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【中華イヤホン KB EAR KS1 レビュー】温かみのある自然な質感のボーカル表現が心地よいイヤホン
KB EAR KS1の概要
こんな人におすすめ
- スマホでも鳴らせるイヤホンが欲しい
- 耳に馴染む聞き心地の良いサウンドを楽しみたい
- JAZZやクラシックを楽しめる自然な質感のサウンドが好き
- コスパ重視
基本スペック
- 周波数特性:20hz-20khz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:109dB
- ケーブルコネクタ:2pin 0.78mm
長所
- 中域への適切なフォーカス
- 適度な鮮明感
- 自然な質感
- 全体的にリラックスして滑らかな聞き心地の良いサウンド
- 穏やかなスポットライト
- ウォームで聴き心地が良い
- ノスタルジックで甘いサウンド
- 良好なビルドクオリティ
- コストパフォーマンスが良い
短所
- 低域の影響を受けやすい中域
- 少しブーミーでぼんやりした低域
- 人によって足りないマイクロディテール
KB EARについて
KBEARはKinboofi(これで「キンボファイ」と読むらしい)系のブランドで低価格で人気のある製品を数多く出してきた中華系のブランドです。KBEAR LARKやKBEAR DIAMONDといったコスパの良いイヤホンで人気を博してきました。
最近では廉価でありながらピュアベリリウム振動板を採用していると評判になったKB EAR Believeが話題になっています。
KB EAR KS1の特徴
Features you may want to know of this KBEAR KS1:
10mm high polymer PET diaphragm, Dual magnetic circuit
Improved 2PIN 4N pure copper cable
Aluminum alloy sound guide mouth
臨場感あふれるサウンドとパワフルな低音
KS1 は、まるで音楽の1シーンの中に存在しているかのようにクリアな音楽をお楽しみいただけます。中低周波数は豊かな浸透力があり、リラックスした自然な特性があります。 中高周波数は良好な解像度、過渡性、伸長性を有しています。
デュアル高精細ドライバー
クリアな鮮明なサウンド: 強力な低周波数応答と透明で中音域のパフォーマンス、広いサウンドフィールド、衝撃音の音質。中音から高の周波数は効果的にボーカル解像度を改善し、中周波数の密度はバランスが取られており、音はよりメロウで、高周波は透明で滑らかで、より豊かな楽器の詳細と繊細な音楽が演奏されます。
快適&高遮音性
しっかりした人間工学的装着体験を実現し、耐久性があり、メモリーワイヤーテクノロジーによる設計がなされています。インイヤーヘッドホンは動きやすくし、しっかりフィットします。快適に着用でき、ランニング中でもイヤホンが脱落しないので、運動や音楽を楽しめます。県粉装着感が遮音性能を向上させます。
高品質で取り外し可能なケーブルデザイン
取り外し可能なケーブルデザインをわずか2000円以内の低価格のオーディオイヤホンで実現しています。このような性能を持つ本物のHi-Fiイヤホンは、クリスマス、バレンタインデー、感謝祭などの贈り物に最適です。
レビュー動画(Just a Few Words with Paulwasabii)
パッケージ(7.5)
内容物はイヤホン本体と、イヤーピース合計3ペア、説明書などです。
パッケージは紙製で環境に優しいデザインになっています。全体的にシンプルですが、価格に見合っています。
ビルドクオリティ(8.0)
イヤホン本体のビルドクオリティは良好です。ノズルやコネクタはメッキ仕様になっており、映えます。
装着感(9.0)
筐体はコンパクトで耳への収まりは良く、遮音性も良好です。小さめの耳の人でも問題ないでしょう。
音質
周波数特性
上から順に、
- [標準イヤーピース S装着時]左右別
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
サウンドシグネチャー解説
フラットを意識した弱ドンシャリ系のV字型系サウンドです。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
THD+N特性とは音に含まれる歪み成分を表し、パーセンテージが低いほど音がピュアできれいに聞こえます。
THD+N特性は高級イヤホンの場合、1%以内であることが望ましいです。下の図は上が-40dB@1khz(適正音量レベル)における、スイープでの周波数毎のTHD+N特性、下が上限-30dBで1khzでの音量レベルによるTHD+N特性(THDNL)です。このイヤホンはどちらでも概ね1%未満で優秀です。
- THDN平均値:0.05287089%
- THDN平均値(100hz以上):0.00799392%
- THDNL平均値:0.0600232%
- THDNL平均値(-60dB以上):0.0285139%
価格帯では歪み耐性はかなり優秀です。
制動
KBEAR KS1は出力インピーダンスがかなり高いヘッドホンアンプと組み合わせた場合、低域と高域の制動がわずかに緩むようです。しかし、基本的にはそれほどソースに厳しくないイヤホンと思われます。スマホでも十分に良い音質で聴かせてくれるでしょう。
