免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
- 「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。
NF Audio NM2+の概要
こんな人におすすめ
- DTM用のモニターイヤホンを探している
- スタジオチューニングが好き
- コスパ重視
基本スペック
- 周波数特性:9Hz~40kHz
- インピーダンス:18Ω
- 感度:108dB/1mW
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.5/10.0
長所
- バランスが良い
- 原音忠実度が高い
- 色気のあるサウンド
- 前方定位的
- 高い解像度
- 豪華な開梱体験
- 優れたビルドクオリティ
短所
- モニター的で無味乾燥な低域
- 没入感に欠ける
- 高域の拡張性が足りない
- 低域の深さに欠ける
- 中域がうるさく聞こえやすい
NF Audio NM2+の特徴
- ダブルキャビティダイナミックドライバー「MC2L-10II」を搭載したカナル型イヤホン。
- NM2+はダイナミックドライバー搭載カナル型イヤホン(シングルユニット)です。
- 同社NM2に搭載されたダブルキャビティダイナミックドライバー「MC2L-10」を基に進化した「MC2L-10II」を搭載することで更なる高みを目指し音質調整を行っています。
- 強力な磁気回路を有しているためスマートフォン、パソコン、オーディオプレーヤー、タブレットと機器を選ばずご使用いただけます。
- 航空機グレードアルミニウムを採用したハウジングは軽量かつ高強度を誇ると共に高級感のあるデザインとなっております。
- イヤホンケーブルは着脱式採用のためリケーブルにより自分好みにカスタマイズすることも可能です。(コネクタの形状によりご使用いただけない場合がございますのでご注意ください。)
- カスタムイヤホン分野で蓄積してきた経験と人間工学に基づき設計されたハウジングは長時間のご使用でも疲れにくく快適な装着感を提供します。
- ステージモニタリング、音楽制作、電子楽器のパフォーマンスなどプロフェッショナルアプリケーション向けに最適化されたモデル。
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準を満たしています。開梱体験は少し豪華ですね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリイングバッグ
- 説明書類
ビルドクオリティ(9.0)
装着感(8.5)
耳への収まりはよく、装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
NF AUDIO NM2+はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けないようです。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
NF Audio NM2+は中高域を少し強調した、中域でほぼニュートラルに近いサウンドシグネチャーを持っており、スタジオリファレンスモニターとして優秀な製品です。解像度、歪率ともに高い水準を満たしており、周波数特性以外でもモニターとしての高いスペック要求を満たします。最上級のハイエンド機種に遜色なく、このイヤホンと競合できる機種は上の価格帯でも稀でしょう。欠点は低域・高域ともに拡張性で物足りない、つまりイメージングと音場がコンパクトといったところ、定位感があまり正確でないところだけです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B
低域はかなり深くまで到達していますが、量的には中域と釣り合いが取れており、存在感は少し弱いスタジオモニターライクになっています。
さて、正直に言うと個人的にはドラムのインパクトが弱すぎ、エレキベースも薄味で、私には全く面白みのない低域です。中域を邪魔せずに、かなり深くまでレイヤリングよく把握できるのでモニターに使うには優秀ですが、とくに感動したりはしません。
モニターサウンドが好きな人には良質な低域でしょうが、ベースヘッド(低域好き)にしてみれば、質は良いにしても、量的にも深さ的にも物足りない、イマイチな音です。
中域(9.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域はほとんどニュートラルですが、少し前傾しています。
低域が相対的に弱いこともあって、前面に張り出して聞こえます。前傾した構造によって押し出される明るく色気のあるサウンドで、ギターエッジもきれいでスネアも生き生きしています。
わずかにドライに聞こえるため、透明度はTinHiFi T3 Plusのようなイヤホンに劣り、みずみずしさはいまいちですが、細かな瑕疵というべきでしょう。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:A-
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
高域は前方定位感を出すようにかなりよくチューニングされていますが、拡張性が不足しています。
高域の抜けの悪さがシンバルクラッシュの音像を潰れたものにおり、一般にガシャガシャして聞こえがちなのが気になります。木管やバイオリンも伸び切らない感じがありますね。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
質感表現は悪くないですが、音場は前方定位的でスピーカーのように音像が矮小化されます。雰囲気は悪くないですが、重厚感で物足りず、スケール感も不足しがちです。全体的にコンパクトですね。臨場感や実在感で物足りなさを覚えます。
雅楽は抜けの悪さが影響しており、全体的に甲高く聞こえます。篳篥の音は一見悪くないような気もしますが、よく聞くと爽快感に欠けるのがわかって、音が耳にきつく出やすいので聞き苦しさを覚えます。また和音は少し金属的でうるさいですね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:A
- イメージング:A-
- 高域:S-
- 中域:A
- 低域:B-
音場は深さは少し不足しており、高さで物足りません。
クリア感はかなり優秀です。
イメージング性能は価格帯では抜群に近いですね。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:B+
NF Audio NM2+は非常に優れたモニターイヤホンです。解像度とTHDのスペックも申し分なく、サウンドバランスもよくできています。もし、もう少し早く、去年の今頃にレビューしていたらもっと興奮していたかもしれません。私はおそらく購入を検討していたでしょう。
しかし残念ながら、現状では、サウンドバランスとスペック面でより優れたTinHiFi T3 Plusという選択肢がより廉価に手に入ることを指摘しなければなりません。そしてもう少しお金があればMoondrop KATOというさらに優れたイヤホンに手が届きます。
NF Audio NM2+は価格帯で最もおすすめできるイヤホンの一つであることは間違いありませんし、モニター的な低域と、より前に聞こえる中域が欲しい場合は上に挙げたライバルより優れていますが、総合的にはそれらのどちらにも劣っています。
音質的な特徴
美点
- バランスが良い
- 原音忠実度が高い
- 色気のあるサウンド
- 前方定位的
- 高い解像度
欠点
- モニター的で無味乾燥な低域
- 没入感に欠ける
- 高域の拡張性が足りない
- 低域の深さに欠ける
- 中域がうるさく聞こえやすい
原音忠実度が高い
高い解像度
前方定位的
AMP Re:ゼロから始める異世界生活 レム Winter Maid image ver.
著名なアーティストとタイトーがタッグを組み、プライズの限界を超える作品を目指す最上級フィギュアブランド「ARTIST MASTER PIECE」!
「Re:ゼロから始める異世界生活」よりレムのフィギュアが登場!
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- NF Audio NM2+
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- NF Audio NM2+
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- NF Audio NM2+
総評
NF Audio NM2+は低価格でDTMに使える実用的なスタジオモニターを探しているユーザーにはまっさきにおすすめできる製品です。それはかなり忠実にモニタースピーカーのサウンドを再現します。オーディオスペック的にも優れているため、価格帯のバリューを大きく越えており、買って損をすることはないでしょう。
コメント