免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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KZ DQSの概要


- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
こんな人におすすめ
- 低域の深さ重視
- 暗い音が好き
- サウンドバランス重視
- コスパ重視
基本スペック
- 周波数特性:20Hz-40kHz
- インピーダンス:14±3Ω
- 感度:110±3dB
- コネクタ:0.75mm 2pin
- 価格帯:1000円~3000円
長所
- 優れた質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 艶やかで色気のある甘いサウンド
- 滑らかな減衰感のある高域
- 中域への適切なフォーカス
- 良好なサウンドバランス
- スピーカー的な前方定位感
短所
- 不足している高域拡張性
- 物足りない解像度
KZ DQSの特徴

新世代の伝説的なダイナミックユニット
約0.15mmの磁気ギャップ:音質の飛躍的なグレードアップをもたらす
磁気ギャップとは、一般的にボイスコイルとマグネットの間の距離のことを言います。この間隔が小さいほど変換効率が高くなり、歪みも小さくなります。一般に市販されているダイナミック型ユニットの磁気ギャップは、0.3mm程度しかありません。これに対し、KZが開発した新型ダイナミック型ユニットは約0.15mmを突破し、その変換効率は同業他社をはるかに凌駕しています。

- Lightweight metal cover
- Metal mesh
- Structural support
- Self-developed dynamic driver
- 3D inner bracket
- Skin-friendly resin cavity
- Metal nozzle
- Sound filter
- Silicone ear tip
高精度4層ボイスコイル
KZ DQSの低域性能を向上させるため、通常プロ用スピーカーやイヤホンに使用されている銅クラッドアルミ製の4層ボイスコイルを採用し、低音と高域の性能を大幅に向上させました。従来の銅製ボイスコイルに比べ、導電性に優れ、軽量化も実現しています。

シニアアコースティックチューニングチーム:本物のHi-Fi体験を創造する
高・中・低音域がスムーズにつながるよう、周波数帯ごとに入念なデバッグを実施。バランスチューニングにより、様々な音楽スタイルに容易に対応します。

セミオープン型イヤーシェルデザイン
KZ DQSのフェイスカバーはセミオープン排気設計を採用し、キャビティ内の音波の反射を効果的に抑制し、低音を鮮明かつパワフルに再生します。

クラシックなエルゴノミクスデザイン
KZ DQSは、ほとんどの人の耳にフィットするように設計されており、安定した装着感と優れたノイズキャンセリング性能をもたらします。

挿し込み可能な金メッキ構造設計
改良された2Pinインターフェースは、市販のほとんどのケーブルに適応することができます。水中プラグは、効果的に針の破損を防ぐことができます。

良いケーブルは良い音質をもたらす:高純度無酸素銅フラットケーブル
KZ DQSは、導電性に優れた高純度無酸素銅ケーブルを採用し、信号伝送時のロスを大幅に低減しています。

シンプルで実用的、かつ環境に配慮したパッケージ:10年前から使用されています
製品の実際の性能はパッケージでは表現できないので、豪華なパッケージは必要ない、と私たちは考えています。環境保護を標榜しながらも、環境保護の名の下に高収益を上げることはしない、これはKZの創業以来の信念の一つです。

パッケージ(8.0)

パッケージは価格帯の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- 説明書など
















ビルドクオリティ(8.5)

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。












装着感(8.5)

装着感は良好です。



音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
KZ DQSはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
KZ DQSはニュートラルに近いU字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域(10.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:A-
- 深さ:A
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:A-

低域はかなり深くまで伸びています。
バスドラムはランブルも十分に十分な重厚感のあるインパクトのあるサウンドで聞こえます。
エレキベースも十分に黒く、広がりがあり、音楽の底辺に確かなコントラスト感を感じることができます。
低域好きをかなり満足させることができることができるでしょう。重低域マニアも十分に納得できると思います。中域とのバランス感覚も悪くはないですが、やや低域が強すぎる傾向があります。特に普段音量を大きめに聞く人には低域量はやや過剰でしょう。


