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静電型ヘッドホン HiFiMAN Jade IIの概要
こんな人におすすめ
- のっぺりした音が好き
- サウンドバランス重視
- HiFiMAN信者
基本スペック
- 再生周波数:7Hz-90000Hz
- バイアス電圧:550V-650V
- 価格帯:100000円~200000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.0/10.0
- 高域:7.0/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:7.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所
- フラットなサウンドバランス
- 平面的な音
- 聴き心地が良い(解像度が低いので)
- 良好な質感
- 良好なレンジ
短所
- 低すぎる解像度
- クリア感に欠ける
- あらゆる音に立体感が感じられない
- 全体的に精彩に欠ける音
- 総じて全く価格に見合わず、数千円以下の機種にも劣る音質
- 場所をとる
静電型ヘッドホン HiFiMAN Jade IIの特徴
前モデルの高い評価をベースに 大きな音質の向上を果たした静電型ヘッドフォン&アンプシステム
HIFIMAN 初の静電型ヘッドフォン&アンプシステムである Jade が発売されると、その自然で広がりのある音場に惹かれた多くのオーディオファンと音楽ファンの間でまたたくまに人気機種となりました。この新しい Jade II は何年もの研究開発から生まれた、その名を継ぐにふさわしい後継機です。世界中何百万もの音楽ファンに十分手が届く価格を保ちながらも、前モデルの高い評価をベースに大きな音質の向上を果たしました。
- Jade II は至福の音を提供するとともに、光沢のある Jade グリーンから濃い紫へと角度によって変化する見た目にも魅力的なドライバーを採用しています。
- 静電型ヘッドフォンならではのスピードと細部表現力超低音域の深みから 90Khz の超高域まで。HIFIMAN の楕円形のイヤカップが最大限の広さを持つ振動板を可能にしました。
- Shangri-La Jr から受け継いだナノテクノロジードライバーと超薄型のダストカバー
- 開放型のデザイン。自然で包み込まれるような音の豊かな広がりがリスナーを音楽の特等席へと誘います。
- Jade II ヘッドフォンは軽量設計により 365g の重さしかありません。快適なヘッドバンドと大きなイヤパッドは何時間ものリスニングができるような快適性を提供します。
- システムの心臓部。ミニマル主義に基づいたモダンなインダストリアルデザインの本体に静電型のパワーが内包されています。
- その他:Jade II は他の HIFIMAN 製の静電型ヘッドフォン及び静電型用アンプと完全な互換性があります。これはユーザーがより良い音を求めるためにどのような組み合わせをすることも可能であることを意味しています。
パッケージ(7.5)
パッケージは価格の水準を満たしています。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- 専用アンプ
- 説明書
ビルドクオリティ(8.0)
ビルドクオリティは価格の水準を満たしています。
装着感(8.0)
装着感は快適ですが、頭が小さめの人には少し大きすぎる可能性があります。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回はFiiO M15につないでレビューしています。
HiFiMAN Jade IIはフラットなサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.0)
- 原音忠実度:B+
- 臨場感:C
- 深さ:B
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:C+
HiFiMAN Jade IIの低域は十分直線的ですが、深さで物足りません。
ドラムキックは太さは感じられるものの、重みは不足しがちで、生々しさがなく、エレキベースも腰高で広がりに欠けます。
中域よりは存在感が弱めで、人によってはスカスカに感じるかもしれませんが、モニター的な低域が好きな人には好まれる可能性があります。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:A-
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B
中域は前面に出てきて、非常に明るい位置で聞こえます。
Jade IIの中域は非常にフラットでバランスよく聞こえますが、透明度が非常に低く、階調感に欠けるため、ボーカルをはじめあらゆる表現が非常に平面的で奥行き感がない音で聞こえます。
曲の立体感を引き出すことが苦手で、どんな曲を聴いてものっぺりしており、面白みがありません。
その表現力は基本的に数千円クラスのヘッドホンにすら劣ります。
高域(7.0)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:A-
- 脆さ:C+
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C
- 存在感:C
高域は非常にフラットに高い位置まで伸びています。バランスだけは良いのですが、全く解像度が低いので、表現が平面的で繊細さに欠けます。
静電型ヘッドホンの音に細やかな繊細さと解像感を期待している場合、Jade IIはそのような期待には全く応えることができません。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:C+
- オーケストラのテクスチャ:C
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
基本的に解像度が低すぎ、全体のバランスは良いですが、平面的で立体感のないフルオーケストラになります。とても10万円以上するヘッドホンの音とは言えないでしょう。
雅楽も立体感に欠け、凡庸です。全体的に平板で、楽器音の音色の違いを細やかに表現することができず、どの音も厚塗りされたようにのっぺりして聞こえます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B
- イメージング:B-
- 高域:B-
- 中域:B
- 低域:C+
低域の深さは少し物足りません。中域は前面に出てきます。高域の高さは標準以上です。
クリア感は価格の水準を考えると物足りません。また適正音量以上で露骨に歪みます。
イメージングは価格を考えると非常に物足りず、エントリークラス以下です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:D-
- 個人的な好み:D-
駆動に専用アンプが必要で、無駄に場所をとり、設置や使用の自由度が極端に低いうえに、総合的な音質はエントリークラス以下という駄作です。全くお勧めできません。
音質的な特徴
美点
- フラットなサウンドバランス
- 平面的な音
- 聴き心地が良い(解像度が低いので)
- 良好な質感
- 良好なレンジ
欠点
- 低すぎる解像度
- クリア感に欠ける
- あらゆる音に立体感が感じられない
- 全体的に精彩に欠ける音
- 総じて全く価格に見合わず、数千円以下の機種にも劣る音質
フラットなサウンドバランス
良好な質感とレンジ
聴き心地が良い
Re:ゼロから始める異世界生活 Coreful フィギュア レム~パックイメージver.~
人気シリーズ「コアフル」より、パックをイメージした衣装を着たレムが登場!
メーカーがもふもふの毛並みの質感再現とかわいらしさにこだわったモデルです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN Jade II
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN Jade II
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- HiFiMAN Jade II
総評
価格を考えると信じられないほど音が悪いです。これよりははるかにまともなHiFiMAN Aryaを検討することをお勧めします。
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