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Kinera Celest Pandamonの概要
こんな人におすすめ
- Etymoticのような明るい中域が好き
- パンダが好き
- Kineraファン
基本スペック
- 周波数特性:20-20000Hz
- インピーダンス:9Ω
- 感度:108dB
- コネクタ:0.78㎜ 2pin
- 価格帯:5000円~10000円


- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 優れた原音忠実度
- 正確な質感
- 良好な解像度
- 中域への適切なフォーカス
- 明るい中域
- スピーカー的な前方定位感
短所
- 高域の拡張性に欠ける
- 繊細さに欠ける
- 低域の深さに欠ける
- ディテール不足
- 明るすぎてうるさくなりやすい中域
Kinera Celest Pandamonの特徴

- 10mmキネラSPD角型平面ドライバーを強化。
- 優れた低音とベルベットのような質感を持つ豊かなサウンド。
- ユニークでファンキーなデザイン
- ドライブしやすいデザイン。
- 304L ステンレス鋼の表面カバー。
- 人間工学に基づいた快適な樹脂製イヤーシェル。
- 高品質4芯OFCケーブル
- 0.78mm標準コネクター。
Celest Pandamonは、新開発の10mm Kinera SPD(Square Planar Driver)を搭載したインイヤーモニターです。Pandamonは、中国の幻想文学「山海経」に登場する鉄喰い獣からインスピレーションを受け、GUMIHOと同様にデザインされたものです。高品質な304Lステンレススチール製のフェイスプレート、軽量で人間工学に基づいた樹脂製のイヤーキャビティなど、美しいルックスを備えています。また、躍動感あふれるサウンドを実現するためのチューニングが施されています。Celest Pandamonは、あなたの音楽体験を瞬時に向上させる印象的なサウンドを提供します。


第2世代Kinera SPDドライバーユニット
Celestは、Kineraの自社開発による10mm x 10mm SPD Square Planar Magnetic Driverの第2世代を搭載しています。従来のGUMIHOは、高域のレスポンスのためにBAドライバーを搭載していましたが、緻密な開発と最適化により、SPD 2.0は究極の透明度と解像度を持つフルレンジの周波数を提供することが可能になりました。また、この新しいSPDドライバーの感度は、ドライブしやすいように3dBブーストして調整されています。


プレミアム 304 L ステンレス鋼フェースカバーとプレミアム ビルド
Celest Pandamonは、美しい耳孔構造を精密に設計しています。シェルは、右の中心にPandamonのロゴと高品質の304Lステンレス鋼材料の顔カバーを備えています。このペアは芸術的でユニークな外観と同時に、堅牢なビルド構造を持っています。また、人間工学に基づいた設計により、快適なリスニング環境を実現します。


プロフェッショナル・チューニング・アジャストメントによる豊かなリスニング・エクスペリエンス
Pandamonは音響エンジニアのプロフェッショナルチームによって調整されており、このペアは様々なジャンルの音楽をよく補完する驚くべき透明性と印象的なサウンドパフォーマンスを提供します。低音域の力強さと中音域のクリアなサウンドを実現します。


駆動が用意
Celest Pandamonは、新開発の10mm x 10mm SPD 2.0平面ドライバユニットを搭載しています。感度を向上させ、様々なソースでのドライバビリティを約束します。SPD2.0ドライバーユニットを搭載することにより、ドライブしやすく、高感度でお気に入りの音楽を楽しむことができます。


高純度4芯OFCケーブル
最高品質のサウンドパフォーマンスを実現するため、高純度4芯OFC(無酸素銅)ケーブルを採用しました。ケーブルは、各ワイヤーコアに24本のストランドを持つ96ストランド構成を採用しています。0.78mm2ピンコネクターと3.5mmターミネーションプラグを装備しています。






パッケージ(8.0)


パッケージは価格帯の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- 説明書




























ビルドクオリティ(8.5)


ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
デザインは斬新ですね。


















装着感(8.5)


装着感は良好です。






音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)


周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。


オーディオステータス


※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
Kinera Celest Pandamonはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。




ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Kinera Celest Pandamonはニュートラルに近い中域充実系のサウンドシグネチャーになっています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。


