免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにHidizsから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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Hidizs MD4の概要
こんな人におすすめ
- 1つのイヤホンでいろんな音を楽しみたい
- デザイン重視
- Hidizsファン
基本スペック
- 再生周波数:20-40000Hz
- インピーダンス:8Ω
- 感度:102±1dB
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.0/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
長所
- 4種類の多彩なサウンド
- 良好な原音忠実度
- 高解像
- 良好な高域拡張性
- 良好なビルドクオリティ
短所
- クリア感に欠ける
- 不正確な質感
- 低域の不足
- 不自然な倍音
- 直線性に欠ける
Hidizs MD4の特徴
- 4つのカスタム設計されたBAドライバー
- 4つのチューニングスタイル
- 3ウェイクロスオーバー
- 高精度3Dプリントストレートアコースティックサウンドチューブ
- マルチメタルボディ
- プレミアムケーブル編組、クアッドコアシルバーおよびOFCワイヤー
- 取り外し可能な0.78mm2ピン金メッキソケット
4つのカスタム設計されたBAドライバー-HIDIZSゴールドエフェクト
4つのHidizsカスタムバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせて-Hidizsプロフェッショナルオーディオチームによって長年にわたって開発および調整され、進化したサウンドレンジパフォーマンスを備えたアコースティックチャームを提供します。
- 高周波用の1つのカスタムBAドライバー:より高い解像度とより多くの拡張、より鮮明なサウンド、そしてより豊かなディテールを手に入れましょう。
- ミッドレンジ用の1つのカスタムBAドライバー:ミッドレンジ用のより多くのボディ、より多くのパワー、そして存在感。 酔わせるような質感、信じられないほどのボーカル。
- 低周波数用の2つのカスタムBAドライバー:より厚い低音を刺激するダブルパワー、信じられないほどの深さ、タイトなレスポンス、そして豊かな質感。
高精度3Dプリントストレートアコースティックサウンド構造
再設計された内部オーディオ伝送構造、高精度3D印刷ストレートアコースティックサウンドチューブは、カスタム設計された4-BAドライバーの継続的でクリーンなオーディオ出力を保証し、複数のドライバー間のサウンドのオーバーラップと干渉を低減します。
効果的に音の密度を高め、歪みと倍音の共鳴を減らします。
正確なオーディオクロスオーバー、優れたパフォーマンスとレイヤリングを保証します!
3ウェイクロスオーバー
MD4は、さまざまな周波数帯域の接続を正確に計算し、高、超高、中、低の周波数を合理的に割り当て、すべての精度と明瞭さを向上させ、相互にバランスを取り、調和させます。
Hidizsの音響チューニングにおける数十年の経験により、さまざまな周波数帯域でMD4の卓越したパフォーマンスが保証されます。
バランスドアーマチュアドライバーIEM「Hidizs MD4」は野心に満ちており、さまざまなリスニングの好みや、時間の経過に伴う好みの変化に対応します。
4つのサウンドスタイル間で切り替え可能
2レベルのチューニングスイッチを備えた4つの異なるサウンドスタイル間の切り替えを容易にする電子クロスオーバーテクノロジーにより、高インピーダンスと低インピーダンスを簡単に切り替えることができます。 すべての音楽ジャンルでうまく機能する4つのサウンドシグネチャがあります。
- バランス:クラシックなHidizsチューニングで、ほとんどの人のリスニングスタイルに適しています。
- ウォーム:すべての周波数で優れたパフォーマンス、より強い音楽感覚。 フォーク&ポップミュージックに適しています。
- 高音域:顕著な高域/超高域。 ロックや電子音楽に適しています。
- 低音:優れたスピードとタイトなレスポンスでブーストされた低音。 交響曲やクラシック音楽に適しています。
耳元のエレガンス-HIDIZSメタリックアート
手作りのメッキ:レーザーカットと手作業で研磨され、美しい琥珀色の仕上げが施されています。 EUIIA認定の医療グレードの肌にやさしい樹脂で裏打ちされています。 アルミニウム合金CNC統合、ローズゴールドミドルフレーム、セルロイドフェースプレート、およびアルミニウム合金出力ノズル。 Hidizsの業界をリードする金属加工、トレンディなエレガンスを最大限に活用し、出力の純度と安定性を保証して、高調波の共振と歪みを低減します。
より快適な着用
ヘッドホンコネクタは、人間の耳のカーブと人間工学に適した肘のデザインを採用しており、装着体験を最適化します。 ケーブルソケットは、より安定したスムーズなオーディオ伝送のために金メッキされた素材を使用しています。
優れたケーブル
60本の高純度銀線+60本の高純度無酸素銅線を4本の撚り線でしっかりと撚り合わせて見栄えを良くし、音のパフォーマンスを向上させます。 鮮やかでクリーンなサウンドのためのシルバーワイヤー。 滑らかさと穏やかなパフォーマンスを追加するための銅線。
クラシック0.78mm2ピンデザイン
標準の0.78mm2ピン設計は、ケーブルの適合性と互換性を高めるために保持されています。 したがって、同じ仕様の異なるケーブルによって作成された、さらにアップグレードされたサウンドを楽しんだり、より多くのリスニング体験を得ることができます。
パッケージ(8.5)
パッケージは価格の標準を満たしています。シンプルで処分しやすいパッケージです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- キャリングケース
- クリーニングツール
- マニュアル類
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