以下はAntelope Audio Amariの可変出力インピーダンスシステムを用い、一定の装着感の下で、-4.6Ω、-0.3Ω、85.3Ω時の周波数特性(自由音場補正済み)を測定し、比較したものです。
ラウドネスステータス
ラウドネスステータスはISO226:2003 等ラウドネス曲線に基づく補正値を自由音場補正済み周波数特性(Z特性)に加えたものです。ラウドネスステータスは音量による聴感周波数特性の変化を表します。一般的な人は40phon~80phonの間で音楽の聴取音量を快適に感じると思われます。
上は10phon~90phonの変化グラフ、下は40phon・60phon・80phonのみにフォーカスした変化グラフです。
KBEAR KS1は多くの人にとって、60phon付近でフラットに近い、バランスの良いサウンドを聴かせると思われます。
音質解説
KB EAR KS1はフラットに近く、全体的にバランスの良いウォームな弱ドンシャリサウンドを持っています。低域は人によってはボーカル付近にかかりやすく、中域で少し窮屈な印象を受ける可能性はありますが、音楽全体を適度な立体感で聴かせます。
低域(8.5)
- 原音忠実度:B
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B+
KB EAR KS1の低域は太さのあるサウンドを持っており、重みの点でも悪くありません。全体像はややリラックスしており、中域と親和的です。
低域はややブーミーに聞こえやすく、深い階層があまり目立ちません。温かみがあり、ドラムキックが少し膨張的で優しい雰囲気の低域ですが、一般的に明瞭性の高い低域ではありません。
ローエンドの拡張性はわずかに物足りず、低域の底は私には浅く聞こえますが、その分中域に意識が向くので、アコースティックな楽曲ではむしろこの腰高傾向の低域が好ましく思える可能性があります。
中域(8.5)
- 原音忠実度:B+
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
KB EAR KS1の中域は自然な温かみがあり、前面に聞こえます。
中域の下部は低域とのつながりがよく、低域の影響を受けやすいところがあります。人によっては、ボーカルの下あたりにややノイジーでもやもやした濁りの感覚が出るのを少し残念に思うかもしれません。反対に中域に熱気が感じられるので、ライブ感が高いと思う人もいるでしょう。
ボーカルは軸に安定感があり、少しふっくらとして聞こえます。ボーカルニュアンスの強調はほとんどなく中庸なバランスを維持しているため、ボーカル表現にとげとげしさやシャウト感、息の強調はほとんど感じられません。それは質感的にはかなりナチュラルに近いでしょう。
高域(8.5)
- 原音忠実度:B+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B
- 荒さ:C+
- 繊細さ:B-
- 存在感:B+
KB EAR KS1の高域はかなりナチュラルでわずかに風通しが良く感じられます。シンバルは派手になりすぎず、自然な質感で聞こえます。
少し派手さに欠ける高域なので、とくに音量が小さいときは、人によってマイクロディテールが足りない感じがするかもしれませんが、聴きこむと実際にはマイクロディテールにそれほど不足がないことがわかるでしょう。
超高域の拡張性はあまり期待できないので、シンバルクラッシュに開放感を感じさせるようなサウンドではありませんが、光沢感はわりとしっかりしており、鮮明感は高めです。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域
- 音場:B+
- クリア感:A+
KB EAR KS1の音響的焦点は中域に存在します。
KB EAR KS1は深さで平凡、奥行きは少し広く、横幅もおそらく少し広く、高さは平凡ですが、全体の中では中域が広く聞こえます。
クリア感は価格を考えるとかなり優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A
KB EAR KS1は中域を中心に音楽を自然な質感で丁寧に聴かせるイヤホンです。ディテール感や音場の拡張性で優れる機種ではないため、一聴した印象は少し地味に思える可能性がありますが、聴きこむと馴染むようなサウンドを奏でてくれます。
やや中域に音が集まる傾向があり、とくに低域ははっきりしないところがありますが、厚みを重視したサウンドで中域に高い充実感があります。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- 適度な鮮明感
- 自然な質感
- 全体的にリラックスして滑らかな聞き心地の良いサウンド
- 穏やかなスポットライト
- ウォームで聴き心地が良い
- ノスタルジックで甘いサウンド
欠点
- 低域の影響を受けやすい中域
- 少しブーミーでぼんやりした低域
- 人によって足りないマイクロディテール
自然な質感
豊かなボーカル
温かみのあるサウンド
音楽鑑賞
可憐Girl’s「Over The Future」
ボーカルの質感がかなり自然で、高域もかなり自然なマイクロディテールが感じられるため、比較的スタジオレコーディングに忠実な雰囲気で聞こえます。
低域は若干あいまいで、音量を上げると少し中域に被さってきやすいところがありますが、私の普段聞く音量くらい(少し小さめ)だと中域が埋没する感じはほとんどありません。
