免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにLetShuoerから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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LETSHUOER D13の概要
こんな人におすすめ
- スタジオチューニングが好き
- 質感重視
- バランスの良いイヤホンが欲しい
- コスパ重視
基本スペック
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:105±1dB
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.5/10.0
長所
- 原音忠実性が高い
- 正確な質感
- 良好な前方定位感
- 良好な制動特性
- 低歪
- サウンドバランスが良い
短所
- 高域の拡張性で少し物足りない
- 低域の深さで物足りない
LETSHUOER D13の特徴
- カスタム13mm大径ダイナミックドライバー:D13の最も顕著な特徴は、大きなDLCダイアフラムとN52ネオジム磁石により、滑らかなサウンドのプロファイルを備えていることです。タイトな低音、クリアな中音域、きらめく高音域があり、疲労感はありません。これは革新的なダイナミックドライバーの研究開発であり、Shuoer音響チームによって製造されています。
- ダイヤモンドライクカーボン(DLC)ダイアフラムダイナミックドライバー:不要な歪みを排除すると同時に軽量である高強度プロファイルにより、迅速な過渡応答が実現します。このような驚くべきダイナミックなドライバーがもたらす楽しさを探求することは大きな喜びです。
- デュアルキャビティ設計:LETSHUOER D13の3つの通気孔-科学的な設計により、耳の負圧を効率的に軽減できるため、長時間の聴取疲労が改善されます。独立した音響室-比較的閉じた空間は、外部要因の干渉を効果的に隔離し、より純粋な聴覚をもたらします。
- 手作りの4コア216ストランド単結晶銅:LETSHUOER D13のケーブルは、音楽のニーズを満たすために特別に作成されています さまざまな音楽ジャンルの愛好家。導体内インピーダンスを下げることにより、よりクリアで有機的なミッドレンジ性能をもたらします。
- 人間工学に基づいて設計されたダイナミックドライバーIEM:人間工学に基づいたLETSHUOER D13シャーシの設計と内蔵のイヤーフックにより、さらに快適な装着感が得られます。
LetShuoer D13
$119.00
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準を満たしています。外箱はシンプルで紙製なので、処分は楽です。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャリングケース
- チューニングノズル
- イヤーピース
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。デザインは最近多いディスクドームタイプですね。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
LetShuoer D13
$119.00
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Shuoer D13はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
LETSHUOER D13はニュートラルに近い前方定位感のあるサウンドを実現するかなり優れたイヤホンです。DLCドライバーの実力ゆえか、価格帯では優れた低歪性能を持っており、オーディオスペック的には総じて価格以上の品質を実現しています。
以下の評価値はSilverノズルに基づいています。Goldノズルについては有料記事を参照してください。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B+
低域はやや浅いものの、総じてよく調整されており、中域や高域とのバランス感覚に優れています。
私にはドラムボディの重みに欠け、少しキックが浅く聞こえてインパクトに欠けますが、リズム感はわかりやすく、軽快に聞こえるため、こういうバランスの方が聞き取りやすいという人もいるでしょう。エレキベースも若干黒みに欠けます。
どちらかというと明るく聞こえるモニター的なサウンドです。
中域(9.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域はほぼ完全にニュートラルであり、かなり正確な質感表現を実現しています。
最近の中華イヤホンの進歩は目覚ましく、とくに音楽の心臓部である中域の表現に対して、低価格の機種でさえ高度なバランス調整が行われています。
LETSHUOER D13もほぼ間違いなく優れた調整がされており、完璧に近いですが、解像度などを考慮すると、透明感でわずかにS12に劣ります。
非常に低歪で価格帯で最も優れた中域表現を実現しているイヤホンの一つであることは間違いないのですが、おそらくライバルとなるであろうTripowin Olinaやより廉価なMoondrop CHUの全く透明と言っていい中域に比べて、だいぶ劣って聞こえます。
