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IN2UIT C501の概要
こんな人におすすめ
- 明るいサウンドが好き
- ボーカルを詳細に聴きとりたい
- 包まれ感重視
- 解像度重視
基本スペック
- 再生周波数:18Hz-35000Hz
- インピーダンス:不明
- 感度:105dB
- 価格帯:10000円~20000円
- パッケージ:7.0/10.0
- ビルドクオリティ:7.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:6.0/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 優秀な解像度
- 明るい中域
- 中域への適切なフォーカス
- 響きが豊かで没入感がある
- まろやかでメロウ
- 包まれ感がある
短所
- 低域の深さに欠ける
- 質感の正確性の不足
- わかりづらい定位感
- 構築感の不足
IN2UIT C501の特徴
- 最新のハイブリッドエレクトロスタティクテクノロジーによる超クリアかつ自然でダイナミックな音を再現(最大35,000 Hz)
- 持ち運びやすく耳をすっぽり覆うイヤーパッドの圧力緩和クッションにより長時間の使用でも快適な使用感を実現
- 特別仕様の40mmドライバーユニットが力強い低音を演出
- クローズドアコースティックデザインによる重低音とノイズアイソレーション効果
- Windows、アップル、アンドロイド、ブラックベリー製品に対応
パッケージ(7.0)
もともと1万円以上で売られている機種なので、それを考えると、パッケージはちょっと貧相ですね。6.35mm用のアダプターはついてません。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- 説明書
RMEオーディオインターフェイスの新たなスタンダードモデル。最大20の録音チャンネルと20の再生チャンネル、SteadyClock FS、高性能マイク入力、内蔵パラメトリックEQ、USB録音機能、全ての機能を制御可能なスタンドアローン・モード機能を搭載。多彩な入出力に、プロフェッショナル・レコーディングを実現するスペック、RMEの定評ある安定性、必要な全てを備える機能群。それらをハーフラック・サイズに凝縮したRMEの新定番。
大ヒットのBabyface Proをさらに洗練させた後継モデル。
「SteadyClock FS」の搭載によって、1000 兆分の1 秒 (フェムト秒) 単位での正確なDAコンバージョンを実現。よりクリーン、より高解像のサウンドを提供します。
ADI-2 Pro FS と同じオペアンプを使用し、出力THDが最大10dB改善。また、ヘッドホンアンプとしての性能が大きく向上。3.5mmのヘッドホン出力は最大90mWまで対応し、出力インピーダンスは2Ωから0.1Ωまで減少しています。妥協のないサウンドを追及した傑作のUSB バスパワー対応オーディオインターフェイスです。
最大サンプルレート768kHzならびにDSDの再生/録音にも対応した超高精度AD/DAコンバーターであるADI-2 Proは、USB DAC、USBオーディオインターフェイス、さらにハイエンドなヘッドフォン・アンプとしても今までにない品質で提供するためにデザインされました。「ADI-2 Pro FS R Black Edition」は、S/N比が117 dBから120 db (123dBA) に向上し、歪みはフル・デジタル・レベルで-120 dB に改善されています。アナログXLR、RCA出力には2.5 dBのヘッドルームが追加され、歪みのないサンプル間ピークの上限が+4 dBFSにまで引き上げられます。また、ADI-2 DAC FSで採用された高機能で便利なマルチ・リモート・コントローラーが付属します。
ビルドクオリティ(7.5)
ビルドクオリティは価格の水準を満たしています。ただ、全体的に安っぽい感じがあります。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
ルイジアナ州で設立されたPreSonus Audio Electronicsは、プロクオリティのオーディオ製品をハイコストパフォーマンスで提供し、世界各国のオーディオ・プロフェッショナル、ミュージシャン、アマチュアから高い評価を受けています。 DAWシステムのコントローラーやソフトウェアから、スピーカー、デジタルミキサーまで、長年培ってきた技術と実績により、業界でも最高水準の品質・信頼にて斬新な製品を提供しています。
PRESONUSのオーディオインターフェイスは、クオリティとコストパフォーマンスを両立したStudio USB-Cシリーズや、iOSなどのスマートデバイスにも対応した携帯性に優れるAudioBoxシリーズを始め、信頼性と時代を先駆ける斬新さを兼ね備えた多様な機種が提供されています。多数ある中から最適な機種をお選びいただけるよう、性能や機能の違いが一目でわかる比較表をご用意しました。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
IN2UIT C501はアンプの出力インピーダンスの影響を受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回はFiiO M15につないでレビューしています。
IN2UIT C501は中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:A+
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:B
IN2UIT C501の低域は比較的深くまで直線的に伸びています。
バスドラムの太さと重みは悪くありませんが、深さに欠け、ランブルは弱めです。
エレキベースは黒さに少し欠け、引き締まりは悪くはありませんが、やや明るめでじんわりとしたエッジのサウンドで聞こえます。
全体的に中域を邪魔しない存在感に調整されている低域で、フラットスピーカーに近いバランスが好きなら悪くありませんが、低域好きには物足りないでしょう。
