【完全ワイヤレスイヤホン Picun X7 レビュー】低価格デュアルダイナミック構成が生み出すパワフルなサウンド

1000円～3000円

Picun X7

2022.12.28

免責事項

このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。

Picun X7の概要

こんな人におすすめ

機能性重視
通信品質重視
防水性能重視
低遅延モードが欲しい
コスパ重視

基本スペック

連続／最大再生時間：4.5h／25h
防水性能：IPX7
対応コーデック：AAC／SBC
価格帯：1000円～3000円

audio-soundスコア

パッケージ：8.0/10.0
ビルドクオリティ：8.5/10.0
装着感：8.5/10.0
高域：8.0/10.0
中域：9.0/10.0
低域：9.5/10.0
歪みの少なさ：8.5/10.0
通信品質：8.5/10.0

長所と短所

長所

奥行き感のある音場
正確な質感
前方定位的
エッジーサウンド
ギラギラサウンド
重厚
良好な通信品質
おしゃれなデザイン

短所

高域の拡張性が大幅に不足している
ディテール不足
シャウト感の強いボーカル
金属質に聞こえる楽器

Picun X7の特徴

🔊【大幅アップグレード最新ワイヤレスイヤホン】ワイヤレスイヤホンブランドのPicunから2022年新作モデル登場！ダブルスピーカーの高音質、素敵な装着感、パッケージ、内臓バッテリーなど、あらゆるアップデートが施され、過去最高モデルが誕生しました！このワイヤレスイヤホンは多機能物理ボタンがあります、ワンボタンで音楽再生/停止/曲送り/曲戻り/音量調整/電話に出る/切る/Siri起動など様々な操作が実現できます、とても簡単です。防水性能はIPX7ということで、耐水、耐汗機能がありますよ。水の侵入を防ぎ、水洗い、汗や水しぶき、ヨガ、小雨などからイヤホンを守る防水仕様となっており、ランニングに汗がかいても長時間音楽を楽しむことができます。
🔊【日本向けに小型設計ワイヤレスイヤホン bluetooth】素敵な装着感、先進的な設計、人間工学に基づいた設計により、小さくてコンパクトなデザイン、ミニコンパクト、超軽量設計、小さい体だが強力なエネルギー、一日中快適に過ごせるフィット感と高い遮音性を両立させています。 L/ M / Sのイヤーピースが付属しており、最適のイヤーピースにより長時間使用しても耳が痛くならず、運動中も抜け落ちそうな気配もありません。安価で高性能製品をお届けできるよう、専門として改良して、2022年史上に前例のない機能と設計が優れた bluetooth ワイヤレスイヤホン新登場！！！
🔊【優れた通話音質イヤホン＆Hi-Fi高音質】3Dステレオサウンド、透き通った高音質！高音質なオーディオ体験、ダブルスピーカーの設計モードを採用しています。低遅延ゲームモード、音楽はもちろん、携帯電話でゲームをプレイするシーンにおいても活躍、ビデオと同期してサウンドを保つ。オートペアリングに対応しており、ケースから取り出すだけでサッと使い始めることが出来ます。また片耳利用もサポート、左右問わず、ケースから片耳のイヤホンを取り出すだけで簡単に片耳再生が可能に。または、左右のワイヤレスイヤホンの片耳使用と両耳使用を簡単に切り替えることができます。ジョギング、ランニング、ヨガ、スポーツ、ジム、サイクリングなどの使用も相性抜群。
🔊【超大容量充電イヤホンケース】Bluetooth5.2テクノロジーチップ、瞬時接続できます、10m離れていても操作可能です、もっと速く、もっと長く、もっと遠く、TWSの新技術を採用しました、通信速度・通信性能ともに飛躍的に向上し。環境に左右されない優れた接続安定性を実現しています。iOS、Android、およびWindowsシステムと完全に互換性があり、市場に出回っているBluetoothデバイスの99％に接続できます。音質と低遅延、接続安定性をバランスよく保ちます。超大容量充電ケース、さらに、USB-C式の充電ポートを採用されますので、充電のスピードがほかの充電ポートより著しく早くなりました。充電時にも非常に便利。また、充電ケースにバッテリー残量表示インジケーターが付き、いつでもバッテリーの残量を把握できます。
🔊【パッケージ内容&軽量でコンパクト】充電式収納ケース、Bluetooth イヤホン本体、Usb-C充電ケーブル、イヤーピース×3ペア（S、M、L）、日本語取扱説明書。このbluetoothイヤホンは外観から、ポケットやバックなどに収まりやすい、とても小さなサイズです。光沢感のある充電ケースと洗練されたイヤホン本体のディテールが美しく、センスが光るデザインとなっていますので、親友、恋人、自分にプレゼントに最適！

