【海外レビュー】Kinera NanNa 2.0 VS. Tri Starlight レビュー

$500～$1000

Kinera NanNa 2.0 VS. Tri Starlight

2021.06.25 2021.05.25

注意事項
著者：ティミー・バンタンについて
Kinera Nan Na 2.0
1. 音質の全体印象
2. 個人的な感想
Tri Starlight
1. 音の全体印象
2. 個人的な感想
比較
総評

注意事項

この記事は日本国外で流通しているKinera製品についての内容に基づいて書かれております。そのため、国内正規品とはパッケージ内容、音質などが異なっている可能性があることにご留意ください。
また、Kineraの流通方針では、日本、韓国、香港、台湾、マカオにおいては正規代理店からの購入が推奨されています。上記のいずれかの地域にお住まいの場合は、お近くの実店舗や国内ネット販売でお買い求めいただけます。

著者：ティミー・バンタンについて

ティミー・バンタンは、ラスベガス出身のオーディオ機器と音楽の愛好家です。幅広い趣味を持ち、ほとんどのジャンルを楽しんでいますが、特に雰囲気のあるストリングスやポップスが好きです。
普段はヘッドホンを愛用していますが、最近になってハイエンドIEMに出会い、新たなこだわりを持つようになりました。
それから約1年が経ち、さらに多くのIEMを試したTimmyは、自分が見つけた最高のものを世界と共有したいと思うようになりました。

Z-ReviewsのZeos氏がKinera Nan Na 2.0を賞賛し、その3週間後にはTri Starlightがすべての楽しさを備えたNan Na 2.0であると絶賛しているのを見たことがある人は、私のように、どのIEMがいいのか迷ってしまうかもしれません。どちらを買おうか迷ってしまうかもしれませんね。どちらも結構な値段なので、両方買いたくはないけれど、Z-Reviewsが大好きで信頼しているので、最低でもどちらかのIEMが必要だと思います。この記事はそんなあなたのためのものです。

この記事では、それぞれのIEMの特徴から始まり、比較、そして様々な音楽の好みに合わせてどちらがお勧めかをご紹介します。

Kinera Nan Na 2.0

音質の全体印象

Kinera Nan Na 2.0は、全体の音に独特のやさしさを感じます。低音はパンチが効いていて遠くまで伸び、高音は完璧な明るさで、中音は奥まっているものの、聴きやすく、しっかりと発音されています。このサウンドのユニークな点は、サウンド・シグネチャー全体はバターのように滑らかでアンビエントな雰囲気にあります。私は、このシグネチャーを夢のような、重要なものと表現します。

ボーカルにはわずかなリバーブ効果があり、広大な感覚を高めています。このアーティストは、充実していて、時に魅惑的で、暖かく、満足感を与えてくれます。

低域と重低域は遠くまで届き、非常に滑らかなランブルが伝わってきます。楽しくなるようなインパクトがありながら、全体の滑らかさはほとんどエーテルのように感じられ、満足感があります。

高音は心地よく、鮮やかです。私は若干ブライトに敏感です。これらは、私の好みを満足させるのに十分なトップエンドであり、決して押し付けがましくなく、疲労感もありません。

詳細については、この点が数人の人にとっては破格となるかもしれません。この価格では、これらは最も詳細なIEMではありません。私は、夢のように楽しい側面があるので、これが悪い特徴だとは思いません。しかし、より技術的な経験を求めている人にとっては、この価格では期待を裏切るかもしれません。

音場は平均的で、感動的な広さではありませんが、決して失望するようなものではありません。私の耳から約0.5cmのところまで届きます。広い音場を求めているのであれば、この製品は満足できる程度のものかもしれませんが、印象的なものではないでしょう。

長所

95%のトラックで快適なサウンドが得られます。低音が強調された曲や、よりインパクトのある音を必要とする曲では、物足りなさを感じるかもしれません。それ以外の曲では、ほぼ全ての曲で満足し、時には感動しました。
音楽の好みを問わず、安心して手にすることができます。魅惑的な滑らかなV字型を体験したいなら、「Nan Na 2.0」を強くお勧めします。
明るく繊細な安心感。高音が疲労度に達しない。
FiioのBTR5を使っても大丈夫です。

短所

ディテールに欠ける。曲によっては楽器が少し混ざっているように感じることがあり、曲が忙しいほど顕著になる。
低音は、ハードパンチの効いた低音が好きな人には少し物足りないかもしれません。

個人的な感想

この製品は、私にとってハイエンドIEMのほぼ完璧なペアと言えます。テスト中に不満を感じたことは一度もありませんでした。どの曲でも、他のIEMに切り替えようと思ったことは一度もありませんでした。最もスムーズなテスト体験でした。時には、音楽に夢中になってテストのことを忘れてしまうこともありました。音楽によっては、ディテールや低音のインパクトがもっとあったほうがいいものもあります。しかし、全体的には、どの曲も楽しめなかったり、どの分野でも不足していたりするほど、マイナス面は大きくありませんでした。

Tri Starlight

音の全体印象

これは超V字型と言えるでしょう。低音はハードヒットで前に出て、中音はずっと奥まっていて、高音はキラキラしていて、時には突き刺すような音がします。

全体的には、とても楽しく、ワクワクするような要素がありますが、注意点もあります。

低音はこのIEMの最大の特徴です。低音のパンチ力が強く、ディテールの再現性にも優れています。低音マニアの夢が実現したようなものです。分離感も優れています。ローエンドが賑やかな曲は、このIEMで完璧に処理できます。

ボーカルと中音、特に中音の下側は非常に凹んでいます。中低域が凹んでいるため、ボーカリストによっては、薄くて息苦しく感じることがあります。反対に、よりパワフルなボーカリストは、トップエンドが非常に強調されているため、魔法のようにきらびやかに聞こえます。

