免責事項
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JPRiDE TWS-335の概要
こんな人におすすめ
- JPRiDEファン
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/25h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:214-112300
- 価格帯:3000円~5000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- 通信品質:8.5/10.0
長所
- 太さと重みに優れる
- 濃厚感がある
- 艶やかで華やかな中高域
短所
- 窮屈な音場
- 拡張性に欠ける
- もっさりしやすい
- アグレッシブすぎてうるさくなりやすい中高域
- 躍動感に欠ける
パッケージ(8.5)
価格帯では標準か少し上質なパッケージです。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- JPRiDE TWS-335本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース(3サイズ)
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
蓋のぐらつきはありません。ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(8.5)
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬通信が途切れますが、その後は問題なく音楽は再生され、途切れはありません。
ただし、私の手に入れた個体は通信が不安定なようで、レビューテスト中に特定の帯域の音がすっぽり抜けたりする珍しい症状が頻繁に見られました。レビューした機種も含めてかなりの数の完全ワイヤレスイヤホンを使ってきましたが、こういう症状は初めてですね。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | イヤホンをケースから取り出す |
電源OFF | イヤホンをケースに収納する |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納 ②両方のイヤホンをケースに収め、マルチファンクションボタンを8秒長押し |
曲再生/停止 | マルチファンクションボタンを2回タップ |
曲送り | 右のマルチファンクションボタンを3回タップ |
曲戻し | 左のマルチファンクションボタンを3回タップ |
音量+ | 右のマルチファンクションボタンを1回タップ |
音量- | 左のマルチファンクションボタンを1回タップ |
通話応答 | マルチファンクションボタンを1回タップ |
通話終了 | マルチファンクションボタンを1回タップ |
通話拒否 | マルチファンクションボタンを2秒長押し |
音声アシスタント機能 | 右のマルチファンクションボタンを1.1秒長押し |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。
オーディオステータス
音質解説
JPRiDE TWS-335は厚みと重みのある低域を重視したドンシャリサウンドを持っています。低域が強調されているわりに、深みに欠けるのが少し好みを分けそうですね。音楽が全体的に窮屈に聞こえやすい傾向があります。
以下のレビューはFiiO M15にSBC接続でつないでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:A+
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A
TWS-335は量感的に低域を重視しているようですが、その低域があまりパッとしません。
重みと太さを重視しているようですが、深さに欠けるので腰高、浮き上がり気味に聞こえやすい低域です。中域と繋がりは良いですが、いわゆるモコモコしやすい音で、階層性に優れていません。全体的に浅く、音場の手前付近でもっさりした音を聴かせてくる傾向があります。
思ったより籠もりは感じませんが、沈み込みも悪く、面白みに欠ける低域です。エレキベースに深みや黒みが感じられないので、コントラスト感も悪く、音楽全体の表現に深みが出ません。
中域(8.5)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B-
- 存在感:B
中域は凹んでいますが、厚みがあり、ボーカルは近くに聞こえるので充実感があります。透明度も高く思えますが、ボディは薄っぺらく聞こえやすいのが難点ですね。
中域全体はゆるやかに奥行きを出してステージ感を出すことを狙っているようですが、中高域が出張っているので、ボーカルのすぐ上でガシャガシャした音が聞こえやすく、空間的余裕があまり感じられません。ボーカルと楽器のセパレーションはあまり良くないでしょう。
全体的に密度感が高く感じられます。人によってはかなり聞き疲れしやすいかもしれませんね。
高域(8.0)
- 原音忠実度:A-
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B
- 脆さ:C+
- 荒さ:C
- 繊細さ:C
- 存在感:C+
TWS-335は艶を強調する高域を持っており、少し派手に聞こえやすいところがあります。ボーカルがシャウティに聞こえやすく、ツ音が尖りがちに聞こえる傾向があります。
高域は比較的高くまで伸びているようですが、存在感の点で劣位に置かれているので、実際にはその高さはほとんど印象に残りません。
風通しも実際はあまり良くなく、ガシャガシャした派手な音が耳に残りやすいですね。テクノやエレクトロニカは印象的に聞こえる可能性がありますが、個人的にはうるさいだけに思えます。音楽表現が全体的にアグレッシブに聞こえすぎる傾向がありますね。
定位/質感
- 質感の正確性:B-
- 定位の正確性:B-
- オーケストラのテクスチャ:C-
- 雅楽のテクスチャ:C+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
オーケストラは全体的に少し窮屈に聞こえますね。バイオリンはのびやかさに欠け、ダイナミズムに欠けます。また、これは私の個体だけの可能性がありますが、リンギングするようなカチカチした音が頻繁に聞こえます。
雅楽も妙に抜けが悪く、笙の和音の上あたりから音が急速に静かになるので、のびやかさ・快活さに欠け、妙に華やかでハリがあるのに、肺活量が足りなくて音が先細りするような、なんだか元気のないサウンドです。竜頭蛇尾といった感じですね。
音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B+?
深みに欠け、高さもあまり印象的ではなく、奥行きや幅も平凡に聞こえます。
通信不安定のせいで、THDはまともに測定できませんでした。評価はREWの測定結果からの推定です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:D
- 個人的な好み:D
私の手に入れたJPRiDE TWS-335は不良品だった可能性が高いということは差し引く必要がありますが、TWS-335のサウンドは正直、一昔前の中華製ワイヤレスイヤホンみたいな深みのない低域を強調して聞かせる、あまり面白みのないサウンドです。
濃厚感のあるリッチサウンドが好きなら悪くありませんが、個人的にはとくにおすすめするところはないですね。実際のサウンド構造はドンシャリなのに妙に中域に音が集まって聞こえやすく、かまぼこのように聞こえる傾向があります。
音質的な特徴
美点
- 太さと重みに優れる
- 濃厚感がある
- 艶やかで華やかな中高域
欠点
- 窮屈な音場
- 拡張性に欠ける
- もっさりしやすい
- アグレッシブすぎてうるさくなりやすい中高域
- 躍動感に欠ける
濃厚感がある
太く重い低域
印象的な中高域
総評
私の手に入れたTWS-335は不良品だった可能性が高いですが、おそらく完動品でもそれほど魅力的な機種ではないだろうと予想します。そのサウンドは拡張性に欠ける低域重視のドンシャリサウンドで、太く濃厚感があるのは良いですが、ダイナミズムに乏しく、躍動感に欠けるので、これで聴く音楽には活力が足りず、面白みに欠けます。
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