【比較録音レビュー】おすすめのモニターヘッドホン3機種を録音つきで解説![YAMAHA HPH-MT8/Victor HA-MX100V/SoundWarrior SW-HP10S]

【比較録音レビュー】おすすめのモニターヘッドホン3機種を録音つきで解説![YAMAHA HPH-MT8/Victor HA-MX100V/SoundWarrior SW-HP10S] 10000円~20000円
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レビュー趣旨

このシリーズでは、Antelope Audio Amariと様々なヘッドホンやイヤホンをつなぎ、日本ファルコムのサウンドをレコーディング用のHATSから録音して実際に聴き比べてもらいながら、各音響機器の特徴を解説します。

今回は個人的に愛用しているモニターヘッドホン3機種を紹介したいと思います。

最初にそれぞれの機種を簡単に紹介します。

今回聴き比べるモニターヘッドホン3機種

城下工業 SW-HP10S

SW-HP10S
SW-HP10S

Sound Warrior SW-HP10Sは非常に原音忠実度が高いモニターヘッドホンです。

密閉型ですが、そのサウンドに篭もりの感触は全くありません。それはほぼ完全にモニタースピーカーの音を再現するので、録音、作曲からマスタリングまでこなすDTMerにとってオールインワンになりえる性能を持っています。

それでいて、中域は無機質な無響空間ではなく、ボーカルが印象的に響き、色気が再現され、リスニングしやすく、聞き疲れしません。そのためこれ一本でモニタリングからリスニングまで満足させる驚異の性能を持っています。

価格も1万円前後で手を出しやすく、装着感もそれなりに快適です。

作りはややチープで、イヤーカップが稼働しないので片耳モニタリングなどはできないなど、機能面やビルドクオリティで不満が出る可能性はありますが、音質的には大変コスパが良いです。金属素材を使っていないのはほかのオーディオ機器を傷つけないために配慮したそうです。

管理人
管理人

悪い評判を聞かない機種です。音域バランスが良く、モニターしやすいだけでなく、聴き疲れもしにくく、リスニング用にも使いやすいです。「とりあえずDTMとか始めてみたけど、モニターヘッドホンってどれ選べばいいの?」って人はこれから揃えるといいんではないでしょうか。

YAMAHA HPH-MT8

YAMAHA HPH-MT8

前方180度に楽器の音をそれぞれ鳴らすモニタースピーカーがぎっしりつめこまれたコクピットルームを想像してみてください。YAMAHA HPH-MT8はまさにそのようなプライベートなモニタールーム環境を実現します。

YAMAHA HPH-MT8は実用性に優れたモニターヘッドホンで、フレームの中に音楽の全体像を少し情報量を多めにうまく収めてくれる有能な機種です。使い勝手と装着感もよく考えられていて、モニタリング作業を快適で効率的なものにしてくれるでしょう。

短時間でがっちり音楽をつかみ取るためのツールとしての能力が高いところがあり、ゆったり、あるいはじっくりとしたリスニング用途には静寂感や音場の広さで物足りなさを覚えることはあるかもしれませんし、音が硬すぎる印象を受けるかもしれませんが、モニタリングの助手としては優秀です。

少し高めの機種ですが、ビルドクオリティは価格以上の満足度をもたらしてくれ、イヤーカップの自由度も高く、首掛けや片耳モニタリングなど、さまざまな使い方に対応します。

管理人
管理人

YAMAHA HPH-MT8は情報量の多い曲も上から下まで一定のフレームに収めてくれる、モニタリングの優秀性で優れる正統派モニターヘッドホンです。使い勝手も非常によく、低域から中域の真ん中、高域がそれぞれ適度に分離的にしっかり聞こえるのでミックスのチェックを効率的に行うことができます。DTM中心でデジタルなサウンド作りをするなら、これはぜひ手に入れておきたい逸品です!