ボーカルの話を続ける前に、突き刺すような高音について触れなければなりません。私は、かなりの部分の曲で高音が出過ぎていると感じています。いくつかの曲では、不快なほど突き刺さる感じがします。トップエンドのボーカルや高音の電子音が大きく影響を受けます。例えば、アリアナ・グランデやフクロウ・シティのほとんどの曲は、高音が耳につきます。ボーカリストによっては、歯擦音が酷くなることもあります。どちらも、曲によっては全く聴けないものもあります。私は特定のアーティストを聴くために、テスト中にボリュームを下げていました。しかし、それでは他のすべての周波数の音量が下がってしまうため、IEMの全体的な体験が損なわれてしまいます。もしあなたが明るい高音に敏感であれば、私の意見では、これは簡単にアウトになります。

良い点に話を戻すと、全体的にディテールが良好です。濁りを感じることなく、曲の各要素を簡単にピックアップして聞くことができます。このおかげで、今まで知らなかった曲の中の一面を知ることができました。好きな曲の細部を発見するのはいつでも楽しいものですが、この製品は時折そのような体験をもたらしてくれます。

サウンドステージングは平均的で、Kinera Nan Na 2.0に似ており、不足はないが印象的ではありません。

長所

非常に楽しいスラムのような低音と素晴らしいディテール。このIEMでは、ダンスミュージックがとても楽しくなります。
ディテールがはっきりしていて、セパレーションもしっかりしています。忙しい曲でも問題なく対応できます。
ドライブも簡単で、数百ドルの廉価なFiiO BTR5で駆動できます。

短所

突き抜けるような高音と厳しい歯擦音。高音に敏感な人には負担が大きいかもしれません。
汎用性に欠ける。低音が効いた曲や、パワフルなボーカリストがいる曲には最適。ヴォーカルに重点を置いた作品は、混雑していて充実感や感情が不足しているように感じられます。突き抜けるような高音は、かなりの曲で嫌悪される可能性があります。

個人的な感想

私は明るい高音に敏感なので、私のライブラリの多くの曲では、この製品に100％耐えられません。しかし、私が聴くことのできる曲では、魔法のように楽しくなります。曲によっては、頭を振ったり、体を動かしたりするのを抑えられないほど、このIEMは非常に楽しいサウンドを持っています。しかし残念ながら、高域は私の好みに合いませんでした。私は仕事の後に長時間のリスニングセッションを楽しみたいのですが、この製品は曲との相性で気難しいところがあるので、そのような体験はできません。

比較

低域

Kinera Nan Na 2.0は、より滑らかで、より遠くまで届き、よりアンビエントです。
Tri Starlightの方が圧倒的にインパクトがあり、前に出てきます。
優劣：Tri Starlightに軍配。Nan Na 2.0のバター感はTri Starlightの全体的な楽しさに勝てません。

高域

Kinera Nan Na 2.0は、完璧な明るさで、粗さを感じさせないサウンド出力を実現しています。
Tri Starlightは、時には、突き刺さるような、耐えられないような感じがします。
優劣：Kinera Nanna 2.0に軍配。

中域とボーカル

Kinera Nan Na 2.0のボーカルは、より充実した、より広い、よりエモーショナルな感じがします。中域は温かみがあって楽しいサウンドです。
Tri Starlightは、ボーカルによって、混雑した細い音になったり、満足のいくキラキラした音になったりします。中域は小さく、親しみにくい感じがします。
優劣：Kinera Nan Na 2.0に軍配。どちらも中域が後退していますが、全体的にはNan Na 2.0の方がより楽しく充実しています。

ディテール

Kinera Nan Na 2.0は、価格の割にはあまり細かいところまでこだわっていません。どちらかというと、アンビエントで夢のようなアプローチのサウンドシグネチャーを持っています。非常に魅力的ですが、技術的なリスナーには物足りなさを感じるでしょう。
Tri Starlightは、レンジ全体に渡ってディテールの再現性が高い。価格の割には満足度が高いです。
優劣：Tri Starlightに軍配。

総評

この2機種を並べて徹底的にテストした結果、ほとんどのリスナーにKinera Nan Na 2.0を安心してお勧めできます。ほとんどの曲が、夢のように楽しく聴けることでしょう。飛び道具的な要素は少ないですが、その分、今までに経験したことのないようなリラックスした快適なリスニング体験ができます。細かい部分も含めて全体的に有能で、Tri Starlightよりもかなり多くの時間を費やしてしまいました。

私がNan NaよりもTri Starlightをお勧めする理由はいくつかあります。

Tri Starlightが提供するパンチとディテールを必要とするような賑やかで低音の効いた音楽を聴いている。そういった曲は、Nan Na 2.0よりもStarlightの方が生き生きとしたサウンドになります。
より楽しいサウンドシグネチャーを求めていて、ボーカルはあまり重視していない場合。

この2つの理由は、あなたが高音にどれだけ敏感かによります。繰り返しになりますが、もしあなたが何らかの形で高音に敏感であれば、Starlightは安全なブラインド・バイではありません。

価格が気になり、Nan Na 2.0が予算的に少しだけ手が届かない場合、Hi-Fi Goでは現在Nan Na 2.0を$100割引するクーポンを用意しています。この割引により、Tri Starlightと非常に競争力のある価格になります。このクーポンがいつまで有効かはわかりませんが、ぜひお試しください。

Tri Starlightにも同様に$50割引のクーポンがあります。

クーポンを適用した後の価格差は、「Nan Na 2.0」の方が50ドル高いだけです。「Nan Na 2.0」は$799、「Tri Starlight」は$749ドルになります。

この価格であれば、「Nan Na 2.0」は50ドル余分に購入する価値があります。