免責事項
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OneOdio A10 2023の概要
こんな人におすすめ
- カジュアルに使えるヘッドホンを探している
- 奥行きのある快適なリスニングモデルを探している
- ANC性能重視
- 携行性重視
- バッテリー性能重視
- 通信品質重視
- マルチポイント重視
- 機能性重視
- コスパ重視
基本スペック
- 連続再生時間:50時間
- 防水性能:なし
- 対応コーデック:SBC
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:9.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 奥行き感のあるゆったりした音場
- 上品でシック
- 良好な原音忠実性
- 重厚な低域
- 比較的良好な定位感
- 良好な解像度
- マイルドで耳当たりが良い
- 横に長いパノラマ的な余裕のある音場
- 爽快感がある
- マルチポイント対応
短所
- 質感の正確性で物足りない
- 中域がぼんやりしすぎる傾向
OneOdio A10 2023の特徴
- ハイレゾ対応の高解像度サウンド:ノイキャン ヘッドホンは高感度40mmの大口径ダイナミックドライバーを採用していることで、低音域から高音域までバランスよく再生します。A10ヘッドフォンは、40kHzまでの超広帯域な周波数特性を持ち、ハイレゾ音源のクリアで繊細なサウンドを実現します。付属のケーブルを使えば有線接続でのハイレゾ鑑賞も可能です。
- デュアルノイズキャンセリング搭載: 伝統的な単一マイクのノイズキャンセリングヘッドホンと違う、A10ワイヤレスヘッドフォンは、外部ノイズを効果的に低減する2つのマイクを内蔵したハイブリッドノイズキャンセリング技術を備えています。 最大35dBの騒音を低減させ、通勤通学中の電車や図書館で勉強する時、飛行機や新幹線でパソコン作業をする時などに、ノイズキャンセリングヘッドホンを使うと、簡易的に静かな環境をつくれます。
- 62時間再生・急速充電:このへっどほんなら、どんなお出かけにも最適。ブルートゥース ヘッドホンはフル充電で、ノイズキャンセリングモードのみで62時間使用が可能、通常時は最大50時間の音楽再生、音楽再生+ANCモードで最大40時間再生が可能です(50%の音量)。また、ワイヤレス ヘッドホンは急速充電に対応しており、急いでいるときは、わずか15分の充電で4時間の連続再生が可能です。
- 快適な装着感&折りたたみ可能:bluetooth ヘッドホンは柔らかい着け心地を実現するイヤーパッドや人間工学に基づくこだわりの全体設計により長時間の音楽リスニングでも快適です。ワイヤレスヘッドホンは折り畳みが可能なため、コンパクトに持ち運び、保管が可能です。
- 外音取り込み機能:無線ヘッドホンがノイズキャンセリングモード以外にも、トークスルーモード、アンビエントモードもあります。アクティブノイズキャンセリング機能と組み合わせて、アンビエントサウンドに切り替えると、会話や公共施設のアナウンス等の外音を取り込むことで、音楽を楽しみながら周囲の音も聞く事ができます。
パッケージ(8.5)
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
2022年以前のモデルとの違い
本体のインターフェースボタンデザインが異なります
— audio-sound @ hatena (@audio_sound_Twr) March 9, 2023
←2023 2022→ pic.twitter.com/KmqPFqC2vu
装着感(8.5)
装着感は良好です。
接続品質
SBCでCayin N6II/E02と接続してテストしました。接続品質は優秀です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽を聴くことができます。
バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
ANC性能
価格を考えると優れています。低域を中心に削減されています
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回はSBCでFiiO M15につないでANC ONでレビューしています。
OneOdio A10 2023はニュートラルを意識したU字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A
OneOdio A10 2023の低域は比較的深くまで伸びています。
ドラムキックは十分に重厚で力強く聞こえますが、ランブルは物足りない感じがあります。
エレキベースも黒さで不足を感じませんが、沈み込みは物足りず、ブリブリとしたベースエッジ付近に膨張感があり、やや浅い印象を受けます。
低域は量的にやや中域に対して強く、中域に濁りを感じるかもしれません。重低域は弱いので、重低域マニアには緩い音に聞こえがちです。
中域(8.5)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B
- 存在感:B
OneOdio A10の中域はゆるやかに後傾しており、奥行きが丁寧に強調されています。
直線性を維持するように丁寧に奥に傾けられているため、中域はほとんど不自然さを感じません。
