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【中華イヤホン Kinera Freya レビュー】朗らかで快活。明るく旋律の美しいメロディーラインとオペラのように歌うボーカル表現が音楽を華麗で美しいものにする
Kinera Freyaの概要
こんな人におすすめ
- スマホでも鳴らせるイヤホンが欲しい
- 明るく楽しいサウンドが好き
- 朗らかなボーカルが好き
- ディテールと旋律重視で音楽を楽しみたい
- 所有欲を満たす見た目も華麗なイヤホンが欲しい
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20khz
- インピーダンス:22Ω
- 感度:110dB
- ケーブルコネクタ:2pin 0.78mm
長所
- 中域への適切なフォーカス
- 艶やかで印象的な中高域
- 緻密で少し情報量が多い
- 明るく朗らかで快活なサウンド
- 高いディテール感
- 高い鮮明感
- のびやかなサウンド
- 良好なアタック感
- 高級感のあるデザイン
- コストパフォーマンスが良い
短所
- 静寂感に欠ける
- 深みのないサウンド
- 存在感の薄い低域
- シャウティで癖が強い音
Kineraについて
Kineraは中国発のイヤホン製造ブランドです。このブランドは、Kinera TYRのような$30で買えてしまうIEMから始まり、$1400で販売されるKinera Baldrに至るまで素晴らしい品質のインイヤーモニターを製造しています。KineraのIEMは、それが$30であろうと、フラグシップモデルであろうと、絶妙で異なる外観を与えるリッチなビルドクオリティを備えています。
最近、このブランドは、北欧神話の神々に基づいてIEMの名前を付けており、Freyaもその1つです。北欧神話によると、フレイアは愛と美の女神であり、このIEMは女神のルックスと一致するように卓越して神々しくデザインされています。
最新作のKinera Nornも素晴らしいデザインですでに話題になっています。
Kinera Freyaの特徴
IDUNのサウンド面で高いご評価を頂いたKineraからIDUNよりも一つ構成の大きいユニバーサルIEMがリリース。
3BA+1DDという得意のハイブリット構成でIDUNをさらに発展させたサウンド・メイキングになっています。
とにかく出音のバランスを重視した頑ななFreyaはKineraのこだわりを感じます。
また高級感あふれる筐体のデザインもKineraならではの感性が光ります。
Kinera Freyaのデザインに関する裏話
当初から、Kineraのチーフデザイナーは何ヶ月もかけて徹底的な研究を行っており、それはさまざまな素材のテストからハンドペイントの技法の比較にまで及んでいました。最終的に、彼女は北欧神話の美と愛の古代の女神であるフレイアを表すのに適した最高の絵の具とそれらにマッチするカラーリングを見つけました。
フレイア――(その名は「レディ」という意味です)は、北欧神話の愛と美の女神でした。戦争の女神として、戦いで亡くなった人の半分は彼女の殿堂を訪れます。残りの半分はオーディンの殿堂、ヴァルハラに行きます。彼女は偉大な神オーディンと結婚しました。ある日彼が不思議なことに姿を消したとき、彼女は彼を見つけるために9つの世界を巡る旅に出ました。彼女はしかしそれに失敗し、金の涙を流しました。その涙は「フレイアの涙」と呼ばれる宝石に変わります。
最高の完成度で構築されています
Kinera Freyaの各ユニットは完全にハンドメイドされていて、手作業で塗装が施され、見事な外観を実現しています。イヤホンの外観デザインはハンドペイントです。デザインはすべて熟練したデザイナーの手によって描かれています。
エネルギッシュなサウンドを実現するマルチユニットハイブリッドセットアップ
Kinera Freyaには、3基のバランスドアーマチュアドライバーと一緒に、Kineraが開発した1基の7mmマイクロダイナミックドライバーユニットが構成される強力な4ドライバーハイブリッドセットアップを両側に装備しています。Kineraは、プロフェッショナルな内部クロスオーバーを使用して、低、中、高の周波数を専用ドライバーに送信し、歪みのないシャープなサウンド出力を実現しています。
リアルで明瞭なサウンド
Freyaのマルチドライバーハイブリッドセットアップは、くっきりとしたディテール感のあるサウンド出力を提供します。このIEMは、広範囲の音響周波数で美しいサウンドを提供するようにチューニングされています。インパクトのある重低音、ナチュラルでリアルな中域、エネルギッシュな特徴を持つ透明な高音を提供します。Freyaには、正確なイメージング機能を備えた広いサウンドステージ(音場)があります。
駆動は容易です
Kinera Freyaは駆動が非常に簡単です。このIEMのインピーダンスは22Ωで、感度は110dBです。Kinera Freyaを買えば、ユーザーはスマートフォンを使用して、いつでもどこでも高品質の音質を楽しむことができます。
最高のアクセサリーが同梱
