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OneOdio SuperEQ S1の概要
こんな人におすすめ
- ドラムサウンド重視
- アクティブノイズキャンセリングが欲しい
- パンチのあるサウンドが好き
- ボリューム感のある音楽が好き
- 重厚感重視
- 気軽に持ち運べるヘッドホンを探している
- 一日中使えるANCヘッドホンが欲しい
基本スペック
- 最大再生時間:45h(ANC ON時:40h)
- 防水性能:不明(おそらくなし)
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 公称ANC搭載深度:28~33dB
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:7.5/10.0
長所
- 重厚なサウンド
- パンチの効いた低域
- 活気のあるドラム
- シックで上品
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 鮮明感がある
- 奥行き感のある広い音場
- 拡張性のある高域
- 十分なANC性能
短所
- 少し篭もりやすい
- 少し分離感が悪い
- 定位が不自然
OneOdio SuperEQ S1の特徴
- 【ANC ハイブリッド アクティブノイズキャンセリング ヘッドホン】外部の不要な音を遮断するために、SuperEQヘッドホンは4個の内外向きのマイクであなたの周りのノイズを検知。最大の騒音低減効果は33dB、バス、電車や飛行機の中といった騒音の多い環境下でもあなたは今聴いているものに集中できます。同時に、2個の内向きのマイクであなたが聴いているものを測定、たとえ風の強い日でもクリアな音声を届けます。
- 【Bluetooth5.0と音楽をとめないバッテリー】右のカップにパワフルな高精度チップを搭載し、独自の音響設計と先進的技術を採用したヘッドホン。安定した高品質音声データを転送、Bluetoothで動画、生放送の場合でも、音質を影響しないままに遅延を最小限に軽減してくれます。380mAH大容量のバッテリーを採用し、1回満充電すれば、45時間も、音楽や映画鑑賞、通話を楽しめます。(Bluetooth モードだけ)。
- 【外部音取り込みモード】電車、地下鉄、バスや騒がしいオフィスでノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホンを装着している場合でも、外部の音に注意を払う必要がある場合があります。 周囲の音を聞きたい場合は、ノイズコントロールボタンを押して外部音取り込みモードに切り替えると、周りの音を取り込みます。そのため、自然な感覚でそばにいる人と話したり、周囲の音を聞くことができます。
- 【HiFi高音質と優れた重低音】40mmダイナミックドライバーを搭載したことにより、幅広い周波数レンジとタイトで力強い重低音を生み出し、あらゆる重低音の細部を豊かに表現。すべての可聴域で歪みを最小にとどめた、質の高いサウンドを生み出します。深みのある豊かな低音から正確な中音、そして明瞭で透き通った高音まで。あらゆる音がかつてないあざやかさで、あなたの耳に飛び込みます。
- 【抜群な可搬性と快適な装着感】 このワイヤレスヘッドフォンは折りたたみ構造なだけでなく、ソフトな低反発メモリーフォームを採用する。折りたたみ構造、イヤーカップを前後90°、上下50°回転可能、その可搬性の⾼さを確保。ソフトなイヤーパッドを採⽤することで圧迫感を低減し、⻑い時間でも快適に着け続けること が可能です。
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティはしっかりしており、価格の標準を満たしています。
インターフェースは右耳側に集中しており、操作系と入力系がすべて存在しています。一つ離れたそこにある操作ボタンはANCとアンビエント(ヒアスルー、外音取り込み)モードを切り替えるスイッチです。ANCやヒアスルーのみを使用することも可能です。
装着感(8.5)
厚めのイヤーマフで耳をしっかり覆ってくれるので、装着感は良いですが、夏場は少し蒸れやすいかもしれません。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽は再生され、途切れはありません。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
ANC&ヒアスルー性能
ヒアスルー性能
OneOdio SuperEQ S1のヒアスルーモードは集音機のように作用します。少しサーッとした背景ノイズが強くなりますが、音楽をかけている場合はほとんど気になりません。環境音は全体的にやや明るめに聞こえますが、比較的自然です。
ANC性能
ANC性能も悪くありません。ANCをONにすると、シーッというかすかな音が出ますが、空調音はほぼ完全にカットされて聞こえます。テレビの音は遠くなりますが、他の環境音がより抑制されるので、ANC OFF時よりはっきり聞こえます。耳がツンとする感じはありません。強力ではありませんが、必要十分な水準です。
音質
周波数特性
オーディオステータス(ANC OFF時)
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD特性
THD特性とは音に含まれる歪み成分を表し、パーセンテージが低いほど音がピュアできれいに聞こえます。
上は60dBSPL@1kHz時の周波数帯域ベースのTHD特性、下は1kHzでの音量レベルTHD特性(30dBSPL~70dBSPL;適正音量レベル)です。THD特性は1%以下で、満足できる品質です。
- THD平均値:0.37657375%
- THD平均値(100Hz以上):0.099394666666667%
- THDL平均値:3.094684025%
- THDL平均値(40dBSPL以上):0.0645651%
ラウドネスステータス
ラウドネスステータスはISO226:2003 等ラウドネス曲線に基づく補正値を自由音場補正済み周波数特性(Z特性)に加えたものです。ラウドネスステータスは音量による聴感周波数特性の変化を表します。一般的な人は40phon~80phonの間で音楽の聴取音量を快適に感じると思われます。
上は10phon~90phonの変化グラフ、下は40phon・60phon・80phonのみにフォーカスした変化グラフです。
TaoTronics SoundLiberty S10 Proは60~80phonphon付近でニュートラルに近いサウンドを聴かせてくれます。