フェイスプレートは大理石か真珠のように美しいです。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Hidizs MD4はアンプの出力インピーダンスの影響を受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Hidizs MD4は中域の真ん中が凹んだM字型ともいうべきサウンドシグネチャーを持っています。
以下の評価値はBalancedを基本とし、カッコ内にその他のスイッチの評価値を(ウォーム/High/Low)の順で併記します。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:S- (S-/S-/S-)
- 臨場感:B- (B/B-/B-)
- 深さ:B+ (B+/B+/B+)
- 重み:B+ (B+/B+/B+)
- 太さ:A- (A-/A-/A-)
- 存在感:B+ (A-/B+/B+)
Hidizs MD4の低域は一般的に深みに欠けます。どのスイッチの状態でもランブルは不足気味に思うでしょう。重みも一般にやや物足りないと思いますが、太さは十分で力感は豊かです。
さて、Hidizs MD4で低域を重視する場合は、Low設定よりはWarm設定のほうが実際には低域の存在感が高くなるので、Warmが推奨されます。
Warm設定でもエレキベースはやや明るめにじんわりしており、ドラムもやや重みと引き締まりに欠けます。
低域好きには少し膨張的で緩く聞こえやすい低域で、あまり魅力的とは言えないでしょう。
中域(8.0)
- 原音忠実度:A+ (B+/A/A)
- 厚み:A- (A-/A-/A-)
- 明るさ:B+ (B+/B+/A-)
- 硬さ:B+ (B/B/B)
- 存在感:B (B/B/B)
Hidizs MD4の中域はどのスイッチでも中心部で凹んでおり、質感は正確ではありません。
中域を重視して聞きたい場合、BalancedかWarmが推奨されます。Balancedは定位感が正確でよりソリッドで構築感があるモニターライクな音、Lowは温かみがあり、中域に強くスポットライトが当たるような雰囲気で、やや角が丸くぼんやり気味に聞こえる柔らかめの印象になります。
一方で、一般に中域のパフォーマンスが最も期待できるのはBalancedかHighです(前節との違いに混乱している人のために補足します。中域が大きく聞こえることと、中域が正確に聞こえることは別物です)。Balancedは質感で最も正確に近いサウンドが期待でき、Highは定位感で最も優れ、質感の正確性も高めです。
とはいえ、Hidizs MD4自体の中域の構造がそもそもあまり作りが良くなく、歪が高めで直線性にも欠け、付帯音の多い煙ったような音を摺りガラスを通して聴くような個性的な音で、どのスイッチでも音色に透明感がありません。
解像度は割と高いので明瞭感があるため、意外と聴きごたえがありますが、バランスの悪さを考えるとあまり高く評価できません。
高域(7.0)
- 原音忠実度:C (B-/C+/C)
- 艶やかさ:B+ (B/B+/B)
- 鋭さ:B+ (B+/B+/B+)
- 脆さ:C+ (C+/C+/C)
- 荒さ:D (D+/D+/D)
- 繊細さ:D+ (D+/C-/D+)
- 存在感:C (C/C+/C-)
高域はどのスイッチでもそれなりに拡張性があり、高さではそれほど不足を感じません。
高域を重視する場合はHighスイッチが最もディテール感と爽快感がある音を出しますが、その次に高域が優れているのはWarmスイッチです。
LowとBalancedはやや精細感が低めで不足しがちなため、音量や好みにより、BalancedよりWarmのほうが好ましいという人も多いかもしれません。
定位/質感
- 質感の正確性:B+ (C+/B/B-)
- 定位の正確性:C+ (C+/B-/C)
- オーケストラのテクスチャ:C
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
Hidizs MD4をフルオーケストラ向きのイヤホンとしてはほとんどおすすめできません。強いて言えばHighスイッチが一番まともに聞こえます。
雅楽もHighスイッチで聴くのがいいでしょう。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B-
- イメージング:A-
- 高域:A
- 中域:A-
- 低域:B+
低域の深さは物足りず、中域で少し奥行き感が強調され、高域の高さは標準以上です。
クリア感は価格からすると物足りません。
イメージング性能は抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A (A-/A/A-)
- おすすめ度:B-
- 個人的な好み:C
Hidizs MD4のサウンドはかなり個性的で癖が強く、ちょっと人を選ぶ系統のイヤホンです。音楽の心臓部である中域の作りがあまり良くないため、もしかするとKZやTRNの格安マルチドライバーIEMを買った方がまだまともな音がすると感じる場合もあるかもしれません。
たとえば、一般にこの機種の半分程度で買えると思われるTRN VX Proのほうが大抵の人にはまともな音がすると感じられるのではないでしょうか。
同じ価格帯ではAudiosense DT600がライバルとして挙げられるでしょう。こちらも多少癖があるイヤホンであることには変わりありませんが、チューニングはMD4よりかなりまともです。付属のインピーダンスアダプターや市販のアッテネーターを使うことで音が変化するため、MD4と同じように様々なサウンドを楽しめます。
音質的な特徴
美点
- 4種類の多彩なサウンド
- 良好な原音忠実度
- 高解像
- 良好な高域拡張性
欠点
- クリア感に欠ける
- 不正確な質感
- 低域の不足
- 不自然な倍音
- 直線性に欠ける
4種類の多彩なサウンド
良好な原音忠実度
高解像
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Hidizs MD4(Balanced)
- Hidizs MD4(Warm)
- Hidizs MD4(High)
- Hidizs MD4(Low)
総評
Hidizs MD4は価格に見合うパッケージクオリティとビルドクオリティを持ち、スイッチによって4種類の音を切り替えられるのが魅力です。そのサウンドは個性派ですが、解像度だけは高いので、好ましいと感じる人もいるかもしれません。コレクションの中にこういうイヤホンがあってもいいんじゃないでしょうか。
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