免責事項
- このレビューはIKKO Audioから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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IKKO OH1Sの概要
こんな人におすすめ
- スピード感があるサウンドが好き
- 明るくキラキラした音が好き
- 歯擦音が気にならない
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~40kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:109dB/mW
- ケーブルコネクタ:MMCX
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
長所
- 繊細で詳細
- 明るい
- 輝度が高くきらびやかな音
- 比較的自然な質感
- ディテール感
- ビルドクオリティ
- パッケージクオリティ
短所
- 歯擦音が強すぎる
- シャウティ
- 充実感に欠ける
- 細い音
- 没入感に欠ける
IKKO OH1Sの特徴
- 独自特許SVASテクノロジー:IKKOのIEMは、独自の分離型ベクトル音響システム技術を採用し、精密に設計されたキャビティ構造により、音の大きさ、反射、拡散の角度を変え、限られたスペースの中でユニットの性能を最大限に発揮します。
- 1dd+1baハイブリッドドライバー:32Ω10mm蒸着カーボンナノダイナミックコイルとKnowles 33518ユニットのハイブリッドドライバーにより、3つの周波数をバランスよく配置し、インイヤーヘッドホンでは樹脂と航空グレードのアルミニウム合金をサウンドキャビティとして使用し、物理的な周波数分割効果を実現しています。音源ユニット間の相互干渉を最小限に抑え、よりピュアで透明感のあるサウンドを実現しています。
- ユニークな外観デザイン:oh1s in-ear headphonesは、ユニークな混合素材の外観デザインを採用しています。樹脂と金属を組み合わせることで、軽量化を実現しました。イヤホンの音の出口を楕円形にすることで、人間工学に基づいたデザインを実現し、装着時の快適性を向上させました。oh1sは特殊な樹脂素材を使用しており、効率的な音響制動を実現しています。
- 取り外し可能なmmcxケーブル:oh1sのアップグレードケーブルは、127umの高純度単結晶銅に銀メッキを施した磁性体コアで構成されており、高忠実度のサウンドデータ伝送を実現しています。また、二重に編み込まれたワイヤーと完全なラップデザインにより、ケーブルの巻き取り問題を効果的に解決し、ケーブルの軽量化を実現しています。
- 豊富な付属品:6サイズのシリコンイヤーチップ、3サイズのスポンジ(i-Palnet)、収納ボックス、ロゴブローチ。ikkoは、高品質なアフターサービスを提供していますので、安心してお選びいただけます。
IKKO OH1S
¥22,980
パッケージ(8.5)
ビルドクオリティ(9.0)
外観のビルドクオリティは価格を考えると優れたレベルです。
装着感(9.0)
耳への収まりは比較的良好です。装着感は良いでしょう。
IKKO OH1S
¥22,980
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
IKKO OH1Sはアンプ側の出力インピーダンスの影響が十分に大きい場合、低域と高域で影響を受けるようです。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
全体の原音忠実度が高く、聴感上のニュートラルに近いサウンドなので、モニター的と言えるサウンドですが、高域が強調されすぎており、歯擦音や刺さりがきついという固有の欠点があります。高域の聴覚が減衰している人には素晴らしいイヤホンに思えるかもしれませんが、普通の人には曲によって耳を殺されるように感じるほど刺激が強すぎるイヤホンです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:C+
- 深さ:B-
- 重み:B
- 太さ:B
- 存在感:B-
IKKO OH1Sの低域の不足は明らかです。
低域は必要量を満たしているとは言えず、底は浅く、音楽に深みがありません。私には全体的に軽い音に聞こえます。
重低域の存在感は弱く、ストンと落ちるモニタースピーカーのような低域です。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域は明るく、見通しよく聞こえます。質感も比較的自然です。
しかし、高域と低域のバランスが取れていないために、女性ボーカルはとくにシャウト感が強く、不自然です。歯擦音は尖り、サ行は刺さりやすく、子音がきつく聞こえ、アイドルソングはほとんどの曲で聴くに堪えません。
楽器音のアタックは強く、ハリとキレがあり、気持ちが良いのでインスト曲のモニター用としてはかなり良いですが、ボーカルものは欠点が目立ちすぎ、聴き心地も安定しないのでほとんどおすすめできません。低域が不足しているので、音楽表現も薄っぺらく聞こえやすいです。
高域(7.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B+
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C+
- 存在感:B
高域はIKKO OH1Sの欠点となっています。
それは単純に輝度が高すぎ、歯擦音が強く、多くの人には刺さりがきついサウンドです。多くの人には音量を上げるのが苦痛でしょう。
私は比較的音量小さめで聴く傾向があるので、高域のきつい感じはそれほど感じませんが、小音量では低域が不足しすぎて薄っぺらく聞こえる別の問題があります。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:A+
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:C+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
フルオーケストラは中域の質感が比較的正確で定位も良く、繊細でアタックが強く勢いがあり、力強く聞こえますが、重厚感に欠けます。またシンバルが強く聞こえすぎる固有の欠点があります。そのため、多くの曲で音が明るすぎて落ち着きがないように走って聞こえ、シンバルのある曲ではガシャンガシャンとやかましい音が雰囲気を台無しにします。
雅楽も和音がうるさく聞こえやすく、風雅さのかけらも感じられません。おすすめできませんね。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B+
低域と高域で拡張性が足りておらず、そのせいで中域がうるさく聞こえやすいですね。
クリア感は価格を考えると標準レベルです。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B+
高域が聞こえづらいと普段思っている人にはかなり良い機種です。それは繊細で明るいブライトサウンドを提供してくれますし、中域の質感は自然です。スピード感があり、荒々しいサウンドが好きなら悪くありませんね。
一般の人にはきつすぎる音でしょう。とくに歯擦音は強すぎです。モニターイヤホンとしては使い道がありそうですが、刺激が強く聴き疲れやすい音なので、長時間のリスニングには向きません。
もちろん、高域の刺激に敏感な人には全くおすすめできません。
音質的な特徴
美点
- 繊細で詳細
- 明るい
- 輝度が高くきらびやかな音
- 比較的自然な質感
- ディテール感
欠点
- 歯擦音が強すぎる
- シャウティ
- 充実感に欠ける
- 細い音
- 没入感に欠ける
繊細で詳細
明るくキラキラしている
ディテール感がある
IKKO OH1S
¥22,980
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。出力インピーダンスは-0.3Ωで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- IKKO OH1S
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- IKKO OH1S
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- IKKO OH1S
IKKO OH1Sの関連記事
IKKO OH1Sは非常に有能なモニターイヤホンでディテール再現度に優れており、分離感も高いので一音一音を詳細に把握することができます。ただし、低域は弱い傾向にあり、歯擦音や刺さり感が強い傾向にあるので、少し聴き疲れしやすく、人によっては不快感の高い音に聞こえる可能性があります。
この機種はIKKO OH1とはサウンド傾向が異なるため、そのアップグレード版ではなく、どちらかというとサイドグレードの機種になります。使い分けできるという点ではポジティブ要因ですね。
総評
IKKO OH1Sはブライト系モニターイヤホンと言える音で、多くの楽曲を原音忠実性が高く、詳細に聞かせます。しかし、歯擦音が強すぎ、荒々しく聞こえすぎる傾向があり、録音音源の品質に寛容ではありません。低域は薄っぺらく、聴き疲れしやすい傾向があり、人を選ぶイヤホンです。
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