Kinera Freyaには美しいケーブルが付属しています。主な魅力は、Type-CコネクタケーブルとLightningポートコネクタケーブルが含まれていることです。そのため、このIEMは3.5mmポート、Type-Cポート、そしてライトニングポートのいずれであっても、箱から出してすぐにスマートフォンで使えるよう対応します。その他のアクセサリには、3ペアのシリコンチップ、キャリーケースなどがあります。
※日本向け仕様ではUSB type-Cアダプターのみ付属します。
パッケージ開梱動画(HiFiGO)
パッケージ(9.5)
この価格帯では豪華と言えるパッケージです。最近のKinera製品共通の六角形のボックスに入っており、パッケージの外側だけ見るとまるで高級お菓子のようです。蓋を開けると何枚もカードボードが入っており、一枚一枚めくっていくのも楽しいです。付属品にはスマホ接続用のアダプタもついており、豪華としか言い様がありません。
ビルドクオリティ(9.5)
本体のビルドクオリティはもはやハイエンドクラスの品質です。螺鈿細工のようにきらびやかで品のあるデザインになっており、まるで宝飾品のようです。スリムなケーブルは適度に伸縮して取り回しもよく、コーティングは滑らかで絡まりにくいです。
装着感(8.5)
ユニバーサルIEMタイプの本体は少し厚みがありますが、耳への収まりは良く、樹脂製で軽量です。率直に言ってうっとりする出来映えです。3万円以内でこれほどかっこいいデザインのイヤホンは見たことがないというくらいです。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
制動
Kinera Freyaはハイブリッドドライバー技術に定評のあるKineraらしく、わりとよく調整されているようで、出力インピーダンスがかなり高いヘッドホンアンプと組み合わせた場合でも、制動は比較的維持されるようです。それでも出力インピーダンスが高いヘッドホンアンプと組み合わせると高域と低域で制動が緩む傾向があります。
Kinera Freyaを適切に駆動するためにはIEMに適したデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の使用が基本的には推奨されますが、おそらくスマホで鳴らしてもほとんど不足はないでしょう。
詳しい測定値については有料記事に掲載しております。
ラウドネスステータス
音質解説
Kinera Freyaは比較的バランスが取れたサウンドを持っており、少しウォームな雰囲気の中で、ボーカル帯域や中高域を朗らかな明るい雰囲気で聴かせるイヤホンです。前屈みなサウンドに聞こえるところはあるので、静寂感や音場の自然な奥行きを重視する人には少し向かないところはあるかもしれません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:B
- 臨場感:B
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B-
Freyaの低域は深さの点ではそれほど優れていません。
若干リラックスして聞こえるようにも思えますが、比較的タイトに聞こえ、階層性はわりとよく、適度な重みと少しの膨らみがあります。バスドラムキックの音はわずかに太く、やや膨張的な雰囲気があります。エレキベースは少し温もり感があり、適度に深いところにいますが、深すぎず、ブンブンウンウンしすぎないサウンドになっています。
低域ジャンキーにとっては、見通し感と重さは悪くないにしても、少し浅く聞こえやすい低域です。
中域(9.5)
- 原音忠実度:B
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B+
Kinera Freyaの中域の雰囲気は明るく、朗らかです。
ボーカルは最前列付近で明るくスポットライトが当たって聞こえます。ボーカルは快活でのびやかに聞こえますが、上ずって聞こえやすいところはあり、人によってはシャウティに感じられるかもしれません。
また楽器音の表情も少し浮かれて歌うように聞こえる雰囲気があり、明朗で健康的な音に聞こえますが、落ち着きや静寂感が足りないと感じられる場面は少し多いでしょう。
高域(9.0)
- 原音忠実度:B
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B+
- 荒さ:C+
- 繊細さ:C+
- 存在感:A-
中高域が聞き取りやすく、くっきりした発色の良い高域で、マイクロディテールも豊かです。
そのサウンドは鮮明でエッジ感に優れ、明瞭性が高く、粒立ち感も強いですが、一般に尖る感じや耳障りな感じはほとんどありません。単純に輝度が高く、少し緻密なディテールを明るく綺麗に聞かせます。
かなり印象的な高域ですが、ボーカルの優位ははっきりしているために、ボーカルに被さって邪魔することはありません。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域上部~高域
- 音場:B
- クリア感:C
Kinera Freyaの音響的焦点は中域上部~高域に存在します。
音場はボーカル周辺の奥行き感に優れますが、高さや深さは標準的、幅は奥行きの分だけ広く聞こえる印象です。
クリア感は価格を考えると標準的か、少し物足りないです。
音質総評
- 原音忠実度:B-
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:B+
