーカス
- 硬くはっきりした音
- 透明度の高い中域
- かなり正確な質感
- 近未来的でおしゃれなデザイン
短所
- 狭い音場
- ダイナミズムに欠ける
- 構築感に欠ける
- 爽快感に欠ける
- 繊細さに欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
- 深さに欠ける
QCY G1の特徴
- 👂 【QCY会社専門音質技術、NEC高性能ノイズキャンセリング機能】QCY G1ワイヤレスイヤホンは革命的なBluetooth5.2技術&ドライバーには10mmのチタニウムドライバーが内蔵されています。高級ワイヤレスイヤホンから発せられるようなプレミアムサウンドを体感できます。音質面に関しては、NEC高音質コーデックに対応しています。接続相性が良い。ナチュラルな音楽視聴を邪魔しないようにこだわったアクティブノイズキャンセル機能によって、周りの環境音や街の雑踏を抑えてワンランク上のリスニング環境を手に入れることができます。騒音や環境音が気になる人やカフェ等で集中したい時にはこの機能がある。音楽を楽しむ人にもおすすめできます。
- 👂 【Bluetooth5.2&自動ペアリング】完全ブルートゥースイヤホンで自由な音楽体験をBluetooth5.2と最新知能チップを採用しており、従来のバージョンと比べ、よ通信速度・範囲・安定性が飛躍的に向上し、従来のBluetoothイヤホンの通信問題、音飛び、途切れも有効的に改善されました。また自動ペアリング機能と自動再接続機能が付いており、初回接続成功であれば、次回はBluetoothイヤホンを取り出して、蓋を開けたら自動電源オンと自動ペアリングできて、瞬間に自動でスマホとペアリング完了できます。イヤホンの左右独立で左右のイヤホンどちらもそれぞれ同時に受信することができます。使い初心者にも扱いやすいです。もっと簡単に利用できます。
- 👂 【多機能タッチボタン操作】イヤホン本体をタッチして、簡単にスマートフォンなどの音声アシスタントを呼出可能です。スマートフォンを取り出さず、タッチ式で指で軽くタップするだけで曲送り/曲戻し、音楽再生/停止、電話応答/終了/拒否、電源オン/オフ、など基本的な操作を認識してくれて、Siriをタッチ3回で簡単起動できるように設定もできて、わざわざスマートフォンをポケットやカバンから取り出して操作する必要はありません。タッチの精度や感度も大幅に向上しストレスないタッチコントロールが可能になりました。左または右どちらか片方を充電ケースにしまったままでも、片側だけで使用することができます。片方を充電しながらもう片方で音楽を楽しんだり、ハンズフリー通話をしたりできます。
- 👂 【最大36時間の再生時間】イヤホン本体で最大8時間、ケースと併用で最大36時間の音楽再生が可能。また、付属のType-C充電ケーブルを使用することで、わずか10分の充電で1時間の再生が可能です。カフェでの作業用、通勤通学など普段使いなら申し分ないバッテリー持ちです。また、音が途切れにくいBluetooth5.2対応、IPX7に相当する防水性能も兼ね備えているので、外出中に音楽にも通話にも満足度が高いワイヤレスイヤホンです。
パッケージ(7.5)
QCY G1のパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- 専用充電ケース
- イヤーピース
- Type-Cケーブル
- マニュアルや保証書類
ビルドクオリティ(8.5)
装着感(8.5)
耳への収まりもよく、装着感は良好です。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では少し物足りない接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと音が途切れ、接続が解除されました。
ホワイトノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す もしくは多機能ボタンを1.5秒長押し |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する もしくは多機能ボタンを長押し |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生 | 多機能ボタンを2回タップ |
再生停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを1.5秒長押し |
通話応答/終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを1.5秒長押し |
音声アシスタント起動 | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
ゲームモードON/OFF | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
アプリ
QCY G1はQCYアプリに対応しており、音質とコントロールを自分好みにカスタマイズすることが可能です。さらにヘッドセットの位置情報を追跡し、ヘッドセットから音を鳴らすことで見つけやすくする検索機能はかなり便利です。
QCYアプリで可能なこと
- 音質のカスタマイズ
- コントロールのカスタマイズ
- 追跡機能
- ファームウェアアップデート
- ペアリング解除
- ファクトリーリセット
- デバイス情報の確認
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とSBCでつないでレビューします。
QCY G1は高域がやや控えめで低域から中域に寄った中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。中域がはっきり聞こえますが、音場が狭く、抜けが悪いので硬質でうるさく聞こえがちなところが好みを分けそうです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B
- 深さ:A-
- 重み:A
- 太さ:A-
- 存在感:B+
QCY G1の低域はレイヤリングは悪くありませんが、深さで物足りません。
ドラムキックには十分な重みがあり、インパクトが感じられますが、ランブルが少し弱いので、印象的には生々しさに欠け、深みのない表現になります。エレキベースも黒さは適度に感じられますが、引き締まりに欠けます。
モニター的でレイヤリングは比較的良好ですが、低域好きを満足させられる低域ではありません。
中域(8.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:A-
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B
QCY G1は中域を前面に押し出すサウンドになっています。
高域がおとなしいため、ボーカルが比較的高い位置で前面に聞こえます。中域の透明度は高めですが、高域の抜けが不足しているため、音は硬すぎて聞こえやすく、繊細さにも欠けます。
ボーカルはシャウティに聞こえやすく、やや情緒不安定です。また子音はサ行が弱く、ボーカルの伸びもあまりよくありません。口の中に多めに唾が溜まっているような、滑舌の少し悪い表現になっています。
スネアは切れが悪く、カタカタしていて、エレキギターはエッジの表現が濁っており、色気に欠けます。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D-
- 存在感:D+
高域はかなり不足しています。
高域は全体的に中域から一歩下がっており、バランスが取れていません。
高域自体の構造はニュートラルモニターに近く、定位感は悪くありませんが、繊細さや伸びやかさに欠けます。そのせいで音場は閉じた構造になっており、音楽の全体のスケール感がコンパクトになりすぎて聞こえます。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:B
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
中域の質感は正確で、定位感も悪くありませんが、音場が全体的に窮屈で楽器音の伸びが悪いフルオーケストラです。Etymotic系のイヤホンで聞く感じに似ているので、Etymoサウンドが好きなら、好ましく思えるかもしれませんが、スケール感に欠けるので私は趣味じゃありません。
雅楽も篳篥の音の抜けが悪いですね。和音は角が取れて聴き心地がマイルドですが、伸びやかさに欠け、華やかさも不足して聞こえます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:C+
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:B
- 中域:A-
- 低域:B-
音場は深さと高さの両方向で物足りません。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
イメージング性能は価格の標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:B-
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:C+
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- 硬くはっきりした音
- 透明度の高い中域
- かなり正確な質感
欠点
- 狭い音場
- ダイナミズムに欠ける
- 構築感に欠ける
- 爽快感に欠ける
- 繊細さに欠ける
- 高域の拡張性に欠ける
- 深さに欠ける
- 中域がうるさくなりやすい
中域への適切なフォーカス
硬くはっきりした音
かなり正確な質感
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- QCY G1
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- QCY G1
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- QCY G1
総評
QCY G1は中域重視のサウンドを持っています。音場が狭いのが難点ですが、コンパクトなサウンドで音楽やゲームを楽しみたい人には悪くないでしょう。デザインもおしゃれです。ただ通信品質が少し弱めなのが気になります。
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