免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにOpenAudioから貸与されたサンプルに基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
- 「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。
Open Audio Witch 2.0の概要
こんな人におすすめ
- 重厚なサウンドが好き
- Open Audioファン
基本スペック
- 再生周波数:10-20000Hz
- インピーダンス:20Ω
- 感度:110dB
- ピンタイプ:qdc 2pin 0.78mm
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
長所
- 奥行き感のある音場
- 重厚
- 上品でシック
- 艶やか
- 低歪
- ノスタルジックで甘やかな音
短所
- 物足りない高域拡張性
- 濁ってわかりづらい中域
- 物足りない解像度
- 不自然な質感
Open Audio Witchの特徴
- プレミアム・デュアルドライバー・ハイブリッド構成(片側)
- 10mmコンポジットダイアフラムダイナミックドライバー
- カスタムチューンされたバランスド・アーマチュア・ドライバー
- 2ウェイ周波数分割方式
- 透明感のあるフルボディサウンド
プレミアム・デュアルドライバー・ハイブリッド・セットアップによるハイレゾリューション・サウンド
Open Audio Witchは、カスタム開発されたダイナミックドライバーとカスタムチューニングされたバランスド・アーマチュア・ドライバーで構成されるプレミアム・デュアルドライバー・ハイブリッド・セットアップを両サイドに搭載しています。この2つのドライバーにより、幅広い周波数帯域において、驚くほどの透明感とディテールを備えた、鮮明で高解像度のサウンドを実現しています。
2ウェイ周波数分割
歪みの少ない高品位なパフォーマンスを実現するために、Witchでは両ドライバーユニットを2ウェイの物理的な周波数分割配置にしています。ダイナミックドライバーユニットは、クイックでパンチの効いた深みのある低音と豊かな中音域を、バランスド・アーマチュアドライバーはボーカル、中音域、高音域の高解像度なディテールを表現します。
透明で自然な音
Open Audio Witchは、深みのある低音、豊かな中音域、滑らかな高音域を備えた、フルボディでパワフルなサウンドをもたらします。没入感のあるサウンドと透明感のある美しいボーカルで、さまざまなジャンルを補完します。
駆動しやすい
Open Audio Witchは、駆動しやすいペアです。ユーザーは何の苦労もなく、スマートフォンからそのままハイレゾの音楽の透明感を楽しむことができます。わずか20Ωの低インピーダンスで、110dBの高感度を実現しています。
人間工学に基づいたデザインと銀メッキされた高品質なケーブル
Open Audio Witchのイヤーキャビティは、多くのユーザーに快適な装着感を提供するために、膨大な数の耳のサンプルデータをもとに深い研究を行って作られています。ケーブルは高純度銀メッキ銅線で、接続しやすい標準的な2ピンコネクターを採用しています。また、3.5mmのターミネーションプラグを採用し、ユニバーサルな接続性を実現しています。
パッケージ(7.5)
今回メーカーからお借りしたのは正規パッケージではないので評価は7.5とします。
製品版はかわいらしい魔女の絵が描かれたパッケージで提供されます。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
今回貸していただいたWitch 2.0は特別バージョンで、製品版は原型機と同じデザインで提供されるようです。
ここでは金銀デザインの特別版と青いフェイスプレートの原型機版の写真を併せて掲載します。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Open Audio Witch 2.0はアンプの出力インピーダンスの影響をかなり受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Open Audio Witch 2.0は低域と中高域が強調されたV字型あるいはW字型のサウンドシグネチャーを持っています。
Witchからの変更点は高域です。高域は全体的により高い方向にシフトしており、拡張性が改善されました。原音忠実度も向上しています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.5)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:A
- 深さ:A
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:A-
Open Audio Witchの低域は全体の中で存在感が強く、重厚かつ深みのあるサウンドを持っています。
十分に黒いベースとランブルも豊かな躍動感とインパクトのあるドラムを再現でき、一般に重低域マニアをほとんど満足させることができると期待できます。
かなり低歪かつリニアで見通し感もよく、良質と言える低域です。
中域(7.5)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B
