免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにM-SOUNDSから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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M-SOUNDS MS-TW33の概要
こんな人におすすめ
- 調和的で充実感の高いサウンドが好き
- 包まれ感重視
- ゆったりした音が好き
- 低域の量感重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:ANC ON時6h/27h
- 防水性能:IP54
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:204-B00511
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- 通信品質:8.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:6.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.0/10.0
長所
- ダイナミック
- 解像度に優れる
- 存在感があり、躍動的な低域
- 鮮明感に優れる
- 調和的で充実感がある
- 響きが豊か
- 包まれ感がある
- マイルドでメロウ
- 良好なビルドクオリティ
短所
- 定位感があいまいになりやすい
- ぼんやりしやすい
- 原音忠実的ではない
- 平凡なANC
M-SOUNDS MS-TW33の特徴
- 軽量コンパクト、お求めやすい価格でありながら、妥協のない機能と音質
- アクティブノイズキャンセリング・ヒアスルー・低レイテンシーモード全部入り
- クリアなサウンドとそれを途切れなく伝える通信品質
- 通話品質や防水性能など、ビジネスやスポーツに欲しい性能を実現
- 低価格だからといってカラーリングとデザインに妥協なし
- 国産ブランドならではの製品づくりとアフターサポート
M-SOUNDS、低レイテンシーやANCを搭載しながらリーズナブルな価格に抑えた完全ワイヤレスイヤホン「M-SOUNDS MS-TW33」をリリース
日本発のオーディオブランド「M-SOUNDS」はリーズナブルな価格で、低レイテンシーとアクティブノイズキャンセリング、ヒアスルーといった機能性を備え、さらにカラフルでエレガントな外観デザインにこだわった完全ワイヤレスイヤホン「M-SOUNDS MS-TW33」をリリースしました。
パッケージ(8.0)
M-SOUNDS MS-TW33のパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- M-SOUNDS MS-TW33本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格を考えると、かなり良好なレベルです。
装着感(8.5)
装着感は良好です。小さな耳でも多分問題ないと思います。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも接続が途切れることなく、接続は維持されますが、ときどき途切れがちになります。それでも音楽再生は満足なレベルで継続されました。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し、蓋を閉める |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを1回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを2回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを2回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを1回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを1秒長押し |
ゲーミングモードON/OFF | 左耳側の多機能ボタンを長押し |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 右耳側の多機能ボタンを長押し |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、M-SOUNDS MS-TW33のANC性能は価格帯で標準レベルです。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
M-SOUNDS MS-TW33のサウンドは低域が強調された中域充実系のバランスで、奥行き感が強調されたステージングの良いサウンドです。音場は開放型ヘッドホンに似ており、中域で広さが感じられますが、抜けはよくないので天井感があります。中域で濃厚に聞こえる充実感の高いリスニングサウンドです。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:C+
- 臨場感:C+
- 深さ:A
- 重み:A+
- 太さ:B+
- 存在感:A-
低域は比較的深くまで出ており、量感もあるので存在感がしっかりしています。臨場感は高いでしょう。ただし一番深いランブルやサンプは弱めなため、真の意味での重低域マニアの琴線をくすぐるところまではいきません。
力感に優れ、重みがあり、深さも悪くはないので、ドラムに力強さがあり、エレキベースも十分に黒く聞こえます。ドラムキックの存在感がはっきりしており、熱気も感じられる低域で、ドラムとベースの描き分けも悪くありません。若干豊満に聞こえやすいところもあり、レイヤリングは優れているとは言えませんが、若干膨らむ躍動感のあるキックは個人的には嫌いではありません。
とはいえ、真の重低域マニアを納得させる低域を出しているとは言い難く、低域マニアにはMS-TW11のほうがおすすめしやすいですね。