ボーカルはやや落ち着いた声色で母音優位で聞こえやすく、楽器音も音色が柔らかめに聞こえますが、輪郭感はかなりしっかりしています。
分離感は少し悪い印象を受けますが、輪郭描写がはっきりしているので、各音の描き分けはそれほど悪い印象を受けません。
少し奥行き感のあるブースで聴くような空間表現になっており、上品でシックに感じられる音楽空間を作り出してくれ、リスニングに向く適度な没入感があります。音像はやや横長にパノラマ感の強い形に聞こえます。
透明度も高めで解像度も高いため、かなり良質な中域です。
高域(9.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:C
OneOdio A10の高域はヘッドホンモデルとしてはかなり一貫性の高い音像を提供でき、かつ拡張性でも優れています。
高域は若干歯擦音が強くなる傾向があるところだけ気になるものの、精細感は十分で、繊細さと空気感にも優れ、低価格の密閉型モデルとしてはかなり優秀です。
主に中域上部から高域下部の凹みのせいで、ボーカル周辺の楽器音にぼんやりした濁りを感じ、音が遠のいてぽっかりした空洞感のある形で聞こえやすいところがあるのは事実です。
しかし、エッジは優れているため、アコースティックギターの爪弾きは、色づきは少し悪く濁りを感じるものの、かなり生き生きと聞こえ、ディテール不足になりません。
また高さも優れているため、シンバルクラッシュの広がりが良く、爽快感も十分にあって、風通しがよく音楽が聞こえます。スケール感も良好です。
定位/質感
- 質感の正確性:C+
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:C-
- 雅楽のテクスチャ:C-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
原音忠実主義的な立場を堅持する場合、OneOdio A10のサウンドはあまりフルオーケストラ向きとは言い難いところがあります。少なくとも心臓部である中域は奥行きを強調するために正確性を犠牲にしており、みずみずしさに欠け、ぼんやりして聞こえがちです。輪郭はしっかりしているのでメリハリ感が悪いということにはなりませんが、音の芯が弱い印象で聞こえやすく、木管やバイオリンに力強さと直立感が出ません。フルオーケストラのメインはバイオリンですし、垂直軸のもうひとつの要は木管です。これら二つの芯の弱さは音楽全体の構築感を乱すので、これはわりと致命的です。
雅楽も中心軸をなす篳篥の芯が弱く、嫋やかで優雅に聞こえるところはあるものの、中域はピンボケした感じで聞こえます。曇りガラスの向こうから聞いてるような感じになりますね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:B+
低域の深さは物足りず、中域で奥行き感が強調され、高さは優れています。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
解像度は価格の標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:B+
OneOdioの中でも最もヒットし続けている定番商品がOneOdio A10です。ほぼ毎年改定が加えられ、今回音質的にもよりニュートラルな方向に調整されたようです。以前はもっとV字で中域の奥行きがさらに極端に調整されていましたが、原型機の奥行き感のある音場の雰囲気を維持しつつ、よりフラットな方向性に調整し、よりレンジを重視して高域を伸びやかにしたようです。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感のあるゆったりした音場
- 上品でシック
- 良好な原音忠実性
- 重厚な低域
- 比較的良好な定位感
- 良好な解像度
- マイルドで耳当たりが良い
- 横に長いパノラマ的な余裕のある音場
- 爽快感がある
欠点
- 質感の正確性で物足りない
- 中域がぼんやりしすぎる傾向
奥行き感のあるゆったりした音場
上品でシック
横に長いパノラマ的な余裕のある音場
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO BTA30を使って、SBCでワイヤレス伝送し、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio A10 2023
- OneOdio A10 2022
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio A10 2023
- OneOdio A10 2022
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- OneOdio A10 2023
- OneOdio A10 2022
総評
OneOdio A10 2023は2022年度版より音質的にははるかにバランスが取れ、レンジ感も優れた機種となっています。以前の機種より没入感と開放感のある快適な音楽空間を提供できるようになっており、2022年度版を買うよりは2023を買うほうが良いでしょう。中古で買う場合はパッケージや本体のボタンデザインの違いで見分けることができます。
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