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【モニターヘッドホン Mackie MC-100 レビュー】ボーカル中心で中域をしっかり聞かせるリッチでウォームなレコーディングモニター。動画のナレーションもしっかり聞き取れる。ボーカリスト向き
Mackie MC-100の概要
こんな人におすすめ
- 中域がきれいでゆったりしたサウンドが好き
- ポップスやバラードが好き
- ノスタルジックなサウンドが好き
- 装着感やビルドクオリティが良いものがほしい
- 穏やかでウォーム、調和的なサウンドが好き
- コスパ重視
基本スペック
- 周波数特性:15hz~20khz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:95dB
長所
- 中域への適切なフォーカス
- ボーカルフォーカスが良い
- ステージングに優れた中域
- 歪みが少なくクリア
- 奥行き感のある音場
- ライブ感のある低域
- 静寂感がある
- 落ち着いた雰囲気
- 心温まるウォームサウンド
- ノスタルジックサウンド
- 比較的輝度が高くディテールは埋没しない
- 良好なビルドクオリティ
- 良好な装着感
- コストパフォーマンスが良い
短所
- 拡張性に欠ける
- 中域中心のかまぼこサウンド
- 深みのない低域
- 緻密さに欠ける
- 輪郭感に欠ける鈍いサウンド
- 分離感に欠ける
Mackieについて
Mackieは1988年に設立されたアメリカのオーディオブランドで、プロ用のオーディオ製品をリリースしています。プロ用のミキシングコンソールやアクティブスタジオモニタースピーカーで有名です。
Mackie MC-100の特徴
ハイパフォーマンススタジオヘッドホン
同価格帯のヘッドホンとは比類無きサウンドを再生するコストパフォーマンスに優れたスタジオモニターサウンド
高精度40mmトランスデューサーを採用しバランスの良いサウンドを再生
https://mackie-jp.com/mc-series/
プロフェッショナルデザイン
ソフトイヤーパッドと装着する人の頭のサイズに合わせ調整可能なパッド付ヘッドバンドを採用
人間工学に基づいた設計を採用し、長時間の作業でも快適な装着感と低域拡張、高遮音性を実現
プロフェッショナルレコーディングスタジオやライブステージ、CDショップの試聴機や図書館のリスニングシートなど過酷な環境にも耐えうる頑丈なデザイン
https://mackie-jp.com/mc-series/
どんな用途でも
レコーディングや音楽制作のみならず音楽鑑賞、映画鑑賞、迫力のあるゲーム用途でも高品位プロフェッショナルサウンドを再生
https://mackie-jp.com/mc-series/
パッケージ(7.5)
プロ用製品なので、梱包は簡素です。
ビルドクオリティ(8.5)
値段は安いですが、比較的ビルドクオリティは良く思えます。コードが外に出ているのだけ気になるかもしれませんが、全体的に頑丈にできています。
イヤーカップは柔軟で、片耳モニタリングも可能です。
装着感(9.0)
安いですが装着感はかなり良いです。側圧も強すぎず、クッションが快適に耳を保護します。
ひとつひとつの楽器が手にとるようにはっきりと
演奏者の息づかいや指の動きまで見えるように
演奏されている空気感が目の前に再現されるように
そんなヘッドホンを愚直なまでに追求した
決して飾らない、現場が育てたプロユース・ヘッドホン
モニタリングと音楽鑑賞の共存を目指した音づくり
録音スタジオなどで使われているモニターヘッドホンの音づくりをそのまま皆様に。
肉声や各楽器の定位、音の粒立ちや輪郭、遠近感、広がりなどを、手に取るように聴くことが出来、演奏者やエンジニアの意図をストレートに表現する。
これがモニターヘッドホンの使命です。
しかし、モニター系の音はともすれば長時間の音楽鑑賞には不向きで聴き疲れしやすいといわれています。
SW-HP10Sは、これらのデメリットを感じさせず、モニタリング志向の本格的ヘッドホンをめざして作られています。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
制動
Mackie MC-100はアンプ側の出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
詳しい測定値については有料記事に掲載しております。
ラウドネスステータス
音質解説
Mackie MC-100はボーカル中心にしっかり聞こえる中域が特徴のモニターヘッドホンです。ボーカルフォーカス感に優れ、ボーカルを中心に音楽の全体像をしっかりと聴かせてくれます。
低域(8.0)
- 原音忠実度:B+
- 臨場感:C
- 深さ:B-
- 重み:B
- 太さ:B
- 存在感:B
Mackie MC-100の低域は中域とつながりが良く、バランスも取られており、中域を埋没させずに丁寧に支えます。
