免責事項
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HiFiMAN RE2000 Silverの概要
こんな人におすすめ
- 艶やかなサウンドが好き
- HiFiMANファン
基本スペック
- 周波数特性:5Hz~20kHz
- インピーダンス:60Ω
- 感度:103dB
- ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
- 価格帯:50000円~100000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:7.5/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
長所
- 艶やかな音
- 明るい
- 軽快なサウンド
- ディテール感
短所
- クリア感に欠ける
- 充実感に欠ける
- 細い音
- 没入感に欠ける
- イメージング能力が低い
HiFiMAN RE2000 Silver
¥85,800
パッケージ(7.5)
ビルドクオリティ(8.0)
外観のビルドクオリティは悪くありません。価格を考えると十分でしょう。
装着感(9.0)
耳への収まりは比較的良好です。装着感は良いでしょう。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
HiFiMAN RE2000 Silverはアンプ側の出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。出力インピーダンスは30Ω以下のアンプで駆動することが推奨されますが、それ以上のアンプで鳴らしてもサウンドバランスが違って聞こえることはないでしょう。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップのWフランジ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
全体のシグネチャーはRTINGSターゲットに近いV字型というかM字型をしています。こういうM字型シグネチャーはわりと一般受けが良いらしく、オーディオマニアは中域の音像が劣化するので嫌いますが、力感が良好で聴き心地がよいので、一般消費者は好んで買う傾向があります。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:A-
HiFiMAN RE2000 Silverの低域は全体の中ではプレゼンスが強めですが、質はあまり良くありません。
重みはありますが、一般に浅く、引き締め感がいまいちで、一般に明るすぎ、軽っぽい音になります。
少なくとも5万円以上クラスの低域ではありませんね。
中域(7.0)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域はV字型の谷が極端になっているため、特有の欠点があり、音像に一貫性がなく、中心部が暗く聞こえます。
ボーカルは軸が弱く、ドライで上ずって鼻にかかって聞こえやすいですね。楽器音もカサカサしやすく、バイオリンは少しヒステリックでピアノは薄っぺらく、安い音に聞こえます。低域の引き締まりも悪いところもあって、音楽に深みがありません。
高域(8.0)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C-
- 存在感:B-
高域は妙にシャカシャカして聞こえますね。
高域は鮮明感が高いので、第一印象は良好に思えることが多いですが、聴き込むとシャカシャカして薄っぺらく、スネアはカタカタうるさげです。明るい音の割に歯擦音やサ行の刺さりはよく抑えられているので、聴き心地は悪くありませんが、殆どの曲でスネアとシンバル、アコースティックギターのぎらつき感が主張しすぎる傾向があり、音が全体的に金属的で人工的です。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:C-
- 雅楽のテクスチャ:D
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
RE2000 Silverの高域は軽っぽい上に薄っぺらく、金属的で中域の質感も不自然なため、これでクラシックを聞くのは個人的に不快でしかありません。シンバルがうるさすぎますしね。
雅楽も軽っぽい上に、全体的に肺活量が足りていないような雰囲気で聞こえやすく、龍笛がヒョロく力強さに欠け、無理に音を出しているようで聞き苦しいですね。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B-
中域の不自然さのためと中高域の強調が強いため、音場は不自然に聞こえます。高域の拡張性は十分ですが、低域は浅いですね。
クリア感は価格を考えると物足りないでしょう。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:C+
- 個人的な好み:D
中高域の艶やかな音が好きなら悪くありませんが、多くの人にとってHiFiMAN RE2000 Silverはレンジ感に劣り、イメージングも悪く、良い音とは言い難いです。
たしかに、コンシューマー向きのM字型サウンドと中高域の強調は一部の曲を聞いたとき、第一印象で好ましく思えるかもしれませんが、複数のジャンルを試せばその欠点は自ずと明らかになります。
イメージング能力の低さを考えても、とても価格相応の製品とは言い難いでしょう。
音質的な特徴
美点
- 艶やかな音
- 明るい
- 軽快なサウンド
- ディテール感
欠点
- クリア感に欠ける
- 充実感に欠ける
- 細い音
- 没入感に欠ける
- イメージング能力が低い
艶やかな音
軽快なサウンド
ディテール感がある
HiFiMAN RE2000 Silver
¥85,800
HiFiMAN RE2000 Silver
¥85,800
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。出力インピーダンスは-0.3Ωで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN RE2000 Silver
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN RE2000 Silver
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN RE2000 Silver
総評
HiFiMAN RE2000 Silverは艶やかな音が特徴的で、第一印象の鮮明感の高さが魅力です。ただ、聞き込んでみると、イメージング能力の低さや価格を考えるととても優れてるとは言えないオーディオスペック、癖の強いところが気になってくる機種で、オーディオチェーンの主軸になれるようなイヤホンでないことはすぐに明らかになるでしょう。これに8万円の価値はおそらくありません。
HiFiMAN RE2000 Silver
¥85,800
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