免責事項
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JTS HP-565の概要
こんな人におすすめ
- 解像度重視
- 音楽に包まれたい
- 響きの豊かさ重視
基本スペック
- 周波数特性:20~20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:104dB/1mW
- 価格帯:3000円~5000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:6.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所
- 充実感が高いリッチサウンド
- 非常に優れた解像度
- 力感が豊か
- 甘くノスタルジック
- 包まれ感がある
- 調和的
- ウォームで聞き心地が良い
短所
- 原音忠実的ではない
- よくない質感表現
- ブーミーで締まりのない低域
- 深みに欠ける低域
- 付帯音が多く、濁って聞こえやすい
- 籠もって聞こえやすい
- 物足りない高域拡張性
JTS HP-565の特徴
JTSとは
1982年に台湾で設立されたマイク、ヘッドホン、イヤーモニター等の開発・設計を手掛けるメーカー。創業以来「技術力と美しいデザイン」をコンセプトに、独自の研究開発を続け、高性能かつスタイリッシュなデザインの製品を数多くリリース。初心者からプロまで幅広いニーズに対応可能なラインナップをリーズナブルな価格で揃え、世界各地の音響ファンを魅了しています。
JTS製モニターヘッドホン、「HP565」。高いコストパフォーマンスで人気のモニターヘッドホン「HP535」をベースに、中低域の厚みを増やしつつ、音の位置を把握しやすいバランスのとれたサウンドを実現。新型のドライバーユニットを搭載し、より豊かな音場と締りのある低域を再生します。
- ドライバーユニットに採用された40mm径の超薄型ダイアフラムは、音のレスポンスが非常に良く、引き締まった低音と粒立ちの良いクリアな高音域を余すことなく再生します。
- 高磁束密度を持つネオジウムマグネットドライバーは原音を忠実に再生し、価格以上の高いコストパフォーマンス性を実現。音の分解能力に優れ、レコーディングスタジオのモニタリング用としてはもちろん、ギターやベースなど楽器練習用としても最適です。バンドプレイの中でも各パートの存在を把握しやすく、演奏をしっかりと聴き取ることができます。
- 新しく開発された2重構造のフレキシブルイヤーパッドを採用。珍しい形をした2重のイヤーパッドは、周囲の音をしっかりとシャットアウトすると同時に音漏れもしっかりと防ぎ、周囲を気にせずリスニングに集中することが可能です。もっちりとした耳吸いつく様なフィット感で、耳に負担をかけること無く優れた遮音性能と心地よい装着感を両立しています。
パッケージ(7.5)
パッケージは価格の標準を満たしています。業務用製品なので、パッケージは簡素です。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- 3.5mm→6.35mm変換プラグ
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準以上です。
装着感(8.5)
イヤーマフは二重構造になっており、ふかふかで装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
JTS HP-565はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回はFiiO M15で駆動してレビューします。
JTS HP-565のサウンドは中域下部に強調のある、中域充実系のシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(6.0)
- 原音忠実度:C-
- 臨場感:C-
- 深さ:B+
- 重み:A
- 太さ:A
- 存在感:A
HP-565の低域は浅めで、太さを重視した味付けになっています。
ブームが少し強く、ウォーム感も高くて、熱気を感じる低域でエレキベースは明るく、ブリブリとしたエッジが強調されます。ドラムキックは重みがありますが、少し膨張的で濁って聞こえやすく、力感は豊かでも引き締まり感に欠ける印象を受けます。
中域(8.0)
- 原音忠実度:C
- 厚み:A
- 明るさ:A-
- 硬さ:B-
- 存在感:B
HP-565の中域は充実感とウォーム感を重視した厚みのあるサウンドで、モニターヘッドホンというよりは高級リスニングヘッドホンのような響きの豊かな空間が広がっています。
中域はステージングが強調されており、奥行き感が過剰に強調されています。充実感があるサウンドで頭が囲い込まれるような、包まれる感覚がありますが、ボーカルはふっくらとし、楽器のディテールはややぼやけます。透明感が物足りず、ドライに聞こえ、中域の立体感の再現度はよくありません。付帯音も多く感じられ、癖が強いサウンドです。籠もって聞こえる印象もあるでしょう。
一方で、鮮明感は高く解像度も高いため、ぼんやりした雰囲気がありながらも音のまとまりは良好です。一般的にスタジオモニターとしては同じ価格帯のClassic Pro CPH7000のほうが優れています。このヘッドホンはモニター的というよりはリスニング寄りに思えます。
高域(8.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
HP-565の高域は鮮明感を重視してチューニングされています。空気感は少し不足気味で、空間は閉じて聞こえます。
繊細さが感じられ、サ行ははっきりしていますが、ウォーム感が十分に強いため、耳に刺さる感じはありません。しかし、全体的にカサカサして聞こえます。
定位/質感
- 質感の正確性:D+
- 定位の正確性:C-
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:B
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
重厚で奥行き感のある表現が好きなら悪くありません。特等席というよりは二等席くらいの聞こえ方ですが、ダイナミックで響きも豊かに感じられます。しかし、質感はドライでみずみずしさに欠けるのは難点ですね。
篳篥の音にみずみずしさがなく、乾燥しており、和音もカサカサした音です。それでも和音に耳障りな感じは少なく、聞き心地は安定していますね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:B
- イメージング:A
- 高域:A+
- 中域:A
- 低域:B+
低域は浅く、中域で奥行き感が強調されます。高域の高さは少し物足りません。少し横長に聞こえますね。
クリア感は価格の標準か少し物足りないくらいです。
イメージング性能は価格を考えると抜群によく、ハイエンドクラスです。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B+
JTS HP-565の最大の魅力はハイエンド機種並の高い解像度ですが、サウンドバランスはモニター的とは言い難いですね。むしろ高級なリスニングヘッドホンにありがちな奥行き感重視の味付けです。ダイナミックで包まれ感も高い、なかなか没入感のあるサウンドを楽しめます。
音質的な特徴
美点
- 充実感が高いリッチサウンド
- 非常に優れた解像度
- 力感が豊か
- 甘くノスタルジック
- 包まれ感がある
- 調和的
- ウォームで聞き心地が良い
欠点
- 原音忠実的ではない
- よくない質感表現
- ブーミーで締まりのない低域
- 深みに欠ける低域
- 付帯音が多く、濁って聞こえやすい
- 籠もって聞こえやすい
- 物足りない高域拡張性
充実感が高いリッチサウンド
包まれ感がある
非常に優れた解像度
Re:ゼロから始める異世界生活 プレシャスフィギュア レム スポーティサマーver.
『Re:ゼロから始める異世界生活』より、レムがスピード感あるスポーティなコーディネートで登場!
きらりと眩しい笑顔、爽やかな風を感じさせる衣服、白く輝く胸元。元気でにこやか、真夏の太陽のように明るいレムをお迎えしましょう!
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- JTS HP-565
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- JTS HP-565
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- JTS HP-565
総評
JTS HP-565は奥行き感のある音場に豊かに響く力感の強いサウンドを聞かせます。解像度は非常に高いですが、クリアなサウンドとは言い難いため、モニターヘッドホンというよりもリスニングヘッドホンとして好まれる機種でしょう。
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