中域(7.5)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:A-
- 明るさ:A
- 硬さ:B+
- 存在感:B
IN2UIT C501の中域は中心部がかなり前面に出てきて非常に明るく聞こえますが、質感はあまり正確ではありません。
有料記事で制動特性を見ればわかりますが、ちょうど中域真ん中付近で2つの静電型ドライバーがクロスオーバーしているようです。そのため、中域のちょうど中心部付近にクロスオーバー歪があり、透明度に悪影響を及ぼしています。この歪はC501の中域に温かみのある雰囲気を生み出す一方、背景との分離を悪くしており、透明感の不足を招いています。
また、制動特性を見ればわかりますが、中域中心部はアンプ側の出力インピーダンスによって顕著に変化するため、なるべく出力インピーダンスの低いアンプでの駆動が推奨されます。ヘッドホンにしては珍しいほど上流を選ぶ機種と言えるでしょう。
C501の全体の中で中域のウェイトはかなり大きいため、一般にボーカル音像は大きめに聞こえます。包み込んでくる感覚があるので、高い充実感が得られますが、エッジ感やクランチ感はかなり極端に不足するため、構築感に欠けます。
スネアがとくに顕著で、かなりキレが悪く、妙に柔らかい、たるんだ音で聞こえる傾向があり、どの音も輪郭がかなり丸く耳当たりも優しいので、全体的にまろやかでメロウですが、分離感が悪く思えるという人は多いでしょう。
響きが豊かで没入感もあり、解像度も高いため、包まれ感と奥行き感がある音場で、まどろむように音楽を楽しめます。ただ、ディテールなどはかなり不足しがちなため、音楽の細部の再現度は期待できません。基本的に音がダマになって聞こえますし、お風呂場で音楽を聴いているような感じに近い、定位や分離がわかりづらい音に聞こえると思われます。
濃厚でノスタルジックなところも感じられるサウンドですが、原音忠実主義者のオーディオマニアにはあまり好まれそうにありません。
高域(6.0)
- 原音忠実度:C+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:C-
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:D+
静電型ドライバーハイブリッドであるにもかかわらず、高域は基本的にエネルギーが足りていません。世間では静電型ドライバーと聴くと、漠然と繊細なサウンドを提供するイメージを持っている人も多いでしょうが、少なくともC501は精細感のあるヘッドホンではありません。
シングルダイナミックドライバーのヘッドホンより存在感が薄い高域なので、ハイブリッドにする意味があったのか非常に疑問です。むしろハイブリッドにしたことによる歪の増大や制動特性の不安定化によって、デメリットのほうが目立つ結果になっているように思えます。
とにかく高域に敏感な人にも十分にセーフティと言えるほどなので、聞き心地が良いのは美点ですが、ディテールや拡張性といった高域に期待される要素のほとんどが不足しすぎています。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:D
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
これでフルオーケストラや雅楽を聴くのはおすすめしません。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B-
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:A+
- 中域:A
- 低域:B-
低域の深さは標準より物足りず、中域は前面に近く、高域の高さは標準より少し物足りません。
クリア感は価格以上です。
イメージング性能は抜群に近いです。中域の解像度が高いですね。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:D+
- 個人的な好み:D+
まともな音楽鑑賞に使えるヘッドホンを探しているなら、IN2UIT C501は少なくともそういうヘッドホンではありません。基本的に音の癖が強すぎ、どんな曲もお風呂で聴くような感じで聞こえます。
一方で、エコー感のある響きの中に包まれるような音響体験が好みなら、C501は魅力的な選択肢となるかもしれません。
ただし、お風呂場で聴く自分の歌声が下手ウマに聞こえるように、どんな曲も濃厚でリッチに聞こえる反面、正確性に欠ける表現になりがちです。
音質的な特徴
美点
- 優秀な解像度
- 明るい中域
- 中域への適切なフォーカス
- 響きが豊かで没入感がある
- まろやかでメロウ
- 包まれ感がある
欠点
- 低域の深さに欠ける
- 質感の正確性の不足
- わかりづらい定位感
- 構築感の不足
- ディテール不足
- 高域拡張性の不足
- 分離感が悪い
- 安定しない制動特性
響きが豊か
明るい中域
没入感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + Loxjie D30を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- IN2UIT C501
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- IN2UIT C501
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- IN2UIT C501
総評
IN2UIT C501は静電型ハイブリッドという珍しい構成を持つヘッドホンです。中域を音像大きめに明るく聞かせてくれる没入感のあるサウンドが魅力、豊かな響きに包まれて音楽を楽しみたいという人には興味深い選択肢かもしれません。高解像度なのも美点でしょう。ただし、高域の出来があまりよくなく、人を選ぶところのあるサウンドであることには注意が必要です。
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