中域(9.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B

KZ ZNAの中域はほぼ完全にニュートラルです。かなり低歪ですが、解像度は少し物足りません。
同じ価格帯ではCCA CXSのほうが高品質な中域を提供することができるため、基本的にはCXSのほうが推奨されます。
低域が少し強く、聴覚上のニュートラルよりわずかに中域中心部が凹んでいるバランスになっているため、多くの人に中域は少し暗い位置で聞こえることが想定されます。私にも暗めに聞こえますね。
私はもともと低域好きなところがあり、どちらかというと中域が暗い雰囲気の聞かせ方のほうが好きではありますが、さすがにDQSの中域はボーカル周りが少し埋没しすぎな気がします。CXSくらいのバランスのほうが定位感などもわかりやすいですね。解像度の差の影響も大きく、CXSの音のほうが立体感があり、音楽が生々しく聞こえます。


高域(8.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C+

CCA CXSの高域はスピーカー的な前方定位感を意識してチューニングされています。拡張性は物足りません。
歯擦音はわずかに強く聞こえる可能性がありますが、刺さりはうまく抑制されています。精細感はわずかに低めで、輝度はほんのわずか足りない可能性がありますが、一般的には十分でしょう。

定位/質感
- 質感の正確性:S+
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:A
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
フルオーケストラ向きのイヤホンとしてKZ DQSはそれなりにおすすめできる製品です。透明度が高く質感再現度の高い中域、十分に重厚で深みのある低域、滑らかに伸びる倍音、スピーカーを意識した前方定位感のある音場など、総じて低価格のモデルとしては十分以上の水準を実現していますが、スケール感と解像度だけは物足りません。
雅楽も和音が華やかで色気のある音で聞こえるものの、篳篥や笙の音の伸びが悪いのが難点です。


音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A-
- イメージング:B
- 高域:A
- 中域:B
- 低域:C

低域の深さは標準かそれ以上で、中域は比較的前面におり、高域の高さは物足りません。
クリア感は価格の水準以上です。
イメージング性能は価格なりか少し物足りません。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A+

KZ DQSには最近のKZの優れたチューニングとダイナミックドライバー製造技術が反映されています。昨年以来KZは明らかにチューニングの水準がそれ以前とは段違いに良くなり、オーディオマニア向けのブランドとして躍進しました。今ではたとえば、以前はほとんど同列の存在だったKBEARやTRN、CCZなど(いわゆる「数撃ちゃ当たる」発想の手あたり次第系ブランド)とは全く異なる水準の音を生み出しています。少なくともサウンドカーブでKZとCCAのチューニングを馬鹿にするオーディオマニアはいないでしょう。
KZ DQSはCCA CXSやKZ ZNAなどと兄弟機のようなサウンドバランスになっています。単純にサウンドバランスだけで見れば、KZ DQSはこれら3機の中でもっとも低域にフォーカスした機種とまとめることができるでしょう。

実際にはオーディオスペックを考慮するとこの中で最も優れているのはCCA CXSで、ZNAとDQSは解像度で優れていないため、おすすめ度は低くなります。これら3つの中でどれか一つを選ぶなら、CCA CXSを買うことを推奨します。
音質的な特徴
美点
- 優れた質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 艶やかで色気のある甘いサウンド
- 滑らかな減衰感のある高域
- 中域への適切なフォーカス
- 良好なサウンドバランス
- スピーカー的な前方定位感
欠点
- 不足している高域拡張性
- 物足りない解像度

優れた質感
深みのある重低域
良好なサウンドバランス






レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90
を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation

- 原曲(-23LUFS)
- KZ DQS
- CCA CXS
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- KZ DQS
- CCA CXS
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- KZ DQS
- CCA CXS
総評
KZ DQSは低価格で深みのある低域とバランスの取れたニュートラルに近いサウンドシグネチャーを提供する優れたイヤホンです。ビルドクオリティも悪くなく、総じて価格以上の満足度をもたらしてくれると期待できるものの、解像度は少し物足りません。
![【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編] 【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編]](https://i0.wp.com/cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kanbun/20210922/20210922100044.jpg?w=1256&ssl=1)
HiFiGOは、現在購入できるHiFi IEMのトップ5をテストしてリストにまとめることで、あなたを助けようと思います。このリストは、$500以下の価格帯から選ばれています($100以下のベスト、$200以下のベスト、など)。
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