個人的にはドラムキックは少し浅く、エレキベースの色味も明るく、灰色のように聞こえますが、幅広で存在感は割と感じられます。熱気は低域内で良く処理されており、中域に滲む感じはあまりありません。
ドラムキックは重さを強調せず、量感的にも中域とのバランスが取られており、タイトではありませんが自然なライブ感があります。
ベースは広がりが良く、ブリブリしたエッジのあたりが生き生きと聞こえるバランスになっています。
全体的に中域をよく下支えする低域で中域を邪魔せずに引き立てます。
中域(8.5)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B-
- 存在感:B+
Mackie MC-100の中域は低域から自然につながっています。中域は前進的になっており、ボーカルは最前列に聞こえます。
Mackie MC-100の音響構造においては、低域が強いロックや高域が目立つ曲でも、ボーカルの優位が崩れることはありません。どんな曲でも少し太く暖かい落ち着いたボーカル中心に楽曲を楽しむことができます。
中域が押し出されて聞こえる傾向があるので、中域の音像は大きめにはっきりと聞き取れます。中域の音像・定位・質感がしっかり聞こえるため、レコーディングチェックモニターとして優秀なだけでなく、リスニング用途でも優れた性能を持っています。
動画鑑賞ではナレーションやセリフなどが聞き取れるようになっており、会議音声なども聞き取りやすいので、テレワーク向けとしても悪くありません。
ただし、高域や低域は少し抑えめなために、中域中心で聞こえやすく、中域自体は広く把握しやすいですが、全体のレンジ感で物足りない感じがあるかもしれません。
高域(8.0)
- 原音忠実度:B
- 艶やかさ:C+
- 鋭さ:C
- 脆さ:B-
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C+
- 存在感:C+
高域は高いマイクロディテールに強調があり、それが鮮明感をもたらしますが、一般的に静かで明るさに欠けます。輝度は高いですが、明度に欠けるといった感じです。
ボーカルの息やハイハットに強調があり、粒立ち感は比較的繊細に感じられ、一定の風通しを感じさせますが、抜けは高くないので、開放感はありません。
明度不足のために中高域の情報量は少し足りなく思えることが多く、音の張りや輪郭感に少し欠け、鈍く聞こえやすいところがあり、構築感で少し物足りないかもしれません。
この鈍さによって、モニターサウンド独特のきつい感じはほとんどありませんが、同時に緻密かつ分析的に音楽構成を聴きたい場面での足かせになります。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域
- 音場:A-
- クリア感:A+
Mackie MC-100の音響的焦点は中域に存在します。
音場は奥行きに優れ、静寂感がありますが、深さと高さに欠けます。幅は相対的に広く聞こえます。音場は比較的親密な位置に聞こえます。
クリア感は価格を考えるとかなり優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A-
Mackie MC-100は中域のボーカル中心に定位確かにしっかりと聴かせるモニターヘッドホンです。音源の心臓部を丁寧に聞かせるのでレコーディングチェック用モニターやリスニング用として比較的優れた性能を持ち、コストパフォーマンスは高いです。
また全体的に密度感と充実感、温かみに優れていて、音に包容感があるのがチャームポイントです。
欠点は輪郭が柔らかいために構築感に欠けるところがある点と、ボーカルの音像が少し大きく、低域や高域が窮屈に聞こえるところです。またボーカル中心主義的な聴かせ方が、私にはカラオケ的な表現に聞こえるときがあります。
基本的にMarantz Pro MPH-1の中域リバランスモデルと考えてよいでしょう。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- ボーカルフォーカスが良い
- ステージングに優れた中域
- 歪みが少なくクリア
- 奥行き感のある音場
- ライブ感のある低域
- 静寂感がある
- 落ち着いた雰囲気
- 心温まるウォームサウンド
- ノスタルジックサウンド
- 比較的輝度が高くディテールは埋没しない
欠点
- 拡張性に欠ける
- 中域中心のかまぼこサウンド
- 深みのない低域
- 緻密さに欠ける
- 輪郭感に欠ける鈍いサウンド
- 分離感に欠ける
ボーカルフォーカスが良い
ステージングに優れる
ウォームで聴き心地が良い
音楽鑑賞
Lefty Hand Cream「若者のすべて」
個人的に数あるこの名曲カバーの中でも、屈指のかわいらしいアレンジだと気に入っている曲です。このLefty Hand Creamの甘く暖かいボーカルを味わうならMackie MC-100は個人的にかなりおすすめです。
中域中心でボーカルやキーボードの存在感が強めで、低域と高域は中域を引き立てるように静かです。