低域(8.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B-


Celest Pandamonの低域は浅く、一般的に存在感では中域より弱く聞こえやすい傾向があります。
バスドラムは重厚感はわりと感じられますが、深さは物足りず、下のほうはトントンして聞こえますね。
エレキベースもやや明るく聞こえ、広がりに欠けます。
見通し感は悪くない感じですが、深さは物足りないので、低域好きを満足させられる水準にはないでしょう。






中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:A-
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B


Celest Pandamonの中域は明るく前面で聞こえるように調整されています。
質感はかなり正確で、構築感も悪くはないのですが、輪郭は緩めで引き締まりは少し良くありません。そのため中域の分離感はどちらかというと悪く、そのせいで個々の音へのフォーカスがいまいちぼやける感じがあります。
輪郭が丸いおかげで耳当たりが優しいとも言えますが、音像の質感に少し硬いしこりが感じられるので、人によってはうるさく感じやすいかもしれません。これで岸田教団&THE明星ロケッツ「GATE~それは暁のように~」を聴いてみるとエレキギターのあたりがごちゃごちゃして汚らしく聞こえるのでかなり幻滅しました。エッジとディテールの両面でかなり物足りないところがあります。


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最初は明るい感じに感動する人もいるかもしれませんが、よく聞くとやはり分離感の悪さのせいか、結構物足りない感じもあり、同じ価格くらいならたぶんQoA Gimletのほうが一般に高い満足度を期待できるんじゃないかと思います。少なくとも私には、Gimletのほうがしっとりした耳になじむ色気とみずみずしさがより感じられます。外観デザインもGimletのほうが好みですしね。




高域(8.0)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C-


高域は滑らかに減衰するように調整されています。
全体的にエネルギーが抑えめになるため、高域に敏感な人でも安全です。
高域は基本的に閉じており、拡張性はかなり物足りません。天井感がやや強めで、シンバルクラッシュはだいぶ詰まっている印象を受けますね。
わりとなめらかに音像一貫性を意識して調整されている点以外、ほとんど語るところのない高域です。






定位/質感
- 質感の正確性:S+
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies 」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005 ] - 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ 」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
スケール感とレンジ感が物足りず、重厚感やディテール感でも不足を感じ、定位感も優れていません。中域は質感が正確に明るく聞こえますが、フルオーケストラを楽しむには、むしろ明るすぎてうるさい雰囲気に気品が感じられないのではないでしょうか。総じて安っぽい音です。
雅楽も同様の理由でおすすめしません。


音場/クリア感/イメージング
- 音場:B-
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:A
- 中域:B+
- 低域:B-


低域の深さは少し物足りず、中域は前面に聞こえ、高域の高さはかなり不足しています。
クリア感は価格の水準以上です。
イメージング性能は価格の標準以上です。




音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B


CelestがKineraの中でどういう立ち位置のブランドなのかまだ定まったわけではありませんが、デザイン的に若年層を意識している感じがあり、おそらくエントリー向けのサブブランドなのでしょう。
Kinera系ブランドの中ではおそらくQoAが最も音作りでは無難で万人向きのサウンドづくりで手堅い感じがあり、同じ価格くらいではGimletのほうがパッケージも含めて全体の完成度の高さが光っています。Gimletの出来が良すぎるというところもあるんでしょうが、Pandamonは全体的にちょっと粗が目立つ気がしますね。
よほどのKinera系ファンで、KineraのIEMをコンプリートしなきゃ気が済まないという人以外はスルーしてGimletを買ったほうがいいですよ。
音質的な特徴
美点
- 優れた原音忠実度
- 正確な質感
- 良好な解像度
- 中域への適切なフォーカス
- 明るい中域
- スピーカー的な前方定位感
欠点
- 高域の拡張性に欠ける
- 繊細さに欠ける
- 低域の深さに欠ける
- ディテール不足
- 明るすぎてうるさくなりやすい中域

優れた原音忠実度
正確な質感
明るい中域
















レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation


- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Celest Pandamon
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Celest Pandamon
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Kinera Celest Pandamon
総評
Kinera Celest Pandamonは明るい中域を印象的に聞かせるインイヤーモニターです。デザインとサウンドはやや癖が強く、正直万人受けする機種には思えませんが、好きな人には刺さるところがあるのかもしれません。
この記事では、世界中のオーディオ情報を収集している当ブログが、今最も評価が高く、最先端で流行している中華イヤホンの中から、1万円以下で買えるお財布に優しい機種を紹介します。
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