朗らかで明るく、ディテール感の良いイヤホンで、快活な雰囲気で詳細に音楽を楽しみたい人にはなかなか魅力的な選択肢です。
個人的にはボーカル曲を明るく歌い上げる雰囲気が大好きですが、一方でときどき落ち着きがなく、音が浮ついて聞こえ、とくにしんみりするような曲を聴くときには表現に深みが出ない印象を受けます。一部のサントラ曲などではピアノをはじめ楽器がギャンギャン吠えているように聞こえるので、うるさく思えることもあります。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- 艶やかで印象的な中高域
- 緻密で少し情報量が多い
- 明るく朗らかで快活なサウンド
- 高いディテール感
- 高い鮮明感
- のびやかなサウンド
- 良好なアタック感
欠点
- 静寂感に欠ける
- 深みのないサウンド
- 存在感の薄い低域
- シャウティで癖が強い音
朗らかで快活
ディテールが繊細
高い鮮明感
音楽鑑賞
降幡愛「真冬のシアーマインド」
明るく華やかなこういう曲との相性は抜群に思えます。全体的にウキウキして聞こえるので、聴いているだけで楽しい気分になってきます。
バブル期のスキーレジャーにあったロマンスの雰囲気が感じられる明るい曲ですが、CMソングのようなキャッチーな雰囲気がKinera Freyaの朗らかなサウンドによってさらに引き出され、かなり浸れます。
Kinera Freyaで聴く降幡愛、おすすめです。
デーモン閣下×宝野アリカ「時空の迷い人」
ボーカルが朗らかかつのびやかで、エレキギターのディストーションも艶のある旋律を強調した色彩感で聞こえるので、この曲のメロディックな雰囲気とかなりよくマッチします。
デーモン閣下とアリカ嬢の声から艶やかな美声成分を引き出し、この曲をオペラのように華やかな雰囲気で楽しめるので、聴きながら思わず笑みがこぼれるほど気持ち良いです。
まさに歌うイヤホンという形容がふさわしいですね。
はるひの with DODOWAKA「令和 -UME no UTAGE-」
この曲、個人的にお気に入りです。
元々いかにもパリピっぽいノリノリな曲ですが、このイヤホンで聴くと、本当にアゲアゲな雰囲気で聴かせてくれるので楽しいですね。
低域の存在感がやや希薄になるので、音楽全体の安定感が少し弱く、引き締まり感は率直に言って少しよくなく、浮かれた感じが強いですが、それがこの曲の、新しい時代を迎えて心から言祝いでる雰囲気とよく合います。
コロナで暗い世の中に思うかもしれませんが、Freyaでこの曲を聴けば梅の香とともに宴を楽しむ気分になれます。令和が始まったころの新時代への期待を思い出して、心を盛り上げてみませんか?
競合機種との聴き比べ
SeeAudio ANOUの記事で聴き比べを行っています。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio AmariとRME ADI-2 Pro FS R Black Editionを用いています。使用イヤーピースは標準イヤーピース(ブラック)のSサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Freya(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Kinera Freya(Antelope Audio Amari)
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Freya(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Kinera Freya(Antelope Audio Amari)
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Freya(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Kinera Freya(Antelope Audio Amari)
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Freya(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Kinera Freya(Antelope Audio Amari)
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Freya(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Kinera Freya(Antelope Audio Amari)
総評
Kinera Freyaはディテールと明瞭性に優れ、朗らかで快活に歌うボーカルとともに、メロディアスな旋律を美しく聴かせるイヤホンです。それは愛と豊穣の女神の名にふさわしく、美麗で豊かなサウンドを聴かせ、外観においても卓越しています。そのサウンドは聴いているだけで気持ちを高揚させてくれ、その美しい見た目とともに日々の活力源となってくれるでしょう。
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