Picun X7

パッケージ（8.0）

パッケージは価格の水準を満たしています。全体的にエコなパッケージになっています。

パッケージ内容

イヤホン本体
専用充電ケース
イヤーピース
Type-Cケーブル
マニュアルや保証書類

ビルドクオリティ（8.5）

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。

デザインは割と高級感を感じます。B&Oにちょっと似てますね。

装着感（8.5）

装着感は良好です。

接続品質

AACでCayin N6II／E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。

人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬だけ通信が途切れましたが、すぐに復帰し、一貫して音楽を聴くことができました。

バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。

【海外レビューまとめ】Cayin N6II／E02
Cayinのデジタルオーディオプレーヤー（DAP）N6IIは他のDAPにはない斬新なシステムを搭載しているのが特徴です。今回はそのオーディオマザーボードのひとつであるCayin E02の海外レビューをまとめて紹介します。

インターフェース／操作方法

操作インターフェースはタッチ式です。

電源ON	充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す
電源OFF	充電ケースにイヤホンを収納する
ペアリング	電源ON時に接続先がない場合は自動でペアリングモード
曲再生	多機能ボタンを2回タップ
再生停止	多機能ボタンを2回タップ
曲送り	右側の多機能ボタンを2秒長押し
曲戻し	左側の多機能ボタンを2秒長押し
音量＋	右側の多機能ボタンを1回タップ
音量－	左側の多機能ボタンを1回タップ
通話応答	多機能ボタンを2回タップ
通話終了	多機能ボタンを2回タップ
音声アシスタント起動	多機能ボタンを3回タップ

Picun X7

音質

測定機材

HATS測定環境

SAMURA HATS Type3500RHRシステム：HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566：IEC60268-7準拠）
AWA社製Type6162　711イヤーシミュレータ（HATS内蔵）
マイクプリアンプ：Type4053
小野測器 SR-2210 センサアンプ
出力オーディオインターフェース①：RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
出力オーディオインターフェース②：Antelope Audio Amari
入力オーディオインターフェース：RME ADI-2 Pro FS R Black Edition

カプラー測定環境

Type5050 マイクアンプ電源
Type E610A 711イヤーシミュレータ（カプラータイプ・IEC60318-4準拠）
オーディオインターフェース：MOTU M2

アナライザソフト

TypeDSSF3-L
Room EQ Wizard

REW周波数特性

Type E610A 711イヤーシミュレータ（カプラータイプ）でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト（主に海外レビューサイト）のレビューとの比較用に掲載しています。

当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。

周波数特性（RAW）

周波数特性／THD特性／ラウドネスステータス

測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

音質解説

今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とSBCで接続してレビューします。

Picun X7はV字型ないしU字型のサウンドシグネチャーを持っています。

評価基準について

レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。

原音忠実度：自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット（≒録音音源の再現度）に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています（低域：20Hz～200Hz；中域：200Hz～2.5kHz；高域：2.5kHz～20kHz；全体：63Hz～13kHz）［S+が最も原音忠実］
臨場感／深さ／重み／太さ／厚み／明るさ／硬さ／艶やかさ／鋭さ／脆さ／荒さ／繊細さ／存在感：自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。［Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い］
質感の正確性：自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz～2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。［S+が最もニュートラルに近い］
定位の正確性：自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz～8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。［S+が最もニュートラルに近い］
オーケストラのテクスチャ／雅楽のテクスチャ：それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。［S+が最も評価が高い］
クリア感：THD測定値に基づいて決定されています。［S+が最も評価が高い］
イメージング：C80測定値に基づいて決定されています。（低域：50Hz～200Hz；中域：200Hz～2.5kHz；高域：2.5kHz～10kHz；全体：50Hz～10kHz）［S+が最も評価が高い］

これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域（9.5）

原音忠実度：S-
臨場感：A-
深さ：A
重み：A
太さ：B+
存在感：A-

Picun X7の低域は十分な存在感があり、なかなか深いところまで伸びています。

バスドラムは十分に重さがあり、太く力強く聞こえ、ランブルも十分です。

エレキベースも黒さは十分で広がりも良好です。

一般に重低域マニアをかなり満足させることができると思われます。

中域（9.0）

原音忠実度：S-
厚み：B
明るさ：B
硬さ：B+
存在感：B

中域は全体の中では暗い位置で聞こえます。

質感はかなり正確なものの、エッジ感が強調されすぎて全体的にややギスギスして聞こえやすいため、ドライでみずみずしさには欠けるサウンドになります。

ギターエッジなんかギラツキがきれいに聞こえますが、スネアは少しカタカタして聞こえてあまり好みではないですね。印象は全体的に金属質に傾いて聞こえます。ボーカルはややシャウト感が強く、また歯擦音の水準もやや高いため、とげとげしくなりがちです。

高域の精細感は相対的に不足気味なので、ディテールはいまいちで分離感は悪くないとは思いますが、表現が全体的に大味です。細やかさに欠けます。

高域（8.0）

原音忠実度：D
艶やかさ：B+
鋭さ：B+
脆さ：C+
荒さ：D-
繊細さ：D-
存在感：C+

高域は全体としてややおとなしめです。拡張性もだいぶ物足りません。

高域上部のエネルギーが露骨に足りておらず、それがディテール感と空気感の不足を招いており、エッジ感の過剰な強調と相まって、全体的にギスギスして詰まった感じで聞こえやすい原因になっています。

X7の弱点はこの高域であることは明白で、ここをもう少しうまく調整するだけでもっとまともなサウンドになったでしょう。

定位／質感

質感の正確性：S+
定位の正確性：B
オーケストラのテクスチャ：C
雅楽のテクスチャ：C

定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。

オーケストラ：Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」（「Dvorak: The 9 Symphonies」）［リファレンスイヤホン：AKG N5005］
雅楽：宮内庁楽部「越天楽」（「雅楽～平安のオーケストラ」）［リファレンスイヤホン：final A3000］

オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。

この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽（および洋楽）が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽（および邦楽）が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。

フルオーケストラ向きのイヤホンとしては、X7は平凡な選択肢です。スケール感に欠け、ギスギスしがちな中域はフルオーケストラの余裕のある表現とは正反対の方向性のサウンドを聞かせます。私は好みじゃないですね。

雅楽も妙にギラギラしたサウンドで、そのくせ細部はあいまいで整備不良の質の悪い楽器で適当に演奏しているように聞こえ、下手な演奏に聞こえます。

音場／クリア感／イメージング

音場：B+
クリア感：A-
イメージング：B
- 高域：A+
- 中域：B
- 低域：C

深さは標準以上で、中域はやや奥におり、高域の拡張性はかなり物足りません。

クリア感は標準以上です。

イメージング性能は価格なりかわずかに悪いです。

音質総評

原音忠実度：B
おすすめ度：B
個人的な好み：B

Picun X7のサウンドはデュアルダイナミックドライバーを採用している割にレンジ感が悪く、これならシングルダイナミックドライバーで構成したほうがもっとまともにできたんじゃないかと思えるほどです。エッジ感の強いギラギラ系サウンドが好きならおすすめできますが、多くの人にとってそれほど魅力的な選択肢ではないでしょう。