Victor HA-MX100V

Victor MX-100V

日本屈指のレコーディングスタジオ Victorスタジオ との協力で作られているモニターヘッドホンです。

Victor JVC HA-MX100Vは甘く美しい透明度の高いみずみずしい中域を中心に開放的な音場で聴かせるモニターヘッドホンです。全体的な雰囲気はモニター的ですが、そのサウンドは決して無機質なものではありません。むしろ音楽性は豊かで、充実した暖かい人間的な音楽を聴かせます

このヘッドホンは音場が広めで、定位が捉えやすく、ボーカルを中心に中域にフォーカスされやすいので音楽の心臓部を効率よく確認することができます。聞き疲れもしないのでリスニング向きでもあります。

ビルドクオリティも価格相応以上の出来で、片耳モニタリングも可能です。HPH-MT8ほどの機能性はありませんが、軽量で取り回しが良く、使い勝手は上々です。

管理人
管理人

Victor HA-MX100Vは中域を中心に音楽の心臓部を丁寧に聞かせてくれるモニターヘッドホンです。そのためノイズになりやすい重低域や静けさを邪魔しやすい中高域は意図的に優しく聞こえるよう調整されています。どちらかというと録音中心で音楽制作を行う人向きの機種です。

聴き比べてみましょう!

というわけで、早速それぞれのモニターヘッドホンを聴き比べてみましょう。録音音源を用意しました。

録音音源で使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

録音機材
  • SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
  • 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Type5050 マイクアンプ電源
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
  • レコーディングソフト:Audacity(ラウドネスノーマライゼーション:-23LUFS)

楽曲情報
  • 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Main Theme-
  • アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
  • Copyright © Nihon Falcom Corporation
  1. 城下工業 Sound Warrior SW-HP10S
  2. YAMAHA HPH-MT8
  3. Victor HA-MX100V

3機種を聴き比べてみますと、まず音場感の点で、SW-HP10Sとその他の2機種が若干異なっているのにすぐお気づきになるかと思います。

HPH-MT8やHA-MX100Vが奥行き感を重視した、定位が少し強調される音場になっているのに対し、SW-HP10Sの音場はどちらかというと平面的で、音が並列的に聞こえるように思われるでしょう。そのため、音場や音の響きの広がりに欠ける印象を受けるかもしれませんが、一つ一つの音は音像が安定的で個々の音が埋没することなく、ほとんどの音が捉えやすいのがわかると思います。

DTM用モニターヘッドホンの入門機としてSW-HP10Sがおすすめできるのは、このような無響に近い音を捉えやすい音場構造と、ほかの2機種に比べて圧迫感がないので長時間聞いても聞き疲れない点です。

いろいろ勉強しながら音作りをしていくDTM初心者にとって、長時間聞いても聞き疲れない、音像が捉えやすいというのは大きなメリットで、使い勝手が良いと思うでしょう。

次にHA-MX100VとHPH-MT8を聴き比べてみますと、特に低域の深みの点でHPH-MT8のほうが優れていることがわかると思います。エレキベースを聴き比べてみると、HA-MX100Vはわずかに音が優しくなってしまっており、HPH-MT8に比べると低域の芯を捉えきれていないように思えるかもしれません。

とくにデジタル的なEDMなどではブーム感の確認が重要なので、HPH-MT8のほうが利便性が高く、低域がしっかり出ているか、逆に効きすぎていないかのバランスチェックに最適です。

一方で、HA-MX100Vは中域の楽器音がしっかり聞こえるので、生録音系のサウンドをマイクノイズを抑えてしっかり聞かせてくれます。音楽の心臓部の構成を確認するにはHPH-MT8より優れているように思えますし、定位感の点でも音場が少し広く、位置関係がよりわかりやすいと思うでしょう。

まとめ

ひとくちにモニターヘッドホンと言っても、そのサウンドにはそれぞれ個性があります。ここに紹介した私のお気に入りのモニターヘッドホンもそれぞれ特徴があり、固有のサウンドを持ち、固有の提示の仕方で音楽を聞かせてくれます。

もしあなたがモニターヘッドホンの世界に足を踏み入れようとしているのなら、この中で音質的に最も使いやすいのはSW-HP10Sなので、まずはこのヘッドホンから購入してみるとよいかもしれません。

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