Witchの最初の欠点は中域にあります。
窮屈で籠ったような、濁って聞こえがちの暗い中域で、独特の奥行き感があります。
響きが強い中でも艶が強調されており、エレキギターのエッジやボーカルが甘くノスタルジックな雰囲気で聞こえます。
ただ、ボーカルは鼻にかかったような歌い方で、ともすると鼻が詰まってるんじゃないかと思えるくらいの雰囲気です。場合によって若干ダミ声っぽく聞こえる感覚もあるかもしれません。どの曲を聴いても少し狂った調子に聞こえるので、ボーカルものは大抵興を削がれます。
個人的には暗い聴かせ方は好きな雰囲気ではあるものの、中域はぼやけ、高域の方を見ても引き締まりが悪く、結局一番きれいに聞こえるバスドラムあたりにフォーカスされがちなのが気になりますね。
ボーカルを聴こうとしても焦点を定まらず、中域全体が磨りガラスで見るように曇っているので、音像がうまく定位して聞こえず、難解でわかりづらくなってしまいがちです。
Witch 2.0では高域のチューニングが変更されたため、中域の密度が減って濃厚感が減少しました。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B-
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C+
Witch 2.0で調整が加えられました。高域の拡張性は強化されましたが、それでも少し物足りません。
同時に中高域のエネルギーが少し減ったので、幾分奥行き感が増し、以前よりすっきりして聞こえる感じになりました。
輝度は中域のやや不足気味の明度を補う水準にあると思われ、低域とよく釣り合うように調整されているので、鮮明感は十分にあり、ディテール不足はあまり感じないとは思います。
以前に比べてハイハットの存在感、バイオリンの伸びなどが改善され、よりスケール感のある音楽を表現することが可能になっていますが、以前より奥行きが強調されるようになったため、定位感はややわかりづらくなりました。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:D+
- 雅楽のテクスチャ:D+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
Witchでクラシックを聴くのはお勧めしません。中域はぼんやりしていますし、定位感もわかりづらく、スケール感もありません。良いのは重厚感くらいです。
雅楽は篳篥が弱々しく、和音も変にギラギラしているのがなんか少し気色悪いです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A-
- イメージング:B
- 高域:A+
- 中域:B
- 低域:C
低域の深さは十分で、中域で奥行き感が強調され、高域の高さで物足りません。
クリア感はかなり優秀です。
イメージング性能は価格の水準を満たしていません。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:C+
Open Audio Witch 2.0でOpen AudioはWitchを一定程度改善することに成功しています。定位感は少しわかりづらくなりましたが、よりスケール感があり、原音忠実性の改善されたサウンドが実現されています。何を重視するかによって改善の評価は多少変わる可能性がありますが、総合的には前進であったと私は評価します。
しかし、Witch 2.0はやはりまだ価格帯では苦しい位置にいます。同じ価格帯にはTin HiFi T3 Plus、ThieAudio Legacy 2、Tripowin Olinaといった優れた競合がおり、一般にWitch 2.0はそれらと対抗できる水準には到達していません。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感のある音場
- 重厚
- 上品でシック
- 艶やか
- 低歪
- ノスタルジックで甘やかな音
欠点
- 物足りない高域拡張性
- 濁ってわかりづらい中域
- 物足りない解像度
- 不自然な質感
奥行き感のある音場
重厚
低歪
【美少女フィギュアレビュー】TAITO 魔女の旅々 Coreful イレイナ 〜桜和装ver.〜
タイトーのプライズフィギュア「TAITO 魔女の旅々 Coreful イレイナ 〜桜和装ver.〜」を紹介します。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- OpenAudio Witch 2.0
- OpenAudio Witch
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- OpenAudio Witch 2.0
- OpenAudio Witch
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- OpenAudio Witch 2.0
- OpenAudio Witch
総評
Open Audio Witch 2.0は重厚なドンシャリサウンドを聴かせてくれるイヤホンです。ビルドクオリティも悪くなく、歪率などの測定値から考えると、価格に見合った素材で作られているだろうことはわかります。原型機のWitchと比べて高域が改善され、全体のサウンドバランスが向上していますが、やはりまだ価格帯では相対的におすすめ度が低い機種になります。
コメント