上下の拡張性にあまり優れていませんが、そのおかげで中域がしっかり聞ける感じがあります。あとで比較するKZ EDXだと少しボーカルに違和感を感じるところがあるので、この曲を聴くなら、こちらのほうが質感が自然で、個人的には好きかな。
菅野よう子 feat. POP ETC「is」
こういう少しぼんやりした雰囲気の曲にはわりと合いそうなイヤホンです。ベース音が黒すぎず、引き締まりすぎないので、音楽の底辺がとても温和に聞こえます。
ボーカルの下付近に暖かい空気があり、充実感の高い中域を聞かせてくれます。
超高域が落ち着いているせいか、中域に甘みが感じられ、全体的に楽器音が耳によく馴染みます。個人的にわりと惹き込まれました。EDXのほうが分離感や解像感が高く思えるから、第一印象はよかったんですけど、よく聴くとこっちの方がノスタルジックで浸れるし、曲の雰囲気を良く引き出していると私は思います。
ヨルシカ「エルマ」
この曲もKZ EDXと聴き比べてみましたが、たしかに第一印象はEDXのほうが良いです。光沢感と分離感がよりしっかりしているので、全体的に音が引き締まって聞こえます。
しかし、聴き慣れてくると、ボーカルが妙にシャープでスーハーした息が強調されすぎている気がしたり、中域が薄く聞こえるのが気になってきます。バスドラムキックもまとまりがよい音ですが、優しさに欠ける音に思えます。
KS1のほうがボーカル付近にヴェールがかかっている気がするという人も多いかもしれません。それはその通りでしょう。しかし、私にはそれがとても豊かに聞こえ、雰囲気が好ましく聞こえます。楽器音が少しボーカル付近に集まって、音楽の全体像が調和的に聞こえます。
競合機種との聴き比べ
おそらく兄弟機であるKZ EDXと聴き比べます。
KZ EDX
KZ EDXは低価格でありながら比較的優れたレンジ感のサウンドを持っています。その低域は深めで、高域も拡張性があり、価格を考えると非常に優れたサウンドに思えます。
「廉価で音場の広いサウンドを聴きたい、それも比較的クリアに」という欲張りな願望をかなえる低価格イヤホンで、KZ史上最高クラスのコスパを誇ります。そこには癖やアクの強いKZ臭はほとんどなく、万人向きでかなりバランスが良いです。そしてお安い。
聴き比べてみましょう!
というわけで、早速それぞれの中華イヤホンを聴き比べてみましょう。
録音音源で使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
- KBEAR KS1
- KZ EDX
中域で穏やかな、柔らかい感触があり、耳に馴染む音に聞こえるのはKB EAR KS1だと思われますが、発色やディテールの細かさの点ではKZ EDXが良いと思うのではないでしょうか。ただし、マイクロディテールは良く聴いてみると、実際にはKS1のほうが優秀です。EDXは高域の粒立ちは少し抑えめですね。
EDXは人によって中高域付近が硬すぎるように聞こえる可能性がありますが、モニター的に聴きたいならおすすめできます。EDXよりもう少しほんわかして聴きたいという人にはKB EAR KS1が好ましく思えるでしょう。
なお低域はKZ EDXのほうが階層性に優れているので、見通しが良いと思う可能性が高いです。EDMを楽しむ場合は一般的に、KZ EDXのほうが満足度が高いような気がします。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio AmariとRME ADI-2 Pro FS R Black Editionを用いています。使用イヤーピースは標準イヤーピース(ブラック)のSサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- KB EAR KS1(RME ADI 2 pro FS R BE)
- KB EAR KS1(Antelope Audio Amari)
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- KB EAR KS1(RME ADI 2 pro FS R BE)
- KB EAR KS1(Antelope Audio Amari)
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- KB EAR KS1(RME ADI 2 pro FS R BE)
- KB EAR KS1(Antelope Audio Amari)
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- KB EAR KS1(RME ADI 2 pro FS R BE)
- KB EAR KS1(Antelope Audio Amari)
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- KB EAR KS1(RME ADI 2 pro FS R BE)
- KB EAR KS1(Antelope Audio Amari)
総評
KB EAR KS1はコスパに優れたボーカルホンです。それは温かみのある空間の中で、自然な質感のボーカルと楽器音を聴かせ、甘く調和的でノスタルジックな音楽を楽しませてくれます。兄弟機種のKZ EDXに比べると全体的に腰高で、さらにレンジ感で劣るために、とくにEDMやアニソンなどを好む人にはEDXのほうがよりおすすめできますが、アコースティックな音楽を浸って聞きたい人にはKS1がより馴染む音がするでしょう。
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