中域(9.0)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域は一般にかなり前に出てきて聞こえます。
中域の心臓部は比較的スポットライトが当たる位置におり、中低域が強めのわりに中域は濁りが少なく聞こえます。明瞭度も高く、ボーカルははっきり聞こえますが、歯擦音が目立たないように子音は少し嫋やかに聞こえるようにマイルドに調整されています。息の伸びがあり、少し甘くコケティッシュに聞こえながらも、大人びた落ち着きがあり、個人的には好きな声色ですが、オーディオマニア的観点からはあまり高く評価できません。
ニュートラルを意識しているものの、わりとチューニングした人の好みが強く出ており、オーディオマニア向きとは言えません。スネアはアタックが強調されているわりに、キレが悪く、スナッピーさに欠け、ギターもエッジ感が緩く、やや丸いサウンドになっています。
中域は響きが豊かで充実感が高いサウンドなので、リッチに聞こえる感じがあり、個人的には好きですが、音像がややじんわり濁って聞こえる傾向が出るので、万人に受けるというわけではないでしょう。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B
- 脆さ:B-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C-
SENNHEISERやBeyerdynamicの開放型ヘッドホンの雰囲気が好きなら、MS-TW33の高域を気に入る可能性があります。
一般に鋭さを抑え、優美に聞こえるマイルドな響きの強調された高域ですが、鮮明感は十分にあるため、輝度が足りずぼんやりしているにも関わらず、印象は悪くありません。
徹底的に金属的に聞こえる要素を抑えているところがあり、高域に敏感な人にはかなり安全な聴き心地を提供します。
とはいえ、オーディオマニア向きとは言い難いです。バイオリンの倍音がややスイングするように揺れて聞こえる感じがあるので、ダイナミズムが感じられ、楽しいですが、原理原則から言うと、高く評価しづらい高域です。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:B-
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
MS-TW33で聴くクラシックはホールで聞いていると言うより、コットンクラブとかブルーノートのようなライブレストランで聞いているような雰囲気で聞こえます。響きが強調された中域とスイング感のある楽器が少し狭い箱で聞こえるような音で、ダイナミックで楽しく、没入感がありますが、スケール感は少し物足りないですし、原音忠実的でもありません。個人的にはわりと楽しく聴けて好きですが、高く評価することは出来ません。
雅楽は個人的に好きな雰囲気で聞こえますが、和音のきらびやかさに欠ける点で評価が難しいですね。和音はぼんやりしがちで、どこか奥ゆかしく、風雅を感じられると言えなくもないですが、鈍く聞こえやすく、力強さに欠け、締まりの悪いところが苦しいですね。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:A
- イメージング:B+
- 高域:B
- 中域:A-
- 低域:B-
奥行きが強調されており、中域が広く聞こえます。深さは悪くありません。高さは少し物足りないですね。
クリア感は価格帯を考えるとかなり優秀です。
解像度は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:A+
M-SOUNDSはダイナミズムと低域の存在感を重視した独特のチューニングの傾向を持っていますが、MS-TW33もまた、他では味わえない中毒性のあるサウンドを持っています。
ガチガチのオーディオマニアには、中域の響きの強い雰囲気やぼんやりしがちなエッジ表現に癖の強さを感じ、定位が少し曖昧に聞こえやすいところも厳しく評価されるでしょう。
個人的にはスイングするように響き、充実感高めに豊かに聞こえる楽しいサウンドは好みです。オーディオスペック的にも価格の水準を超えており、メロウでマイルドでありながら、ダイナミズムの強いリスニングサウンドがお気に召した場合は、他では得難い楽しさを感じられるでしょう。
音質的な特徴
美点
- ダイナミック
- 解像度に優れる
- 存在感があり、躍動的な低域
- 鮮明感に優れる
- 調和的で充実感がある
- 響きが豊か
- 包まれ感がある
- マイルドでメロウ
欠点
- 定位感があいまいになりやすい
- ぼんやりしやすい
- 原音忠実的ではない
ダイナミックでメロウ
響きが豊かで充実感がある
包まれ感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはSBCで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- M-SOUNDS MS-TW33 (normal)
- M-SOUNDS MS-TW33 (ANC)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- M-SOUNDS MS-TW33 (normal)
- M-SOUNDS MS-TW33 (ANC)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- M-SOUNDS MS-TW33 (normal)
- M-SOUNDS MS-TW33 (ANC)
総評
M-SOUNDS MS-TW33は響きの豊かな充実感の高いメロウサウンドを持っており、包まれ感とダイナミズムに優れ、甘く濃厚なサウンドを聞かせてくれます。少しリッチな気分で音楽に浸りたいとき、MS-TW33はその懐の深いサウンドによって、音楽に包まれるような感覚をもたらしてくれるでしょう。オーディオマニア向きとは決して言えないものの、独特の楽しく心地よいサウンドにM-SOUNDSの独自の哲学を感じます。
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