インパルス応答周波数特性測定値、音密度など
有料記事ではさらにこのヘッドホンについてのディープな情報にアクセスすることが出来ます。
音質解説
OneOdio SuperEQ S1はパンチのある中低域と鮮やかな中高域、シャリシャリと聞こえる高域に3つの強調点があり、ほとんどの人にとって、聴感上はドンシャリに聞こえると思われます。ただし、加齢性難聴が進んでいる場合はかまぼこに聞こえやすいかもしれません。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:C+
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:A-
- 存在感:B
OneOdioはDJサウンドを好んでいるブランドです。S1の低域の味付けはOneOdioらしい中低域のパンチ重視になっています。
太さが十分に感じられるエレキベースとドラムは深さと重さもそれなりに表現されているため、沈み込みが良好です。ベースとキックの描き分けも比較的明瞭で低域に混濁感はありません。黒味もしっかりしており、音楽全体に高いコントラストをもたらす黒さを持っています。
コントラバスもゴリッとした重みがあり、重厚感のあるサウンドで聞こえます。
中域(8.5)
- 原音忠実度:B
- 厚み:A
- 明るさ:A
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は全体として後傾している奥行きを重視したサウンドになっています。
見晴らしの良い、すっきりした感じがあり、静寂感に優れており、シックな中域です。ボーカルは太くボディが厚く聞こえ、力強さがあるので存在感は十分ですが、ハリが足りない感じがあり、少し楽器に埋もれがちになります。楽器に包まれて調和的に聞こえる感じがあるので、温和な雰囲気が好きなら悪くないでしょう。個人的にはわりと好きです。
輪郭感とキレの良さに欠け、中域はゆったりとリラックスしています。鮮明感は十分ですが、分析的に聴くには物足りないでしょう。ボーカルの声の伸びはまっすぐ伸びていくというよりは遠ざかるように聞こえます。
ステージングが良いので中域は全体の中では広く聞こえます。
高域(8.5)
- 原音忠実度:B
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:C+
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C
- 存在感:C-
高域は比較的高くまで伸びており、拡張性は十分です。マイクロディテールは比較的よく聞こえ、鮮明感も高いですが、ピークがやや多いので、自然よりグルーヴが強調されています。
高域はやや定位の点で揺らいで聞こえるので、正確ではありませんが、ダイナミズムは高く、エキサイティングに聞こえます。
定位/質感
- 質感の正確性:C
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:C
- 雅楽のテクスチャ:C-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
OneOdio SuperEQ S1はクラシック向きとはいいがたいですね。雰囲気は個人的には好みですが、定位感がよくありません。質感もみずみずしさに欠けます。
ただ重厚感重視の人はこれでフルオーケストラを聴くと迫力を感じられると思います。音圧感も高く思えるので気持ちいいことは確かですね。
雅楽を聴いてみると、静寂感が感じられるサウンドなので、雅楽の静けさみたいなものは感じられますが、倍音の広がりは狭く少し音抜けが悪く、鈍い感じで聞こえます。渋みが感じられますが、快活さに欠けますね。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:A-
音場は奥行きが広く、深さは標準的、高さはやや広く聞こえます。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:A-
OneOdio SuperEQ S1はドラムを強調するサウンド構造になっています。そのため、ドラム好きの人にまずおすすめできます。ボリューム感のあるボーカルが好きな人にも魅力的な機種でしょう。
そのサウンドはシックで静寂感があり、尖りや刺さりが相対的に少なめで聴き心地も安定しています。個人的には好みの部類の音ですが、万人向きというサウンドではないかもしれません。
音質的な特徴
美点
- 重厚なサウンド
- パンチの効いた低域
- 活気のあるドラム
- シックで上品
- 充実感がある
- 調和的な雰囲気
- 鮮明感がある
- 奥行き感のある広い音場
- 拡張性のある高域
欠点
- 少し篭もりやすい
- 少し分離感が悪い
- 定位が不自然
パンチのあるサウンド
ドラムが生き生きしている
シックで上品
プレミアムログイン
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはRME ADI-2 Pro FS R Black EditionとFiiO BTA30を用いています。コーデックはaptXです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
LACRIMOSA OF DANA -Opening Ver.-
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
巨イナルチカラ
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
ユルギナイツヨサ
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
Intense Chase
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio SuperEQ S1
総評
OneOdio SuperEQ S1はパンチを重視したOneOdioらしいANCワイヤレスヘッドホンです。ANC性能も価格の標準を満たしており、通信品質も安定していて、ヒアスルーも悪くない出来です。万人向きと言えるかは少し難しいですが、個人的には楽しいサウンドで、十分な静寂感と奥行きのある音場に、パワフルで活気のあるドラムと太いボーカルを中心にボリュームたっぷりに音楽を聴かせるスタイルは気持ち良いですね。
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