Olinaに比べると、ボーカルはシャウト感が出て硬く聞こえますし、格下になるであろうCHUに対してさえ、音の滑らかさ、一貫性で負けています。
完成度が高いことは間違いなく、おそらく半年前くらいの私なら文句なく感動していたと思いますが、個人的には少し物足りません。S12で見せた技量を考えると、ボーカル周りはもっと調整を追い込めたと思います。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C
高域は拡張性が少し不足していますが、概ね悪くない調整です。
ただ、Olinaに比べるとボーカル帯域上付近の音作りがいまいち洗練されてないように聞こえます。中高域はもっとSonarworksターゲットに寄せた方が多くの人にとって、自然な聞こえになるはずです。ほとんど気づきづらいわずかな瑕疵かもしれませんが、4kHz付近にはもう少しエネルギーが必要でしょう。少なくとも中高域をより完璧に作り込んでいるOlinaのほうが私にはさらに優れて聞こえます。
逆により高い高域ではD13のほうが鮮明感で優れていますから、より優れた音の精細度が期待できます。繊細さではD13に分があるでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:A
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
フルオーケストラを聴くためのイヤホンとして、D13はかなり優れていると言えます。スピーカーの定位感をほぼ完璧に再現し、中域の質感もかなり自然です。また歪率もハイエンド並みかそれ以上に十分に低く、弱音を聴くために音量を上げても強音で歪むことは一般にほとんどないでしょう。ただ私は同じ価格くらいならOlinaやS12で聴く方がはるかに良いと思います。透明度にかなりの差があります。
雅楽も篳篥の抜けが少し足りないですが、概ね悪くありません。和音も割と美しく聞こえます。価格帯では悪くないと言えるでしょう。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A
- イメージング:B+
- 高域:A
- 中域:B+
- 低域:C+
深さは少し物足りず、中域は比較的前面に聞こえ、高域は高さが少し物足りません。
クリア感は価格を考えると優秀です。
イメージング性能は価格を考えると標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A
LETSHUOER D13は低歪のDLCドライバーを適切に実装し、このブランドらしいバランスの取れた優れたチューニングが施されたかなり魅力的なイヤホンです。
しかし、同じブランドのS12が、ほぼ同じ価格帯で一般にはるかに優れたサウンドを提供するだけでなく、ライバルのTripowin OlinaやMoondrop CHUといった強力な競合相手がより優れたアドバンテージを持っています。
そのため、おすすめ度としてはどうしても二番手以下ということになります。
音質的な特徴
美点
- 原音忠実性が高い
- 正確な質感
- 良好な前方定位感
- 良好な制動特性
- 低歪
- サウンドバランスが良い
欠点
- 高域の拡張性で少し物足りない
- 低域の深さで物足りない
原音忠実性が高い
正確な質感と良好なサウンドバランス
低歪でクリーンなサウンド
LetShuoer D13
$119.00
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER D13 (Silver)
- LETSHUOER D13 (Gold)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER D13 (Silver)
- LETSHUOER D13 (Gold)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER D13 (Silver)
- LETSHUOER D13 (Gold)
HiFiGOレビュー
総評
LETSHUOER D13は音質的に優れ、数々の名機を生み出してきたDLCドライバーを使ってLETSHUOERが生み出したルーキーイヤホンです。DLCドライバーの優れた特性はD13でも価格を超越した音響性能を証明しただけでなく、それを調整したLETSHUOERの卓越したチューニング技術も再び確認されました。
しかし、S12でLETSHUOERが見せたミラクルに比べて、D13は優れた機種ではありますが、抜群という水準ではないイヤホンです。同価格帯の優れたイヤホンに十分追い付いていますが、それらを凌駕するというレベルではありません。S12がライバルに対して抜群であったのと対照的です。ボーカル帯域を調整するノズルシステムは非常に合理的ですが、チューニングの全体的な出来栄えは、このブランドにしてはいささか甘いと言わざるを得ないでしょう。
とはいえ、全体的な水準は5万円クラスとか10万円以上のイヤホンのほとんどと十分勝負できるほどですから、おすすめ度は非常に高いと言えます。
LetShuoer D13
$119.00
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