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JVC HA-SW01の概要
こんな人におすすめ
- 明るく朗らかな音が好き
- 音楽に包まれたい
- 高さの感じられる広い空間表現が好き
- クラシックファン
基本スペック
- 周波数特性:8~45kHz
- インピーダンス:56Ω
- 感度:105dB/1mW
- 価格帯:30000円~50000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:6.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 充実感が高いリッチサウンド
- 明るく高解像
- 降り注ぐような仰角感
- 爽快
- 包まれ感がある
- 調和的
- ウォームで聞き心地が良い
- 開放的な音場
短所
- 原音忠実的ではない
- よくない質感表現
- ブーミーで締まりのない低域
- 深みに欠ける低域
- 下位機種のHA-SW02との差が少ない
JVC HA-SW01の特徴
木の振動板が描き出す上質な響きと、豊かな臨場感
- 【VGP 2017SUMMER 受賞】(密閉型オーバーヘッド型ヘッドホン:7万円以上10万円未満部門)
- 木の振動版が描く上質な響きと、豊かな臨場感をもったWOODシリーズヘッドホンのプレミアムモデル。
- 音の伝搬速度が速く、余分な振動も適度に吸収する“木”は音楽を奏でる素材として、理想的な特性を備えています。
- スタンダードモデルで採用した技術をそのまま継承し、さらに厳選した音響ウッドパーツを投入し、クリアで繊細な高音質サウンドを実現。
- 上質で自然な響きを再現する、新開発“ハイレゾ対応大口径ウッドドーム振動板”を採用し、ハイレゾ音源の持つクリアで繊細な音を表現する高音質ヘッドホン。また大口径ならではの余裕のあるサウンドで高級な音をお楽しみいただけます。
- ハイレゾ音源に対応した、新しい木の振動板を採用。木ならではの自然かつ繊細な響きが描き出す、臨場感あふれる高解像度サウンドを実現。あたかも演奏者の前にいるかのような圧倒的臨場感を楽しめます。
- 付属品:着脱式ケーブル、キャリングケース
パッケージ(8.5)
パッケージは価格の標準を満たしています。全体的に高級な雰囲気があります。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- キャリングポーチ
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準以上です。
装着感(8.5)
イヤーマフはふかふかで装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
JVC HA-SW01はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回はFiiO M15で駆動してレビューします。
基本的な構造がほとんど同じせいか、JVC HA-SW01のサウンドバランスはHA-SW02とほとんど変わりません。響棒など部品点数が増えており、それが歪率や解像度などに影響を与えていると思われます。低域がHA-SW02よりも響くようで、コントラスト感の点でHA-SW01のほうが僅かに優れており、全体のバランスもより優れていますが、響棒のせいか、残響が少し増えているようで、解像度ではHA-SW02のほうが優秀です。ただ密閉型ヘッドホンは装着感による音質変化が大きいので、これらの特徴は装着感次第で変わる可能性もあり、実際のところ、多くの人にとってHA-SW01とHA-SW02はほぼ同等で変わらない製品と言えます。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(6.0)
- 原音忠実度:A
- 臨場感:C+
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B
HA-SW01の低域は浅めで、太さを重視した味付けになっています。
ブームが少し強く、ウォーム感も高くて、熱気を感じる低域でエレキベースは明るく、ブリブリとしたエッジが強調され、逆にドラムキックは重量感が薄く、踏み込みが軽い印象を受けます。ドラムとベースの分離は少し意識されていますが、引き締まりは悪い印象を受けます。
中域(9.5)
- 原音忠実度:B-
- 厚み:A-
- 明るさ:A
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は充実感を重視した高級リスニングヘッドホンらしい構造になっています。中域はステージングが強調され、豊かな響きが明るい位置で聞こえるように調整されています。
奥行き感があり、鮮烈さと豊かな響きを同居させた空間で、高い包まれ感のある懐の深いサウンドを聞かせます。解像度も高く、スピーカーを聞いているというよりは、スピーカーの中の世界に入り込んでしまうかのような、降り注ぐ音楽の奔流が感じられます。
HA-SW02とほぼ同じ中域表現ですが、HA-SW01のほうが響きが僅かに豊かで、引き締まり感がある一方、HA-SW02のほうが高解像で明るく聞こえるといった差を感じるかもしれません。しかし、その差は大きくなく、実質的にほとんど変わりません。
高域(9.0)
- 原音忠実度:C
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C
- 存在感:C-
HA-SW01の高域は鮮明感を重視してチューニングされており、空気感も十分で、澄みきるような感覚を得ることが出来ます。空間は明るく開けており、天井が高く、音がスッキリと抜けていく爽快さがあります。
高域を重視するなら、おそらく多くの人はHA-SW02のほうがわずかに軽やかで優れていると感じられるでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:D+
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:S
- 雅楽のテクスチャ:S
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
録音に忠実で、正確なオーケストラを聴きたいのであれば、JVC HA-SW01はまったくおすすめできません。しかし、この世のものとは思えないほど荘厳で気高く、印象的で、ゴシック建築のように明るく光が降り注ぐフルオーケストラに包まれたいなら、HA-SW01は最高のヘッドホンの一つです。そこにあるのは、おそらく他のヘッドホンでは聞けない、別次元のサウンドです。フルオーケストラの聞き方は一つではないのです。
HA-SW02に比べると少し重心が低く、安定感が出ており、少し定位感に改善が感じられますが、HA-SW02の高解像感はわずかに減り、朗らかさや軽さに欠ける感じになりました。HA-SW01のほうがそういう点でフルオーケストラを聞く上ではより正統派の表現に近づいていると思われますが、個人的にはHA-SW02のほうが好きですね。
雅楽はそれこそ天上から聞こえてくるような美しさです。このヘッドホン以外ではなかなか聞けないだろう音で、おすすめですね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:A
- 中域:A-
- 低域:B-
低域は浅く、全体的に腰高気味です。高域の抜けは良好で、奥行き感もあります。
クリア感は価格の標準以上です。
イメージング性能は価格を考えるとかなり優れています。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A+
雲間から降り注ぐ光のように、明るい音楽を豊かな雰囲気で浴び、包まれたいのなら、JVC HA-SW01をおすすめします。ただし、それは下位機種のHA-SW02とほとんど変わりがなく、より明るく高解像な音が好みならHA-SW02のほうが優れています。
音質的な特徴
美点
- 充実感が高いリッチサウンド
- 明るく高解像
- 降り注ぐような仰角感
- 爽快
- 包まれ感がある
- 調和的
- ウォームで聞き心地が良い
- 開放的な音場
欠点
- 原音忠実的ではない
- よくない質感表現
- ブーミーで締まりのない低域
- 深みに欠ける低域
- 下位機種のHA-SW02との差が少ない
明るく高解像
包まれ感がある
充実感が高いリッチサウンド
Re:ゼロから始める異世界生活 Coreful フィギュア レム~パックイメージver.~
人気シリーズ「コアフル」より、パックをイメージした衣装を着たレムが登場!
メーカーがもふもふの毛並みの質感再現とかわいらしさにこだわったモデルです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- JVC HA-SW01
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- JVC HA-SW01
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- JVC HA-SW01
総評
JVC HA-SW01は降り注ぐような音楽に包まれる豊かな音楽体験をもたらします。問題はHA-SW02とほとんど変わらないわりに比較的大きな価格差があることです。
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