輪郭感は控えめで音の広がりが良く、分離感も抑え気味のため、全体の雰囲気はウォームで調和的に聞こえ、音場全体がボーカルの響きで色づいて聞こえる感じがあり、音楽の全体像には穏やかでノスタルジックな雰囲気があります。
聴き心地が非常によく、浸りやすいサウンドですが、モニターヘッドホンらしいクリア感の高さがあります。そのため、音像の純度が高く、質感が丁寧に聞き取れるため、最初は少しぼんやりしたサウンドだなと思うかもしれませんが、聴き慣れるとかなり音源の心臓部が把握しやすい良質なリスニングサウンドに思えてきます。
一柳隊「大切を数えよう」
この曲の穏やかで暖かな雰囲気を味わうなら個人的におすすめのヘッドホンの一つです。
全体的に暖かでふっくらして優しくながらも、軸が立って芯のあるボーカル中心に丁寧に聞かせます。
ドラムの膨張感がわずかに強く、ボンボンする感じが人によってボーカルにかかってくるように思えて少し籠りを感じる可能性はありますが、それが調和的な雰囲気も演出するので、ほんわかした雰囲気が好きな人にはかなり刺さるサウンドでしょう。
中域は広く、音像は近く、ボリューム感があるサウンドなので、この曲ではかなり没入感を感じられるのもチャームポイントです。曲の雰囲気に素直に入っていきやすい懐の深さを感じます。
富田美憂「インソムニア・マーメイド」
個人的にMackie MC-100は穏やかでゆったりした感じがあるこういう曲との相性はとくに良いような気がします。
中域が広く、ボーカルは明るい位置でよくスポットライトが当たって聞こえ、ボリューム感と静寂感もあるので全体的に余裕のあるリッチサウンドに聞こえます。
ボーカル表現はボディが太く、ふっくらと暖かく聞こえる落ち着いた甘い声色で聞こえ、充実感に優れます。それでいて子音は少し強調されて聞こえるのでニュアンスに埋没感はありません。ただし、人によってはその子音の尖りが少し目立つ感じが耳障りに思える可能性はあります。
「すべての音を、見るために」
どこまでも原音に忠実であること、音色や音像定位の微細な変化を厳密に再現できること。 業務用ニアフィールドモニタースピーカーの世界的なデファクトスタンダードとなったNS-10MシリーズからMSPシリーズ、HSシリーズに至るまでヤマハが一貫して譲らないスタジオモニターの設計理念をヘッドホンに凝縮しました。
スタジオモニターヘッドホンMTシリーズは、高品位で確かなモニタリングを可能とする精確な再生能力、長時間の作業でも疲労の少ない快適な装着感と作業に集中できる高い遮音性、そして過酷な現場にも耐えうる高い耐久性を実現。
プロフェッショナルな音楽制作やレコーディング、ライブSRの要求に高い次元で応えます。
- CCAWボイスコイル採用の45mmカスタムドライバーを搭載し、幅広い帯域で正確なレスポンスを確保
- オーバーイヤー、密閉型デザインにより高い遮音性を実現
- 肌触りの良いプロテインスキンレザーと余計な振動を吸収するクッションを採用した大型イヤーパッドにより快適な装着感と高い遮音性を両立
- 3次元のアームピボット構造と長さ調整が可能なスライダーにより長時間の使用でも疲れにくい装着感を実現
- 可動イヤーカップにより片耳モニターも可能
- 高堅牢性を誇るアルミダイキャストアームと肉厚ABSハウジングにより過酷な環境下での使用も安心
- 様々な用途に柔軟に対応する脱着式ストレートケーブル(3.0m)と取り回しの良いコイルケーブル(カールコード、1.2m)を付属 *φ6.3mmステレオ標準プラグ変換アダプター付属
- ヘッドホンの収納に便利なキャリングバッグ(合皮)を付属
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Mackie MC-100(Antelope Audio Amari)
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Mackie MC-100(Antelope Audio Amari)
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Mackie MC-100(Antelope Audio Amari)
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Mackie MC-100(Antelope Audio Amari)
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Mackie MC-100(Antelope Audio Amari)
総評
Mackie MC-100はボーカル中心に音源の心臓部を丁寧に聴かせるレコーディングモニターヘッドホンです。ボーカルが非常に聞き取りやすいのでボーカリスト向きであるだけでなく、音楽鑑賞用や動画鑑賞用としても歌詞やナレーションが埋没せずにクリアに聞き取れる点が利点になります。中域に音が集まりやすく、ややかまぼこに聞こえやすい傾向がある点が好みを分けるでしょう。
コメント